読書メモ

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テトの読書メモ φ(.. )
読んで面白かったものでもここに全部を載せるのは大変なので
また追々、ちょっとづつまとめたいと思ってます。

タイトル	著者出版社発行価格	解説＆感想メモ
NEW! 「きんぴか」	浅田次郎／著光文社 1996年2月	まぼろしの名作「きんぴか」三部作ノーカット完全収録。悪漢小説の金字塔。 Story 刑務所に服役している奇妙な３人の男を定年間近の凄腕デカ権さんが引き取り、バブルの置き土産のような豪華マンションをアジトにこの世の不条理を痛快に吹き飛ばすギャグ満載コメディ。ただのドタバタで終わりはしない、笑いながらもハラハラドキドキ、面白い。ひさしぶりに腹を抱えて笑った本。なんだかわからないが元気がでる本。
NEW! 「黄金の島」	真保裕一／著講談社 2001年5月 2,000円	圧倒的迫力のアジアン・ノワール巨編、ついに刊行。 Story 貧困にあえぎながら必死で生活するシクロ乗りの少年グループと身の危険があってベトナムへと逃亡してきた日本人のやくざが、出会う。「日本にさえ行ければなんとかなる」と密入国できる船を手に入れようとする少年、「黄金の島など幻想に過ぎない」とわかっているヤクザ。狡猾なベトナム少年達の底力、日本人の甘さ、暢気さを抉るように書きすすめる当たりは「P・I・P」(プリズナーインプノンペン)と似ている。違うのはこちらは苦い後味が残る。だがベトナムの逞しさには触発されるパワーがある。
夜	Elie Wiesel 訳：村上光彦みすず書房 1967年初版 1995年新装第２刷 1957円	Storyこれは１５才の少年が体験したアウシュビッツの話。東欧の片田舎、ナチスのユダヤ人狩りなど思いもよらないのどかで平和な町に、悲劇が襲いかかり、一夜にして地獄と化し、少年の中で神が死んだ。淡々とした語り口で読者を引き付け、戦慄させる。文章の美しさと静けさが恐怖と絶望の淵から、心を覗いている。何度となく繰り返し読んでしまう救われない地獄の話 .......。この本に出会った時、手にとったとたん体が凍り付く思いがした、買わなかったら夢に見た。もう一度古本屋で探して、今度は迷わず買って一気に読んだ。『この並外れた書物が私の心を捉えて放さなかったのは、すべての結果のうちでも最悪のもの....すなわち、一挙に絶対的な悪を発見したこの幼い魂の中で神が死んだ、ということなのである』（F・モーリャック） 1996年ユダヤ人図書賞、1986年ノーベル平和賞受賞その他の著書　　「夜明け」1971／「幸運の町」1973 「昼」1972 （カザンザキ／アレクシス・ゾルバより、"人間の心は血で満ちた墓穴である"）以上みすず書房「死者の歌」1970「コルう"ィラーグの誓い」 1976「沈黙のユダヤ人」1978 　以上白水社
壬生義士伝	浅田次郎文芸春秋 2000年上1524円	Story幕末維新の世に、新選組吉村貫一郎の生涯を綴った超大作。幕末の志士、新選組、痩せた安刀を名刀に変える非情の剣客と剣を握れば恐れられ、銭を遠く離れた家族に送る姿は守銭奴と蔑まれ、ボロを纏って忌み嫌われ、子供達には剣よりも学問だと暖かい眼差しを注ぐ吉村さん。巡り会った人に暖かいものを残してくれる不器用な剣士。誰もが直視したくない現実の矛盾に立ち向かう孤高の侍、痛々しくてたまらなくなる。吉村さんは凄まじい。なにもそこまでしなくてもと思ってしまう、だが吉村さんをそうさせたものはなんなのか、読めばわかる。以下、雪空に響き渡った吉村貫一郎の大音声より抜粋--- 『新しき世をば作るのものは錦の御旗でも葵の御文でもござらぬ。わしら草莽より出でたる者が、鳥羽伏見の雪空に立ち上げた誠一字の旗ではござらぬか。ひとりひとり、いかんともしがたい難い時代の業をは背負って新選組の隊士たちはあの旗をたちあげたのす。石おば割って咲かんとする花をなにゆえ仇となさるのか。北風に向かって咲かんとする花をなにゆえ不実と申さるるのか。それともおのれらは、貧と賤を悪と呼ばわるか、富と貴は善と唱えなさるのか。ならばわしは、矜り高き貧と賤とのために戦い申す、断じて一歩も退き申さぬ。』
