16ビットマイコンボードの製作
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いつか使ってみるつもりで入手してそのまま置いてあった16ビットCPUのことを思い出しました。
AMD社のAM188です。
その名の通り、CPUコアは80188互換の16ビットCPUです。
そのAM188を使った16ビットマイコンボードの製作記事です。
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[第104回]
●RAMのバックアップはできません(2)
前回はND80KL/86に実装している512KBのSRAM、IS61C5128のバックアップ電圧がMIN.2.9Vと意外に高いことがわかりましたので、3Vのボタン電池ではバックアップできません、と書きました。
ボタン電池でバックアップできないのは512KBのSRAMだけで、時計IC(DS1307)はボタン電池でしっかりバックアップできますから、ボタン電池はDS1307専用とお考えください、とそのように書きました。
512KBのSRAM、IS61C5128は技術少年出版様のLegacy8080に搭載しています。
そこではバックアップ用に単三乾電池3個(4.5V)を外付けする仕様になっています。
ということも書きました。
ですからND80KL/86ボードでも同じように単三乾電池を外付けすればRAMのバックアップは可能です。
でも。
前回はそれ(ND80KL/86ボードに単三乾電池を外付けするということ)については、あえて書きませんでした。
ほとんどのユーザーはUSBでWindowsと接続するという使い方をするはず、と思います。
それなら/SV、/LDコマンドでデータ、プログラムを簡単にWindowsのハードディスクにセーブ、ロードできますから、わざわざ単三乾電池を外付けしてまでRAMをバックアップする必要はないはず、と考えたからです。
ところが。
前回をお読みになったND80KL/86のユーザー様からメールをいただきました。
「そのままの回路で(ボタン電池を)単三乾電池3本に換えました。RAMのバックアップができました」
えっ?
単三乾電池に換えた?
そのまま!!
まさかの展開です。
皆様研究心が旺盛と申しますか、熱心なのですね。
まさか試される方がいらっしゃるとは思ってもみませんでした。
読みが浅すぎました。
あせってしまって、すぐにご返事をさしあげました。
「そのままの回路で、ボタン電池を単三乾電池3本に換えてはだめです!RTCの最大定格を越えてしまいます!」
しばらくしてご返事が来ました。
「もとに戻して確認したらRTCは無事でした。DATE$、TIME$は無事働きました」
いやあ。
無事でよかったです。
一時はどうなることかとあせってしまいました。
ひょっとすると他にも試してみようとお考えの方がいらっしゃるかもしれませんので、念のために単三乾電池でのバックアップの方法について書いておくことにいたします。
その前に、RTCの規格について。
下はDS1307のDATASHEETです。
TIPICAL OPERATING CIRCUITのVBATが問題の回路です。
VBATを見るとMAX3.5Vになっています。
私もあせってしまって最大定格だと思ってしまいました。
よく見ましたらRECOMENDEDになっていますね。
推奨条件のようですから、超えてもこわれたりはしないかもしれません。
でもVBATが2.0〜5.5Vではなくて2.0〜3.5Vとなっているところには何か理由がありそうです。
ここはやっぱり超えないほうが無難でありましょう。
さてそれで、下は前回もお見せしたボタン電池の回路です。
+3VBAT(ボタン電池)から右側にRTCBATが出ています。
RTCのVBATにつながっているラインです。
ボタン電池の代わりに単三乾電池3本をつなぐと、このラインがもろに4.5Vになってしまいます。
それではどうすればよいかといいますと。
下が参考回路図です。
D1は外してください。
D2は必要です。
図のようにダイオードを追加してそこに単三乾電池3本をつなぎます。
アルカリ乾電池やマンガン乾電池は1.5V×3=4.5Vですが、ニッカド乾電池は1.2V×3=3.6Vですからぎりぎりセーフです。
実際にはバックアップ電流はわずかですから電圧降下は0.5Vぐらいです。
16ビットマイコンボードの製作[第104回]
2018.10.24upload
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