2011年の読書日記

書名・作者・出版社 内容・感想など ☆いくつ?
イタリア・奇跡と神秘の旅
 坂東眞砂子著
 角川書店
一月九日
 普通の旅行記かなと思って図書館で適当に借りてみたら、大変あやしい旅行記でした。ああそういえばこの人はホラーの作家さんだったわ…。魔女や鞭打ち苦行者や異端審問に興味のある人には面白く読めるかもしれませんが、普通の旅行記かと思って読んだらこれだったかという…新年早々なんだかあたりをひいたか大ハズレだったのかよく分からない本にあたってしまいました。
渡の足跡
 梨木香歩著
一月十三日
 渡り鳥についてのエッセイなのですが、この人の書く文章はきれいすぎてぴりぴりします。
 純粋すぎて私にはまるで嫌味のようにすら感じられて、全部読めない本も何冊かあったのですが、今回は読めました。渡りをする鳥というのは美しく不思議な存在だと思うので、テーマと文章があっていたのかな。
後巷説百物語
 京極夏彦作
 角川書店
一月二十七日
 このシリーズは色々出ていますが、どれを読んでいてどれを読んでいないのか分からなくなってしまいました。この本も図書館で見つけて「これは読んでなかったなーー」と思って借りたらば、なんだか前に読んだことがあるような気がする、というか絶対読んでます。でもおもしろくって全部読んでしまったけれど。
 ここまでややこしくなったのは、多分映像作品で見ているから(残念ながら全部じゃありませんが)だと思います。なんかこう、おかしな言い方ではありますが「記憶の邪魔」というか…、映像は映像でよかったんだけれど、余計な記憶がついてしまった…。
ひとりぐらしも五年め
 たかぎなおこ著
 メディアファクトリー
一月某日
 五年目では、まだ最初のアパートに住んでいるようです。一人暮らしで三重県の中部(?)出身のイラストレーターのイラストエッセイです。
 五年目でまだホームシックかよ!とちょっと驚きましたが、ちゃんと自炊しているところがなかなかに素敵。ささやかでも生活を楽しむことは大切なことだと思います。
イラストエッセイ・マンガ美術館スポットガイド
 進藤やす子著
 技術評論社
一月某日
 日本各地にあるマンガ美術館をイラストエッセイでレポートしている本。メジャーなものから「こんなのあったの!」というものまでいろいろ載っています。
 私的に行ってみたいのが倉敷の「いがらしゆみこ美術館」と福島の「リカちゃんキャッスル」、そして大メジャーなところで「三鷹の森ジブリ美術館」、とっても少女漫画な趣味が出ますな。
ダヤン、クラヤミの国へ
 池田あきこ
 ほるぷ出版
一月二十九日
 しまった、うっかりシリーズの途中をとばして読んでしまいました。
ゴーストハント2・人形の檻
 小野不由美作
 メディアファクトリー
二月一日
 忍者の里のさほど大きくない本屋にもこの本はちゃんとはいってました。ティーンズハート文庫の時のタイトルは「悪霊がホントにいっぱい!」だったので隔世の感があります。
 でもそんなお気軽ポップなタイトルの時もこの話は十分読み応えがありましたよ。
 久しぶりに読んだので内容をほとんど忘れていて、新たな気持ちで楽しめました。漫画のゴーストハントはつい最近読み返したのですが、また漫画とは違った魅力があります。漫画のイメージもぴったりだけれど。
☆☆
最後のときを見つめて
 ターシャ・テューダー ウィンズロー・テューダー他
 食野雅子訳
 メディアファクトリー
二月六日
 ターシャ・テューダーの言葉・最終章。
 彼女が亡くなってからもう三年もたったんですね。あの家やあの庭がとこしえに美しくあることを望みます。
長い廊下がある家
 有栖川有栖作
 光文社
二月七日
 小説家アリスと火村准教授シリーズの短編(?)集、どの話もおもしろかったけれど一番インパクトが強いのは最後に載っている「ロジカル・デスゲーム」でした。火村先生、この前も「ついうっかり」で外タレ犯罪者にぼこられてましたよね?そして今回もよく知らない人に言葉巧みに乗せられて連れ去られひどい目にあいましたね?助かったからいいようなもののちょっと不注意すぎるのではないでしょうか、犯罪心理学のセンセイとしては。好奇心旺盛なのは結構ですがもう少し自制ある行動を期待したいです。でもちょっとこのスキがあるところが、チャーミングなんだよね。
バウドリーノ上下
 ウンベルト・エーコ作
 堤康徳訳
 岩波書店
二月十二日
 言わずと知れた「薔薇の名前」の作者の最新作ですが、全然傾向が違いました。
 バウドリーノというのは人名で皇帝フリードリヒの養子にしてものすごく嘘つきで口が上手い人物、司祭ヨハネの国を探して仲間達とともに旅に出るのですが、これがまた「嘘も極めれば本当になる…かもしれない、いやそうに違いない」という乱暴な旅でした。
 小説はみんな嘘ですが、登場人物がここまで嘘つきなのもいっそ珍しいと思いました。
メルストーン館の不思議な窓
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作
 原島文世訳
 東京創元社
二月十五日
 久しぶりにダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品を読みましたが、まあすごくおもしろかったです。最初から最後までにぎやかで、特に最後のお祭りなんてもうハチャメチャ、このテンションで一気に読めてしまいます。
 魔法の扱い方も作者独特でとってもステキ、そしてきれいでロマンがありすぎるくらいありました。
☆☆
水妖記
 フーケー作・柴田治三郎訳
 岩波文庫
二月十七日
 私の大好物の演劇「オンディーヌ」の原作です、この本を長い間探していたのですが、時間つぶしに見ていた東京の浜松町の本屋にナチュラルーーーに並んでいました。2009年に47版が出たところだったので運がよかったです。
 これを基にして書かれたのがジロドゥーの「オンディーヌ」、オンディーヌといえば何年か前に名古屋で劇団四季の公演が有って、根性で観に行きました。しかしその前に偶然テレビで、同じく四季の旧作のオンディーヌを観ていたのですが、これは旧作の方が断然好みに合いました。
 それはおいといて、今度は戯曲のオンディーヌを探さねば!でもあるのかしら?