亡国のイージス	福井晴敏／著講談社 1999年8月 2,300円	Story国防の矛盾を抱える日本を震撼させる、北朝鮮テロリスト、ハードボイルド小説。自衛隊、いそかせ艦艇を舞台にホ・ヨンファ（北朝鮮テログループリーダー）の逞しさと狡猾さに舌をまき、特殊工作員と仙石さんの孤独な戦い、手に汗握った。ダイスの酷いやり口もさる事ながら、もっと上を行く米軍の裏工作の無線、ぞっとした。悪寒が走るとはこの事だ。腸煮えくり返るような陰謀、あながちフィクションとも思えなかった。こういう本を読むたび思うのは、政府にとって国民はこんなにも愚鈍に映る存在なんだろうか...なにひとつ真実を知らせず、騙し騙し、問題は談合で揉み消すやり口は、昔から脈々と受け継がれてきた悪僻以外の何モノでもないような気がして、「庶民をなめんなよ」とでも言ってやりたくなる。
消えた少年たち	オースン・スコット・ガード小尾芙佐訳早川書房 1997年 2600円	Storyミステリーホラー小説。子育てに真剣なモルモン教の両親、かなり賢く良心的で、ジョークも軽快に飛ばし、心優しく行い正しい夫妻が３人の子供をつれて引っ越した先はアメリカ南部の町。忽然と少年が消えてしまう......行方不明事件がぽつぽつと起きていた。長男スティーヴィは繊細で心優しく正直で利発な子、８歳。小学２年生。新しい学校で辛い目に遇い深く傷付き孤独癖がひどくなる。親には見えない子供達といつも遊んでいる。父親ステップは歴史学者で優秀なゲームプログラマー。新しく就職したコンピューター会社で上司に冷遇され、私生活ではモルモン教の教えをねじ曲げて神憑かりな事を口走る青年や、へんてこなおつげを人に囁く不気味な迷惑おばさん、子供を虐待する女教師、ロリコンっぽい仕事仲間のプログラマーなどなどに頭を悩まされる。妖しげな人間関係の中で、精一杯マトモであろうとするモルモン教の夫妻。しかし、彼等の大事な長男スティーヴィは引っ越した家でどんどん孤独になりいつも一人で遊んでいる、見えない子供達と一緒に......。クライマックスまで一気読みで４日間、予想外の結末に読了後かなりのショックを受けてしまいました。張り裂けそうなくらい悲しい話、涙が出そうで出ない、泣きそうと言うより吐きそうと言ったほうがずっと近いかもしれない。こんなに恐ろしい話だったとは、最後まで読まないとわからない、ほんとに怖かった。でも、モルモン教の両親と子供達の愛情がたくさん詰まってて、せつないほど胸に迫る。世界で一番寂しくて悲しいクリスマスが書かれているかも。少年スティーヴィの勇気と知恵と思いやりはずっと心に残るからそれがこの作品のもっとも怖いところでは無いかと思った。この本を読んだ人はこの本の事をけして忘れられない、深い哀しみの楔が打ち込まれるような作品。訳をしてるのは「アルジャーノンに花束を」の小尾芙佐さん。
神様がくれた指	佐藤　多佳子新潮社 2000年 1700円	Story スリルいっぱいのスリの話。スリにも老舗のれんのような伝統があったらしい（知らなかった....）それを引き継ぐ弟子が日本に３人だけいた（らしい）でも一人はハルに駅のホームから突き飛ばされ電車の事故で大事な腕をなくしてしまった。もう一人は一匹狼の青年マッキー（出所したばかり）そして謎の少年ハル、いまどきの渋谷の少年ギャングのリーダー的存在。マッキーはスリのプライドをかけて、少年スリグループを追いかける。が...武闘派の少年に返り打ち、ボコボコにされて伸びてるところを占い師のマルチェラさんが助ける。