ヒプノの世界 10






●インナーペアレント療法



インナーチャイルドが傷ついているときに、イメージの中でインナーチャイルドと出会って癒す方法をとることが多いですが、私は自分自身の傷ついたインナーチャイルドを癒すなかでとても強力な方法をつくりました。



子どもはよかれあしかれ、周囲の人の言動から、その人の思考や言動の傾向・法則・パターン・ルールなどのエッセンスを抽出し、相手のイメージとともにとりこみます。



心に残った親のイメージをインナーペアレントと呼びます。



養育的なインナーペアレントであれば子どもが成長して大人になってからも長期的に心の安定に大きく寄与します。非養育的なインナーペアレントであれば害も長期化します。



思考や言動の傾向・法則・パターン・ルールは、さまざまなところで応用がきくので影響が長期化します。



インナーチャイルドが傷つくのは、傷つける人が周りにいたからで、インナーチャイルドが傷ついているということはインナーペアレントが子どもを傷つける傾向・法則・パターン・ルールを持っていると考えます。



親以外の身近な人だった場合もありますが、いずれにしても加害者傾向があるサブパーソナリティがいることによってインナーチャイルドが傷ついたと考えます。



加害的なインナーペアレントが自分の内面世界にいると、自動的に自分否定的思考・自己懲罰的思考・抑圧的思考などが浮かぶ原因になります。



親の傾向を他の人に投影するかもしれません。



自分は親のようにならないつもりでも、傍からみるとソックリなことをするかもしれません。



心の中でそれらの意見と戦い続け、疲弊するかもしれません。



ネガティブなインナーペアレントの傾向は無限に応用されて運用しつづけられるからそのようなことが起きます。



それは当の加害者(?)である親自身からみても深刻な事態を引き起こす可能性があります。



自分の子どもが、いい大人になってもなお自分を恨んでいたり、ひどい加害者イメージを持ち続けられ、年をとって弱くなってまで仕返しされたりするかもしれません。



インナーペアレントの傾向は、過去に実際の親が繰り返してきた言動、あるいは強烈にインパクトを残す出来事が、子どもから見てどのように見えたかによるものです。



それは実際の親がどう感じてそのような言動をしていたか、という心情とはかけ離れている可能性があります。



養育的でない親の言動は実際には弱さや無知が原因になっているのですが、あくまで子どもからみた親イメージによってインナーペアレントが作られるため、インナーペアレントは実物の親とかけはなれて、限りなく破壊的な暴君・迫害者になりえます。



親のみならず、悪人というものは、弱さや無知によって突き動かされ正しい判断ができない人です。



「真の悪人」は被害者の心の中にしか存在しないものといえます。



そして「真の悪人」とわたりあい、やっつけ、平和を取り戻そうと被害者がするとき、被害者は迫害者になります。



「真の悪人」はイメージだからです。



加害者と被害者はセットになっているので、インナーチャイルドが傷ついているならばインナーペアレントを修正することが役にたちます。



親以外の他者でも、夢に出るほど心の内部に入った他者はすべて、サブパーソナリティとして自分の内面で働きます。



他者イメージの修正は、事実や記憶の歪曲ではなく、今なお残る影響を減らし、過去を過去にするための方法です。



(この方法が心理学的手法の一部として広く一般的に使われるようになれば、多くの問題改善に役立てるはずだと考えてるので、広めることにご協力いただける方はお声がけいただきたいです)