2012年の読書日記

誌名・作者・出版社 感想・内容など ☆いくつ?
万国お菓子物語
 吉田菊次郎著
 晶文社
一月十三日
 今年こそ新年の始まりにふさわしい本を読もうと思ってました、で実際お正月明けに図書館に行って借りてきた本のうちの一冊がこれ、新年の始まりにふさわしいかどうかはおいといて、かわいく熱心でお菓子に対する情熱がひしひしと伝わる本ではありました。
 各国の伝統菓子の由来について分からないことは分からないと正直に書いてあります、そこがいいです。
ももこのまんねん日2011
 さくらももこ著
 集英社
一月十四日
 こっちの方が先に読み終わらないように調整しました…いえ、ちびまる子ちゃんの作者が悪いわけではまったくないのですが、あまりにも「飲んだ食べた遊んだ買った」話が多すぎて、恵まれた人生送っているなとちょっぴりうらやましくなっちゃいました。
 でも作者は作者なりに大変なことも色々あるだろうに、まるちゃんがそのまま大人になったようなエッセイがつらつらつづれるのはある意味すばらしい才能かも、ちなみに出来事としては2010年のことでした。
中原淳一・少女雑誌「ひまわり」の時代
 ひまわりや監修・内田静枝・編
 河出書房出版
一月十五日
 何気なく借りた本なのにものすごくすみずみまで読んでしまいました、中原淳一の挿絵は見たことがあったのですが、出版社を起こしたりその他いろんな活動をしていることまでは知りませんでした。
 戦後の何もない時代に少女に美しいものを!という考えは素晴らしいと思います。時代は全く違うけれど、私がハイティーンの頃少しだけ買っていたOliveという雑誌を思い出します。編集コンセプトとかは全く違うと思いますが、あの雑誌は実用性無視の少女の美のため雑誌だったなと、捨てずにとっとけばよかったよ。
いまだから読みたい本・3.11後の日本
 坂本龍一+編纂チーム選
 小学館
一月十六日
 これも図書館でなんとなく借りた本、薄いからすぐに読めるかなと思っていて、実際すぐに読めてしまったのだけれど内容的には分厚い本でした。
 私はどちらかというと簡単で読みやすい本ばかり読んでいて、難しい本とか物事をよく考える本とかほとんど読んでません。だからこの本の内容がちゃんと頭に入っているかはよく分からない、何せお気楽なお馬鹿ちゃんだから。でも読まないよりは読んだ方がいいと思いました。
くちぬい
 坂東眞砂子作
 集英社
一月十九日
 何でこの本借りて読んだんだろう…と読み終わってから後悔するほど後味の悪い小説でした。もう少しホラーの要素があるかなと期待していたのですが、あったのは人の悪意ばかり、ホラーよりも人の方が怖いと言う話の典型例のようでした
ああ娘
 西原理恵子+父さん母さんズ
 毎日新聞社
一月二十三日
 前に読んだことがあるけれどもう一度借りてきました。ああ娘、女の子ってだいたいこうよねーーとしみじみ思いました…。
英国ミステリ道中ひざくりげ
 若竹七海著
 光文社
一月二十五日
 確かかなり怖い体験談を書かれる方なので、さぞかし背筋も凍るような話満載かと思っていたら違いました、そこは大変に残念ですが、旅行記としてはおもしろかったです。
 ミステリーの本場を訪ねてイギリスへ、疲れているのも忘れて歩きすぎて足が棒になったかんじとかすごく伝わりました。
ヴィクトリア朝のアリスたち・ルイス・キャロル写真集
 高橋康也著
 新書館
一月二十五日
 人生のところどころで図書館で借りて読んでいる本、もう購入した方がいいんじゃないだろうかとも思います。今回は漫画の資料にと思って借りてみました。
刑事の子
 宮部みゆき作
 光文社
一月二十八日
 「東京下町殺人暮色」という1994年に出た本の改題版初版、図書館でなんとなく借りました。宮部さんの作品なのでおもしろいのは当然ですが、後味がいまいちよろしくないのがちょっと残念。
 殺人事件に後味がいいもへったくれもありませんが、探偵役が中学生で珍しくとってもいい子なのだから、もう少し余韻があってもいいんじゃないかと。それからこの話に出てくる刑事さんや警察関係者が全員人格的に優れたいい大人ばかりだったのもいっそ変だと思いました。
ピスタチオ
 梨木香歩作
 筑摩書房
二月一日
 この作者のエッセイは時々読んでいましたが、小説を読むのはずいぶん久しぶりのような気がします。図書館の棚を見たら、未読の本が並んでいてびっくりしました。
 エッセイでは、この人の文章は美しくて堅すぎて現実感がないなと思っていたのですが、小説ではそんなことはありませんでした。むしろ総てが架空のことなのだからこのくらい美しくてもオッケー、と思いました。
オズの魔法使い1
 ライマン・フランク・ボーム作・宮坂宏美訳
 復刊ドットコム
二月三日
 かの有名なオズの魔法使いですが、ちゃんと読んだのはこれが初めてかもしれません。映画は一度だけ観たことがあります、大昔に。
 よい魔女グリンダの登場する場面がすごく終わりのほうで、出番も少ししかなかったことが意外といえば意外でした。「エイリアン通り」という漫画があって、主人公のシャール少年がグリンダの扮装をする場面があったのですが、あのグリンダ様の印象が強すぎます。
わたしの少女マンガ史・別マから花ゆめ、LaLaへ
 小長井信昌著
 西田書店
二月七日
 白泉社の花とゆめ、LaLaの元編集長の少女マンガ(その他)一代記、そうか、編集の心構えとかこうでなくてはならないのねとか妙に納得しました。私は高校生の頃から就職するあたりまで花とゆめを毎月必ず読んでいて、そのころから好きな作家さんは今でもたいてい好きなままです。あのころの花ゆめはすばらしかったなーーと思っていたら、こんな名編集長がいたのね。
 本の後ろの方に素敵なおまけあり、あのころの白泉系のマンガが好きならば、ここだけでも一見の価値はあります。
 この本には全く関係ありませんが、同じ時代の「ぶーけ」もすごく好きだったわ…今はもうないけれど。
クレプスリー伝説V・呪われた宮殿
 Darren Shan作・橋本恵訳
 小学館
二月十日
 若いときにはいろいろなヤンチャや大量虐殺もしましたが、ここにきてラーテンはすっかりいい男になりました、もう結婚したいくらいです。ダレン・シャンに出てきた登場人物も結構出てきて、次の巻でおしまいなのが大変にもったいないです。
総図解よくわかる聖書とキリスト教
 前島誠監修
 新人物往来社
二月十日
 「聖お兄さん」のために読みました、そして結構分かりやすい本で参考になりました。特に分かりやすく書いてあると思ったのは、ステファノとサウロ(パウロ)の関係、やっとなんか納得がいきました。
ダヤンの不思議な毎日
 池田あきこ作・絵
 主婦と生活社
二月十一日
 横長のかわいいダヤンの絵物語、常識的に見てあまりかわいくない絵がとってもかわいいのがいいですね。ダヤンと野いちごの話がおもしろいと思いました、食べたものすべてを寝込ませるおそろしい野いちご、オチがないところがまたいいですな。
ゴーストハント7
・扉を開けて
 小野不由美作
 メディアファクトリー
二月十三日
 リライト版ゴーストハントもとうとう完結です、この本はずいぶん前に買ってあったのですが、シリーズを読了してしまうのがもったいなくて今まで置いてありました。
 シリーズ屈指の怖い話だと思っていたのですが、怖い部分は案外短くなっていてジーンに関わる話とかが増えていたような気がします。しかし、最初に少女小説で読んだときのナルの屈指の名台詞がカットされていませんか?確かにヒドイ言葉ではあったけれど、ナルらしくてとってもいいセリフだったのに。それとも私の記憶違いでしょうか?
