標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
[第271回]
●謝辞
当連載はまだ終りではありません。
やっと基板配線図が完了し、プリント基板の発注までなんとかこぎつけました。
でもまだまだ続きます。
ですけれど、基板の発注が済んだ、ということでは一応の一区切りです。
このあたりで、ぜひとも感謝の言葉を書かせていただきたいと思います。
CPU回路を汎用ロジックICで作ってみたいという、なんとも無謀な試みを思い立ってから、もうはや一年が過ぎてしまいました。
当初はそれこそ画餅に過ぎなかったものが、もうじき現実のものとなろうとしています。
ここまでやってこれたのは、それはもちろん私個人の努力によるものではありますが、しかし今回のこの巨大基板の製作については、私個人がいかに努力したとしても、それだけでは到底完成させることはできなかっただろうと思います。
この基板の完成にもっとも功があったとすれば、それは基板図の作成のために使用させていただいたフリーソフトPCBEをおいて他にはないと思います。
このソフトがなければ、今回の「つくるCPU」基板を世に出すことは多分できなかったことでしょう。
PCBEについては、[第7回]でも、紹介させていただきました。
しかし、いわば一番の功績者でありますので、あらためて紹介させていただきたいと思います。
●プリント基板エディタPCBE
この連載をはじめからお読みいただいている方は、「つくるCPU」基板がはじめは、これほど巨大な一枚基板ではなくて、230mm角の基板からスタートしたことをご記憶のことと思います。
当初はその程度のサイズの基板を3枚つないで作ろうと考えていました。
なぜそのように考えたかといいますと、ひとつには、いきなり全部の回路を作ってしまうだけの自信がなかったということがあります。
しかしもうひとつには、IC300個近くを配線するような作業は、おそらくフリーの基板エディタには無理だろう、と考えたからでもあります。
しかし作図作業を続けていくうちに、このPCBEがとんでもないスグレモノであることがわかってきました。
どうやら、300mm×480mmでもクリアできそうらしい…。
当初はそれでも、どきどきしながら作業をしていました。
何しろ配線量もベラボウです。
そのうち突然、「限界を超えました」などというメッセージがでて、「はい終了ですね。ご苦労さん」てなことになるのではないかいな、という不安といいますか、疑いといいますか、そういう気分で作業をしていたのですが、とうとう全部できてしまいました。
ここまでのキャパシティを秘めたソフトがフリーというのは、ちょいと信じられない思いです。
もう、感謝、感謝、でありますし、なによりも、絶賛!であります。
あらためて、PCBEと、その作者である高戸谷 隆様に感謝申し上げます。
PCBEのダウンロードページ(Vecterのサイト)です。
●PCBEの作図画面です
せっかくですのでPCBEでの作図画面をご紹介いたします。
表示サイズは全く自由に指定することができます。
「つくるCPU」の基板全体を画面いっぱいに表示したところです。
すこし拡大して部分を表示させてみました。
さらに拡大して表示させてみました。
シルク図やコメントが作図の邪魔ですので、表示させないようにしてみました。
このように、レイヤー(図面ごとの階層)ごとに表示、非表示を指定したり、変更を禁止したりすることができます。
さらに拡大して表示させました。
ドットのピッチも任意に指定できます。
PCBEの機能に物足りなさを感じる方もみえるかも知れませんが、私のように、マイラーフィルムにランドパターンを1個ずつ貼り付けて、黒いテープで配線を貼りながら基板アートワークをしてきた者にとっては、昔のそのままの感覚で作図作業ができる、この上もなく重宝なツールです。
もういちどあらためて、PCBEに感謝!です。
2009.7.7upload
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