水木しげるの続・妖怪事典
 水木しげる著
 東京堂出版
二月二十二日
 大変メジャーな水木先生の妖怪事典ではありますが、絵が細かくて美しすぎます。何気ない葉っぱの一枚一枚、屋根瓦の質感、草の一本一本、すべてに命がやどりまさに妖怪の出てくる舞台にふさわしい、そんなかんじがいたします。
 これを白黒だけのペン画で描いておられるのはまさに神の業。
 それから、この地方(忍者の里)にも妖怪がいました、「てん」ですが、これも人を化かすのだそうです。ご当地妖怪がいるとうれしいですよね。
宮家の時代
 鹿島茂編著
 朝日新聞社
二月二十六日
 細かいところをすっとばしてさくっと読んだだけですが、戦後多くが解体された宮家の皆様の写真資料が多くはいっていて分かりやすい本でした。
ラファエル前派
 ローランス・デ・カール著
 創元社
二月二十七日
 私とラファエル前派との出会いは高校時代、名古屋の美術館にロセッテイ展を観に行きました、今にして思えばよく行っておいたよ自分、そしてどうして図録を買っておかなかったんだ自分、この大馬鹿者め!当時学校の美術概論や美術史の授業でも、この会派のことは見事にスルーでした。
 今の方がどっちかというとブームになっているような気がします。
 この本はよくあるムックのようなものなので、一通りの歴史や代表作、作家のエピソードなどがかけあしで紹介してあるだけですが、知らないことが多いのでそれなりに参考になりました。
前巷説百物語
 京極夏彦作
 角川書店
三月四日
 最近夜なべして本をよむことなんて滅多にないのですが、貴重な睡眠時間を削ってまで続きが気になって読んでしまいました、最初双六売りだった又さんがいかにして札まき行者になったかという長い長い話、ですが、町方奉行の志方様が脇役ながらかっこよすぎます。
☆☆
西巷説百物語
 京極夏彦作
 角川書店
三月十日
 大阪に舞い戻った林蔵さんの話、林蔵さんが美形だったなんて知りませんでしたぜ旦那!だいたい気のめいるような話が多い中で、マメダの話だけほんわかハートウォーミングでした。そのほかに印象深いのは「溝出(みぞいだし)」の話、あのガキがなにを思って井戸に毒を入れたのかよく分かりませんでした。
☆☆
完全図解・戦国姫君列伝
 榎本秋著
 朝日新聞出版
三月十日
 戦国時代のいろいろな姫君たちのことが分かりやすく解説されています、さくっと読めてちょっとは勉強になるかな?最近大河ドラマの「江」の再放送を時々見ているのですが、ひどい演出だとしみじみ思います、陳腐というか安っぽいというか格調の高さが感じられないというか、歴史を曲げるのもいいかげんにしてというか。
乙女の初恋
 折原みと作
 ポプラ社
三月二十三日
 昨年読んだ「乙女の花束」の続編です、今回は後輩の美少女と彼氏をめぐっての三角関係ですが、あくまで清く正しく美しいのです、浮き世ばなれするのもここまでくるといっそすがすがしい!なんだか夢中で一気に読んでしまいましたよ!
日本の古典をよむ1 古事記
 山口佳紀・神野志隆光 校訂・訳
 小学館
三月二十四日
 新しい古典シリーズが図書館に入っていたので、とりあえず最初の一冊を読んでみました。もちろん難しいところは全部とばしましたが、意外と血なまぐさい物語だと思いました。
 昔読んだ氷室冴子さんの「クララ白書」か「アグネス白書」に主人公達が演じたエピソードとか載っていて、ああこれか!と思いました。
仕事がない!
 増田明利著
 平凡社
四月某日
 副題は「求職中36人の叫び」、またものすごく不景気な本を読んでしまった…。さまざまな理由で失職した皆様の体験談ですが、正社員になるのはこの時代至難の業だということがよく分かりました。ではどうすればいいかとかは一切書いてませんが、リストラされそうになった時の対処法なんかは説明してあります。
ゴーストハント3・乙女ノ祈リ
 小野不由美作
 メディアファクトリー
四月十二日
 ゴーストハントリライトシリーズ三巻目、これもまた一気読みしてしまいました、「悪霊シリーズ」でも漫画版でも出てこなかった(と思う)エピソードや登場人物が盛りだくさんで、大変楽しめました。
 その中でも特にいいなと思ったのが、学校の旧怪談と演劇部の皆様、特に部長、かっこいい!
☆☆
イクメンで行こう! 
 渥美由喜著
 日本経済新聞出版社
四月十九日
 半分実録半分創作のサラリーマン育児休暇取得記です、前半の育児の苦労話や家事育児介護の経験をいかに会社の仕事に生かすかと言う話はまあまあおもしろかったのですが、後半からがよくない。
 いかに青空教室に力を入れて、問題のある家庭の子供の力になろうとしたかを熱く語るのはいいのですが、そこに宗教が出てくると読んでる側としては一気にしらけてきます。著者はこここそが語りたかったかもしれませんが、蛇足です。
日本の古典を読む17
 風姿花伝・謡曲名作選
 小山弘志・佐藤健一郎 校訂・訳
 小学館
四月二十日
 シリーズを頭から順番に読もうとおもったら、途中が抜けていたのでなんとなくこの巻を借りてみました。能の極意について書いてあるのですが、これは芸事ならばなんにでも通じるのではないかと思います、もちろん同人の道にも。同人人生振り返って反省しきりですな。
 後半は有名な能の謡(って言うのかな?)の現代訳と、原文が載っていて、照らし合わせて読むと分かりやすいし、大変言葉が美しいです。
雪だるまの雪子ちゃん
 江国香織作・銅版画山本容子
 偕成社
四月二十四日
 装丁も挿絵もとてもきれいですが、雪子ちゃんの顔がリアルすぎてくどくて怖いかも。
 雪だるまだけに、溶けてなくなってオチはいやだなーと思っていましたが、そうではありませんでした。
 
日本人の日本語知らず。
 清水由美文
 世界文化社
四月二十五日
 日本語の文法の細かいところをすっとばして読みましたが、それでも案外おもしろかったです。
うそうそ
 畠中恵作
 新潮社
五月二日
 すっかり順番を無視して読んでますが「しゃばけ」シリーズです。今回は若旦那がお兄さんと一緒に箱根に湯治に行ってなかなかお湯に入れない話、おもしろいです。
昔話を愛する人々へ
 石井正巳編
 三弥生書店
五月七日
 いろいろな昔話に関する研究発表が本にまとめられていて、シリーズで出ているようです。私の昔話好きは小学校の時に読んだ各県の民話集からなのですが、研究者でなくてもとっつきやすいのがいいです。
 マザーグースの「誰がこまどり殺したの」のモデルとなった人物がいるそうで、調べてみようかな。
おとぎ話の忘れ物
 小川洋子作・樋上公実子絵
 集英社
五月八日
 イラストに好き好きはあると思いますが、本文は流石にこの作者だけあって美しく読みやすいです、内容もいわゆる童話のパロディなのですが、とってもグーーーー!