 それから、「時代だなー」と思ったのが、麻衣が綾子にもらった「高価な服のおさがり」が昔は「ピンクハウスの服」とはっきり書かれていたこと、今の若い女の子にとってピンハはもう憧れじゃなくなっているのかなと寂しく思いました。
 細かすぎるところはさておき、全体としてはきれいにまとまって終わりました。これで続きが始まればもっといいのに。
f植物園の巣穴
 梨木香歩作
 朝日新聞出版
二月十六日
 もう一冊適当に図書館で選んで、梨木さんの本を読んでみました。今度は植物園に勤務するおじさんの自分探しの(?)旅、旅というほど旅ではないのですが、いいおじさんが自分探しするのも情けない、でも大切な大切なものをひっつかんで帰ってきましたね。
遺体 震災、津波の果てに
 石井光太著
 新潮社
二月二十日
 はじめて東日本大震災関連の本を読んでみました、釜石市の廃校に作られた遺体安置所に関わった人たちを取材したルポのような本です。読んでいて思い出したのは「墜落遺体」、御巣鷹山の飛行機事故の時のルポですが、最悪の現場でいかに人が人として最善のことをなしうるか、普通の人がどれだけ強くなれるかを考えさせられます。
 釜石市といえば、小中学生が日ごろの防災教育のおかげでほとんど助かったという「釜石の奇跡」のイメージが強かったのですが、助からない人も多く街の被害も甚大だったと改めて知りました。
現代漫画博物館1945-2005
 小学館
二月二十六日
 戦後から現代までの代表的な漫画が紹介されています、あ、これは読んだとかこんなのがあるんだとか、なぜこれが載ってない!とか一人で盛り上がって読んでしまいました。
生きながら火に焼かれて
 スアド著・松本百合子訳
 ソニー・マガジンズ
二月二十八日
 イスラム社会の「名誉の殺人」によって家族に殺されかけた少女が偶然人権団体の女性に助けられてスイスで生き延び、結婚して子供も生まれて自分の人生を本にしました。
 名誉の殺人については、それまでにも新聞等で読んだことがありましたが、ここまでひどいとは思いませんでした。
小公子
 フランシス・ホジソン・バーネット作・脇明子訳
 岩波少年文庫
三月二日
 小公女や秘密の花園は読んだことがありますが、今までほとんど読んだことのなかった小公子をやっと読みました。確かこれは「ハウス劇場」版も途中から見なくなってしまったんだよね、アニメは小公女と比べるとどこかおもしろくなかったというか…しかし原作はばっちりおもしろかったです。
 ただ、「こんな子供はいないだろう!」と思ってしまっては台無し、ありえない子供だからこそこの物語は成立するのです
女医の花道・続女医の花道
 おおたわ史絵著
 主婦の友社
三月六日
 図書館でなんとなく目に付いてなんとなく借りたほんですが、一気に二冊読んでしまいました。女医さんの大学時代、研修医時代、一般の病院に移ってからのお仕事エッセイで、最初は軽い馬鹿話が多くて「またつまらない本を読んでしまったか」とも思ったのですが、最後はまじめに終わりました。
桜の園
 嶽本野ばら作
 光文社
三月九日
 私の様な平凡な人間には元ネタの20パーセントくらいしか理解できませんでした、全く修行がたりません。かの有名な「桜の園」を女子高で公演する、これがまずあの「桜の園」のパロでスール制度等々はマリみてのパロ、あとはもうなにがなんだか、小ネタで分かるものもあるんだけれど何がなんだか、作者は意外とサブカルチャーやおたく文化に造詣が深いとはじめて知りました。
 いえ、とにかく奥が深すぎて私にはほとんど理解不能でした、でも最後のみすっきりきれいに終わってます。
「つなみ」の子どもたち・作文に書かれなかった物語
 森健著
 文藝春秋
三月十二日
 まず「つなみ」という子供の作文を集めた本があります、でも実はまだこれは読んでません。この本はその作文を書いてくれた子供の家族を取材して、その後を追った追記のようなものだと思います、正直どんな暗い内容かと思ったのですが、前を向いて進もうという意思が感じられる家族が多くて驚きました。人間は弱くてはかないものだけれどそれと同時にとても強いものだと思います。
おしゃれの教科書・女の子のための映画スタイルブック
 杉浦さやか著
 ブロンズ新社
三月十五日
 なにげなく図書館の新刊コーナーで借りた本、でもこれがまたかわいい本でした。
 映画の中に出てくるファッションが、イラストとエッセイで語られているのですがとにかくイラストがかわいいです。
 この中で一番観てみたいのが「ピクニックアットハンギングロック」、昔から観たいと思いつつまだはたせてません。
女おとな旅ノート
 堀川波著
 幻冬舎
三月十八日
 女の敵は女とはよく言いますが、時と場合によってはそれはばっちり合っているなあと思います。私がまれーーーに一人で出かけるのを、ママ友の多くは珍しいものでも見るかのように見ているということがなんとなく分かってきました。そんなに珍しいかい?
 この本の作者は二人の子供のお母さんでイラストレーター、やっぱりおんなじ様な目で見られてます。でも、やっぱり旅行に出かけたい、でないと息がつまっちゃう、その気持はすごく共感できました。
わたしの山の精霊ものがたり
 オルフリート・ブロイスラー作・吉田孝夫訳
 さえら書房
三月十九日
 貧血検査に行った近くの医院の待合室で読みきりました。精霊の名は「リューベツァール」、ほとんど山の神様のような存在です。地元に伝わる伝説や昔話を集めて作者が作った民話集ですが、最初と真ん中と最後にだけ作者の実体験が入っています。
それでも三月は、また
 講談社
三月二十一日
 東日本大震災をテーマ(?)に書かれた小説のアンソロジーのような本、かなり有名な作家さんが多数参加されています。私がこの本を読んだのは、谷山さんのファン必読の川上弘美さんの短編「神様」の別バージョン「神様 2011」が載っていたからです。
 しかし一番いいなと思ったのはいしいしんじ氏の「ルル」でした。
騎士の世界
 池上俊一著
 河出書房出版
三月二十二日
 何かの資料とか参考になるかなと思ってさくさくっと読んでみました。テンプル騎士団がどうして滅ぼされたのかが少し分かりました。
グリフィンとお茶を・ファンタジーに見る動物たち
 荻原規子著
 徳間書店
三月二十三日
 児童文学に出てくる動物を切り口にファンタジーについて考えてみようという趣旨の本、出てくる本のほとんどを読んだことがありましたが、全く読んだことがないのが「ウォーターシップタウンのうさぎたち」でした。著者はいたくこの本がお気に入りのようですが、確か前に読んだ他の著者のファンタジー論では酷評されていたような…一度読んだ方がいいかも。
フランスで大の字
 小栗左多里・トニー・ラズロ著
 ヴィレッジブックス
三月二十九日
 小栗さんは私の高校の美術科の先輩です、面識はありませんが。それはおいといて、著者がいろんな国に行っていろいろなことを体験してみて、そのレポート漫画の本です。
パパ、どうしてお仕事いかないの?
