標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
[第207回]
●USB−232C変換回路を実装することにしました
前回、基板修正作業がほぼ終了しましたと、ご報告いたしました。
あと、少し、残っているところがあります。
それが、今回説明する、232C通信回路です。
当初は、8080アセンブラを使ってパソコン上で開発したマシン語プログラムを、232Cケーブルで接続して、「つくるCPU」基板に送信する、というような回路を考えていました。
しかし、いまどき232Cコネクタなどついていないパソコンの方が当たり前になっているようですから、今更232Cでの通信はいかにも時代遅れです。
そこで、「USB→232C変換コネクタ」を使って、パソコンと「つくるCPU」基板を接続して、マシン語プログラムの送信テストをして、その方法でもOKであることを確認しました([第183回])。
しかし、そこのところが、どうにもスッキリしなくて、どうしようか、迷っていました。
たしかに「USB→232C変換コネクタ」を使えば232Cポートのないパソコンからでも、マシン語プログラムを「つくるCPU」基板に送信することができます。
でも、その通信は、いかにも、なんだかなあ、という感じの方法です(下図)。
「USB→232C変換コネクタ」の内部回路は確認したわけではありませんが、多分、上図のようになっていると思います。
まず最初にUSBから232C(TTLレベル)に変換します。ここは多分FTDI社のFT232Rが使われていると思います。
そして次にTTLレベルの信号を232Cレベルに変換します。
一方、「つくるCPU」側では232Cレベルの信号をMAX232Cで再びTTLレベルに変換したのち、PICに入力します。
間にDSUB9pinコネクタがあって、その前後で、TTL→232C→232C→TTLというように信号レベルが変換されます。
これは、いかにも、ムダ、という感じです。
いっそのこと、DSUB9pinコネクタを外してしまって、USBケーブルでダイレクトに接続してしまえば、すっきりします(下図)。
そのように、してしまいました(下の写真)。
FTDI社のFT232RLを使いました。
FT232RLは28pinのフラットパッケージICでピン間は0.65mm。ここが、悩むところです。
組み立てキットとしては、ちょっとハードルが高い、ですねえ。
実際の基板では、どうするか、それはもう少し落ち着いて考えるとして、とりあえずは、適当な基板のちょうどピン間に合うところを利用しての、テストです。
もう少し、接近して撮影しました(下の写真)。
普通なら、ハヤトの基板などを利用するところでしょうけれど、利用できるものは、何でも利用してしまいましょう。
廃物利用です。
そこらにころがっている試作基板の残りです。
並行している配線パターンの間隔が0.635mmなので、それを利用しました。
さっそくUSBケーブルを接続して、送信テストを行いました。
結果は、無事、成功。でした。
●PIC〜FT232RLの回路図です
PIC〜RS232Cの回路図は[第129回]にあります。
その回路からMAX232C(およびDSUB9pinコネクタ)を取り去って、USBコネクタとFT232RLを追加します。
これが、その部分の新しい回路図です。
FT232RLは必要な回路をすべて内臓しているため、ご覧のように、必要な端子を接続するだけで、動作してしまいます。
2009.4.18upload
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