2016.7.17
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[プチ連載です]
Legacy8080用オプションボードの製作

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葛Z術少年出版様からLegacy8080用のオプションボード製作の依頼を受けました。
そのボードには電流制限素子(ポリスイッチ)をつけることになりました。
そこで…。
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[第11回]


●トランジスタ電流制限回路(8)

前回は2SA1015を2SA1020に交換したところなかなか良好な結果を得たことでちょいと気を良くしたのでしたが、そのあとで念のために出力をショートしたところまさかの400mAも流れてしまうという異常事態になってまいました。
各部の電圧をテスターで測ってみましたがそれだけでは何が起きているのかさっぱりわかりませんでした。

こういうときはオシロスコープの出番です。

信号波形がデータ表示と重なるのを避けるため、CH2(下側)のGNDレベルを通常の2Vラインまで上げました。

前回と同じ出力ショート状態にして、LM358とA1020の出力を見てみました。

CH1(上側)がLM358の出力波形で、CH2(下側)はA1020のコレクタ出力波形です。
CH2はLM358の+入力でもあります。
見事に発振してしまっていました。
これじゃあテスターではわからないはずです。

A1020のコレクタ出力に100μFの電解コンデンサをつけ加えました。

LM358の+入力には10KΩ抵抗をつけました。

発振が止まりました。


出力ショート時の電流が190mAあたりで安定しました。

LM358の出力電圧はやや高めの0.664Vです。

1.2Ωの両端の電圧は227.7mVです。

0.2277/1.2≒0.19(A)
ですから計算通りです。
またこの測定点は、出力ショートしているためA1020のコレクタ出力でもあり、同時にLM358の+入力でもあります。
LM358の出力は+入力の3倍になるはずです。
0.2277×3=0.6831(V)
ですから、上の測定結果0.664Vは計算に大体近い値になっています。

念のためLM358の−入力電圧も測ってみました。

−入力にテスターをつなぐと、それが微妙に影響するらしく、出力電流が少しですが増加しています。
それがまた−入力の電圧値に影響するのでしょうか、本来は+入力と同じ228mVになるべきところが、少し高めの235mVになっています。
しかしその状態はテスターを外せば元に戻りますから、特に問題はないでしょう。

一時はどうなることかと思いましたが、これでやっと一件落着となりそうです。
やれやれ、です。

Legacy8080用オプションボードの製作[第11回]
2016.7.17upload

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