 望月昭著
 幻冬舎
三月三十日
 漫画家の奥さんが稼いで旦那さんが物書きしつつ家事と子育てをしているおうちの、旦那様の書いた子育てエッセイです。タイトルは将来息子さんに言われそうだと想定している言葉だそうです。
 子育てが孤育てになると本当につらい、と世間ではいうし著者も繰り返し書いてますが、ごめん、あんまり大変じゃなかったよ。私も近くに友達はひとりもいなくて祖父祖母にも頼れず旦那は夜帰ってくるだけの状況でずっとポチを育ててきましたが、案外へっちゃらでした。子供と親の性格によるところが大きいと思います。
ハプスブルク家の食卓
 関田淳子著
 集英社
四月三日
 特別にオーストリアのハプスブルグ家に興味があるわけではないのですが、大変楽しく読めた本です。中世から近世の外国の皇族が何を食べていたのか、いやもうすごい高カロリーでびっくりよ。私としてはあんまり好きな女性ではないのですが、人気のある皇妃エリザベートの食生活にも驚きです、絶対そのダイエット方法は間違っているわ!
変な給食
 幕内英夫著
 ブックマン社
四月九日
 新聞一面の一番下の本の広告で見て、是非読んでみたいと思っていた本が図書館にありました。全国津々浦々の小学校で実際に出された給食の「変なメニューのとりあわせ」が再現写真つき(それもでかい)で辛口コメントとともに載ってます、いや、確かにヘンなメニューの山でした、三重県伊賀市が載ってないかひやひやしたよ…。
 考えてみれば、小学校の途中で米飯給食が始まるまでは主食はいつもパンだったので、パンと味噌汁とか妙な組み合わせはもちろん、当時の給食は今よりカロリー重視だったのでぽてちとかスピンとか時々出ていました、魚はいつもてんぷらかフライだったしな。それに比べればポチの学校の給食のまともでおいしそうなことよ、お箸持って食べに行きたいです。
 しかし、真面目な文章の部分では、言ってる事は多分とっても正しいのだろうけれど賛成出来ない部分も結構あります。食事は栄養だけがすべてじゃないと思うのよ。
イタリアで大の字
 小栗左多里・トニー・ラズロ著
 ヴィレッジブックス
四月十一日
 前に読んだのがフランス版、今度はイタリア版、細かい手仕事が多いです。いろんな国に行けていろんな仕事が体験できて、素敵な仕事だなと思いますが、まだ授乳中の赤ん坊連れではさぞかし大変なことも多かったのではないでしょうか、それでも楽しそうに仕事をこなしている先輩に幸あらんことを!と思います。
学校制服の文化史・日本近代における女子生徒服装の返還
 難波知子著
 創元社
四月十三日
 もしも私に尻尾がついていたのならば、この本を読んでいる間中左右に振られていたことでしょう。和服から袴、そして現代に続くセーラー服への女学校の制服の歴史を学者さんが大変丁寧に説明してくれています。まずは文章が美しくて読みやすい、ときどきこの手の本はものすごい日本語を使っていることがありますが、この本はそんなことがありません、一般人にも大変読みやすいです。
 そして研究内容がすばらしい、よくぞここまで調べて本にしてくれた!と感謝したいくらいです。昔の普通の人々の言葉は忘れ去られ、どこにもなかったことになってしまいますがこういう研究のおかげでそういった言葉がよみがえり、心に残ります。
☆☆
少女ポリアンナ・ポリアンナの青春
 エリナー・ポーター作・谷口由美子訳
 岩波少年文庫
四月十九日
 子供の頃、自分の数少ない蔵書の一冊にこの本(岩波じゃないけど)がありました。今読み返してもほとんどかわりがありません。でも、やはり自分が大人になった分読んだ後の感想は違うわけで…。
 「青春」の方は、はじめて読んだのですがまるでハーレクインのように、登場人物が若干一名をのぞいてラヴラヴハッピーで終わるのはどうよ!と思いました。そもそも結婚する前よりも後の方が大変なことが多いもの、なのになぜラヴハッピーで終わる物語がこんなに多いのでしょうか。
バティストさんとハンガーブルグ・ハンガーブルグ伯爵のおはなし
 ルドウィッヒ・メルマンス作・江國香織訳
 BL出版
四月十九日
 タイトルと装丁にひかれて適当に借りた絵本ですが、なかなかにかわいいお話でした。バティストさんはもと執事、それも経験豊かなすばらしい執事です、しばらく引退してのんびり暮らしていたのですがもう一度働き始めたら…というお話。
ときめく鉱物図鑑
 監修・宮脇律郎
 山と渓谷社
四月十九日
 写真や装丁はキレイなのですが、石にあまり興味がないせいかあまりときめきませんでした。けれど、石好きの人ならばきっともっと楽しめることでしょう。
河北新報のいちばん長い日・震災下の地元紙
 河北新報社著
 文藝春秋
四月二十五日
 震災時、なんとかして新聞を発行しようとした新聞社の内壁新聞で有名になった新聞社ではない方です。新潟の新聞社と有事の際の提携をしていて、当日に号外を出すことが出来た新聞社の当時を振り返って…という内容の本。
 震災後しばらくたってから書かれているせいかすごく冷静に仕事を振り返っています。
しばわんこ・和のお道具箱
 絵と文・川浦良枝
 白泉社
四月二十六日
 しばわんこシリーズを読んだのは久しぶりですが、久しぶりに見るとしばわんこもみけにゃんこも目もくらむほどかわいいです。特にしばわんこの、柴犬特有の体の内側が白いのがたまりません。ああひっくり返して触りまくりたい…。
天皇家のしきたり案内
 「皇室の20世紀」編集部編
 小学館
四月二十七日
 歴史となった天皇ではなく、今の天皇家を中心に皇室行事とかしきたりを写真たっぷりで分かりやすく説明してあります。
なつかしの給食
 アスベクト編集部編
 アスペクト
四月二十八日
 昭和三十、四十年代の人気献立50品完全再現レシピ付です。私が給食を食べ始めたのは五十年になってからですが、「出た出たこれ!」というものが結構ありました。
 当時の小学生の間でも好き嫌いが完璧に分かれたのが鯨のたったあげ、私は好きでも嫌いでもなかったのですが、旦那は食べたことがないそうです。鯨は常に煮物だった模様、しかし逆に私は鯨の煮物を食べたことがありません。近隣の市だったのにえらく違うものですな。
 当時はまだカロリー重視だったので、現在のポチの給食とは全然違います。今の給食はおいしいです。
ぼくとルークの一週間と一日
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作・大友香奈子訳
 東京創元社
五月二日