 特に人魚姫をもとにした人魚の復讐譚は、そのまま漫画にしてしまいたいほど素晴らしい。人魚本人が王子に復讐するわけではないところがまたいいです。
☆☆
日本の古典を読む2
 日本書紀・上
 小学館
五月十日
 とりあえず上巻だけですが、日本書紀を始めて読みました。これがもう前に読んだ「古事記」と比べるとおもしろいのなんのって、意外でした。
 私のお気に入りのエピソード、サホビコノミコトとサホビメの禁断の兄妹愛は古事記よりもより詳しくその様子と経過が書いてあって参考になりますか、例の最後の歌は載ってませんでした。クララ・アグネス白書でサホビメに扮した主人公が歌い忘れた例のアレです。それから、髪を切ってかつらにしておいて引っ張ったらとれるようにしてあったという古事記にはあったエピソードはカットされていました。古事記と日本書紀両方読むといいかもしれません。
 さらにはかの有名なヤマトタケルの話はもう全然違っていていっそ笑えました。オウスはオオウスをぺち殺してトイレに投げ込んでいたわけではないし、父王に憎まれていたわけではないことになってます。権力者に都合のいいように歴史が改ざんされているのだろーなーと思います。そりゃもう改ざんの度合いがすごくて笑えます。
カルトローレ
 長野まゆみ作
 新潮社
五月十七日
 久しぶりに長野まゆみさんの本をゆっくり読みました、いつも図書館で借りても、ざっと読んでしまうことが多いのですがこの本はそうやって読むにはもったいない、装丁も物語もそれは美しいものでした。私的には「魚達の離宮」の次くらいに好きかもしれません。
 そして出てくる食べ物の描写がまた美しくておいしそうなこと、レモンとメレンゲの組み合わせが好きなタイプの人にはもうたまりません。
 謎めいた物語が謎のまま終わりますが、やさしい物語です。作者のトゲトゲしたところがちょっと苦手な人にもおすすめです。
☆☆
絵本世界の食事1フランスのごはん
絵本世界の食事20イギリスのごはん
 銀城康子・文
 農文協
五月二十九日
 子供向けの絵本のシリーズなのですが、あまりにおもしろそうなので借りてみました、まずフランスが一冊目でイギリスが20冊目というところからして笑えます。その間ずっと他所の国のご飯シリーズがあるわけですが、イギリスとフランスの食卓の近そうでなんと遠いことよ。
 イギリスとフランスは私が行った事のある唯一の外国です、一度は学生時代の貧乏旅行で二度目は新婚旅行でした。一度目の時のフランスのホテルの朝食のフランスパンの硬かったこと、まるで石のようでした。今ならばカフェオレに浸して食べればオッケーと分かりますが、当時はそんな知恵もなかったなと懐かしく思い出します。
 それは例外として、だいたいフランスの食べ物はおいしくイギリスはまずい、この一般論は当たっていると思います。フランスの食べ物は概ねきらめいていますが、イギリスはお茶以外はたいてい残念なお味でした。中華のお店に入っても、「味の素・クックドゥー」の素晴らしさがよくわかるよう…。
 でもそんな残念なことはこの本にはみじんも書かれていません、いかにもおいしそうなところがいっそ見事なくらいです。他の国の本も是非読んで、まだ見ぬ料理へと思いをはせたいです。
空想科学読本10
 柳田理科雄著
 メディアファクトリー
五月二十九日
 このシリーズも十冊目ともなると、いっそ感慨深いものがあります。あいかわらずくだらないことを真面目に考え、計算し、結論付けているところが素晴らしい。しかし最近のアニメやライトノベルネタが分からないので、半分くらいしか楽しめなかったのが残念です。
ビジュアル選書・十字軍全史
 新人物往来社
六月一日
 サブタイトルは「聖地をめぐるキリスト教とイスラームとの戦い」です。私は世界史を中学以降習っていないので、このあたりの事情はちんぶんかんぶん、だけどこんなおばかちゃんにもちゃんと分かり易く説明してある親切で面白い本でした。欲をいえば、一つ一つの出来事についてのつっこみが少ないこと、歴史の流れに沿って概要を述べている本なので仕方がないのですが、どうしてテンプル騎士団が味方であるはずのキリスト教によって滅ぼされたのかとか、少年十字軍と同時期に起こった笛吹き伝説との関連性とか、そういうところももっと詳しく書いてあるともっとよかったなーーと思います。
身代わり伯爵の花嫁修業UV
 清家未森作
 角川ビーンズ文庫
 
六月三日
 身代わり伯爵シリーズの続きです、そろそろ終わりかなーーと思ったら新しい登場人物がぞくぞく出てきてまだ続きそうです。
ゴーストハント4・死霊遊戯
 小野不由美作
 メディアファクトリー
六月九日
 安原さんデビュー、そして無敵伝説の始まりです。漫画やアニメ版よりも細かく書かれているために、安原さんの無敵モードも大爆走しています。
 前作と同じく学校の怪談でありながら、全く違う物語。学校によって校風が違うのはあたりまえですが、この学校はかなり嫌だな。
 ところであいかわらず携帯電話が出てきません、なつかしのLL教室ってまだあるのかしら?それよりも学校の焼却炉はダイオキシンの問題でなくなったのでは?前作が出た時代のままになっているので、このシリーズから読む人は違和感をおぼえるかもしれないなとも思います。
☆☆
あいもかわらず毎日がおひとりさま。
いまだに毎日がおひとりさま。
 フカザワナオコ作
 主婦の友社
六月十一日
 普通コミックエッセイの感想は書かないのだけれど、書いてしまおう。
 独身三十路一人暮らしの漫画家兼イラストレーターの女性の日常をゆるゆると綴った実録漫画、年齢的に近いので共感できる話もあり(年齢肌化粧品の話とか、でも意外と高いのね)ますが、私の人生と違いすぎて突っ込みどころは満載です。
 まず、なんでそんなに一人が寂しいの?(いや、分かるけどさ)、なんでそんなに彼氏が欲しいの?私は結婚していて子供もいますが、人生で彼が欲しいなんて思ったことは一度もなかったような気がします。一人で暮らして自分を養える仕事があって好きなように日々を送って、大変結構なことではありませんか!その代償として少しくらい寂しいのは我慢すべきじゃないかしら。
