標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
[第119回]

●82C55は止めましょう

前回、つい悪乗りしてしまい、いっそ82C55ものせたら…、などと書きましたが、これは止めておきましょう。
「つくるCPU」は、I/Oトレーニングが目的ではありません。
つい、本来の趣旨から外れてしまいました。
CPUを利用して、外部回路をコントロールする、などという目的で、この回路を作るわけではありませんから、なにもI/O用のLSIまで接続しなくても、I/Oの機能の確認ができればいいのですから、出力ラッチと入力バッファがあれば十分です。
ということで、82C55については、のせないことにいたします。

●では、何を追加するつもりなのでしょう?

ついこの間までは、試作2号基板の回路を、なんとか1枚の基板に収めてしまう、というのが目下のところの最重要課題でしたので、その先までは(じつはそこそこ考えてはいたのですけれど)、実現できる可能性は、?(はてな)というレベルでした。

でも、やっと図面作業が終わって、あらためて図面を眺めてみると、なんだかもう少し追加回路が入りそうに思えます。

…ひょっとすると、できるかもしれない。
だから、なにを?

そりゃあ、決まっているでは、ありませんか。

●いっそ、TK−80にしてしまいましょう

RAMだけではなくて、ROM(つまりプログラムがタップリとのせられる)まで実装するのならば、そのROMを使って何をするか?
と言ったら、それしかないじゃありませんか。

はやい話、7segLEDの表示回路とキー入力回路さえ実装すれば、TK−80のできあがりです。
問題は、それだけ実装できるスペースが確保できるかどうか、です。

じつは、この企画を思いついた当初は、まずCPUボードを作って、それから、その基板に増設するかたちで、ROM+RAM+7segLED+キーボードの基板を作ろう、と考えていました。

でも、気がついたら、RAMばかりかROMまで、CPUの基板に入ってしまっていました。
すると、7segLEDとキーだけ別基板にするのが、なんだか間の抜けた考えのように思えてきてしまったのです。

それでも、しばらくはあれこれ迷っていました。
7segLEDはともかく、キーボードまではちょっとのせられそうにありません。
使い勝手を考えると、当社製のND80Kで使っているキーがよいのですが、これは大きすぎて、さすがにちょっとムリです。
キーボードだけ外付けにするかなぁ、とも考えたのですが、それだとキーだけのためにかなりのコストアップになってしまいます。
最後の最後に思いつきで追加する回路にコストがかかってしまうというのも、変な話です。

よくよく落ち着いて考えてみれば、キーの入力勝手がよくないからといって、それがいったいなんなのさ、ということですよね。
TK80の動作を真似ることができたとしても、それでガンガン、プログラムを打ち込んでモーレツに使いこなす、なんてことはもともとコンセプトになかったことですし、まあ同じような動作ができる、というあたりの確認ができれば十分ではないか、と割り切って考えることにしました。

そこで限られたスペースに収まる程度の小型キースイッチを実装することとしました。

●それでは、実装するためのスペースの確保です

試作2号基板のROM追加後の配線図です。

横450mm×縦310mmです。
これを取寸いっぱいの480mm×313mmまで広げます。
右側にかなり空きがありますから、本当はここを利用したいのですが、残念ながら外部回路への接続部分は左側と下側にあって、右の空きは利用することができません。
ただ右端に縦に遊んでいる細い空きスペースは、詰めてしまって、左側に移すことができそうです。

基板サイズを480mm×313mmに広げました。


新たに作った、左側のスペースに、はたして7segLEDの表示回路と、キー入力回路がのりますでしょうか?
そもそもTK80ライクの7segLED回路とキー入力回路とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

次回は、その回路図を紹介したいと思います。

なんだか、とんでもない方向に進んでしまいそうです。
まだ、肝心のCPU回路が動くかどうかも定かではないというのに、はやばやとここまでやるのは、いくらなんでもやり過ぎではないか、とも思うのですけれど、どうせ試作基板を作るのですから、この機会に全部作ってしまえば、一度で片付いてしまいます。
試作費用もばかになりませんから、2度に分けるよりも一度でやってしまった方が得というものです。

このあと、CPU回路で、まだ説明がすんでいない命令回路についても、説明を進めていかなければなりません。
そちらについても、こんなぐあいにあちこち脱線したり、寄り道したり、行きつ戻りつしながら少しずつ片付けていくつもりです。
2008.11.29upload

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