 ダイアナ氏の初期作品のうち未訳だったものの一つだそうです。最後の種明かしまで全然元ネタが何か分かりませんでした、修行が全く足りていません。分かる人にならば、ヘビとその毒を入れる皿の話が出た時点で分かったはず。甘いな、自分。
おいで、一緒に行こう
 森絵都著
 文藝春秋
五月六日
 「福島原発20キロ圏内のペットレスキュー」に同行取材してのドキュメンタリーです。立ち入り禁止地区に入って避難時に取り残された犬や猫を助けている人がたくさんいました。
 動物よりも人間の避難が第一だったのは分かりますが、もう少しなんとかならなかったのかと思います。
文学の極意は怪談である・文豪怪談の世界
 東雅夫著
 筑摩書房
五月十一日
 タイトルどおり、文豪と呼ばれる作家の作品にはおもしろい怪談が案外多いよーーんという紹介の本です、実はそれって目からウロコでした。
 私は純文学をほとんど読んでいないダメダメな本好きですが、これなら読めるかも!と思うような作品がたくさん載ってました、それに怪談は案外短いものが多いので、集中力がなくてもいけるかもしれません。
 この本に載っていた「怪談」の中で私が実際読んだことがあって一番好きなのは漱石の「夢十話」の最初の話、怪談というよりは滅茶苦茶きれいだと思います。
妓生「もの言う花」の文化誌
 川村湊著
 作品社
五月十五日
 妓生と書いて「キーセン」と読みます、韓国の昔の花柳界の女性のことです。実家のすぐ近くに花街があったせいかこの手の女性の話には興味があります。興味があっても一般女性にはなかなか踏み込めない世界なので、本で読むとなかなかおもしろいです。
女中がいた昭和
 小泉和子編
 河出書房新社
五月十六日
 私は専業主婦なので家庭の仕事全般がお仕事です、だから常々女中(ハウスメイド)のお仕事なんていつでもなんでも出来るわ!と思っていたのですが、どうも事情が違うようです。
 昭和初期から30年代頃までが一般家庭に女中さんのいた時代であり、当然今とはちょっと世相が異なってます。今ほど核家族化されてないし、何より電化製品が本格的に使われだす前なので家事が非常に大変そうです。今現在のハウスキーパーにならばなれる自信もありますが、この時代の女中さんにはちょっと無理ですな。
 母の実家(商家)が没落する前、母の上のほうのお姉さん(叔母)には「ねえや」がついていたと聞いたことがあります。女中さんがいたのはそんなに古い時代のことではありません。
ヨコハマ洋食事始め
 草間俊郎著
 雄山閣
五月十八日
 図書館で適当に借りたならば、なんとなくイメージが違った本、ヨコハマの洋食といえばカレー?肉じゃが?と思ったのですが、もう少し真面目に材料からとりくんでいました。ヨコハマが外国人居留地になってから牛乳やお酒をどうやって取り扱ったか、パン屋の事始めは?などなどの真面目な本でした。
アフター・ザ・レッド連合赤軍兵士たちの40年
 朝山実著
 角川書店
五月二十二日
 もうそんなにたったんだと思いました。多くの人は刑務所から出て何かの職について、平穏に暮らしています。しかし事件のことを忘れないように記録しておこうとする人が何人もいて、そういう人たちへのインタビューが中心になっています。
 永山洋子という人が事件の中心にいて、その人の書いた本も確か読んだことがあったと思うのですが、その本を読んだ時、ある犯罪加害者の家族が書いた贖罪の本を読んだのと同じような印象を持ったのを覚えています。「それはないでしょう」的な。
ダヤンと恐竜のたまご
 池田あきこ作
 ぽるぷ出版
五月二十三日
 ダヤンシリーズの長編物語、恐竜の赤ちゃんはともかくドードー鳥がたくさん集まってお菓子作りをしている様子は想像するだけでかわいいです。
 それにしてもこの直前に読んでいた本と比べるともう滅茶苦茶ほのぼのしていて、ちょっとほっとしました。
世界の市場
 松岡絵里著
 図書刊行会
五月二十五日
 谷山さんの「バザール」を描く参考にしようと思って借りたのですが、考えてみたらあれはバザールが始まる前の早朝の光景であって、市場真っ只中の時間帯ではありません。そういうわけで曲の参考にはならなかったのですが、一枚一枚の写真もなかなかきれいで読みやすくかつよみごたえのある本でした。しかしまたの旅行本を読んで行ってきた気分に浸るという空しいことをしてしまったよ。
バビロンまでは何マイル・上下
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作・原島文世訳
 東京創元社
五月二十八日
 ダイアナさんの本はたいてい何を読んでもおもしろいのですが、この本は私的にまたずいぶんとおもしろかったです。まず主人公が髪をきっちりなでつけて仕立てのいい服装を着た端正な若いお兄さんというのが珍しいし、時代は現代場所はオタクの祭典の行われているホテルというのも笑えます。
 主人公の違う後日談(?)があるようなので、これも読んでみなくてはなりません。
封殺鬼・帝都万葉
 霜島ケイ著
 小学館ルルル文庫
六月四日
 昨年冬に出た封殺鬼の新刊、実家近くの本屋でようやく見つけました。美少女桐子様15歳の頃のお話、後の旦那様とのやりとりが初々しくてかわいいです。しかし鬼二人の出番がないわ…まあいいけど。
封殺鬼・クダンノ如シ(上)
 同上
六月五日
 帝都万葉と同時にゲットしたこっちは比較的出たばかりの新刊です。桐子様イン女学校、たまりません。しかもまだ具体的な事件が起こってなくて、ほのぼの女学生ライフを楽しんでおられます。それにしても鬼の出番がありません、運転してるか立ち聞きしているかのどちらか、とても異能の鬼には見えないんですけれど…。
知識ゼロからのパン入門
 日本パンコーディネーター協会
 幻冬舎
六月八日
 大変おいしそうな本でした。私はパンが大好きなのですが、やはりご飯と比べるとカロリーの問題があるので好きなパンを好きなだけは食べられません。無念。
アンティークFUGA番外編・澳門骨董譚
 あんびるやすこ作
 岩崎書店
六月八日
 以前読んでいた骨董屋兄弟の話の続きです。マカオまで行く手段をなんとかするのに町内商店会の福引をひくのですが、何をやったんだ唯兄さん…ところどころあまりにもせこくて笑えます。
困ったときに本当に使える就活のヒント100
 常見陽平監修
 マガジンハウス
六月十二日
 特に今のところ私自身が就職する予定はないのですが(でも人生は何が起こるか分かりません)、友人が派遣切りにあってからもう何年も就職出来ないので、どうしてだろう?と思って何かのヒントになるかと読んでみました。