 それから彼女、彼氏と結婚相手を同列に考えては駄目よ!彼氏は出来るかもしれないけれど結婚相手は作りにいくもの。彼氏から結婚相手に発展させるためにはそれなりの努力もきっと必要なのよ。少なくとも過去に彼氏がいたんだからもっとやる気をだせば大丈夫、年齢的にそろそろ難しくなってくるから、本当に結婚したいのならばもう少し頑張ってね。…なんて余計なことを思いました。しみじみ余計なお世話ですな。
結婚はあなたのゴールではない
 石田衣良著
 PHP研究所
六月十三日
 またまた結婚ネタの本を読んでしまいました。読み始めた当初は「所詮男の恋愛観結婚観なんて男にだけ都合のいいものよ、フッ」とか思って斜めに読んでいたのですが、さすが直木賞作家、一味だけ違いました。
 最後の対談のまとめに、「その後に結婚する男の第一印象がさえなかった」場合が多いという主旨があるのですが、これはまさにそのとおりでした…。旦那の第一印象なんて、他のお見合い相手の記憶にまぎれて覚えておりません。ここだけは真実をついていると思いました。
 そして、一番感心があるのに一番知りたいことはやっぱり書いてなかったです。それは「男嫌いで結婚する気が全く、あるいはほとんどないアラフォー女子をいかに結婚に近づけるか」ということです。ちゃんとした会社や公務員として働いている人は生涯お一人様でも別にいいと思ってます。でも、定職についてなかったり仕事が不安定だったりして、そして実家にパラサイトしている人は将来どうするつもりなのかしら?ご両親が亡くなったら遺産で食べていくの?実家がお金持ちでも他の兄弟との相続の問題だってあるのよ?自分を養えないと思ったら結婚するのも古くからの女の道ですが、そういうことに気付くのと結婚が難しくなるのとはほとんど同時期なんですよね。
 結婚しても幸せになるとは限らないし、今が幸せであっても将来なにが起こるかは分からないですが、打てる手があるのなら打っておくべきだと思うのよ。彼女達にどう説明したら怒らせずに分かってもらえるのかしら?教えて石田所長。
昭和天皇のごはん
 谷部金次郎著
 新人物往来社
六月十四日
 副題は「おいしい話と秘伝のレシピ」、もう少し宮中秘話めいた話があるかと思ったら、正しいごはんの話がほとんどでした。お米を食べましょうお豆を食べましょう野菜を食べましょう心をこめて料理しましょう、毎日真面目に料理しているんだけどお説教されている気分、正論もすぎるとおもしろくないわ!
日本の古典を読む3 日本書紀・下 風土記 六月十四日
 日本書紀は「上」ほど萌えては読めませんでした。壬申の乱のこととか事細かに載ってはいるのだけれど、日本史の知識がないために(日本史必修じゃなかった時代なもので)よく分かりません、この時代好きな歴女な方ならばすごくおもしろいのではないかと思います。むしろ日本史の授業と古典をあわせて学べばよりいいかと!思うんだけど無理だろうな。
 風土記の方は人生始めて読みましたが、各地方に伝わる民話によく似ていると思いました。
悪いことをして罰があたった子どもたちの話
 ヒレア・ペロック文・エドワード・ゴーリー絵・柴田元幸訳
 河出書房出版
六月十六日
 ほとんどゴーリーの絵本です、ヴィクトリア朝にあふれた教訓本のパロディのようです。
 悪いこととまではいきませんが、確かに「あんたの親は一体どういうしつけをしてるのよ!」と叫びたい子供が多いのも事実。
 子供が悪いのは、生まれもっての資質もありますが、やっぱりしつけもなってないんじゃないかしら。けして人事ではありませんが。
 
クレプスリー伝説
 ダレン・シャン作・橋本恵訳
 小学館
六月十六日
 時間をかけてゆっくりゆっくり読もうと思っていたのに、家事の合間を縫って器用に一気読みしてしまいました。今まで読んだ児童文学の登場人物の中で一番結婚して欲しいと思った男、ラーテン・クレプスリーの伝説が今ここに!(ちなみに二番目はスネイプ先生)ダレン・シャンシリーズから薄々分かってはいたことでしたが、ラーテンはやっぱり労働者階級出身でした、しかも底辺の、でもいいの。そんなことでラーテンの魂の輝きが失せる様なことはありません。
 とりあえず師匠からちょっとはなれて、モラトリアムの時期を迎えるところで一巻は終わります、続きが楽しみです。
 全然関係ないのですが、ラーテンというとオーケンの「殺神」という曲を思い出します、なんかイメージが合うのよね。
☆☆
涼宮ハルヒの憂鬱・涼宮ハルヒの退屈
 谷川流作
 角川スニーカー文庫
六月二十七日
 かの有名な涼宮ハルヒシリーズを始めて読みました、残念ながら図書館に二巻がなかったので、一巻と三巻だけですが。
 それで感想、キョンという少年の一人称で語られているのですが、このキョンが意外といい男、将来性があると思いました。
 
私の中のアリスの世界
 森茉莉著
 日本図書センター
七月二日
 かの有名なオーガイの娘の書いた文章をはじめて読みましたが、正直本の最初の方のエッセイは、大変読みやすくてキレイな日本語にもかかわらず何を言っているのかよく分かりませんでした。私には耽美の血が流れていないとよーーーーーっく分かりました。
 それから、娘はどんなにかわいくてもあまり甘やかして育てるものじゃないなとしみじみ思いましたよ…オーガイさん、貴方は偉大な文学者でよき父だったかもしれませんが、子供の育て方は間違っていると思うわ、それとも当時のお嬢様ってあんなものだったのかしら。
 お年を召されてからのエッセイの方が、ずっと読みやすかったです。
オトーさんという男
 益田ミリ著
 光文社
七月四日
 自分のオトーさんについて困ったことやいいところを細々と並べ立てたエッセイ、オトーさんへの愛情がよく分かってほのぼのするところもありますが、困っているところには本当に困っている様子がよく分かります。
