セッション・グループワーク
体験談など





2007/5/4

セッションにいらした方(匿名希望さん)が書いてくださったレポートを載せます。セラピーを実際の人間関係に応用し、変化をうみだしていかれました。このような、体験にもとづいた洞察は意味深いものだと感じます。気づきをシェアしてくださってありがとうございます。(原文はワードの文章でしたので、外部リンクはありません)

「受け入れることで得られたもの」

「わかるよ、よくわかるよ」と言う言葉は、魔法の言葉だと思います。

まるで、あらゆる料理がおいしくなる魔法の調味料『クレイジーソルト』みたいに、「いまだ!」と思う時に、ササッと相手にこの言葉をかけてあげます。

すると、それまでかたくなだった相手の心が、かけた瞬間にゆるやかにほどけていくのが目に見えて分かります。

「わかるよ」という言葉は、相手を受け入れる言葉で、簡単な単語なのですが、結局は相手のことを慮ったり、寄り添うような言葉はすべて、相手の心に響いて、相手側からもこちらへの受け入れの準備が整うようです。

使い方はいたって簡単で、最初はそれほど同調する必要はなく、私も「なんとか共感できる部分はないものだろうか?!」と探していました。でも、少しでも「大変だったんだろうな」「この部分はイヤだったんじゃないかな」と、思える部分があったら『クレイジーソルト』の出番です。

たとえば、煩雑で忙しい仕事内容があったのですが、その期間中はある同僚とちょっと険悪なムードになってしまいました。

ある日、その同僚はすでに確認した内容さえも忘れてしまい、席が近いのにも拘らず、もう一度、仕事の依頼のメールでしてきました。

心の中では一瞬、「なんだよ」と思ったのですが、気持ちを切り替えてこうメールを打ちました。

「おつかれさまです。この件は大丈夫ですよ。念のため、もう一度確認事項を挙げますね」

と、同僚からのメールでCCにも入っていた人たちも含めたこのメールを打った後に、その同僚にだけ
「おつかれさまです。こんなに忙しいと訳わかんなくなってきちゃうよね。今回も、準備など大変でしたね。いろいろとありがとうございました。」

と書いたところ、それまでの険悪な雰囲気はなくなり、その後のふたたび人間関係がスムーズになりました。


この言葉を使い始めてから、約半年がたつのですが、新たな展開がありました。

同僚のそれ以上に、険悪な関係だった上司との関係改善です。その当時は、歩み寄りは無理だと思っていました。

メールでの陰湿な応酬があったり、仕事を許容量以上に押し付けられたりする日々が1年半つづきました。その当時は、私も上司を思いやることもなく相手の領域にずけずけ入ったり、きつい言葉が多く、「わかるよ、よくわかるよ」なんて言葉は、無縁でした。


しかし、ユーリさんとのセッションから教えていただいた内容を織り交ぜながら、なるべく仕事の依頼はいやな顔ひとつせず、受け入れるようにして、対話の時でも攻撃するような発言は避けるようにしていくうちに、上司に「立場的につらいですよね」「こういう事情があるでしょうから、いつまででいいのでしていただけると、ありがたいのですが・・・」と言う感じの言い方が増えていくようになりました。


同時に、周りが失笑していたような上司の言動にも、私の方から進んで明るく転換することによって、「おかしな人」から「おもしろい人」へと周りの上司への評価も変わって行きました。

これは、ユーリさんにセラピーをお願いしているうちに出てきた対処法で、「分別くさい顔で接するよりも、明るく底抜けに陽気に対応する」ことが効きました。

すると、最近、とても感動する出来事が起こったのです。


永らくの出張やオフィス不在中にチェックをお願いしていた書類があったのですが、チェックを終えた上司から返ってきたそれに、付箋で「手打ちで書いてるんだったら、○○○の資料からコピペしたらいいかも」と、メモが書いてあったのです。

○○○と言うのは、上司が作っている社内用の書類で、今までは責任を負いたくがないために、彼女は資料の活用に消極的でした。

また、この種のおせっかい的な思いやりも気遣いの欠片もなかった人からの思わぬメモでした。

正直言って、一瞬、何が起こったのかわからなかったので意図するものに気づかず、既に実行していたことなので「何を今さら・・・」と言う気持ちと、「いいかも」と書いたあたりに自分の意見に対して自信がない上司の性格が書き方ににじみ出ていて、やや苦笑いをしてしまったのですが、上司の歩み寄りの姿にじわじわと感動がこみあげてきました。

陰気だったあの人がここまで変われるんだなぁ・・・と、親心にも似た気持ちにもなりました。

でも、変わったのは上司だけではなく、私も変わっていたのでした。

人からの直接的な評価は、かなり大幅に自分が変容しないともたらされないと思うのですが、まわりから「丸くなったね」「変わりましたよね、話しやすくなりました」・・・しまいには、「かわいくなった」とまで言われたのです。(笑)

おそるべき、『クレイジーソルト』の威力です。


その根底には、ユーリさんのセラピーで導かれた
◎ 「相手と違っていていい」ことを認識する
◎ 思ったとおり浮かぶまんまの言葉を言うと全体の60%に誤解が生じる
◎ 感情を交えずに相手の話をただ聞いてみる
と言ったことがあったかもしれません。先ほど、慮ると書きましたが、相手に同化する必要はなくて「そうだよね、わかるよ」と自分が言えるためにも、もっと機械的に自分にとっても「共感できる部分」を探す作業に近いと思います。

また、相手も自分も誤解の恐れの上に、コミュニケーションを成り立たせていると気づいたら、それを知っているのと知らないのとでは気持ちの持ちようにも大きな違いが出てくるのではないでしょうか。所詮、最初から分かり合えると言うのは難しいということなのです。


ですが、こんな考察や難しいことは抜きにしても「わかるよ、よくわかるよ」の言葉は、本当に魔法の言葉であり、しかもいくら使っても減ることがない!とてもすばらしい『クレイジーソルト』なので、いつでもどこでもどんなことにでも、使ってみてください。

相手が「理解された」と思って、気持ちが浄化されるのか目が潤むことさえあるのです。使ってみると、その効果にきっと驚かれると思います。


長文、最後まで読んでいただいてありがとうございました。




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