 この本は就職活動中の大学生対象ですが、大人にも通じる普遍性ももちろんあります。是非彼女に読んで欲しい、でも読まないだろうな。
わたしのままでママをやる
 齋藤学著
 WAVE出版
六月十三日
 前半がよしもとばななさんとの対談で後半が内田春菊、中村うさぎ、倉田真由美さんたちとの公開討論(?)会、前半と後半を分けて本にした方がよかったのではないだろうか、完全にブッキングミス観にあふれた本になっていると思います。
 ばななさんは繊細で優しく女性的なイメージ、後半の三人はある意味とても女性的ではあるけれども最終兵器的なたくましさの持ち主、という印象があるので、同じテーマで同じことを語っていてももう全然次元が違うような気がします。家族とは、母親とは何か等々大切なこともたくさん語っているのだけれど、それよりも人選のインパクトの方が強いというなんだか珍しい本でした。
ケイト・グリーナウェイ・ヴィクトリア朝を描いた絵本作家
 川端有子編著
 河出書房出版
六月十四日
 グリーナウェイは結構好きなのですが、彼女の生い立ちとか人となりが書かれた本を読むのははじめてだと思います。一番初めの絵本「窓の下に」に描かれていたグロテスクでブラックな世界が後に描かれなくなったのは本当に残念です。
東日本大震災・自衛隊救援活動日誌
 須藤彰著
 扶桑社
六月十八日
 自衛隊の政策補佐官(現場と上役とのつなぎのような仕事をする人)が震災にあって、救助の現場であったことや思ったことを綴った日記です。出版を前提に書かれてはいないので結構正直ですが、何よりも救われるのが本人が明るくあっけらかんとしていること、そして人助けという仕事に誇りを持っていることです。
ギュスターヴ・モローの世界
 新人物往来社編
六月二十二日
 ギュスターヴ・モローを語るとそれなりに長くなりますが、実は図版をゆっくり眺めたのもすごく久しぶりで久しぶりに見るとなんで私はこんなに不気味でけったい(失礼)な画家の絵がこんなに好きなんだろうとしみじみ思います。この本はそんな画家の代表作をさっくりあつめてあっさり解説がしてあってとても読みやすいです。
 「サッフォーの死」という同じモチーフの絵が何枚かあって、これらがみなばらばらに世界各地(?)の美術館に所蔵されているので一生本物を観ることが出来ないだろうと思っていたら、東京の回顧展でばっちりあったよ!ということがありました、ラッキーはどこに転がっているか分かりませんね。そして何年か前、オルセー美術館展が東京であったとき、「オルフェウス」観たさに根性で行ってきました。あの時もあの時もまきこんだ友人達よ、すいません。とどめに新婚旅行のとき、ちゃっかり巴里のサントリニテ駅近くのモロー美術館に行ってきました、もう一度行きたいです、旦那おいて。
梅原猛の授業・能を観る
 朝日新聞出版
六月二十五日
 最近は人生に余裕がなくて、お能の世界からはるか彼方に遠ざかってしまいました。昔も決して能の近くに居たわけではありませんが、それでも時々テレビで観たり、薪能を観に行ったりしたものです。観に行ってもけして理解できるような教養はきっぱりもちあわせていないのですが、あの動きとか観るのは好きでした。
 で、図書館で偶然見つけた本ですが、「能の授業」という体裁で十五の能が分かりやすく解説してあります。いつか本物を観る機会があったら、その理解の手助けになるといいなと思います。
グリフィンの年・上下
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作・浅羽莢子訳
 東京創元社
六月二十八日
 この本は前にも一度読んだことがあったはず、部分部分で覚えているところがあるからそれは確かなはず、だけれどもまるで初めて読むかのようにほとんど総てを忘れていて、なおかつ大変におもしろかったです。
 残念だったのは「ダークホルム」を先に読み返さなかったこと、また借りてこよう。
ダークホルムの闇の君
 同
七月三日
 そういうわけでダークホルムを借りてきました、いやはや一気に読んでしまいましたが、やっぱりとてもおもしろかったです。最後に神々が一気に出てきて円満解決というのが、まるでギリシア喜劇のようですが、そりゃあ、あれだけぐちゃぐちゃになればね…。
もっと変な給食
 幕内秀夫著
 ブックマン社
七月二十二日
 読みたいと思っていた第二段が図書館にありました。近隣では津市の「津ギョーザ」給食が載ってました。これは町おこしのB級グルメで一度食べてみたいと思っていたのですが載ってました…まあいいか。問題はメニューのひとつひとつにあるのではなく要するに組み合わせですから。
 しかし、この本の一冊目が出てから抗議してくる自治会もあれば、給食を改善する自治会もあり、首長の給食に対するやる気度がずいぶん違うものだとよーーく分かりました。
 ちなみにこの前ぽちの小学校の給食試食会に行ってきましたが、あいかわらずおいしかったです。
チマチマ記
 長野まゆみ作
 講談社
七月三十日
 一人称は猫のチマキ、そして語られるのはまかないのカガミさんの作るすばらしく健康的でおいしそうな料理のことと弟のノリマキのこと、そしてこまごまとした猫から見た世界、そしてまわりの人々というかわいくて幸せなお話です。とにかく料理がおいしそう、でもすごく手間もかかりそう。
ちゃんと食えば、幸せになる
 水木しげる著
 保健同人社
七月三十日
 なんだか食べ物関連の読書が続いてますが、偶然です、偶然だと思いたい。夏は夏ばて防止にきっちりご飯を食べることにしているので、かえって太りやすくなって毎年困ってます…というのはおいといて、水木先生が三兄弟で皆さんお元気で合計三百歳を目指しているなんてことは初めて知りましたが、何年か後には本当になるような気がします。
名画に出てくる幻想世界の住人たち
 ビジュアル選書・新人物往来社・編
七月三十一日
 ゴルコ゜ーンに始まりヴァンパイアで終わってます、有名な絵も全然知らないけれどもとっても素敵な絵もいっぱい入っていて楽しめました。メドゥサの容貌・怪物になる前というタイトルのダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの絵が、あまりにも画家の趣味丸出しで一番おもしろかったです。
百鬼夜行・陽
 京極夏彦作
 文藝春秋
八月四日
