標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
[第139回]

●穴が…、小さい???

前回のはじめに書きましたように、よんどころ無い(?)事情で、お話の順序が少し入れ替わってしまいました。
今回、お話は少し、前にさかのぼります。

メモリまわりの確認のため、トグルスイッチを基板に取り付けようとしましたら…。
…!?入りません。

どういうわけか、穴が小さくて、入ってくれません。
まさか…!?

うーん。さては、またしても、うっかりミスで、穴径を間違えてしまったか…。

いやあ、それにしても、不幸中の幸いと言おうか、試作でよかった…。
無理矢理自分を納得させながら、ドリルでゴリゴリ穴をあけ直して、スイッチを一個ずつ実装していきました。
正月早々、なかなかに面倒なことです。

やっとのことで、トグルスイッチをつけ終わって、次は、WRITEパルス用のPUSHスイッチです。
あれっ?
こいつも入らない…!?

なにやってんでしょーかねー。
トグルスイッチばかりか、PUSHスイッチの穴径も間違えてしまうなんて…。
両方とも、今回はじめて使う部品です。
試作基板を年内に仕上げたいと思って、急いでいたので、現物を入手するよりも前に、インターネットで寸法をチェックして、図面を作成したのですが…。
さては、情報が間違っていたか、パーツナンバーを間違えたか、いずれにせよ、やっぱり急いでする仕事は、ろくなことがありません。

つくづく自分の愚かさを呪いながら、またしてもドリルでゴリゴリ…。

そうそう、ショートピンも取りつけなくては…。
あれえ…?
これも、駄目?????

いや、それはないでしょうよ。
トグルスイッチとPUSHスイッチは今回はじめて使う部品だから、穴径をうっかり間違えてしまったとしても、それは、まあ、ありうる話だけれど、しかし、ショートピンは、だって、もう20年も前からずっと使っているのだから、間違えっこない…。

うう…。やっぱり、あれか…。
とうとう、ヤキがまわって…。
いよいよ…、チホウショウとやらを発症して、しまったか…。

いかん。なんだか、めまいがしてきた…。

しかし、病院に行く前に、念のため。
そうそう、私の脳ミソを疑う前に、順序として、まず、コンピュータを疑うべきではないか?
念のために、CADの基板図データを確認してみましたら…。
あれ?ちゃんと、正しい穴径になってるじゃないの?

ということは…!
もうひとつ、念のために、16pinと26pinのフラットケーブルコネクタを基板に差し込んでみようとしたところ、やっぱり入りません!
このコネクタは0.9Φでなければ入りません。それはもう忘れようがありません。
勿論、CADデータも0.9Φになっています。

うそっ!?
前回の試作基板を引っ張り出してきて、コネクタをさしてみましたら、スポッと入りました。
なんなのだ、これは!?
いったいぜんたい、どうなっているんだ?
正月から、悪い夢を見ているような気分です。

正月休みが終わるのを待って、基板屋さんに電話しました。

私「あの、年末に納めてもらった、ドデカイ試作の基板なんだけど、アナがチイサイようなんだけど…。なにか心当たり、あります?」

「チイサイ?いや。そんなはずは…」

私「たとえば、スルーのメッキが厚いとか…」

「いや。それは、ないです。一定だもんね」

私「あれって(スルー穴のこと)、少し大きめにあけるんでしょ?そこんとこで、なにか…」

「うん。だから、ウチは0.1ミリ大きい穴をあけるんだよね」

私「それ、なにかで、間違えたってことは…」

「あ。今回、ちょっと、外注に出したんだよね…。指示を間違えたか…。待ってね…。今、仕上がりの穴径のリスト、PDFを開くから…」

私(お、お、お。そこか、そこだったかぁ。テキハ、ホンノウジニアリだわ)

「えっとね。いい?一番多い穴が0.7ミリだねぇ?」

私「そ、そ、それ、それ、それですっ!0.7ミリは、使ってませんっ!一番多いのは、ICのランドで0.8ミリですっ!」

「…!それじゃあ、え。間違って、穴指示を…。…どう、しようか、ねぇ…」

さあ。この始末。どうしてくれる?もう一度、やり直して、もらいましょうかね。
なんて、言いませんよ。
長いつきあいですから、仕事にミスはつきもの。困ったときはおたがいさま。こちらだって、何回も、ムリを聞いてもらったこともありますから、こんなときは、しっかり、恩を売っておかなくっちゃ(!)。

私「試作だから、いいよ。ICや抵抗は0.7ミリでも入るから。入らないのはスイッチやコネクタだけど、いいよ、ドリルで穴をあけ直して入れるから」

「そう?そんじゃ、いいかねぇ。わるいねぇ」

私「うん。いいよ。でも、試作だからよかったけど、本番で、これ、やったら、困るよ」

「そりゃあ、もう。」



よかったぁ。
てっきり、はや痴呆症になってしまったか、と思ってしまったじゃありませんか。
正月早々、こういう心臓に悪い冗談は止めてほしいなあ。
2009.1.10upload

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