標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
[第679回]
●パソコン自作のすすめ、と言いたいところなのですが…
前回までのお話の流れからいたしますと、当然そういう結論に行きつく、はずなのですが…。
そこがちょいと悩ましいところなのです。
私自身はWindows95の自作初号機を作りあげてからは、ずっと自作一筋できましたし、その後実際にWindows98の組立キットを雑誌広告を通じて販売したりもしました。
しかしやがてパソコンも家電量販店が大々的に宣伝して拡販するようになり、低価格モデルも販売されるようになってきました。
そうなってきますと、自作したからといってメーカー品と比較してそれほど安くはできませんし、某デ…などのように外国メーカーが製造直販するようになりますと、はっきりいって、そっちを買ったほうが安いじゃないの、ということにもなってきました。
WindowsXPは個人的にどうも好きになれなかったこともあって、パソコンの自作組立キットから撤退してしまいました。
そのような情勢にあっても、私自身は相変わらず「パソコンは自作すべきもの」という気持ちを持ち続けていたのでありますけれど、それはあくまで私自身についてのことでありまして、一般の方々に対してもそのようにすすめる、というのはいかがなものか、という躊躇というか逡巡する思いが常にありました。
なんたって大手メーカーがこぞって量産するんですものねえ。
そりゃあどうしたって、個人商店が巨大スーパーに敵わないのと同じで、いまやパソコンもれっきとしたマスプロダクツ(量産品)なのですから、手作りが敵う道理がありませんもの。
おまけにWindwzXPだのVistaだの、もう勝手にやってくださいな。
まあそんな気持ちでありましたから、Windows7が出ましたときも、特別の関心はありませんでした。
いいの。そんなの、どうだって。
どーせ、老い先短い命なんだから、世間様に背をむけて、わたしゃやっぱりWindows98命でいきまする。
ところが、この秋、突然に状況が一変いたしました。
やっとのことで完成させた、TK−80クローンボードのND80ZV。
たまたま私の古くからの友人がWindows7パソコンを買ったと聞きまして、ちょうどいい機会だからと、ND80ZVの接続テストをさせてもらうことにいたしました。
ND80ZVはUSB(HID)でWindowsパソコンと接続して、データやプログラムの送受信ができます。
すでに手持ちのパソコンで、Windows98、Windows2000、WindowsXPとは接続できることを確認しておりました。
多分Windows7もうまくいくだろうが、まあ念の為。
と軽い気持ちで臨んだのでしたが、結果は、まさかの失敗。
なんとWindows7ではまったく接続できませんでした。
このあたりのいきさつにつきましては、[第598回]あたりに書いております。
それから急遽Windows7を入手し、もちろん1台新規に組み立てて、そこにWindows7をインストールして、ND80ZVのUSB接続がうまくいくように、いろいろ追求しました結果、ND80ZVのUSB(HID)接続については幸いうまくいくようになりました。
それがきっかけでWindows7をさわるようになったのでしたが。
実際にさわってみますと、おや、これはなかなかによくできているじゃないの。
いままでWindowsXPなどはどうも使いにくくて、やっぱりWindows98のほうがいいなあ、ということで、なかなかWindows98から離れられなかったのですけれど(実際いまでも、この文章も、そしてアップロードの作業も相変わらずWindows98上で行なっています)、たとえばインターネットのアクセスやハードディスクのバックアップ作業などは、Windows7のほうが使い易いのですねえ。
で、けっこうWindows7を使うことも多くなってきました。
ちょいと気に入らないところもありますけれど、総合的にみましたら、Windows7はなかなかに使い易いOSだなあ、という気が致します。
え。
焦点がぼけてしまいました。
あ。ですから、皆様もお手持ちのパソコンが古くなってきたなあ、とお思いでしたら、Windows7はおすすめですよお、というようなお話をいたしまして、それでこの件はおしまい。というつもりだったのでありますけれど。
そこへ突然の、「WindowsXPが起動しない」事件の勃発でありました([第677回])。
それまでは、よそ様に対しましては、「やっぱメーカー製のパソコンがいいんでないのお」というスタンスだったのでありましたが、この一件で、おいちょっと待てよ、こりゃあちょっとおかしいだろーが、という気になりました。
それと。
国産メーカーなのだから、ちゃんと国産のパーツを使っているだろう、となんとなくそのように思い込んでしまっていたのですが、いざフタを開けてみましたら、ハードディスクは「なんだ。Seagateじゃないの」。
あ。別にSeagateが悪い、といっているのではありません。
すくなくともハードディスクに関して言えば、自作パソコンだって、大手メーカー製のパソコンだって、信頼性は全く同じ。
どちらだって、壊れるときは壊れる。
ところが一旦壊れたとなりますと、それから先は前回書きましたように、まるで雲泥の差があります。
たとえば、NECの場合ハードディスクが壊れて交換すると5〜6万円。それが自作パソコンならばハードディスク代だけなので5〜6千円。
ハードディスクだけに限りません。
なかにはマザーボードが壊れてしまうことだってありますが、それでもメーカーに交換を依頼すれば5〜6万円。自作パソコンなら6〜8千円程度で交換することができます。
そういうことなら、断然自作に限ります、と手のひらをかえしたように、言うことが変わってしまいます。
ところがところが、お話はまたややこしくなってきてしまいました。
こんどは、正規品であるにもかかわらず、Windows7が突然いきなりのニセモノ宣言([第670回])。
Windowsパソコンを自作するということになりますと、ふつうOSはDSP版のWindows7を購入することになると思います。
DSP版はパソコンの組立パーツと一緒に販売され、製品版よりも安価で入手することができます。
正規品ならできるだけ安いところから買ったほうがいい、と考えるのは誰しも同じことなのですが、しかしこのDSP版、実際にはあきらかに契約に違反(違法ではありません)して販売されているものが相当多いようです。
そのあたりにつきましてはいずれ詳しく説明いたしますが、どう考えたって、Microsoftと正規に契約しての販売とは思えない形で流通しています。
いったいどこから仕入れたのでしょう?
さてそうなりますと。
「正規品にもかかわらず」突然に表示されることのあるらしい「このWindows7は正規品ではありません」というメッセージに対応しなくてはならなくなった場合、ちょいと困ったことになるのではありませんか?
しかし、そうなりますと。
自作するったって、じゃあ、かんじんのWindows7はどこから買えばよいの?
ということになってしまいます。
それはそれではじめて自作をしてみようか、と思いかけた方の出鼻をくじくような、なかなかに悩ましい問題ではあります。
それに。
そもそも、はじめて自作してみよう、と思ったとしても、じゃあ、なにをどのように集めてきて組み立てたらいいの?
というこれもまた当然の疑問であります。
あー。
そういうときは、ほら、インターネットで検索したら、パソコンの組立キット、というのがみつかるから、そういうところでてきとーなのを選んでてきとーに組み立てたらいいのじゃありませんか。
という具合に軽く流すつもりでおりました。
が。
しかし…。
(次回に続きます)
2010.12.5upload
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