 トレビアーーーン、な本でした。京極堂シリーズの脇役、チョイ役の皆さんに関わる短編集で、「ああ、いたいたこんな人」から「この人誰だっけ」まで、つまりは全員覚えていないのはファンとしてはなかなか情けなくもありますが、とにかくそういう短編集です。
 最後に榎木津と京極堂と関口くんが出てくるのがもう最高のサプライズ、やっぱりこの三人がいなくちゃね。人の頭をかちわれそうな長編の続きが出ることを熱望しています。
おもひでぎょうじ
 絵・百瀬義行・監修・柳原一成
 普遊舎
八月六日
 昔ながらの年間行事をやさしい水彩画つきで説明してある本でした。
アジアで花咲け!なでしこたち
 たかぎなおこ&NHK取材班
 メディアファクトリー
八月十八日
 「なでしこ」という言葉を聞くと今はどうしてもサッカーを連想してしまいますがそうではなく、アジア諸国のビジネスの場で活躍している若い日本人女性のことを指していました。
 たかぎなおこさんというとぬへらーとかぼへーといった形容詞がばしっときまるような気がしますが、その気の抜けようがかえって大変な彼女達の仕事を際立たせているような…ミスマッチの妙ですな。
ホントはおいしいイギリス料理
 エリオットゆかり著
 主婦の友社
八月十八日
 ホントはおいしいと書いてあっても信じられません、イギリス料理。
 レシピ本ではありますが、半分ホラーのつもりで読みました。確かにおいしいんだかおいしくないんだかよく分からないレシピがてんこもり、試してみる度胸の持ち合わせも残念ながらないのでした。
「恐怖の報酬」日記・イギリス・アイルランド
 恩田陸著
 講談社
八月二十日
 有名な小説家の著者ではありますが、まさかこれほどまでの飛行機嫌いとは思いませんでした。イギリスとアイルランドに取材旅行に行くのようふふふふという普通ならばとてもうらやましい内容なのですが、この本のおよそ八割が「あれがこわい、もうすぐあれに乗らなきゃいけない」もしくは「今あれに乗っていてこわい」のどちらかで、まるでうらやましくなりませんでした。こういう旅行エッセイも珍しいと思います。
 でも、いいなあイギリスとアイルランド。イギリスは二度行ったことがありますが、是非又行きたいものです。
楽しいロンドンの美術館めぐり
 出口保夫・齊藤貴子著
 講談社
八月二十三日
 もう少し真面目な美術館案内の本かと思ったら、著者の趣味丸出しの思ったよりもずっとくだけた内容でした。もちろんロンドンの各美術館の有名な所蔵品について、ここにいけばこれがあるよ、これはこんな経歴があるよ、という真面目な説明が載っているのですが、それが趣味丸出しでおもしろかったです。
 私が行ってみたいのはテイト・ブリテンとウォレス・ハウスとレイトン・ハウス、うちテイトはテイト美術館だった頃に一度行ったことがあったのですが、全然ゆっくり観られなかったので、いつかリベンジしたいです。
クレスプリー伝説W・運命の兄弟
 Darren Shan作・橋本恵訳
 小学館
八月三十一日
 ダレン・シャンシリーズ外伝もとうとう最後の一冊(だそうです)、もう目眩がするほどラーテンがかっこよすぎます、素敵です。とある事件の真犯人が本の三分の一くらいで分かってしまうとか、なまじっかシリーズを読破しているがために後の展開がすべて読めてしまう等々の弊害が若干ありますが、それをすべて差し引いておつりがくるくらいにラーテンがいい男!また要所要所で選択をすべて誤るあたりがもう本当に素晴らしい!エラさんとのなれそめがまた、ういういしくて(?)かわいいことといったらありません。
 物語の最後にして惚れ直しました。
☆☆
20世紀からのファッション史・リバイバルとリスタイル
 横田尚美著
 原書房
八月三十一日
 なぜ図書館で借りたのかもうさっぱり謎ですが、それでも一応さくっと読みました、で、読んでみたならば案外おもしろかったです。表紙のオートクチュールの写真の一部が鳥の翼がさかさまについているようなドレスでかっこよかったです。
 今より一寸前、80年代や90年代のところで金子功氏の名前が二回出てきました、うおおおおお俺の愛するオールドピンクハウスあんどカネコワンダよ!さらばーーーーーっ。今のピンクハウスとはもう全く似て非なるものになってしまいましたが、それでもピンクハウスは大好きです。
 コルセットをはずしたところからファストファッションまで、分かりやすく読みやすい本でした。
RDG5・学園の一番長い日
 荻原規子作
 角川書店
九月二日
 レッドデータガールシリーズの五巻、やっと読めました。高校生の初々しい感情や陰陽道や幽霊、おもしろい要素はてんこ盛りなのですが、何よりも印象深かったのは犬、しゃべる端正な白い犬、どうしたって白戸家のお父さんを連想せざるを得ませんでした。どんなに主人公やその他の人物が頑張ってもインパクトにおいてあのわんこには勝てません。
生き残る判断生き残れない行動
 アマンダ゛・リプリー著・岡真知子訳
 光文社
九月五日
 九月頭なので図書館に防災関連の本が集めてあって、そこから選んで借りてみました。副題は「大災害・テロの生存者たちの証言で判明」です、不謹慎ではありますが、災害は他人事ではないし、ちょっとした災難ならば隊列をくんでやってくるのが人生なので、何かの参考にならないかと思って読んで見ました。
 何か起こったときの人の反応にはいろいろありますが、まず的確にやるべきことを判断して行動に移せる人はほとんどいないそうです。まず認めない「否認」それから「麻痺」、こういうことを防ぐには地道で実際的な避難訓練とイメージトレーニングが必要…なのだと書いてあります。まずは避難経路を確かめて、避難マニュアルを読んでおくことが役にたつそうなので、馬鹿にせずにすべきことはしとこうと思いました、どこに行ってもね。
清須会議
 三谷幸喜作
 幻冬舎
九月六日
 朝日新聞に時々作者のコラムが載っていて、この小説(戯曲ではない)について書いてあったので読んでみたいとおもっていたら、ちょうど図書館にありました、ラッキー。
 真剣なのだけれどギャグでした、特に清須城文官の前田玄以さんのパートが冷静かつ実務的で笑えました。そしてお市の方の腹黒いことよ…。お市の方というと、どうしても悲劇の美女の印象が強いですが、このくらい黒いとかえって素敵です。
さがしています
 アーサー・ビナード作・岡倉禎志写真
 童心社
九月某日
 これも新聞に紹介されていた本、ヒロシマの遺品の写真に文章をつけた写真絵本です。
うちの一階には鬼がいる!
