復活!CP/M ワンボードマイコンでCP/Mを!
CP/MがTK−80互換のワンボードマイコンの上で復活します
ND80ZVとMYCPU80の上でCP/Mが走ります!
[第481回]
●紙テープパンチャ/リーダーについて詳しく
前回はY様からいただいた、紙テープパンチャ/リーダーについての詳しい説明のメールを転載させていただいたのですが、ホームページにアップロードしたあとに、さらにさらに詳しく加筆されたメールが届きました。
前回転載させていただいた内容と一部重複しておりますが、こちらのほうがより詳しく書いていただいておりますので、お送りいただいたメールからそのまま転載させていただくことにいたしました。
結果として、前回の後半部分は今回と重複いたしますので、前回のその部分は削除させていただきました。
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現役の紙テープパンチャ/リーダーが存在しているのを見た方は驚いたと思います。
この紙テープパンチャ/リーダーはさすがに汎用コンピューターのデータ記録用ではありません。
非常に古いタイプのNC工作機械は、加工データを紙テープでプログラムします。
お送りした紙テープパンチャ/リーダーは、この様な古いタイプのNC工作機械のプログラム用紙テープを作成するための機材です。
鉄クズ、金属粉、オイルミストが漂う金属加工工場では、フロッピーデスクなどは使えません。
多少オイルで汚れても問題なく使える紙テープが昔から工場の中で使われてきました。
紙テープは途中で切れても補修用の紙テープ片とノリを使って手作業で補修できます。
この辺がフロッピーやHDDとは異なる強さと利便性です。
最近は金属加工工場でもNC工作機械が世代交代して紙テープを使わなくなったのでこの紙テープパンチャ/リーダーを譲っていただきました。
AltairBASICの紙テープが手元にあっても稼動する紙テープリーダーがなければ読み出し不可能だったので、紙テープパンチャ/リーダーが入手できたのは大変幸運でした。
その後、紙テープパンチャ/リーダーとPCのターミナルをつないでAltairBASICの紙テープからインテルHEXフォーマットの文字列が読みだされたときは大感激でした。
紙テープパンチャ/リーダーの大きさですが、1960年代はキャビネットぐらいの大きさで重量も250Kgぐらいありました。
沖電気の高速紙テープリーダー 1961年 毎秒200文字
http://museum.ipsj.or.jp/computer/device/paper/index.html
沖電気の高速紙テープパンチャ 1964年 毎秒200文字
http://museum.ipsj.or.jp/computer/device/paper/0032.html
1970年代に多く使われたミニコン用紙テープパンチャ/リーダーはミニコンと同じ大きさでラックマウントされていましたがメカ部分の大きさは、この小型の紙テープパンチャ/リーダーとほぼ同じと思います。
日立製作所のミニコン用紙テープパンチャー/リーダー
読み取り 400文字/秒 パンチ 60文字/秒
http://museum.ipsj.or.jp/computer/device/paper/0014.html
テレタイプに付属している低速(秒10文字)の紙テープパンチャ/リーダーの大きさは握りこぶし程度です。
[菱田注記]以前に読者の方から、そのテレタイプ装置(ASR33)の写真を送っていただきました。[第299回]をご参照ください。
テレタイプに付属している低速紙テープリーダーは8本のピンが紙テープをそっと突付いて穴が開いているか開いていなかを調べて読み取るメカニカル方式でした。
1970年代にリコーが大量に販売してマイコンホビーストが利用した紙テープリーダーは8本のブラシと接点を使った接点方式でした。
ミニコンなどの高速紙テープリーダーは光学式でしたが70年代はフォトトランジスタが低性能だったのか、CDSを使用していたためか光源の電球が異常に強く光輝いていました。
メカの固まりである旧タイプの紙テープパンチャ/リーダーの構造としては家庭用ミシンが一番近い構造と思います。
(前回の写真の紙テープが「ポケット」に収まらないことについて)
実はこのAltairBASICの紙テープが異常のデカイ(長い)のです。
ミニコン用紙テープでもこんなに長い紙テープはありませんでした。
HITAC-10やOKITAC4300が現役の70年代前半のミニコンのメモリは4KW(8Kbyte)から8KW(16Kbyte)でした。