占い師のマルチェラさんは女の格好で街占してるがれっきとした青年（でも華奢で背が低く女より綺麗だったりする）マルチェラさんはギャンブルで借金を重ねており、マッキーは恩返しに新幹線で長距離のスリをやってお金を稼いでくる、そしてなぜだか同居が始まる。後半、ハラハラどきどき、こんなにおもしろいスリの話初めて！映画化されたらさぞや面白いだろうな－。スリのマッキーの鮮やかな指さばきはまさに神業ですごくどきどきするし、面白かった。（不謹慎？）マッキーのことが大好きな「喘息の咲ちゃん」は、すごいキャラクター肝心なシーンで信じられない事をやらかした！呆れるやらおかしいやら、さすがはスリの神様（じっちゃん）の孫だなと感心した。とても読みやすくて面白かった。下町情緒あふれる東京スリ物語、ちょっとだけ泣け本。
肩甲骨は翼のなごり	訳山田順子　東京創元社 2000年 1450円	Story少年は骨と皮だけのよれよれの、死にかけてる天使を見つけた。引っ越した家のガレージ、悪臭プンプンのホームレスみたいな男がうずくまっていて、その男のボロボロのコートの背中に触れるとなんだか羽のようなものが折り畳まれていた..... 彼は「アスピリン持ってるか」と聞く... 動くものはなんでも食べる、ゴキブリもネズミもなんでも食べる。ほんとにこれが天使....？彼は中華の出前が大好きらしく、少年が持って行くと「見かけほど馬鹿じゃ無いんだな」と天使は言うがにこりともしない。今の学校は子供が行くとだめになると考える親に育てられたおませで利発な不登校少女が少年と出会い、無愛想な天使に魅せられる。自分で手足を動かす事も出来ず、床に転がっていた天使を支えて、歩かせる、もっと安全な場所へ...誰にも邪魔されない隠れ家へ.... 立ち上がった天使はすごく背が高い... 「あなた綺麗....」と少女は天使に言う....。痩せ細ってヨレヨレの天使をなんとかして救いたいという２人の背中にも、やがて羽が..... 幻想的でせつなくて悲しくて力強い。イギリス児童文学でカーネギー賞とウィットブレット賞を受賞した作品です。ウィリアム・ブレイクの詩が引用されているが、「ブレイク詩集」土居蜜光知訳　平凡社「ブレイク詩集」寿岳文章訳がある
飛べ麒麟	辻原　登読売新聞社 1998年 1905円	Story時は平城京、遣唐使が唐ヘ登る、唐には日本人阿倍仲麿呂、唐名は朝衡（チョウコウ）が政治の中央長安の大帝国秘書監、衛尉卿である。そしてこの度日本からやって来た超美形の剣士、藤原真幸（ふじわらまさき）は唐の洛陽でこれまた美少年と知り合う、洛陽一の秀才、季春（りしゅん）だ。そして謎の美人刺客の小秋（しょうしゅう）の存在が妖しく光る。朝衡は真幸を息子のように大事にする。明るい真幸はとにかく人に好かれ新羅の王子や剣士が友となる。最初は若々しく楽しげな世界だが、だんだんと戦乱の世へと舞台が変わっていく。楊貴妃に溺れて政治に疎くなった老齢の玄武皇帝、私服を肥やし権力を一手に握うとする楊国忠（ヨウコクチュウ）、極悪の殺人集団紫禁隊隊長の袁木（エンモク）、やがて唐を血の海にする、混血の大男、安禄山（アンロクザン）朝衡（チョウコウ）の想い人、李茉莉（リマリ）…感想を描くどころか、登場人物を並べて終わりそうだ…。感想…壮大な歴史物。朝衡と李茉莉、藤原真幸らが出て来るとわくわく心が踊る、すごくかっこいいのだ。小秋のはかない恋と袁木による目を覆いたくなるような拷問…この本を読むと心が奈良から中国へと飛んでペルシャ人やベトナム人、新羅人とともに、外国人の目で唐を見る、その視点が面白いと思った。朝衡と藤原真幸を思わず応援してしまう、彼等の喜びや哀しみが読み手に伝わるのだ。面白かった。処刑の後、貴族の腹をかき出し人肉を喰らって狂乱した庶民にはまいった。
