2015.11.12
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新製品の紹介(プチ連載です)
周波数カウンタ組立キット

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たまにはちょいと息抜きで小品も作ってみたいものです。
簡単にチョイチョイと…。
でも、なかなかそうは簡単にはいかなくて、いつものごとく回を重ねてしまうことになるのかも…。
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[第52回]


●周波数カウンタ(組立キット)の精度UP

組立キットとして発売予定の周波数カウンタの精度はPICのCPUクロックに使用する20MHzの水晶の精度に依存します。
一般に市販されている普通の水晶の精度は大体誤差30ppm程度のようです。
1ppmは100万分の1ですから30ppmは100万分の30です。
最大誤差30ppmの周波数カウンタで12.8MHzを測定したとすると、12799616〜12800384の間の表示になります。
それなら8桁もの表示は要らないじゃないか、というようなものですが、1Hzから数十MHzまで表示しようとすると8桁の表示が必要になります。
それはともかくとしまして、前回お見せしました周波数カウンタ(組立キット)の精度は大体10ppm程度でした。
常にその程度の精度のものとして供給できれば、まあいいかなあ、と思えるのですが、前回のはたまたま20MHzの水晶の精度が良かっただけで、いつもそういう精度のもので供給できるとは限りません。
もとの水晶の精度が30ppmというのですから、仕方がないじゃありませんか、ねえ。

そう考えるのがフツーなのでしょうけれど。
私はちょっとフツーじゃないのかも。
それじゃちょっと努力が足りないんじゃないかというような気がしてしまいます。
で。
ほんの少しだけですけれど、努力してみましたら、こうなりました。
とりあえず組み立てた2台の周波数カウンタで、VM39S5Gの周波数を測定してみました。

このVM39S5Gの出力周波数は12800003Hzです。
左のカウンタの表示は12799991Hzですから−12Hzです。
おお、−1ppmです!
そして右のカウンタの表示はなんと12800002Hzですから−1Hzです。
なんとなんと、−0.1ppmじゃありませんか。

なにをしたのかといいますと。
ちょっとこの写真ではわかりにくいかもしれません。

もとはこうでした。


それをこのようにしたのです。

わかりますでしょうか?

こちらの写真のほうがわかりやすいですね。


20MHzの水晶と、22pFのコンデンサを選別してみたのです。
限られた数の中から選別するのですから、どうしても当たり外れは出てきます。
そこは出来るだけ努力する、ということでご容赦ください。
本当はコンデンサのリード線も短く切ったうえで測定すべきですし、そうしたとしても基板にじかにハンダ付けをすることによっても誤差は違ってきてしまいます。
また気温の差も影響しますから、こちらで選別した通りの誤差に収まるとは限らないと思います。
私の気持ちとしては、努力目標として、5〜6ppm以内にしたいと思っております。

なお電源を入れた直後は多少誤差が大きくなります(それでも12.8MHzの測定で10Hz程度のずれでした)。
大体10分程度経つと安定した値になります。
あ。
やっぱり確認したほうがいいですね。
作業スペースがないものですから片付けてしまっていましたが、引っ張り出してきて、電源を入れて写真に撮りました。

電源を入れた直後です。


5分後です。


10分後です。

なにしろ水晶もコンデンサもソケットに挿しただけの状態ですから、微妙に条件が変わったようです。
左のカウンタはこの値で落ち着いてしまいました。
それでも−16Hzですから、−1.25ppmです。
立派なものじゃありませんか。

また時間がなくなってしまいました。
次回は周波数カウンタ組立キットの内容について説明する予定です。

周波数カウンタ組立キット[第52回]
2015.11.12upload

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