 私はこのタイプのお父さんは、ちょっと嫌だな。
ギリシア・ローマ神話人物記
 マルコム・デイ著・山崎正浩訳
 創元社
七月五日
 副題は「絵画と家系図で描く100人の物語」、図鑑か図録のようなボリューム(と言うほどでもないか)だったので読みきれなくてもいいや、と思って借りたのですがこれが意外と読み易くておもしろかったです。オリュンポスの神々だけでなく、もっとマイナーなティタン神族やトロイア戦争関連、オデュッセイア関連の人々の説明まで載っていました。私が気にいっているのは何といってもトロイア関連、特にカッサンドラとかエレクトラとか人間の娘さんたちの物語です。
日本の古典を読む6 竹取物語伊勢物語堤中納言物語  七月七日
 竹取物語の最初の部分は、確か中学の教科書に載っていました、それはそれとして、読み勧めてみるとかぐや姫の性格の悪さに唖然としました、やめとけばいいのに、あんな女。
 伊勢物語も、ここは習ったなあと懐かしく思い出しましたが、意外と悲惨な話も多くてびっくり。
 堤中納言物語では虫愛ずる姫が懐かしかったです、でもオチがあんなふうだったとは…。
ラスト・ラン
 角野栄子作
 角川書店
七月七日
 新聞広告で見て是非読みたいと思っていた本が図書館にあっさりありました、ラッキー!
 元気なおばあさんが、大好きなバイクに乗って生涯で最後のバイク旅行に出かける物語、そこに十二歳の女の子の幽霊が加わります。最後は二人一緒に天国に…だったら嫌だなあと思ってましたが、角野さんですもの、もちろんそんなことにはならず、ずっと素敵な終わり方でした。
涼宮ハルヒの溜息・涼宮ハルヒの消失
 谷川流作
 角川スニーカー文庫
七月九日
 二巻と四巻を借りて読みました。
 ライトノベル、とりわけこのハルヒシリーズというのは、「これからはじめてライトノベルを読むぞ!」という中学生くらいの男の子にはぴったりかもしれませんが、この年になってくると正直物足りなさを感じます。
 主人公のキョンはあいかわらず孤軍奮闘、どこの物語のヒーローにも負けないくらい頑張っているのだけれど、女の子が受身すぎるのかしら?少年向きだから仕方がないか。
メルカトルかく語りき
 麻耶雄嵩作
 講談社ノベルス
七月十日
 メルカトルが探偵でワトソンが美袋くん、という構図はワトソンくんの職業(推理小説作家)も含めて、火村・アリスシリーズと同じなのですが、違いすぎます。火村先生とアリスとの万年仲良しぶりを読みなれた身としては、この二人の仲の悪さはインパクトが強すぎました。
 それから推理的にも突っ込みたいところは山ほど、でも一番突っ込みたいのは「メル、あんたいつの間にどうやって生き返った!」というところです。シリーズ全部読んでない私が悪いのですが、あんたは第一作で華々しく散ったはずでは!なぜ!
図説・魔女狩り
 黒川正剛著
 河出書房新社
七月十一日
 あまりおどろおどろしさはなく、魔女狩りの発生とその終焉について社会的政治的に考察してある真面目な本でした。キリスト教で異端とされたカタリ派が悪魔信仰と同一視されて迫害されていくプロセスなんかが、分かりやすかったです。
深泥丘奇談・続
 綾辻行人作
 メディアファクトリー
七月十二日
 これも新聞広告で出ているのを見て、図書館に入るのを狙っていました。前作同様妙な話が盛りだくさん、でも読後感は全く悪くありません。
愛しのローカルごはん旅
 たかぎなおこ著
 メディアファクトリー
七月二十三日
 各地のB級グルメ食べ歩きコミックエッセイ、でももう少したくさん食べられるタイプの人が旅に出たほうがいいんじゃないかと思いました。
負け犬の遠吠え
 酒井順子著
 講談社
七月二十五日
 ちょっと前に話題になった本を偶然図書館で見つけたので借りて読んでみました。この本の分類によると私は勝ち犬、でも負け犬の友達も多いもので。負け犬になる原因の一つに純粋さと真面目さがあげられていましたが、ものすごく納得出来ました。確かに結婚してない友達はある意味真面目で純真な人が多いと思います。「愛がなくちゃ結婚出来ない」「幸せになれる補償がなくちゃ結婚出来ない」みたいな。そんなものはとりあえず相手をとっ捕まえてから考えろ、と私は思うのですが、純粋で真面目な彼女達はそういうことが出来ません。
 結婚に必用なのは「いいかげん力」だと思うのよね。
どんぐり姉妹
 よしもとばなな
 新潮社
七月二十六日
 ポチを連れて行った皮膚科の待合中に全部読めました。よしもとさんらしいきれいな話でした。
クレプスリー伝説U
 ダレン・シャン作・橋本恵・訳
 小学館
七月二十九日
 ラーテンの長い長いモラトリアム、大変に「やっちまった」感にあふれております。今回のやっちまったは大量虐殺、作者のお約束でもありますな。それを考えるとダレン少年は最初からずいぶん品行方正だったような気すらいたします、少なくともダレンは我を忘れて殺しまくるなんてことは、あんまり…やらなかったような気が。
 例の頬の傷のエピソードも出てきますが、とにかくやっちまったな、ラーテン。
数えずの井戸
 京極夏彦作
 中央公論新社
七月三十一日
 番町皿屋敷をベースにした長編小説、しかし大変に読みやすい本ではありました。
 又市さんと徳次郎さんがそばにいたにもかかわらず事態は見事に最悪の方向に、少しだけずれていたならば案外上手くおさまったかもしれないのに。しかし皿屋敷だけにハッピーエンドも変だしな。
「一人っ子長女」のための本
 多湖輝著
 新講社
八月一日
 ポチ連れて行った皮膚科の待合で読めてしまいました。ようするに一人っ子だからといって期待しすぎるなということですな。
デカルコマニア
 長野まゆみ作
 新潮社
八月四日
 空き時間に少しずつ読んでいったこの本、とぎれとぎれに読んだのが悪いのかさくさくと読んだのが悪いのか人物と時代が複雑にからみすぎていて途中から意味不明になってしまいました。
 きれいな物語なので、じっくりゆっくり読めばきっちり理解できるかもしれません。