アンジェラの灰	フランク・マコート土屋政雄訳新潮社 2000年 2900円	Storyアメリカからアイルランドにわたった少年フランク・マコートとその家族の回想録。時代は1930～４０年代第２次世界大戦（1939～1945）のさなか、貧困と死別、悲劇が容赦なくマラキ一家に襲いかかる、シャノン河の湿気と雨で年中濡れそぼってた家族、スラムに病気が蔓延し、汚水の匂いにまみれ、ジャムの空き瓶で紅茶を飲む家族、アル中で失業中のもとIRA戦闘員マラキ父さん、その妻アンジェラと子供達がめちゃめちゃ苦労している、なのにユーモア溢れ、底力のある少年マコートのがんばりに心が踊る、たまらなく面白いのだ。この本は私の宝物だ、大好きである。しばらく本が読めなくなるくらいこの本に魅了された。というより、フランク達の逞しさに打ちのめされた。続編『TIS』フランク・マコート　土屋政雄訳　2000末に出版予定映画『ANGELA'S ASHES』ロバート・カーライル主演で映画化。映画も観に行って来た、素晴らしかった。今年のマイベストシネマ１位！惜しみ無くこの映画に捧げたい。
陰陽寮　壱	冨樫　倫太郎	Story安倍晴明と弟子寿宝、謎の民族クルスと気骨な孤児盗賊団の平安怪奇伝説, へっぽこ蘆屋道満の親戚にとんでもない極悪人の化け物が登場し安倍清明に挑む。我らが清明様がそんなに簡単にやられるわけない！だがクルスの民兵呂須とモナミが極悪人巨勢輔氏の魔の手に！！「許せん輔氏！」はらはらドキドキの怪奇小説。
陰陽寮　弐	冨樫　倫太郎	Story何と安倍清明が箱に封印されてしまった！どうする寿宝！邪心「亜弊火武意」と安倍晴明の命がけの死闘。苦労が絶えない少女杏奈、哀れな鈴虫の悲恋が引き金になり怒濤の渦に飲み込まる平安伝奇、増々目が離せない。
陰陽寮　参	冨樫　倫太郎	Storyクルスの秘薬を飲んだ腹黒い極悪人巨勢輔氏の狂気殺戮、平安を脅かす謎の人喰団、人語を解する白い狼、そして呪われた民クルスの謎、舞台はローマまで飛ぶ、壮大なスケール、怖すぎる！箱に捕われた安倍清明を助けるにはどうすればいいのか、その答えを求めて寿宝も戦う！話が広がって深い迷宮に入ったようだ、
陰陽寮　四	冨樫　倫太郎	Story「晴明復活篇」迷宮から這い上がれ！
陰陽寮　五	冨樫　倫太郎	Story「晴明復活篇」長篇ここに極まる！晴明様、お待ちしていました！
雄呂血	冨樫　倫太郎光文社 2000年 1429円	Story平安怪奇伝説、保元の乱、謎の民族の末裔「雄呂血」の悲しい宿命。平　清盛、源　為朝、時をこえる武将綱と金時、様々に交錯しながら戦乱の世へと向かっていく。一族の悲願を背負う少年雄呂血、秘宝天日鉾と竜眼石は誰の手に！？これも長編伝説だったが、２日で読了。
修羅のアシオト	冨樫　倫太郎学研歴史群像書店 1998年	Story安倍晴明の魂を引き継ぐという噂の陰陽師「安倍康成」が登場、鳥羽上皇に仕える源義康の悲しく酷い過去、老いて尚、法皇の座にしがみつく白河法皇の陰謀、高僧遥海が地獄で救い出した極悪人「酒天童子」と釈迦の護神、帝釈天の宿敵阿修羅の手先、金毛九尾の狐との戦い、平安を舞台にまたまた狼男坂田金時と渡辺綱（雄呂血）の名コンビが活躍する。「雄呂血」の前に読んだら時代が繋がる。すごく面白くで怖い歴史怪奇小説。あっという間に読了。
魔術修業（陰陽寮外伝）	冨樫　倫太郎徳間書店 2000年	積読、準備中安倍晴明と弟子寿宝の謎の見当がつくらしい
花園の鬼（陰陽寮外伝）	冨樫　倫太郎春陽堂書店　 2000年	積読、準備中安倍晴明と弟子寿宝の謎がほのめかされでいる
尻啖え孫市	司馬　遼太郎講談社 1964年 1100円	織田信長に一泡吹かせた戦国武将、あっぱれ孫市の歴史小説。紀州鉄砲隊の大将孫市は自由を愛するすごくいい男だった。秀吉との交友もおもしろく読みごたえのある戦国物語。
