2018.7.29
前へ
次へ
ホームページトップへ戻る


KL5C80A12マイコンボードの製作

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
KL5C80A12はZ80互換の高速高性能8ビットマイクロコントローラです。
残念なことに数年前に生産中止になってしまいました。
しかし当社ではKL5C80A12を使った組込みマイコンボードはまだ健在です。
そのKL5C80A12を使ったND80Z3.5上位互換マイコンボードの製作記事です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

[第27回]


●ノンウェイトでテストしてみました

前回はKL5C80A12をメモリアクセス時に1クロックを挿入するモードでテストをしました。
1ウェイトがかかっていても16ビットCPU、AM188を20MHzで実行したときよりも速いという驚異的な結果が得られました。
そういう結果が得られますと、なんとかしてノンウェイトでも試してみたくなるのが人情というものであります。
しかしKL5C80A12をノンウェイトで実行させる、ということになりますとアクセスタイムは50nsクラスのメモリが必要になります。
RAM(IS61C5128AS−25)はアクセスタイムが25nsですからよいとして、問題はROMです。
現在手持ちのROMの最速のものでもアクセスタイムは100nsです。
これではとても間に合いそうにありません。
これはAM188を40MHzでテストしたときと同じです。
そのときはだめもとで試してみたところ、なんとか動作してくれました。
しかし今回はそれよりももっと条件は厳しそうなのでさすがに無理だろうと思いました。
そういうことになりますと、とりあえずはシステムプログラムをRAMにコピーしたうえで、RAMに切り換えてそこでノンウェイトで実行する、という方策ならばなんとかできそう、ということになります。
ROMからRAMへのバンク切換えはZB3DOS(CP/M互換DOS)で行なっています。

う。
まてよ。
今はZBKV3BASICをKL5C80A12版ND80KL/86で動作させるためのテストを行なっていて、その過程でCPUクロックの確認を…という具合に進んできて、今回はなんとかノンウェイトでテストをしてみたいというところに行き着いたのですが。
KL5C80A12はZ80互換ですからND80Z3.5用のZB3BASICもZB3DOSも初期設定だけ変えればそのまま実行することができます。
それについては、確か以前にも動作テストをしたのではなかったか?
ひょっとして過去記事にそのことなどを何か書いていたりして…。

ええ。
しっかり書いておりました。
しかもなんとノンウェイトでの動作テストまでやっているではありませぬか。
うむむむ。
もう、がっくりであります。
[第17回]で書いておりました。
テストの内容も書いている内容も前回とほとんど同じで、しかもご丁寧にノンウェイトでのテストまでやっちゃっておりますから、ううう、これを書いたの誰?てなもんです。
以前でしたら頭のどこかをちらりとぐらいはかすめるものがあって、「むむ。デジャヴか?」なんて思ったりしたものでしたが、さすがに半年近くも前のことになりますと、もう駄目ですね、痕跡も残っておりませぬ。
我ながらなんとも情けない思いであります。
歳は取りたくないものであります。

記憶にないこととはいえ、結果的に完全な二重投稿になってしまいました。
まま、あえて強弁いたしますれば、あのときはZB3BASICでのテスト、今回はZBKV3BASICでのテスト、ということでちょっとばかり内容が違いまする。

戯言はそのくらいにしまして、あらためて[第17回]を読んでみましたら、(多分100nsの)ROMのままでノンウェイトの動作テストをしているようです。
そういうことならば、ここはあれこれ考えないで今回もとりあえずはROMのままでテストをしてみることにいたしましょう。
そのときのテストはFOR〜NEXTを100000回実行させていますが、今回は前回までのテストと同じ50000回のループテストをノンウェイトで実行しました。
せっかくなので[第17回]を開いて、その上に重ねる形で実行してみました。
右側のDOS窓が今回のテスト画面です。



[第17回]の記事と同じで、最初に1ウェイトで実行し、次にノンウェイトで実行しました。
1ウェイトでの実行結果は前回は12秒でしたが今回は11秒になりました。
TIME$を使っていますから1秒程度の誤差がでてきます。
さてノンウェイトでのテスト結果です。
なんと6秒です。
16ビットのCPU、AM188を40MHzで動作させて同じテストをしたときの結果は8秒でしたから、なんとクロック10MHzのKL5C80A12は40MHzの16ビットCPUをしのぐ実力を備えている、という驚異的な結果が得られました。

KL5C80A12マイコンボードの製作[第27回]
2018.7.29upload

前へ
次へ
ホームページトップへ戻る