各地に伝わる伝承毛鉤釣り

先日、偶然古本屋で見つけた本を元に再現してみました。
地方毎に色んなバリエーションがあって面白いですね。
何か参考にならないかと思っています。

地方毎の古いてんから釣りのタックル


地名 岩手県
北上山地
岳川
山形県
朝日連峰
荒川
栃木県
足尾
渡良瀬川
長野県
奥信濃
雑魚川
愛知県
奥三河
寒狭川
岐阜県
奥美濃
石徹白川
奈良県
奥吉野
十津川
島根県
西中国山地
吉賀川
ターゲット ヤマメ イワナ,ヤマメ イワナ イワナ アマゴ アマゴ,イワナ アマゴ ヤマメ
毛鉤
(再現)
特徴 竿は5.4mと長い
複数の釣り針を使う
クギナガ針 と呼ばれる独特の軸の長い釣り鉤
みの毛を上下2個所にタイイング
タラボ浮きと呼ばれる錘を内蔵した浮きを使用
道糸は馬の尻尾の毛で編んだ糸を2段階に繋いだ
テーパーラインを使用
鉤がかりをよくすると同時に沈めるために
錘を付けた毛鉤を使用
餌釣り同様の釣り方
糸の弛みで釣れたかを判断
銅線をスレッドの変わりに使ってタイイングすることで
重量を付加
瀬や淵を引いて誘う。手感で釣れたかを判断
道糸は馬の尻尾の毛で編んだ糸を使用
錘を使用して毛鉤を沈める
瀬と淵でハリスの長さを変える

道糸は白い馬の尻尾の毛で編んだ糸を使用
みの毛は羽根の逆立つように裏面を上にタイイング
裏巻きと呼ばれる方法
付け根に黒の木綿糸を巻き付けただけの掛鉤を
道糸の先端に付ける。
この木綿糸はハリスを保護する為。
魚が毛鉤を咥えずにターンしてもhanging鉤で引っかける
道糸は馬の尻尾の毛で編んだ糸を3段階に繋いだ
テーパーラインを使用
みの毛は羽根の逆立つように裏面を上にかつ
厚めにタイイング
現代のてんから釣りにもっとも近い。
クジャクを巻きつけた鉤をハリスの先端に付ける
毛鉤は水面に浮かせて使う
魚はむしろ下の掛鉤の方に引っかける。
掛鉤と毛鉤の間に錘
目印は毛鉤の位置を確認するために用いる。
竿は4.2〜4.5mでやや長い
毛鉤はトリプルフックに鳥の羽根の先端を
木綿糸で括り付けただけのシンプルなもの。
道糸の先端にダブルの掛鉤
道糸の中心に目印
この地方の源流部はブッシュが多い
ゆえにブッシュの中に毛鉤を落とす釣りになるので
道糸の長さが釣り竿の長さの半分くらいと短い



参考文献
農山漁村文化協会
鈴野藤夫 著
「山漁 渓流魚と人の自然誌」


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