言えないコトバ
 益田ミリ著
 集英社
八月八日
 その人にとって言いにくい、口に出しにくい言葉と言うのは誰にでもあると思いますが、あえて考えたことはなかったな。重箱のすみをつつくような、それでいてさっくり読めるコミックエッセイです。
アンティークFUGA1 2 3
 あんびるやすこ作
 岩崎書店
八月九日
 ポチが学校でもらってきた図書購入のチラシによく載っていた児童文学作家さん、この人の本を読むのは初めてです。子供向けのライトノベルというかんじで簡単ですが結構萌えの要素が入っていておもしろいです。
ゴーストハント5・鮮血の迷宮
 小野不由美作
 メディアファクトリー
八月二十一日
 数日前に、麻衣が夢の中で連れて行かれる場面を読んでから眠ったところ、夢の中にこの館が出てきて大変迷惑でした。寝る前にホラーを読むものじゃないとしみじみ思いました。
 ナルやリンさんやぼーさんが出てきてくれるのならばともかく、血塗られた館の風景だけが延々と、しかも私の夢は基本的にフルカラーなのですが、妙にいいかんじにくすんだ色合いで血だけ真っ赤だったのよ。
身代わり伯爵と白薔薇の王子様
 清家未森作
 角川ビーンズ文庫
八月二十四日
 シリーズ短編集、最後のセシリア王女とフレッドの話がなかなかよかったです。
彩雲国物語・紫蘭の玉座
 雪乃紗衣作
 角川ビーンズ文庫
八月三十日
 彩雲国物語の最終巻上下、友人に貸してもらうのを待たずに図書館で借りてしまいました。文庫本二冊ですが分厚い本でした。途中何巻か抜けているかもしれませんが、まあいいか…。
 長い長い物語の終わりにふさわしく登場人物総出演というかんじ、きれいにまとまってますがきれいすぎます、こんなに見事なハッピーエンドだとかえって納得がいかないわ。でもライトノベルだからこんなものかも…。
つくもがみ貸します
 畠中恵作
 角川書店
九月一日
 つくもがみが集まって人探しの手伝いをするほのぼのした人情物ですが、ほのぼのしすぎていて迫力不足の感はいなめません。さくっと読むにはいいけれど、さっくりしすぎだと思います。
お江戸の結婚
 菊池ひと美画・文
 三省堂
九月三日
 身分別江戸時代の結婚方法、分かりやすくて読みやすい本です。
 江戸時代の後期は現代と世相が似ているそうで、今の結婚難ともからめてありますが、深入りはしていません。
涼宮ハルヒの驚愕 上・下
 谷川流作
 角川スニーカー文庫
九月七日
 最初の数巻を読んだだけで中身のほとんどをすっとばして図書館で見つけた最新刊をよんでみました。登場人物でよく分からない人も何人かいましたがおおむねオッケー、しかし主人公のキョンの心情たるや最初の方とは180°違っていました、あらびっくり。
 コミケカタログでハルヒのところを見ると「古泉×キョン」がいくつかあって、なぜ?と思っていたのですが、今回なんとなく納得できました。友情以上のものが流れていると危険です
お化け屋敷のつくり方
 平野ユーレイ・齋藤ゾンビ著
 アールズ出版
九月八日
 お化け屋敷のやとわれ店長とお化け代表による正しいお化け屋敷の作り方、そのままですが真面目な本です。
 ちなみにお化け屋敷はあまり得意ではありません、昔ある遊園地の歩いて回るタイプのお化け屋敷に一人で入らなければならないことがあったのですが、全然おもしろくありませんでした。一緒に怖がってくれる人がいないとつまらないというタイプです。チキンハートだし。
ひつまぶし
 野田秀樹著
 朝日新聞出版
九月十日
 雑誌連載の軽めのエッセイです、内容は主に人間観察など。
 本の内容とは全く関係ないのですが、若いときは時々この人のお芝居を観に行ったものでした。夢の遊民社版の「半神」が観たかったなーとか「桜の森の満開の下」は観といてよかったなーとかいろいろ懐かしく思い出します。けれど最近のは、あまり興味が持てないかな。
豆腐小僧双六道中・おやすみ
 京極夏彦作
 角川書店
九月十四日
 いつぞや読んだ本の続編です、もう脱力につぐ脱力、一応人間側の野望とかなんとかあることはあるのですが、そういうことがここまでどうでもいい小説も珍しいです。
 本の形からしてまるでお豆腐のよう、手に取るだけでメルヘンな気分になれました。
ザ・お見合い
 新ライフスタイル研究所
 青春出版社
九月二十四日
 図書館でなにげなく見ていた棚にあった本、いまさらながらも興味ある分野なのでついつい借りてしまいました。1997年にでている本ではありますが、情報的には古くないと思います、というかむしろ今でも実践的に大変役に立つ本なのではないでしょうか。お見合いに挑む人はせめてお見合いがどういうものなのかこの手の本を読んで研究してから臨んで欲しいと思います。
 ちなみに私の足きりの条件は「割り勘する人」でした。もちろん礼儀といて割り勘はもちかけますが、そこで本当に女に払わせるような男は駄目です。
アンティークFUGA4 5
 あんびるやすこ作
 岩崎書店
九月二十六日
 続きを借りてきました、後一巻で終わりのようです。
 ポチが同じ作家さんのかわいい女の子向けの本を借りていたので、それも読んでみよう。
青い羊の丘
 竹下文子作
 角川書店
九月二十七日
 イラストはあづみ冬留さん、で、この本の何が印象的で最初に手に取るかというと、それはやっぱりイラストでしょう。イラストがとってもおたくてぃぶにきれいです。
 物語の方も、こういってはなんですが長野ま●さんから後ろ暗いところを全部除いたようなきれいな世界、抜群の透明感です、でもきれいすぎて私には少し物足りませんが、キレイなものが好きな人にはいいかも。
ルルとララのチョコレート・ルルとララのアイスクリーム
 あんびるやすこ作・絵
 岩崎書店
九月二十八日
 二人の女の子、ルルとララが森で手作りのお菓子屋さんを開いています。そこにはいろいろな動物達がやってきて…という小学校低学年の女の子向きのお話です。物語の中に出てくるお菓子のレシピが載っていて、子供でも作れるようになっています。
