2019.10.9
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第167回]



●バイナリカウンタ回路(3)

前回からの続きです。
バイナリカウンタ回路で入力クロックに対して出力の遅延がわずか20nsという結果を得て、
トランジスタ回路でこれだけの速度が得られれば、優秀でありましょう、
なんて自画自賛して喜んでおりましたら、とんでもない見落としがありました。

実はそれまでのところでは入力クロックとQ出力のみに注目していて、Q_出力は確認もしていませんでした。
Q出力がOKなのだからQ_出力だって問題はないはず。
まあでも念のために確認をしておきましょう。
ということで、念のために確認をしてみましたら、問題がないどころか、おおあり名古屋のこんこんちき、でありました(当地名古屋ではこのように申します)。

ぬぁんじゃこりゃあ?

上側(CH1)がQ出力で、下側(CH2)がQ_出力です。

これはしかし悩むほどのことではなくて、やっぱりあそこか、とすぐに心当たりのところが思い浮かびました。
下は[第165回]でお見せした回路図です。

原因はR15の10KΩでした。
抵抗値が大きいため、T9、T10のスピードアップコンデンサが利かないことが原因ではないかと思います。
そこでR15をショートしてみたところ下のようになりました。


上側(CH1)がQ出力で、下側(CH2)がQ_出力です。
これなら全く問題なし、です。
むしろQ_出力のほうが立上がり、立下りがシャープです。

時間軸を拡大してみました。

これなら本当に問題はありませんでしょう。

ところで、こういうことになりますと、さきほどの回路図で、それならR14の10KΩは大丈夫なのか、ということが少し気になります。
しかしこちらはこれで大丈夫のようです。
R14はT1、T2がONになったときにその出力が一瞬ですがT9、T10の出力とショートするのを避けるために入れたものです。
T7、T8に対してはR15と同じように働きますが、このQ出力回路ではT1、T2の出力が先にローインピーダンスで働くため、R14経由の信号は後から遅れて利いてきても問題ないと考えられます。

さて、しかし、悩んでしまったのは、この後の始末です。
R15も必要があって入れたものです。
回路図を見るとR15の先にはダイオードがあって、CLR_信号につながっています。
各命令の実行後にはCPUクロックをリセットしなければならないので、そのためのCLR_信号です。
もしR15がないと、これも一瞬ですがT7出力とCLR_信号がショートしてしまいます。

R15をショートしても、CLR_さえなければノープロブレムなのですが、CLR_を無視するわけにはいきません。
そういうことになりますと。
またしても、回路を工夫して、そこをなんとかしなければなりませぬ。
やれやれ、であります。

次回に続きます。

トランジスタでCPUをつくろう![第167回]
2019.10.9upload

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