2015.4.12
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トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第36回]


●オープンドレインNAND回路(3)

今回も前回からの続きです。
前回の終わりのところで波形の画像を何枚かお見せしました。
しかしあらためて見直してみますとそれではちょっとわかりにくくて、説明をするにもちょっとつらいように思いましたので、あらためてもう一度波形を撮影しなおしました。

回路についてなのですが、前回の説明ではオープンドレインNAND回路の2つの入力に異なる周波数のパルスを与えて、その出力を見ました。
しかしそれでは内容が複雑になって、問題の原因を追求するには適当ではありません。
そこで2つの入力には同じ波形を与えました。
そのようにすると実際にはオープンドレインNOT回路と同じになって、さらに入力コンデンサの値が倍の44pFになったのと同じであると考えることができます。
波形を見るには22pFよりも44pFのほうが分かりやすいのではと考えました。

まず最初に前回にもお見せした回路図を見ておいてください。

2つの入力に同じ波形(1MHzの方形波)を入れて、出力波形などを見ます。

まず最初は出力波形を見てみます。

出力(下側、CH2)に負荷抵抗としてRL=1KΩをつけてみたときの波形です。

出力がHの期間は2SA1015がONになっているときのはずですから、単純に上の回路図から考えると、2SA1015のエミッタベース電流でコンデンサ(今回は22pF+22pF=44pF)を充電する時間だと考えられます。
しかしそれは前回もちょっと書きましたように、44pFの充電時間としては余りに長すぎます。
A1015のベースのON抵抗がどのくらいなのかわかりませんがせいぜい数Ω程度だと思われます。
たとえばそれが10Ωだとすると、10×44=440、つまり0.44nsで約60%の充電が完了してしまいます。
上の写真ではA1015のON時間は200ns近いように見えますから、どう考えてもこれはコンデンサの充電時間ではなさそうです。

それについてはちょっと置いておくことにしまして、参考までに上の回路の片方にだけパルスを入力したときの出力パルスを写真に撮りましたのでお見せします。

入力の片方だけにパルスを入れましたからコンデンサは22pFです。
うーん。
なんだか半分よりももっと短いように見えますねえ。

比較しやすいように時間軸を拡大しました。

44pFの場合H出力の期間は150nsほどです。

こちらは22pFです。

ちょっと微妙ですがH出力の期間は60nsほどでしょうか。
やはりH出力の期間は単純にコンデンサ容量に比例しているとは言えないようです。

今度は2SA1015のベース端子のところの波形を見てみます。

これは入力コンデンサが44pF、2SA1015のベースのプルアップ抵抗が1KΩのときの波形です。

この波形を見るとおかしなところがあることに気が付きます。
画面のちょうど中央のところで、入力がHからLに変化して、そこで44pFコンデンサが充電されます。
上のほうで書きましたようにその充電時間は非常にわずかなはずなので、オシロでは小さな切れ込み程度にしか見えません。
おかしいのはその後ろのところです。
200ns近い間(ちょうどH出力の期間と一致しているように見えます)フラットな部分が続きます。
さてこれはなぜでしょう?
そしてそのあとゆるいカーブをえがいて電圧が上昇してやがてほぼ水平になっています。

このときの電圧の変化をもう少しわかりやすくするために垂直軸を拡大しました。

ちょっと垂直軸にずれがありますが、画面中央から約200nsのフラットなところは4.5V位です。
それからゆるやかにカーブをえがいて電圧が上昇してほぼ水平になったところが+5Vです。

画面左半分にも同じ期間の波形があります。
そこのところを時間軸を拡大してみました。

なんだか細かく振動しているようです。
PNPトランジスタのベースのところにこんな現象が現れるとは、なかなかに興味深いものがあります。

もう少し先まで書くつもりだったのですが、本日も時間がなくなってしまいました。
説明の途中ですが、今回はここまでといたします。
この続きは次回に書くことにいたします。

トランジスタでCPUをつくろう![第36回]
2015.4.12upload

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