2012.1.11
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復活!CP/M ワンボードマイコンでCP/Mを!
CP/MがTK−80互換のワンボードマイコンの上で復活します
ND80ZVとMYCPU80の上でCP/Mが走ります

[第2回]

●プロローグ(2)

Y様からのメールを読ませていただいて、はたと考えてしまいました。
いえ。
ご注文をいただけるということは、そりゃあもう有り難いことです。

有り難いことではありますが。
しかし。
CP/M???
さて。
どうしたものか。
これはちょっとなかなかどうして軽く受けるわけにはいきませぬ。

あ。
CP/Mを全く知らないわけではありません。
それどころか、その昔にはちゃんと自作のオリジナルマイコンボードに移植するところまで、経験済みです。

CQ出版社「トランジスタ技術」1985年1月号

このときはZ80CPUを使った8ビットのパーソナルコンピュータを自作する、という連載記事を書きまして、そのなかでNECのPC8001用として販売されていたCP/Mを移植する、という記事を書きました。

こうやってスクラップブックから引っ張り出してきて、今あらためて読んでみましても、毎月否応無しにやってくる締切りに追われる中で、よくぞここまでやったものだと、我ながら感心してしまいます。

もちろんPC8001用にNECから販売されていたCP/MですからBIOSは全て書きなおさなければなりません。
そこのところは25年も前にクリアしているわけですから、それじゃあ問題はないじゃないの?

ところが、問題は大有りなんですよお。
だって、あなた。
昨晩何を食べたかってことさえ思い出せないのに、そんな25年も前のことを覚えているとお思いですか?
そんなもの、カケラほども残っておりませんです。
もぉ。ほとんどパニックですわあ。

え?
製作ノート?
なにしろ締切りに追われる毎日でしたものねえ。
ろくにノートをとる暇などありませんでしたよ。

え?
じゃあせめて実物基板とかROMとかは…?
25年も前でしょ?
そんなものが残っていたら奇跡でしょーよ。
ありません。
みごとに。
きれいさっぱり。

CP/Mもちゃんと買ったんですよ。
ええ。NECから。
大枚4万円も出して。
それもありませんねえ。

当時は確か5インチのフロッピーディスクだったのですが。
ええ。
ドライブユニットも見当たりませんです。
ぜーんぶなくなっちゃったんですよお。
多分。
不燃ゴミかなにかで捨ててしまったんでしょうねえ。

でも4万円も出したんでしょ。
で。
自作のオリジナルマシンに移植したんでしょ。
それ、使わなかったの?

使いませんよお。そんなもの(あ。不穏当な発言をお許しくださいませ)。
だって、そんな、起動のたびにフロッピードライブががちゃがちゃやるシステムなんて、かったるいじゃありませんか。
必要なツールは全部自分で作ってしまって、全てROMに入れてしまっていましたから。

いきさつは忘れてしまいましたけど、多分編集部からの要請で、めんどくせーなぁと思いながら、嫌々書いたんじゃなかったかと思います。

あ。
そんなわけで。
きれいさっぱり忘れてしまいましたし、資料も残っていません。

え?
「トランジスタ技術」の連載記事は参考にならないか、ですか?
それが、参考にもなにもならないのですよお。
多分、ページが足りなかったのでしょう。
移植のための肝心の部分はほとんどありません。
当時は記事の掲載と同時に、プリント基板やプログラムROMも供給しましたから、それで動くからいいじゃないの、ということにしてしまったんだと思います。
こういう記事を読むと、ほんと腹が立ちますよねえ。
どうして肝心のとこを書かないのさぁ。
腹立って、作者と編集者に石投げてやりたくなってしまいますう。

ど。
どうしよお…。

Y様から宅配便が届きました。
「参考資料にしてください」
なんと、「CP/M三部作」でありました。

ぶ。武士の情け。かたじけない。

Y様。
有難うございました。
しっかり勉強させていただきます。

あ。
いや。
これで問題が解決したわけではありません。
私にとって、まだ気がかりなことは、ほかにもありました。

ワンボードマイコンでCP/Mを![第2回]
2012.1.11upload

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