2012.1.14
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復活!CP/M ワンボードマイコンでCP/Mを!
CP/MがTK−80互換のワンボードマイコンの上で復活します
ND80ZVとMYCPU80の上でCP/Mが走ります

[第5回]

●CP/Mの入手先

ハードウェアの構成がどうあれ、肝心なのはCP/Mをどこから手に入れるのか、ということでありましょう。
まあ手に入れたとしても、それを自前のシステムにどのようにして組み込むのかという、ハードルの高い作業が次に控えています。
その目星をつけるために、Y様にはしばしの猶予をお願いしたのでありました。

CP/Mは有り難いことに以下のサイトからZ80のソースリストをダウンロードすることができます。
http://www.cpm.z80.de/source.html

そのページの少し下の方にCP/M 2.2がみつかります。

CP/M 2.2 ASM SOURCEをクリックして圧縮ファイルをダウンロードしてから、解凍すると、Z80アセンブラで書かれたCP/M2.2のソースリストが出てきます(使い方等は後ほど詳しく説明します)。

Z80ニーモニックで書かれたソースプログラムリストなのですが、しかし、そもそもCP/Mは8080のために書かれたプログラムだったはずです。
それなら当然オリジナルは8080アセンブラで書かれていたのではないか?
と思ったのですが、調べてみますと最初のCP/MはPL/1(Programming Language One)という開発言語で書かれたようです。

それはともかくとしまして、ちなみに上記のソースリストそのものはZ80ニーモニックで書かれていますが、ざっと見たところ8080の命令だけで書かれていて、Z80で追加された非8080の命令はみあたらないようです。

なお、上のリンクにつけられたコメントをよく見ますと、a disassembled source と書いてあります。
つまり上記サイトからダウンロードできる「ソースリスト」はオリジナルのソースリストではなくて、どなたかがバイナリコードを逆アセンブルして、それをZ80ニーモニックの「ソースプログラム」として編集したものらしい、ということがうかがえます。

由来はともあれ、Z80ニーモニックで書かれたソースリストがあれば、私にとってこれほど有り難いことはありませんから、とりあえずはこれを使ってみることにいたしました。
しかし。

大丈夫か?

●CP/Mのライセンス

とにもかくにも、かってあれほどまでに一世を風靡したCP/Mのソースリストが、ネット上からダウンロードできたとしても、それをそのまま使ってしまってもよいものか?
一体CP/Mのライセンスはどうなっているのだろう?
まずはそのあたりのところをはっきりさせておく必要があると思います。

あ。
ここで一言お断りしておきますが、このページに書きますことは、あくまで私の個人的見解に過ぎませんから、ここに書いたことを鵜呑みにした結果、何らかのトラブルや損害が発生したとしましても、「当局は一切関知しないからそのつもりで」。
なお、このページは自動的に消滅はしません。

結論から先に書きますと、決して「大丈夫」ではありませんでした。
上記サイトからダウンロードすることはできますが、それはあくまで個人的使用に限って許されることで、再配布などはできませんし、また商用も不可です。

んじゃあ。
中日電工は、そこんとこをどうするの?
あ。
ですから、そのあたりは、のちほどゆるゆるとご説明いたします。

●CP/Mについて

CP/Mについては文献も多くあり、ウィキペディアにも詳しく説明されていますから、ここで私などがあらためて説明をする必要もないことかも知れませんが、私自身のためにも、CP/Mのライセンスについて理解する上で参考になると思われることを中心に簡単に整理しておきたいと思います。

CP/MはDigital Reserch社を創業したGary Kildallによって、1973年〜1974年に8080のために書かれた、最初のDOS(Disk Operation System)です。
CP/Mの名前の由来は、当初は”Control Program/Monitor”だったようですが、後に1977年の商標登録に際して”Control Program for Microcomputers”である、とされました(英文Wikipediaより)。

CP/Mの権利はその後転売され、途中の経緯は省略しますがCaldera社が所有することになり、さらにその子会社のLineo社が所有して今日に至っているようです。
ただこのLineo社が現在どうなっているのかはよくわからないようです。

そういうことになりますと、商用ライセンスの交渉相手がはっきりしないことになりますから、CP/Mを商用で使うという道は事実上閉ざされていることになります。
しかしこのことはCP/Mの版権が消滅したということを意味しているわけではありません。
とりあえずはLineo社が現在活動しているかいないかに関わらず、最終権利者であろうという点には留意しておく必要があると思います。

それじゃあ、中日電工は一体どうするつもりなの?
あ。
ですから、それにつきましては、後ほど説明申し上げますから、今しばらくお待ちくださいませ。

●The Unofficial CP/M Web site

上で紹介しましたCP/Mソースプログラムのダウンロードサイトは、実はThe Unofficial CP/M Web site(http://www.cpm.z80.de)というかなり大きなサイトの中にあります。



私はこのサイトを最初に見たときに、この”Unofficial”というタイトルにかなりの違和感を覚えました。

普通よく使われる”Official site”というのは、公認のサイトとか公式のサイトという意味で使われています。
すると”Unofficial”というのは未公認の、とか非公式のサイトという意味になってしまいます。

なんだか、ここは「非公認を承知で設置したサイト」であるかのようにも受取れます。
しかし、落ち着いてよくよくこのサイトに書かれていることを読んでみますと、それが全くの誤解であったことがわかりました。

