KL5C80A12マイコンボードの製作
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KL5C80A12はZ80互換の高速高性能8ビットマイクロコントローラです。
残念なことに数年前に生産中止になってしまいました。
しかし当社ではKL5C80A12を使った組込みマイコンボードはまだ健在です。
そのKL5C80A12を使ったND80Z3.5上位互換マイコンボードの製作記事です。
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[第59回]
●誤配線がみつかりました
前回紹介しました新しい基板で、「リモートプログラムは動いたのですがBASICが動きません」と書きました。
その原因を調べていましたらとんでもない誤配線がみつかってしまいました。
いえ。
新しいボードのことではありません。
KL5C80A12CPUボードのことです。
KL5C80A12CPUボードの基板裏側の写真です。
右下、CN2のPIN1とPIN3に+5Vの配線がしてあります。
これが問題でした。
KL5C80A12CPU基板ではCN2のPIN3は空いているのでPIN1とPIN3の両方に+5Vを配線しました。
当然このコネクタの相手側になる、ND80KL/86本体ボードの同じくCN2のPIN1とPIN3にも+5Vのラインをつなぐつもりだったのですが。
そのことをすっかり忘れてしまい、AM188CPUボードを作る段階で、PIN3が空いていると思い込んでしまって、そこに外部からのINT信号を配線してしまいました。
ND80KL/86本体ボードのほうのPIN3にもINT信号を配線してしまいました。
なおも悪いことにAM188に入力するINT信号はHアクティブの設定なのですが、外部からのINT信号はLアクティブのほうがよいだろうということで、外部入力のINT_信号とCN2のPIN3に入れるINT信号の間にインバータ(74HC04)を入れてしまいました。
すると何がおきるかといいますと。
ND80KL86本体ボードにAM188CPUボードを実装した場合には何も問題はありません。
ND80KL86本体ボードにKL5C80A12CPUボードを実装すると、本体ボード上の74HC04の出力端子(通常の出力はL)に+5Vがもろにかかってしまいます。
最悪の出力ショートです。
その状態での74HC04出力への流入電流を測定したところ、40mAも流れていました。
74HC04の出力電流の最大定格は25mAです。
15mAもオーバーしています。
このまま使い続けると74HC04が焼損してしまう可能性があります。
早急に対策が必要です。
一番いいのはKL5C80A12CPUボードでCN2のPIN3につながっているラインをカットして+5Vラインから切り離し、カットした+5VラインとPIN1をつなげばよいのですが。
ご購入いただいた皆様にはKL5C80A12CPUボードは完成品でお届けしました。
KL5C80A12CPUボードの基板裏には26pinストレートメスコネクタをハンダ付けしてしまっていますので、そのPIN3とPIN1をつなぐラインはメスコネクタの下側になってしまっていて、カットすることができません。
万事休す!
と思ったのですが、ただ1つだけ解決策がありました。
KL5C80A12CPUボードのCN2のPIN3を+5Vのラインから切り離すことはできませんが、その代わりにND80KL/86本体ボードの側のオスコネクタのPIN3端子をカットすれば、理屈として同じ結果が得られます。
下はND80KL/86本体ボードのCN2のPIN3をカットした写真です。
その部分だけ拡大しました。
このようにすると74HC04の出力ショート状態は解消されます。
が。
AM188CPUボードを実装したときにPIN3からのINT信号が入力されなくなってしまいます。
それをクリアするために今度はAM188CPUボードのほうの追加配線が必要になります。
実はCN2のPIN3とPIN6には同じ外部入力のINT_信号を2系統の74HC04ラインを通して反転させたINT信号が配線してあります。
PIN3はAM188用でPIN6はKL5C80A12用なのですが同じINT入力信号なので、AM188もPIN6のINT入力を使うことができます。
ということで、下の写真のようにAM188CPUボードのCN2のPIN3とPIN6をリード線の切れ端などでショートしてください。
こちらはその部分の拡大写真です。
ご購入いただいた皆様にはご面倒をおかけして申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。
KL5C80A12マイコンボードの製作[第59回]
2018.12.30upload
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