 いやもうかわいいのなんの、ファンシー好きにはたまらない世界であります。物語の中に挿絵があって、半分絵本感覚で見られるところがまたいいのです。
 とはいえ大人が読むと、ちょっとかわいすぎかな。
日本全国妖怪スポット3変の巻・4化の巻
 村上健司著
 汐文社
十月十日
 子供向きに書かれた妖怪探索の本、妖怪の伝説とそのゆかりのある場所が写真つきで載ってます。実際に行ってみよう!という主旨ではあるけれど、実際に行く子供がいたらかなりそれはそれで怖いものがあります。
 文章は子供向けに書いてあるので大人にとってはかなり物足りない、むしろ大人向けのこういう本があったらいいのに。
下地先生のお母さま大丈夫ですよ
 下地敏雄著
 朝日新聞出版
十月十二日
 図書館で何を借りるか迷ったので、目に付いた育児書を二冊借りてみました。ちなみにこの先生はいろんなテレビ番組等に出ている人だそうですが、そういう番組を見ないので知りません。
 こっちの本のほうがまだ現実的かなーー、でも育った環境が悪くて心の底からひねくれてしまった子供の救済方法は書いてません。
 
13歳の女の子に、親が教えるキーワード
 松永暢史著
 日東書院
十月十四日
 机上の空論、そんなこと言われたって困るんだけどーーといったかんじの本でした。
エリザベス女王のお針子
 ケイト・ペニントン作・柳井薫訳
 徳間書店
十月十四日
 タイトルにひかれて適当に借りた本ではありますが、おもしろくて一気に読んでしまいました。サブタイトルは「裏切りの麗しきマント」、一応ハッピーエンドでした。
RDG4世界遺産の少女
 荻原規子作
 角川書店
十月十八日
 シリーズ四作目、文化祭の準備ではじまり準備で終わってしまいました。この倍の厚さの本になってもいいからせめて文化祭終了までまとめて読みたいものです。
日本全国妖怪スポット1妖の巻・2怪の巻
 村上健司著
 汐文社
十月二十一日
 この前読んだ本の一巻と二巻を借りてきました。私の一番好きな妖怪「七人ミサキ」がのっていてうれしかったです。しかし、水木しげる氏の本の七人ミサキの挿絵は美しかったな…この本は写真資料は結構ありますが、イラストはいまいちです。
ゴーストハント6・海からくるもの
 小野不由美作
 メディアファクトリー
十月二十四日
 ゴーストハントシリーズもあと一冊となりました、大変なごりおしいです。しかし最後の話は一冊でちゃんとまとまるのかしら、いっそ分冊でもいいからがっつり読みたいものです。
 それはおいておいて「海からくるもの」、旧作と漫画のイメージそのままに、さらに因縁話がくわしくなっていて、昔話スキーには楽しい展開となってました。
 ただ、あまりこわくなかったのがちょっとだけ残念。
 
メルカトル
 長野まゆみ作
 大和書房
十月二十八日
 図書館事務員の青年と周りの困った人々の話…かと思ったら一寸違いました。長野まゆみさんの物語にしてはやさしく、きれいにまとまっていると思います。
アンティークFUGA6
 あんびるやすこ作
 岩崎書店
十月二十九日
 シリーズ最終巻がやっと借りられました、結構人気があるようでなかなか本棚になかったです。
 物語としてはほのぼのと予定調和に終わりました、ラストは相打ちとか殺戮でもべつによかったのですが…終始ほのぼのとしていたこのシリーズにはふさわしい、ちょうどいい終わり方だったと思います。
ほんとうにあった12の怖い話
 スーザン・プライス作・安藤紀子ほか訳
 長崎出版
十月三十日
 これも児童文学ですが、赤くて軽くて気の利いた装丁の素敵な怖い本でした。一つ一つの物語は背筋が凍るほど怖いわけではけしてありません、が、なかなかにしゃれています。
マサの留守番
 宮部みゆき作
 講談社青い鳥文庫
十月三十日
 偶然図書館の児童文学の棚で見つけた本、「えっもしかしてマサの新刊!?」と思いましたが、残念ながら子供向けのリライトでした、でもマサの愛らしくて賢いこと、あの黒い尻尾がぱたんとなるところも自分でテレビつけてニュースをチェックしてしまうところも素晴らしすぎます。宮部さんの作品の中ではこのシリーズが一番好きかもしれません。
☆☆
愛人犬アリス
 団鬼六作
 ブックマン社
十月三十一日
 団鬼六氏の作品は、多分これが初読だと思います。(ええ多分)もちろんどんな作品傾向の作家参加ということは、一応は知っているつもりなのですが、ここは一人の犬好きとしてあえて言いたい、いえ言わせていただきましょう。「あなたはどうしようもないダメ飼い主だ!!」と。
 飼い犬をあんなに太らせてはいけません、犬の落し物の後始末を出来ない人を飼い主とは言いません、犬に人の食べ物をやってはいけません、太ったレトリバーほどみっともないものはこの世の中には滅多にないと思います。いくら愛情ゆえの行為だとしても、それが犬のためになっていないのは明白よ!このダメ飼い主がーーーーーーっ!とかかとおとしでも食らわせたい気持で一杯ですが、故人には何も出来ませんな、喜ばれても困るし。
 アリスと作者との深い絆とかそういうきれいなものも確かにあるんだけどさ、そういうものが全部ふっとびました。
おおきなかぶ、むずかしいアボカド
 村上春樹著
 マガジンハウス
十月三十一日
 村上春樹氏の作品は、多分これが初読だと思います、多分。有名な作家さんなのになぜかというと、以前何かを読みかけて挫折した経験があったからです。
 この本もどうかなーーと思ったのですが、大変軽くて読みやすかったです。というか、よくこんな今話題の本が図書館にあったよ…。
ひとり百物語 怪談実話集・闇より深い闇
 立原透耶著
 メディアファクトリー
十一月十三日
 このシリーズはかなり怖いです、一つ一つの話はそれほどではなくても、百集まると相当です。どのくらい怖いかと言うと、霊感ゼロのこの私が夜中にうがいをしようと思って洗面所に行った時に、鏡を見ないようにするくらいです。(何か映っていたら困るし!)
