トランジスタでCPUをつくろう!
トランジスタで8080をつくってしまおうというまさにびっくり仰天、狂気のプロジェクトです!
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見事にできましたら、もちろんTK−80モニタを乗せて、それからBASIC、CP/Mを走らせましょう!
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[第14回]
●2入力NAND回路
前回までMOSFETを使ったロジック回路の基本中の基本、インバータ回路(NOT回路)について検証してきました。
ちょっと水晶発振回路にこだわってしまった結果、唯一の頼みの綱の2N7000が水晶発振には不向きであるという、シャレにもならない結論に至ってしまいましたが、それはそれとしまして、普通のロジック回路、インバータ回路としては20MHzでも動作するという幸先の良いスタートになりました。
2N7000とBS250で構成するCMOSFET回路は、ロジック回路としてどうやら使えそうというテスト結果を得ましたので、いよいろこれからはCPU回路を構成するいろいろな論理回路をCMOSFETで作りながら、かつテストをすすめていくことにいたします。
まずは前回までのおさらいとしまして、CMOSFETのインバータ(NOT)回路を下に示します。
もう何回もお見せしましたからおなじみになってしまった回路です。
トランジスタ2個だけで構成したインバータ回路なので、構造の上では74HCU04相当ですが、普通の74HC04と同じ動作をすると考えても良いと思います。
MOSFETでつくるロジック回路としては最もシンプルな回路です。
そしてこちらがNOTと同様に基本中の基本のもうひとつのロジック回路、2入力NAND回路です。
NANDですから74HC00相当の回路です。
NチャネルMOSFET2個とPチャネルMOSFET2個で構成します。
基本的にはコンプリメンタリ回路なのですが、2つの入力がともにHのときだけ出力がLになるように、NチャネルMOSFETが直列に配置されています。
そしてその逆に考えて2つの入力のいずれか一方もしくは両方がLのときは出力がHになるように、PチャネルMOSFETは並列に配置されています。
●ロジック回路はNOTとNANDだけで作ることができますが…
実はアナログ的な特殊な回路を除いて、その他のロジック回路(論理回路)は、上でお見せしましたNOTとNANDだけで作ることができるといわれています。
たとえば、2入力NOR回路(74HC02)は下のようにしてNOTと2入力NANDから作ることができます。
しかしこれは余り賢い考え方ではありません。
図のように構成すると、1つの論理ゲートを作るのにMOSFETを10個も使ってしまいますし、入力から出力まで3段のバッファを通りますからそれだけ余計に遅延してしまいます。
●2入力NOR回路
じつはNOTとNANDのほかにNORについても基本的なCMOSFET回路として作ることができます。
下は2入力NANDと同様、NチャネルMOSFET2個とPチャネルMOSFET2個で構成した2入力NOR回路です。
2入力NANDと同様に、基本的にはコンプリメンタリ回路なのですが、NANDとは逆の構造になっています。
2つの入力がともにLのときだけ出力がHになるように、PチャネルMOSFETが直列に配置されています。
そしてその逆に考えて2つの入力のいずれか一方もしくは両方がHのときは出力がLになるように、NチャネルMOSFETが並列に配置されています。
今回説明しましたNOT、2入力NAND、2入力NORがロジック回路を構成する基本回路となります。
が。
このほかにも、上記の基本回路を発展させた基本回路を考えることができます。
本日は時間がなくなってしまいましたので、その回路につきましては、次回に説明することにいたします。
トランジスタでCPUをつくろう![第14回]
2015.3.18upload
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