刑務所の王	井口　俊英文芸春愁　 2000年 1905円	Storyアメリカでもっとも有名な囚人ジョージ・ハープの半生をもと銀行員の日本人が綴る、侠気のある世界、仁義なき戦いアメリカ編、気骨で自尊心の強いジョージの壮絶な半生、怖いけど面白い。陪審員の『刑務所は犯罪人を矯正するところじゃなかったのですか？』の問いにハープは『泥の付いたシャツを泥水で洗ってきれいになりますか？』と答えた。ハープの信条は『What doesn't kill you will make you stronger』（どんな辛いことでも死にさえしなければ、それは後の人生の糧になる）
コールドマウンテン	チャールズ・フレイジャー新潮社 2000年 2800円	積読、準備中
あなたが最後に父親と会ったのは	ブレイク・モリソン新潮社 2000年 2200円	積読、準備中頑固ジジイの父さんに全英が泣いたらしい…
ホワイトアウト	真保　祐一新潮文庫 1998年 781円	Story日本最大のダムがテロリストに占拠され、人質と下流域住民を人質に５０億の身代金を要求、たった一人でテロに立ち向かったダム運転員、冨樫輝雄、厳寒の中の死闘を描いた作品。
アナン	飯田譲治　梓　河人角川書店上1800円下2100円	Story自殺願望のホームレス流が死のうとした日、偶然ごみ捨て場で拾った赤ん坊アナン。ホームレス達が子育てをするがやがて限界に…。流れは旅立つ。不思議な力をもつ美しいアナン、美しい青竜が見えるような作品。すごく泣けた。
屍鬼	小野不由美新潮社上2000円下2500円	Story外場村の村人をひたひたと襲う屍鬼の恐怖。だが本当に恐ろしいのは屍鬼なのか？正義の盾を振りかざす狂気の人間なのか、僧侶静信と医師尾崎のコントラストも面白く分厚いけど読みごたえ充分な作品
十二国記月の影　影の海	小野不由美講談社x文庫 1992年上下各530円	Story高校生陽子と麒麟景麒の出会いと虚海を渡ってからの陽子の壮絶な死闘と冒険、半獣ネズミの楽俊、延国の王尚隆と麒麟延麒の六太との出会いなと下巻から一気に盛り上がる。
風の海　迷宮の岸	小野不由美講談社x文庫 1993年上440 円	Story秦国の麒麟、秦麒はまだ少年だった、王を選ばなければならない宿命を持つ麒麟、天の声は聞こえないがある人物が好きでたまらない。その人が王であればと願う秦麒の苦悩、そして…。
魔性の子	小野不由美	Story神隠しにあった高里君、魔性の子と忌み嫌われる。麒麟を求めて幼魔や王が虚海をこえる！壮絶な死闘を描く作品「風の海　迷宮の岸」とワンセット！秦麒の苦悩と宿命、人の世界では生きられない運命を背負う高里の謎が解きあかされる。
東の海神　西の滄海	小野不由美講談社x文庫 1994年 610円	Story延国の王、尚隆と麒麟延麒の六太、廃虚の国を再建するが、意外な運命が待っていた！尚隆の侠気といい加減さが絶妙で面白い。
風の万里　黎明の空	小野不由美講談社x文庫 1994年上下650円	Story慶国王、苦悩する陽子、芳国、父母を目の前で惨殺された祥瓊、才国、貧しく苦業を強いられる鈴、希望を求めて旅立つ３人の少女の話。とても面白かった。
図南の翼	小野不由美講談社x文庫 1996年 660円	Story乱世の恭国には幼魔が徘徊し荒んでいた、球晶１２歳、王になるべく篷山を目指す、王になれるのか？球晶…。切ないほど真直ぐな少女の一途な思い、読みごたえのあるすばらしい作品！
始祖鳥記	飯島和一小学館 2000年 1700円	Story腐侍と鈍幕府の圧政によって貧困と飢餓に苦しむ町民達は空飛ぶ幸吉を見て鵺だと勘違い、世直しをしてくれると誤解する。幸吉は空飛ぶ救世主に祭り上げられてしまった。噂は噂を呼び、やがて幕府転覆を謀る悪人として牢に…。ただ渡り鳥のように自由に飛びたかった、幸吉の一生を江戸にはびこる理不尽な塩問題とともに鋭く描いた作品でした。
