来談者はふたりの子供を持つ女性です。上の女の子(瑠美ちゃん)のエピソードを聞きました。了承をいただけたので紹介します。
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瑠美ちゃんは言葉をしゃべるようになってから、「神さまのところに行ってきます」と言って寝てました。
ある日来談者の女性が聞きました。
(「来談者」だと読みにくいので以後「お母さん」と書きます)
「神様のところにいったら、赤ちゃんいつ来てくれるか聞いてくれる?」
お母さんは2人目の子供が欲しかったのです。
次の日瑠美ちゃん答えました。
「まだだって。お母さんの準備ができてないってさ」
しばらくして忘れたころに瑠美ちゃん(2歳半)が言いました。
「お母さん、そろそろ赤ちゃん来るってよ」
その翌日、お母さん自身も夢の中で亡くなったおばあちゃんに出会い、「(子供は)腹ん中にもうおるよ」と告げられました。それから2ヶ月ぐらいして、つわりが起きたそうです。
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瑠美ちゃんはピアノを習っていました。
でもピアノのおけいこが大嫌いだったそうです。
ある日瑠美ちゃんがこんなことを言いました。
「ねえねえお母さん。なんでピアノ習わなきゃいけないの?」
「選択肢を増やすため。瑠美が大きくなってから、もしも先生や保母さんになりたくなったら、ピアノが必要になるの。その時になって練習始めたら苦労するのよ」
「ねえねえお母さん、その時苦労するのは誰?」
「え?・・・瑠美」
「じゃあね、もしも私がその苦労を大人になってからしたいって言ったらお母さんどうする?」
「・・・・・・」
ということで、ピアノをやめさせたそうです。
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瑠美ちゃんが、あるときお母さんを後追いして泣いたことがあります。普段は後追いすることなどないので、お母さんは驚きながら途方に暮れました。なだめてもどうにもならず、出かけるのをやめることもできず、ただ見ていました。
そうしたらしばらくして瑠美ちゃんがいきなりピタッと泣きやんで、言ったのです。「ああ〜、気持ちよかったぁ〜!。お母さん、泣くって気持ちいいね〜」
「そうか〜」としみじみ思ったそうです。「泣くのは大事なことなんだ。泣けば諦めがついて状況を受け入れられるようになったりする。でも赤ちゃんは泣くと抱っこされる。私が一番最初にしつけたのは<泣きやむ>ということだったんだな」。そう思ったそうです。
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瑠美ちゃんは、お母さんが苦手なタイプのお母さんの子供とばかり遊ぶそうです。それにお母さんの余裕がないときに限って、嫌なことを言って怒らせるような言動をするそうです。下の子が同じコトをやっても、タイミングが良いから怒る気にならないのに、瑠美ちゃんにはイライラしてつい怒ってしまいます。
ある日お母さんがイライラしてお買い物に行こうとしてたとき、瑠美ちゃんが後ろからついてきて言いました。
「ねえねえお母さん。心のカタチって知ってる?」
「知らない」
「スキっていう心のカタチって何だと思う?」
「ハート?」
「そう。楽しい心のカタチは何だと思う?」
「丸?」
「そう。楽しいのはまんまる。どこもとんがったところがない。子供は楽しいから飛び跳ねているんだよね。・・・・・怒ってるのは・・・四角だな。角がとがってて、どこにいれてもおさまりが悪い。・・・・・・悲しい心のカタチは三角。ハートが全部とんがると三角になるんだよ」
お母さんはハタと気づいたそうです。「スキがとんがると三角なんだ。だとしたらハートもひとつとんがってるのはスキって気持ちに痛みがあるからなんだ」と。
翌日になって、瑠美ちゃんがつけ加えました。
「ハートの上がへこんでいるのはね、相手のとんがった部分を受け止めるためなんだね」
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瑠美ちゃんによると、眠ったときに行く世界には「お空の遊園地」があって、神様と7人の天使がいるそうです。神様は6才になった日に姿を隠したそうです。それからひとりづつ天使が消えていきました。天使は七色で、最後に青い天使が残りました。青い天使は「あなたがもういいって言うまでいつまでも一緒にいる」と言ったそうです。7歳の誕生日の日に、瑠美ちゃんは自分から青い天使にお別れしました。それからはお母さんが聞いても「お別れしたから行ってももういないよ」と言います。そのころからうがったことを言わなくなり、普通の子供(9才)になっているそうです。
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