2016.7.20
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[プチ連載です]
Legacy8080用オプションボードの製作

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葛Z術少年出版様からLegacy8080用のオプションボード製作の依頼を受けました。
そのボードには電流制限素子(ポリスイッチ)をつけることになりました。
そこで…。
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[第12回]


●トランジスタ電流制限回路(9)

前回は出力回路に電解コンデンサを追加することで、やっと異常事態が収まり、ほっといたしました。
そこで。
下の写真をご覧ください。

今度はメーターが振り切れてしまっています。
大丈夫か?

フルスケール1Aの電流計に交換しました。

ちょうど500mAほど流れています。
またトラブルか?

安心してください。
トラブルではありません。
実は。
せっかく2SA1015を電流容量の大きい2SA1020に交換したので、もっと大きな電流を流すようにしてみたのです。

電圧検出抵抗を元の4.7Ω4本だったところにさらに1Ωを2本追加しました。
合成抵抗Rの計算です。
1/R=1/4.7×4+1+1
    =4/4.7+2
    =13.4/4.7
なので
R=4.7/13.4
 =0.35(Ω)
になります。

この抵抗に500mA流れていますから抵抗の両端の電圧は
0.35×0.5=0.175(V)
になるはずなのですが…。
上の写真では約0.2Vになっています。
このような小さい値の抵抗を6本も並列にしてそこに大きい電流を流すというようなことをすると、やはり計算通りの値にはならないのかもしれません。

LM358の出力電圧はちょうど0.6Vです。

こちらのほうは0.2Vのちょうど3倍の出力ですから、計算通りです。

ここまで書いてきて、ちょっとまてよ。
あることに気が付きました。
安心ではありませんでした。

こちらは[第8回]でお見せした2SA1020のDatasheetです。


[出典]UNISONIC TECHNOLOGIES CO.,LTD 2SA1020 DATASHEET

コレクタ損失の絶対最大定格は900mWになっています!
わっ!駄目じゃないの!
今回は+5Vのときに出力をショートして、500mA流れていますから、
4.8×0.5=2.4(W)
!!!
[注]出力ショートのときに回路が正しく働いていれば、抵抗の両端の電圧は0.2Vになるはずですから、エミッタコレクタ間の電圧は5−0.2=4.8Vになります。

これはいけません。
トランジスタが焼けてしまいます。

うーん。
残念ですが。
2SA1020にしても、ここはやっぱり200mA以下が限界のようです。
4.8×0.2=0.96W
ですからこれでも少しオーバーします。
4.8×0.18=0.864(W)
ですから、やっぱり180mAぐらいが適当な値のようです。

Legacy8080用オプションボードの製作[第12回]
2016.7.20upload

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