このサイトがいかなるサイトであるかを理解するにあたって、CP/M collection is backという記事がとても参考になりました。



以下は2001年11月26日に書かれた”Unofficial CP/M Web site”についての上記記事の要約です。

Unofficial CP/M Web siteの主催者であったTim Olmsteadは当時のCP/Mの権利者であったCaldera社と交渉して、CP/Mを個人、非商用(personal,non−commercial use)に限ってウェブ上で公開する権利を獲得した。

上記記事にはCaldera社が彼(彼のウェブサイト)に与えた許諾の内容を示すページへのリンクがあります。
下はそのリンク先のページの一部です。



ここにはCP/Mがフリーウェアではなく、依然として商用のソフトウェアである(NOT …freeware …still COMMERCIAL software)ことが明記されています。
また for PERSONAL,NON−COMMERCIAL,use の文字も強調されています。

不幸にしてTim Olmsteadはガンに冒され闘病の後2001年9月11日に病没した。
彼は、彼のサイトが保有していたCP/Mについての権利が(彼個人に対してのものだったので)、彼の死後に法律上の争いになるのを避けるため、彼が死んだらサイトを閉鎖するようにとGaby Chaudryに依頼していた。
Gaby Chaudryは、Tim Olmsteadの願いによって、彼の死後直ちに(2001年9月11日に)サイトを閉鎖した。

しかし同時にGaby ChaudryはCaldera社とLineo社(CP/Mの権利はLineo社に移っていたので)に交渉して、新しいライセンスを付与してくれるよう依頼した。
その交渉の結果、サイトの閉鎖後僅か数週間後の2001年10月19日にLineo社のCEOであったBryan SparksはGaby Chaudryにメールを送り、”Unofficial CP/M Web Site”にCP/Mに関する広範な権利を付与した。

上記メールの全文は同サイトのこちらに掲示されています。

以上によって、”Unofficial CP/M Web Site”はいい加減なサイトなどではなくて、個人ユースに限ってCP/Mの配布を許可された「正規の」サイトであることがわかりました。
さて、すると、”Unofficial”とは一体何を意味しているのか、ということがますます気になってきます。

●なぜ”Unofficial”なのか?

実はその答えも同サイトの中にありました。
The FAQの中に
2.Why the name ”Unofficial” CP/M web page? 
という質問があって、それに対して次のように答えられています。

Because that is the name suggested by Caldera. They were planning to bring on a web site by themselves, and they reserved for that site the title of "official" site. That doesn't mean that this site in not authorized.
それは(当時の)権利者だったCaldera社からそうするように示唆されたからです。
Caldera社は自身のウェブサイトを計画していて、その名前を ”Official”site にするつもりでした。
(そういう理由からなので)このサイトが非公認であるということではありません。

●商用については?

同サイトからダウンロードしたものを再配布可能かどうかについても、同FAQに答えがありました。

3. Q : Can I make a CD of this software, and sell it?

A : NO. You can feel free to make a CD for your own personal use, but you may not sell it. Check out the license agreement for more details.
自分自身のためにCDを作ることはできますが、それを売ることはできません。

この文面からは無償の再配布までは禁止されていないようにも取れますが、しかしfor your own personal useというところを注意深く読むと、無償での再配布も不可とも読み取れます。

このことに関連して、同FAQには、以下のような質問と回答もありました。

●Open Sourceとは?

実は私も、このページの上の方で、CP/Mについての記事を紹介した中で、その記事の見出しに”back to Open Source license”という表現があったのを最初に読んだときに、あれえ?と思いました。
うかつにも私自身もopen sourceの意味を拡大解釈していたようです(落ち着いて考えてみれば当たり前のことなのに)。
思うに日本語で一般に「オープンソース」という場合にそれから受けるイメージに、ついうっかり惑わされていたようです。

12. Q : Is CP/M in the Open Source now?

A : Please note that Open Source doesn't necessarily mean that there is a GPL, GNU, etc. license. In first place, it simply means that the sources are available for free and can be modified by everybody without needing an additional permission. It does *not* mean that the license is unlimited. It particularly doesn't include the right to (re)distribute CP/M for commercial use nor is there any guarantee that Lineo won't redraw the license somewhere in the future. Therefore, to avoid trouble, you should always post your modifications of the CP/M sources to this site.

「オープンソースは直ちにGPLまたはGNUライセンスであることを意味していない」とあります。
「それは単にソースプログラムが公開されているというに過ぎません。」
確かにその通りでした。

そりゃあその通りで、たとえば中日電工のこのサイトでも、自前のプログラムをソースリスト付きで公開しているものもありますが、それは読者やユーザーの参考になれば、ということで公開しているだけでありまして、ソフトウェアの著作権を放棄しているわけでもありませんし、それを勝手にコピーして販売したりすることを許諾しているわけではありません(まあ多分売れないとは思いますけれど)。

ただその次の文章を読むと、
「誰でも許可なく再編集することが可能である」と書いてあります。
うむう?
改変しても良い?
そうなのか?
著作権法では確かソフトウェアの「改変」は禁じられていたと思いましたが?

しかし、さらにその次を読むと、やっぱり「商用再配布の権利は含まれていない」と書いてあります。
さらに「トラブルを避けるために、CP/Mを改変したら(それを勝手に配布したりしないで)このサイトで公開するべきだ」と書いてあります。
やはり勝手に改変することは、たとえ商用ではなくても問題があるようです。

ワンボードマイコンでCP/Mを![第5回]
2012.1.14upload

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