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作・原島文世訳
 東京創元社
九月十四日
 一番の謎は、あのおもちゃ屋のオヤジは一体何者で、なぜ魔法の道具を売っているのかということだと思うのですが、まったく解明されないままに物語は終わりました…。
 
図説・英国執事・貴族をささえる執事の素顔
 村上リコ著
 河出書房新社
九月十七日
 執事と言っても今はやりの執事喫茶の執事ではなく、本物の執事のお仕事紹介本です、何がステキなのかは自分でもよく分からないのですが、何かが無条件でス・テ・キです。
 同じ著者のメイドの本も出ているそうなので、これは是非読みたいです。
別海から来た女・木嶋佳苗悪魔祓いの百日裁判
 佐野眞一著
 講談社
九月十九日
 毒をもって毒を制すといっては大げさですが、ご町内のゴミだしマナーが悪くてどうするべかーーと思っていたところにこの本を読んで、ちょっとしたマナー違反くらいで憤っていた自分のちっぽけさが馬鹿馬鹿しくなりました、ありがとう、この本よ。
 この前死刑判決が出て今控訴中(だったっけかな)の結婚詐欺、窃盗、殺人犯の木嶋被告に関するルポです。著者の語り口はずいぶん一方的で、どうかなーと思う部分も多いのですが、まあルポですから。
 なぜにこの本を読んだかというと、この人は正直美人でもないし太っているにもかかわらず、どうしてこんなに婚活力があったのかが気になったからです。女子力、女力と言い換えてもいいと思いますが、どうしてネットのお見合いサイトで出会った人に何百、何千万ものお金を貢がせ、結婚を約束させる魅力があったのか、そこが知りたい。
 実際に会って話してみると案外無口だったという証言もあることから、多分にこれはメールに力があったのではないかと私は思いました。確かに丁寧な言葉で、男性に期待を持たせる言葉が並んでいました。この人のやったことは決して真似してはいけないし、犯罪なのですが、このメール方法だけは婚活中の真剣に結婚を考えている女子の皆様は応用してもいいのではないかと思うくらいでした。
 ただし、女性の親族が身近に居た男性が何人か難を逃れているように、実際の人となりというのは同性には分かってしまうものなのだろうということもよーーく分かりました。
封殺鬼・クダンノ如シ(中)
 霜島ケイ作
 小学館ルルル文庫
九月二十五日
 桐子様がだんだんリアルな女子高生になってきました、かわいいです、かわいすぎます。そして志郎さんは、ぬらりひょんからだんだん人類に近付いてきました、なかなかに甲斐性があっていい男っぷりだと思います。あと一押しよ、頑張れ志郎さん。
リスベート・ツヴェルガーの世界
 BL出版
九月某日
 冗談のような出版社名ですが、本当にこう書いてありましたから。
 絵本を描くイラストレーターの方の図録です、適当に図書館で借りたのですが、ものすごく素敵な絵でした。「ばらになった王子」の「ヒラリ姫の髪をとかすロザリーナ姫」という絵が好きです。
アンネ、わたしたちは老人になるまで生き延びられた。
 テオ・コステル著・桜田直美訳
 清流出版
九月二十八日
 副題は「クラスメートたちがたどるアンネ・フランクの思い出」で、アンネの元同級生がドキュメンタリー映画を撮るためにホロコーストを生き延びたクラスメイト達を訪ねます。
 アンネについての思い出は皆たわいのないことばかり、しかしその時代どうやって生き延びたのかという個々の話は大変重いものでした。
 最後に著者のテオ少年の恵まれた潜伏(?)時代の真実が明かされるのですが、これはもうおとぎばなしのようでした。
ネコにも描けるマンガ教室3みんなで本をつくっちゃおう!
 夏緑作
 ポプラ社
九月三十日
 図書館の児童文学の新刊の棚で見つけて手に取り、借りてしまいました。なんという恐ろしい本を出すのでしょうかポプラ社!侮りがたし。要するに小学校高学年むけの同人誌(コピー本)の作り方ハウツー本です、いいのか小学生がそんなことしてて!
 でも私は一年生の時からマンガ描いて紙とじて本もどき作っていたな…(遠い目)いやいやここはやはり正しくノートに漫画からはじめるべきでしょう。このシリーズがもしつづいたら、そのうちデータ入稿編とか出るかもしれません、どこまで行って、何を目指すのかポプラ社、明日はどっちだ。
 でも一番なんだかなーと思ったのは、ポチがこの本をさくっと読んで「おもしろかったよ」と言ったこと。何を目指すのだ、ポチよ。
王子はただいま出稼ぎ中
 岩城広海作
 角川ビーンズ文庫
十月一日
 友人から借りた本の中の一冊、著者のデビュー作だそうです。普通におもしろかったけれど、続きを読む機会があるのかは不明。
天災と復興の日本史
 外川淳著
 東洋経済新報社
十月五日
 世界中で記録される地震の約一割は日本で起こるのだそうです…日本はとってもちいさな島国、なのになぜよりにもよって!いつも思うのですが、何もない大草原や荒れ地で地震が起こってもそれはただ揺れただけ、被害をおよぼすようなものにはならないのですが、どうせならばそういうところで起こってくれないかな、人口密集地じゃなくてさ。
 それはおいといて、歴史上記録された地震や火山の噴火といった大災害に、当時の政府(幕府だったり藩だったり)がどのように立ち向かい復興をとげてきたのかという歴史の本です。だいたい名君がいたりすると話は早い、けれどうまい具合にいいお殿様がいるとは限らない、ましてや今のように政治が混迷していると、復興するものも復興しないよと、歴史は教えてくれています。
南から来た男・ホラー短編集2
 金原瑞人編訳
 岩波少年文庫
十月十二日
 なんと言ってもホラーなので楽しい魅力的な話ばかりだったのですが、その中でも一番おもしろかったのがウォルター・デ・ラ・メアという人の書いた「不思議な話」という物語でした。古いオークの衣装箱に近付いた子供達が一人又一人と…という素敵な話。謎が謎のままずっと残って、物語の余韻もすばらしい、子供達はどこに消えたのかしら、ティル・ナ・ノグ?それともインフェルノ?夕闇がおしよせる静かな気配がして、何も悪いことが起こらないのに結果は最悪、すばらしい!
世にも奇妙な人体実験の歴史
 トレヴァー・ノートン著・赤根洋子訳
 文藝春秋
十月十九日
 もしも人生に余裕がとってもあるならば、秋の夜長にじっくりと読みふけるのに大変適した本です。世の中にはマッドサイエンティストがあふれていて、マッドサイエンティストの皆様の尊い犠牲のおかげで医療の発展とかなんとかかんとかがあることがよく分かりました。よくもまあやるもんだよ!