 怪談を楽しみたい人にはうってつけの本です。
サンドウイッチは銀座で
 平松洋子著・谷口ジロー画
 文藝春秋
十一月十五日
 ご馳走エッセイを結構読んでいるくいしんぼうの私ですが、この本にはあまり共感できるところはありませんでした。もちろん噂の社員食堂食べ歩きなど興味深い部分もありましたが、やっぱりあまり好きではない。
 まず、時々出てくる挿絵漫画の「ハフハフ」というオノマトペが嫌。この言い方って大嫌いなんです。後半多少はましになってきましたが、おじさんにおもねるような下品な文章も嫌、同じような意味合いでも本当のおじさん(例えば東海林さだお)が書いているならば万事オッケーなのですが、せっかく女性ライターなのだからもっとそれなりの表現をしていただきたいと思いました。
スタジオジブリのひみつ第二版
 風見隼人と東京アニメ研究会
 データハウス
十一月二十日
 実は今週末に三鷹の森ジブリ美術館に行く予定なので(家族旅行)予習をかねて読んでみました。ジブリ映画を全部観たわけではありませんが、いろんな作品の製作秘話とか書いてあってさっくりおもしろかったです。ただし、「・・・のヒミツ」本によくあるようにあくまでうわっつら、踏み込み不足だとは思いました。
挿絵画家アーサー・ラッカムの世界2

 新人物往来社編
十一月二十一日
 私の大好きなオンディーヌの挿絵も載ってました、ラッカム挿絵のオンディーヌの本が欲しいなあ…。シンデレラや眠りの森の美女など、シルエットだけで影絵風に描かれたものもありますが、(理由・予算削減というのが泣けます)理由はどうあれこれはこれで大変美しく、まとめてみられて大満足です。眠り姫の百人目の王子がいばらの森の中に入って行く絵がまた残酷でとっても素敵。
ルーガルー2インクブス×スクブス相容れぬ夢魔
 京極夏彦作
 講談社
十一月二十八日
 図書館で借りてきました、当然単行本です。
 ずいぶん前に一巻を読んだはずなのですが、内容をほとんど忘れてしまっていました、でもそんなの関係ナシ!美少女(?)達としょぼくれてるけどぶれないおっさんとが仲良く血みどろのバトル、一番弱いのがおっさんなのですがそれでもかっこいいぞ、よく頑張ったぞおっさん。
 私としては天才少女美緒がお気に入り、でもあんた強すぎるよ…。
空想お料理読本2
 ケンタロウ×柳田理科雄著
 空想科学文庫
十二月二日
 また激烈にくだらない本を真剣に読んでしまった…。アニメや漫画に出てくる食事の作り方を検討したり、また実際に作ったりしている本ですが、そのメニューの選び方がランダムでわけが分からなくて大変よろしい。例えば魔女の宅急便の魚のパイとか、宇宙戦艦ヤマトの食堂の自動配膳定食(?)とかその他もろもろ、並べて考えてもいいものでしょうか、でもそこがおもしろいです。
荒俣宏の不思議歩記
 荒俣宏著
 毎日新聞社
十二月五日
 いろんなところに書いたエッセイをまとめた本、色々とおもしろいですが、この著者の文章はエッセイではなくもっと長く、うんちくたっぷりの方が向いているだろうなと思います。
百年の品格クラシックホテルの歩き方
 山口由美著
 新潮社
十二月八日
 「こんな高級ホテル泊まれるわけないじゃない!庶民をなめないでよ」というわけの分からない本音はおいといて、いいもんですクラシックホテル(現役)。いつか泊まってみたいです、泊まるのは無理でもラウンジでお茶くらいしたいなーーーと思いました。
美しい教会を旅して
 KIKI著
 マーブルブックス
十二月九日
 モデル兼女優のお姉さんの教会めぐり、モデルさんならもっとかるーーい本かな、と思ったのですが、侮ってはいけませんでした。確かに軽やかではあるけれどけして軽いわけではない、敬虔な気持で作られていることが伝わるようなきれいな本でした。
ゴーグル男の怪
 島田荘司作
 新潮社
十二月十三日
 この物語の中に御手洗さんと石岡くんがいたら、どんなによかっただろうか…やはり御手洗さんと石岡くんってほのぼのしてしてとってもいいよね、と余計なことを考えてしまうような内容でした。もちろんトリックは意外だし犯人も意外でおもしろいのですが、元祖ゴーグル男よそれでいいのか?
 それから原子力関連産業のえげつなさがこれでもかというほど書かれています、でも現実にバケツで・・・ってあったからな。
世界のぶす猫でぶ猫
 エクスナレッジ
十二月十七日
 私はどちらかというと超犬派なのですが、あまりのかわいさについつい手にとって借りてきてしまった本、ぶす猫とでぶ猫の写真集です、かわいくないのにかわいすぎます。
危険な世界史
 中野京子著
 角川書店
十二月二十二日
 よくあるネタ本かと思っていたら、もっとまともでした。すべての出来事がアントワネット生誕何年とか没後何年とか書かれているのがなかなかおもしろいです。この本はシリーズ何冊目からしいので、残りも読んでみたいです。
名作に描かれたクリスマス
 若林ひとみ著
 岩波書店
十二月二十六日
 本当はクリスマスまでに読み終えたかった…しかし、本日の午前中に帰省するはずだったのに悪天候と事故渋滞でバスが動かず、今年中に読み終えることが出来ました。
 児童文学や小説の中でのクリスマスの情景がいろいろと引用されていて、読んだことのある本もいくつかあったのに全く覚えていません、あまりクリスマスに関心がないのだと判明。


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