標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
[第736回]
●スパムメールを受取ったのですが…
スパムメールを受取ったのですけれど。
あ。もう2週間近く前のことです。
2〜3日中に書こうと思いつつ、なにしろこのところずっとLANのことで忙しかったものですから、なかなか書けませんでした。
ホームページにメールアドレスを公開していることでもありますし、そうでなくても公私ともに10年以上にわたって同じメールアドレスを使っているものですから、もう迷惑メールなんてものじゃありません。
毎日それこそ怒涛のように、メールの大洪水です。
でも、中には読者様からの貴重なメールとか、ご注文のメールなどもあるものですから、毎日しっかり目を通します。
ほとんどは宣伝メールなどのゴミメールですから、送信者名で判断できるものは、即ゴミ箱行きです。
ところが。
送信者が、thisida@alles.or.jp ?
ひょっとして、私?
おおお。
真昼の、しかも真冬の怪談だあ?
しらんぞ。そんなものは。
なんだかいかにも怪しげなクスリの宣伝らしきもので、ここをクリックという、リンク付きでありました。
じょーだんじゃない、そんなリンクを踏んだ日には何がおきるかわかりませぬ。
なので、それ以上は正体不明ですけれど。
しかし、モロに送信者が私のメルアドを偽装しているっていうのは、こういうのはほんとにありなのか?
それにしても、偽装したメルアドにまで、メールを送るっていうのも、まあなんともご丁寧な話で。
一体どこのどいつがこういう不埒なことをしているのか、できるものなら調べてとっつかまえてやろうと思ったのでありますが。
ま。しかし。メールアドレスをかたるくらいでは何の罪にもなりませんでしょうから、迷惑至極な話ではあります。
とりあえずは、ということで、メールのヘッダーを調べてみました。
なんだかLuandaですとかamsterdamですとか、とんでもないところを経由しているようでありまして。
おおもとの発信源のサーバーは下の方に見えております、187.126.225.89らしいのですけれど。
調べてみましたら、ブラジルにあるサーバーらしいのですよねえ。
あかん。
手が届きまへん。
こういうときにインターネットというのは、実にたまらんなあ、という思いになります。
便利なのですけれどねえ。
そういえば、確か以前にも似たようなことがあったような。
ずっと昔のメールをひっくり返して捜してみました。
メールそのものは破棄してしまったらしく、残っていませんでしたが、「アレスネット」に問い合わせたときの、アレスネット事務局からの回答が残っていました。
どういうことだったかといいますと、returned mailが届いたのです。
メールを送信したのですけれど、宛て先不明でした、というメールです。
送信者はthisida@alles.or.jpになっておりました(ですからあて先不明ということで私のところに戻ってきたわけですけれど)。
内容は全く心当たりの無いものでした。
で。
アレスネットに問い合わせたのは、「こういうことが可能なのか?」ということです。
ひょっとしてアレスネットのサーバーにアナがあって、こういう偽装メールが発信されているのではないか?と疑ったのです。
そのときのアレスネットからの回答です。
前後を省略して、一部のみ引用します。
「おそらくはホームページ上にあったメールアドレスを勝手に
使用されているものと思われます。
電子メールの仕組みとして、そのメールアドレスが存在する、しない関わらず、
また実際の送信者と全く異なるメールアドレスが
差出人(From:)欄に記載されていてもメールが送れてしまう、ということがございます。」
つまり、メールアドレスの偽装は可能で、それにはアレスネットを経由する必要はない、ということのようです。
むむ。
ほんまかいな。
だって。
気持ちが悪いじゃありませんか。
ほんとうにそういうことなら(つまりアレスネットを経由しないで、偽装メールをだすことが可能なら)よいのですけれど(いや。全然よいわけはありませんけれど)、どこかの誰かが私の名前をかたってアレスネットのサーバーに侵入しているとしたら、これは大変なことですから。
とにかく納得できるまで、確かめてみなくては。
で。
そういうこと(メールアドレスの偽装)ができるものかどうか、ネットをさぐってみましたら。
なんと。
できてしまいました。
しかも、あっけないほど、簡単に。
しかし。
ちょっと子供のころの悪ガキに戻ったような気分で、すこしドキドキしてしまいました。
実はこのメール、送信者名を偽装しているだけではないのです。
このメールのヘッダー部分を見てみますと。
おわかりいただけますでしょうか。
送信者のメールアドレスは、kobayasi@aketikogoro.or.jp になっています(赤線の部分)。
もちろん、そんなサーバーはありません(多分)。
私はただこういうことが本当にできるかどうか試してみたかっただけですから、これで送信者の痕跡を残さずに完全に偽装できる、ということを言っているのではありません。
でも。
これでアレスネットからの回答にあった通り、本来のメールアドレスと異なる(架空の)メールアドレスをFrom:に記載して送信することは可能だったことが確かめられました。
おそらく、私のメールアドレスをかたった送信者は、メールアドレスリストと一緒にそういうことのできるツールをどこかのだれかから購入して使ったのでありましょう。
え?
私は、どうやったのか、ですか?
いえ。別に不正な手段とか、怪しげなツールなどを使ったわけではありませんよ。
でも。
悪用されてしまってもいけませんから、書きません。
まあ。そこそこ詳しい方でしたら、簡単なことだ、とおわかりになってみえることですから秘密でもなんでもありませんが(私は今回のことで、はじめて知ったのですけれど)。
どこかのサイトに書いてありました。
「一般にインターネットのメールシステムはかなり高い信頼性がある、と信じられているが、それはただの思い込みで、実は、簡単に誰にでも偽名で(あるいは実在の他人をかたって)手紙を送る(郵送する)ことができるのと、同程度の信頼性しかない」
おお。
まったくその通りでありました。
うう。
そういえば、何年か前に国会でも「偽メール事件」というのがありましたですねえ。
こういうことが簡単にできる、という程度のことを、後に実際に政権を担うことになるような大政党の誰も(スタッフやブレーンを含めて)ご存知なかったのでしょうかねえ。
日本は、だいじょうぶでしょうか。
ほんと。心配です。
あ。皆様。
私は決して皆様にダイレクトメールなどお送りしませんので、もし不審なメールが届いても、決して信用なさらないように、お願い申し上げます。
2011.2.23upload
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