精神世界の知恵をダウンロードするの術
VOL-4







 「念ずれば叶う」


健康な人が体を酷使するような生活をしていても、スグに病気になったりはしませんね。逆に、病気の人が健康のためにさまざまな努力をしても、やりはじめたその日から突如元気になるわけではありません。ためている時間があります。


すぐに願いが叶わなくても、かけた思いはエネルギーとしてたまっていきます。どのぐらいのスパンで叶うかは、その人の流れと願いの親和の程度によってかわってくるのでしょう。たまったエネルギーはすぐにあらわれなくても、次の変化の時期に、人生の方向性を変えるぐらいの力になって顕在化したりします。


『親分はイエス様』という本を書いた牧師さんをご存知でしょうか。もとヤクザが牧師になったという話です。奥さんがずっと神様に祈っていたそうです。でもすぐに変わったわけではなく、本人が行き詰って立ち止まり、ほかの方向性を受け入れる気持ちになったときに、かけていたエネルギーが顕在化しました。


結果がスグに見えなくても、祈りつづけ、努力し続けることが大切です。思うこと、言うこと、やることのひとつひとつがアファメーションになります。そのためには願いと行動が一致しているほうがいいです。今日思うことと明日思うことが一致しているほうがいいです。


願いの叶い方はいたってフツーだったりします。奇跡には見えないような奇跡です。よい情報を見つけ、改めるべき点に気づき、自分を変えていくということの連続です。適切な時期に適切な人や情報にであえるだけでも、長い目でみると大分変わってきますよね。


成功哲学では「念ずれば叶う」といいますが、ひたすら眠りながら祈っているだけでは受験だって落ちます。念じるだけでは確信がもてないなら、やはりフツーに努力することが大切です。やれることが10あるとしたら15ぐらいは自力でやるつもりでいましょう。


「刀になりたい」と思った鉄の塊は、溶かされたり叩かれたりして、刀になっていきます。アファメーションは、願っていた方向へ向かっていくように自分を鍛えるサイクルを引き寄せる場合もあるのです。


不思議な力というのは確かにあります。ラインホルト・メスナーという登山家は、雪山で遭難したときに、ワンピース姿の少女に導かれて下山しています(詳しくは地球交響曲第一番より)。でももしも登山をまったく知らない私が、ただ直感にたよっても、同じようにはできません。イメージングや成功哲学は、その人の実力プラスアルファの力として生きるものです。だからフツーの努力や勉強や体験が大切です。努力ではなしえないところを助けてくれる力も働いています。ハイアーセルフと対話しながら、現実的にものごとを進めましょう。