ラザロの子	ロバート・モーソン那波かおり訳角川書店 2000年 2500円	Story幼い妹が通学路で交通事故に遭って、それを一部始終見ていた兄、少年はショックで髪が真っ白になり、自分を責めて精神にも異常をきたす。小学校にも行かなくなり、どんどん殻に閉じこもる。妹は生命維持装置をつけらたまま、昏睡状態…。１年が過ぎ、夫婦はアメリカの女性医師が昏睡状態から青年を救い出した話を耳にする、イギリスからアメリカへ、様々な葛藤を乗り越えて舞台が移って行く。
さゆり	アーサー・ゴールデン小川高義訳文藝春秋 2000年上下各1524円	Story貧しい漁村から売られる幼い姉妹、姉は女郎屋に妹は花柳買界に。厳しい修行と執拗な苛めに耐えながら、さゆりは持ち前の美貌と知性でめきめきと頭角を表していく。会長さんへのせつない恋心を抱きながら過酷な運命へと翻弄される、おもわずさゆりを応援したくなる、上質の花柳小説。面白い。
アンドリュー　NDR114	アイザック・アシモフ＆ロバート・シルヴァーバーグ中村　融訳　東京創元社創元SF文庫 2000年 700円	Storロボットと人間の違いはなんだろう、万能の天才ロボット「アンドリュー　NDR114」彼の孤独と家族の触れあい、そして人となるために彼が決断した事とは…。せつなくほろっとくるお話。
嗤う伊右衛門	京極　夏彦中央公論社 1997年 1900 円	怖くない怪談が読みたかった。この話はせつないが面白い。
陰陽師	夢枕　獏文春文庫 1991年 476円	Stor長身、色白、目もと涼しげな秀麗の美男子、陰陽師安倍晴明の話。よき漢、源博雅との名コンビ、「ゆこう」「ゆこう」「そういうことになった」のリズムが最高、「白比丘尼」素敵。
陰陽師飛天の巻	夢枕　獏文春文庫 1998年 448円	Stor天の邪鬼、下衆法師、蛇羅尼山、露と答へて、鬼小町、その他。陰陽師安倍晴明とよき漢、源博雅の掛け合いがたまらなく面白い。
陰陽師付喪神の巻	夢枕　獏文芸春愁 1997年 1238円	Stor瓜仙人、鉄輪、這う鬼。迷神、ものや思うと、打臥の巫女、血吸い女房等。
陰陽師生成姫	夢枕　獏	読了済み、準備中
上弦の月を喰べる獅子	夢枕　獏早川書房 1989年上660円下680円	Stor螺旋蒐集家と岩手の詩人（宮澤堅治）二人の魂がアシュビンとなり果てしなく高い山を登る。「人は幸福になれるのですか？野に咲く花は幸せであろうか？」問いに答えた時、何が起こるのか…？
雨晴れて月は朦朧の夜	夢枕　獏波書房 1996年 1500円	Stor怖い話短編集「鳥葬の山」は圧巻、言葉にならない凄さ。この本は怖くて妖艶で素晴らしい。「骨董屋」「1/60の女」などぞっとする話が背筋を凍らせるが、面白い。
キマイラ	夢枕　獏	Stor読み出すとはまってしまう長編格闘＆怪奇超大作。秀麗の大鳳は変異を感じ山で修行をする、謎の男龍王院弘、九十九三蔵と師匠のじっちゃんがすごくいい味を出している、このシリーズ全部読破したい。
しびとの剣	菊池　秀行祥伝社 1999年 800円	Stor麗の美男子「紫靡人」は陰謀によって滅びるが謎の復活を遂げ、恋しい百合と時空を超えて再会、今後の「紫靡人」に期待が膨らむ。
創竜伝	田中　芳樹講談社 1985年 680円	Stor書き下ろし長編伝奇。竜堂家四兄弟。始、続、終、余、とにかく強い。凄まじい超能力を秘めているこの4兄弟に迫る魔の手、覚醒した末弟余。秘められた竜の力が炸裂する。
アルジャーノンに花束を	ダニエル・キイス早川書房 1999年 760円	Stor３２歳のパン屋のチャーリーは知覚傷害で幼児の知能しかなかった。そんな彼が手術を受けて賢くなるが賢くなるにつれて様々な苦悩が彼を打ちのめす、そんな中、彼はアリス・キニアンを愛してゆく。実験のネズミアルジャーノの異変がチャーリーに悲しい未来を予感させる。だんだん知力が衰えはじめるチャーリー。人間の尊厳と苦悩をせつなく描いた名作。WOWOWで放送されたマシュー・モディン主演の映画も最高だった

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