 私的に読んでいて盛り上がったのは、やはり病気と闘った尊いお医者様のあたりとサメと戦ったり漂流実験してみたりした紙一重の冒険者(科学者)の皆様のエピソード、いやあ全くよくもまあやったもんだよ。
 内容はおもしろかったけれどためになったかどうかはまた別の話、どちらかというと「またつまらぬ本を読んでしまった」部類に入るのかもしれません、読んだ後にさわやかな脱力感が残ります。

武士の家計簿「加賀藩御用算用者」の幕末維新
 磯田道史著
 新潮社
十一月一日
 友人から借りた本の中の一冊、確か映画にもなっていたと思います。映画化されるくらいなのでやはり内容もおもしろかったです。著者が古本屋でまとめて購入した加賀藩の下級武士の家計簿をひもといていくルポ(?)なので物語性はないはずなのですが、当時の生活の悲観こもごもまでよく分かるような気がしてきます。どんな時代にも貧乏はつらい、それでは貧乏を乗り越えるためにこの一家は何をしたかというと、身の回りの品を売りまくった、それでも武士としての対面をたもつための交際費が物入りで…見栄を保つのって本当に大変だったんだなと思います。
 明治になって一度は出世したものの没落していく一家、その姿は家計簿だけにリアルです。
図説・英国メイドの日常
 村上リコ著
 河出書房新社
十一月八日
 執事の本を読んでからずっと読みたいと思っていたメイドさんの本、目出度く図書館にありました。ちょうどナースメイドの出てくる漫画を描いていたので、資料としてもすごく助かりました。
 残念ながら私はメイド喫茶に行ったことはないのですが、この本を読むとモエモエしているメイドさんと本物のメイドさんとは全くの別物だということがよーーく分かります。一日中くるくると働きまわる肉体労働、薄給、なんだかとっても主婦に似ている…。私、案外、昔ながらのメイドさん出来るんじゃないかな。仕事さえ覚えて昔の道具を使いこなせるようになれば。
旧約聖書物語上・下
 ウォルター・デ・ラ・メア作・阿部知二訳
 岩波少年文庫
十一月十五日
 この前読んだホラー短編集の中で一番おもしろいと思った人の書いた旧約聖書物語、旧約のアダムとイヴのあたりからダビデが王になるあたりまで、ぶっちぎり分かりやすくロマンティックに書いてあります。このノリで旧約の主な部分を全部物語にして欲しかった…。
アグルーカの行方
 角幡唯介著
 集英社
十一月二十一日
 副題は「129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極」です、今年読んだ中でおそらく一番おもしろくて印象に残った本になるでしょう。
 1845年から始まったイギリスのフランクリンを隊長とした北極探検隊が途中で遭難して、隊員全員が死亡するという事件(事故?)がありました。今からかるく百年以上たったのにまだ謎につつまれたままのこの隊の軌跡を辿って徒歩で旅をしたルポなのですが、いやはや壮絶。
 フランクリン隊の痕跡が残っているわけもなく、ただ同じルートを歩きとおします、そして生き残ってイヌイット達に「アグルーカ」と呼ばれた男が消えたとされるカナダの原野まで旅は続きます。そして最後に著者が見たこと感じたことはとても机上の理論ではおしはかれないこと、雄大な自然だとか旅の充実感とかそんなことはもうどうでもよろしい、そんな本です。
☆☆
タイタニック・百年目の真実
 チャールズ・ペレグリーノ著・伊藤綺訳
 原書房
十一月二十八日
 もう少しおもしろい本かなと思って読んではみたけれど、実はあまりおもしろくない本でした。タイタニックには人並みの興味があるし、おもしろいエピソード等もいろいろ載ってはいるのだけれど、メインが深海生物なのか深海探査についてなのか心霊体験についてなのか、他分野に話が飛びまくっていていまいちまとまりがなかったような。
 ちなみに私は、ディカプリオ主演の「タイタニック」はあまり好きではありません。あの映画で唯一印象的だった場面は三等先客の母親と子供達が船室に取り残されて、母親が子供達に御伽噺、「それから二人はティルナノグで幸せに暮らしました」と話しているところくらいでした。
仮面教師SJ1
 麻城ゆう作・道原かつみ絵
 新書館ウィングス文庫
十一月二十九日
 かのいにしえの名作「ジョーカー」シリーズと同一設定の物語、時代はちょっと違っているみたいです。
 今度は学校の先生の話。
学校を災害が襲うとき・教師たちの3.11
 田端健人著
十二月一日
 学校教育が専門の大学の先生が、東日本大震災にあった学校の先生を訪ねて当日やその後の出来事、様子などをインタビューし、それをまとめた本です。日ごろの避難訓練や学校行事で培われた仕事の手早い分配や分担が非常時にも生きたこと、いざという時には学校が避難場所になるのでその避難所の運営もしなくてはならないことなど、かなり具体的な話になってます。
 そういう部分だけとってみても充分読み応えがあるのですが、著者の語り口にはもう一つ何か深いところがあって、教育とはどうあるべきか考えさせられます。
オンナノコのおたしなみ
 大田垣晴子著
 メ゛ィアファクトリー
十二月二日
 2004年に出版されたコミックエッセイ、ほんの一寸前のことなのに、今読むとその頃の時代を感じます。
怖い絵3
 中野京子著
 朝日出版社
十二月二日
 もしかしたら1とか2を手に取ったことがあるかもしれませんが、図書館の棚にあったのは3だけだったので三巻から読んでみました。古今東西の名画がカラーの写真付でまず載っていて、その絵が描かれた背景や図像の意味を解き明かしていくという趣向、一見怖くなさそうに見える絵でも確かに怖いものがあるんだよ、そしてその怖さを知るにはある程度勉強しなきゃいけないんだよ、ということですが、素人にはそんなの無理。ちなみに私は絵を見るときには「この絵を描いた人には世界がこんなふうに見えたんだ」と思いながら見ています。
遺稿集
 鴨志田穣著
 講談社
十二月六日
 かの有名な漫画家西原理恵子さんの元の旦那さん、アル中になってガンで死んだのは西原さんの本で知ってました。西原さんと組んだ旅の本なんかは時々読んでいたのですが(なにせすさまじくておもしろいから)この人の文章をまとめて読むのは今回が初めてです。
 奥さんとの仕事は、大変なことも多かっただろうけれどすごく楽しかったのだと思います、そういったお気軽な紀行文と比べるとびっくりするほど重い、重たい文章ばかりでした。
ころころろ
 畠中恵作
 新潮社
十二月十二日
 しゃばけシリーズのまだ読んでなかった本、あいかわらずおもしろかったです。
 ちょっと迷惑だけれど憎めない神様、生目神様の話。
毎日かあさん8・いがいが反抗期編
 西原理恵子作
 毎日新聞社
十二月十五日
 とうとう息子さん反抗期ですか…男の子のお母さんの気持ってのはどうもよく分かりません。分からないけれどなんだかすっごく大変そうよ。
アルカトラズ幻想
 島田荘司作
 文藝春秋
十二月十八日
 とある死体損壊事件を起こし、陪審員裁判で失敗しアルカトラズにぶちこまれた青年の長い長い人生の旅路の物語、アルカトラズ脱走失敗からいきなりファンタジーの世界に飛ぶのでこれは何?と思ったのですが、納得がいきました。
すーちゃんの恋
 益田ミリ作
 幻冬舎
十二月十九日
 読書日記につけてたかどうかは忘れましたが、実はずっと図書館で借りて読んでるすーちゃんの日常コミック。いろいろ考えたり悩んだりするのは人生に余裕があるってことだと思います、とにかく貯金だけはしておくのよ、すーちゃんと私が友達だったらこう言うね。
鍛える聖地
 加門七海著
 メディアファクトリー
十二月二十日
 かなり笑わせていただきました、まずタイトルからいって笑えます。聖地なのになぜ鍛えるの?鍛える聖地って何?神社仏閣以外の聖地はたいてい人里離れたところにあるので、そこに行こうと思ったら心身ともに鍛えなくちゃ行けません、要約するとそういうことなのだとは思いますが、作者が作者だけにそれだけでは終わってません。ホラー作家の聖地とは、一般人にとってはかなり怖いところ(一部除く)、むしろ行かない方がいいんではないかと思います。


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