2015.3.15
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第12回]


●12MHz水晶発振回路

今までは4MHzの水晶発振回路を試作してテストしてきたのですが、もっと高い周波数でもちゃんと発振してくれるかどうか確認してみることにしました。
12MHzはND80Z3.5(ND80ZV)で使っている周波数です。
12MHzの水晶発振回路で発振させたあとそれを1/2の6MHzにしてZ80CPUのクロックにしています。
同時にUSBインタフェースに使っているPIC18F14K50のクロックとしても利用しています。
MYCPU80は4MHz水晶発振回路で発振させたあとそれを1/2の2MHzにしてCPUクロックとして使っています。
できればトランジスタ版のMYCPU80では、せめてND80Z3.5(ND80ZV)と同じ6MHzぐらいのCPUクロックで動作させたいと思っています。
そこで12MHzで発振するかどうかを試してみました。
下が試作しました12MHz水晶発振回路です。



4MHzのときの回路([第10回])とほとんど同じですがゲート側のコンデンサは56pFでも安定して発振しました(ドレイン側は270pFが必要なことは4MHzと同じです)。
4MHzのときは次段のインバータ回路のゲート入力抵抗は100Ωにしないと発振が止まってしまいましたが、12MHz回路では10Ωにしても発振に影響はありませんでした。

下はジャノ目基板に組んだ試作回路です。


こちらは12MHz発振回路の出力と次段インバータ回路の出力波形です。

上側(CH1)が発振回路の出力で、下側(CH2)は次段インバータの出力です。
このレンジでははっきりは読み取れませんが入力から出力までの遅延時間は大体10nsぐらいに見えます。
74HCU04の遅延時間は5nsですからその2倍の遅延時間ということになりますが、ディスクリート回路としてはまずまずといったところでしょう。

電流を測ってみました。
発振回路+次段インバータ回路の電流です。

4MHzのときの約3倍です。
4MHzのときに約10mAだったものが、12MHzの同じ回路では約30mAということは計算は合っています。
これだけ流れている回路でも発振を止めると0mAになります。

[第10回]でも書きましたがCMOS回路は停止している状態ではほとんど電流は流れません。
しかしMHzを越えるような高い周波数で動作させると、ON/OFFのスイッチのたびに流れる電流が無視できなくなります。
もっとも74HCU04での発振回路に比べると、その5〜6倍は多く流れています。
基本的には74HCU04のCMOS回路と同じ回路なのですが、ディスクリート回路でICと同じ性能にすることは困難です。
2N7000とBS250の組み合わせは、2N7000とBSS84との組み合わせよりはマシですが、2N7000とBS250の組み合わせでも理想的なコンプリメンタリとはいささか隔たりがあります。
しかしディスクリートの小信号型MOSFETの供給が細っている現在(ことにTO−92型の供給は絶望的です)、なんとか入手できているこの組み合わせでいくしかありません。

まあ、本当のところはやってみなければわからないのですけれど、[第10回]にも書きました通り、トランジスタ版MYCPU回路が数千個のトランジスタで構成されることになったとしましても、その全てが4MHzや12MHzで動くわけではありません。
ほとんどのトランジスタはHかLで静止しているはずですから、消費電流についてはなんとかなるのではと思っています。

トランジスタでCPUをつくろう![第12回]
2015.3.15upload

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