LSIメモリではなく磁気コアを利用したコアメモリですから4KW(8Kbyte)でも凄い容量でした。
プログラムを読み込むメモリの大きさが4KW(8Kbyte)ですからメモリに読み込む紙テープの容量(長さ)は3〜4Kbyteで、最大でも8Kbyteです。
12Kbyteという長さの紙テープは空前絶後の長さであることが判ります。
ビル・ゲイツ氏が最初に開発してMITS社に提供したAltairBASICは4K BASICですからBASIC本体の容量は4Kbyte以下です。
RAMで動く時代のBASICの呼称は、BASICが動作可能な最低限のメモリ容量でした。
RAMで動く時代の「4K BSAIC」の意味は4Kbyteのメモリボードだけでギリギリ動くという意味です。
その後MITS社のソフト技術者として働きながらポール・アレン氏とマイクロソフト社を結成したビル・ゲイツ氏は、機能を追加した8K BASIC、そして、最強の12K
BASICを開発しました。
●下の写真は1977年のマイコン誌の広告です。各BASICの紹介があります。
当時のマイコン少年はこの憧れのマイコンの広告を毎日眺めてため息を付いていたと思います。
ALTAIR 4K BASIC
実数を扱えますが三角関数などは無かったと思います。
4Kbyteメモリボード 1枚で動きましたが、フリーエリアは殆どありませんでした。
ビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏が最初にMITS社に売り込んだBASIC。
ビル・ゲイツ氏が学んでいた大学で学生に開放されていたDEC社のミニコンを勝手に使って開発しました。
ALTAIR 8K BASIC
三角関数も扱える標準BASICです。
8Kbyteメモリボード 1枚で動きましたが、フリーエリアは殆どありませんでした。
BASICの起動時に三角関数を使うか?訊いてきますのでNoと応えると関数処理モジュールを自動で消して6Kbyte程度に小さくなりました。
PET2001などのBASICは12K BASICを標榜していましたがこれはモニタやBIOSを含めた大きさなので搭載しているBASIC本体は8Kの標準BASICでした。
ALTAIR EXTENDED BASIC
BASICの大きさが12Kbyte程度あった最強のBASICインタプリタです。
12K BASICを動かすのは最低でも16Kbyteのメモリボードが必要でした。
因みに1977年当時のメモリボードは8Kbyteで約10万円、16Kbyteで約20万円しました。
●下の写真は当時のALTAIRシステムの本低価格です。
これを動かすのは40〜60万円のビデオターミナルが別途必要でした。
70年代マイコン少年にはスーパーカー並みに憧れの存在でした。
ALTAIR 4K BASIC システム 435,000円
ALTAIR 8K BASIC システム 525,000円
ALTAIR EXTENDED BASIC システム 620,000円
5インチ ミニフロッピー1台付き 外付けFDDユニット 628,000円
(1977年の国鉄(現JR)の最低運賃は60円、タクシー基本料金は330円の時代です。)
ALTAIR EXTENDED BASIC(12K BASIC)は、当時のDEC社のPDPシリーズのミニコンで走るBASICとほぼ同じ機能がありました。
お送りしたAltairBASICの紙テープは、最強の12K BASICですから4K BASICの3倍の長さがあります。
通常はこのような長い紙テープは使いません。
12K BASICの時代はさすがに8インチや5インチフロッピーを利用したDISK BASIC的なスタイルになっていました。
手元にあるAltairBASICが8インチフロッピーで保管されていたら読み出し不可能だったと思いますが、誰かが(ビル・ゲイツ氏本人??)偶然にも紙テープで記録していてくれたので21世紀になっても読み出すことができました。
実はAltair8800やIMSAI8080時代の色々なプログラムを記録した8インチFDメディアが手元に大量にあるのですが残念ながら読み出すことができません。
世紀を越えて情報を保管してきた紙テープ記録方式の強さを証明したことになります。
紙テープで保管すれは22世紀になっても記録情報は壊れないと思います。
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ワンボードマイコンでCP/Mを![第481回]
2013.9.24upload
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