2021.12.13
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パソコンをつくろう!(パソコン自作のすすめ)
組み立てキットを使って自作に挑戦!

[第332回]



●パソコンのバックアップ(24)Windows7マシンのバックアップ(2)

前回の終わりのところで1TBのハードディスクよりも500GBのハードディスク2台のほうがよい、と書きました。
これには前提条件があります。
このページのタイトルにもありますようにあくまで「自作パソコン」の場合には、という前提です。
多くの方はおそらくメーカー製のパソコンをお使いと思います。
またいまどきはノートパソコンをお使いの方も多いかと思います。
残念ながらそのような場合にはここで書いておりますことはほとんど役に立ちません。
メーカー製のパソコンはハードディスクの増設ができないものが多いようですし、そもそもケースを開けること自体が難しいのではないかと思っています。
ずっと以前に書いたと思いますが某大手メーカーのパソコンのケースの空け方がわからなくてメーカーのサポートに問い合わせたところ「お教えできません」という、なんともつれない返事をもらってしまいました。
随分昔の話ですから今は対応が変わっているかもしれません。
富士通の場合には同社のホームページにケースの空け方についての説明があります。
しかし説明にしたがって開けてみたのですが、ケース内のスペースも接続ケーブルの長さも全くゆとりがなくて、さらにマザーボードにもハードディスクとDVDドライブ各1台以外にSATAコネクタが見当たりません。
DVDドライブからケーブルを外してそれを別のハードディスクにつなぐということしかできませんがそれにしてもケーブル長が短くてさらにはそういう作業をするには狭いところに重ねて配置してあるもろもろのものを取り外さなければならないなどで随分難儀をしました。
メーカー製のパソコンはメンテナンスについてどう考えているのか?と疑問に思います。

というところでハードディスクのお話に戻ります。
ことはバックアップに関係しています。
通常CドライブにはWindowsシステムがインストールされています。
一般的にはハードディスクは1台で、しかもそこにはCドライブがあるだけということが多いと思います。
Cドライブにはアプリケーションソフトのほか写真やドキュメントなどのデータファイルも入れておくことができます。
その結果Cドライブそのもののサイズも肥大化していくことになります。
そこでこのところずっと書いてきておりますハードディスクのバックアップの問題になります。
実はバックアップには2つの異なる対象があります。
1つは普通のデータファイルです。
エクスプローラなどでコピーアンドペーストができるファイルです。
もう1つはWindowsシステムやセットアップが必要なアプリケーションプログラムです。
それらの中にはエクスプローラなどからは見えないファイルになっているものもありますし(したがって簡単にはコピーペーストができない)またレジストリの変更を伴うものもあってコピーアンドペーストしただけではあとから実行できる形に復元できないのが普通です。
前者は別のハードディスクにでもあるいはCDROMやDVDにでもコピーすることでバックアップが可能です。
しかし後者はバックアップツールによって別のハードディスクにクローンを作成するかあるいはイメージアーカイブとして保存する必要があります。
データファイルでもファイル数やサイズが大きい場合にはそれなりに大変になりますが、システムファイルのバックアップに比べればまだまだ楽なものだと思います。
たとえば突然のアクシデントでシステムが起動しなくなった場合について考えてみます。
不幸にしてシステムのバックアップをとっていなかったとか、あるいは何らかの理由でバックアップからシステムの復元ができなかったなどということになると大変なことになります。
そういう場合にはシステムを再インストールしなければなりませんが、するとCドライブにあるデータファイルは全て消去されてしまいます。
このときもし予備のハードディスクがあればそちらにシステムをインストールしたうえで新しいシステムハードディスクに旧ハードディスクからデータファイルをコピーすることができます。
もっとも旧ハードディスクが無事であればの話ですが。
たとえばハードディスクがクラッシュしてしまってそこに長年保存していた写真ファイルなどが取り出せなくなってしまったなんてことになると万事休す、です。
システムが不具合になってもデータファイルが無事ならば、メーカー製のパソコンでハードディスクの増設ができない場合でもDVDドライブからケーブルを外してそれを一時的に利用するという手があります(上に書きましたようにそれも簡単なことではありません)。
おまけに最近はDVDドライブも内蔵していないものがあると聞きます。
なかなかに困ったものであります。
いまどきは自作するよりもシステムがプリインストールされたメーカー製の中古パソコンを買ったほうがはるかに安価です。
実はかく言う私もそのように考えて以前にメーカー製の中古パソコンを購入したことがありますが、いざバックアップをというときになって、やっぱり既製品のパソコンなど買うべきではなかった、とあらためて思い知らされました。

どうも話が横にそれてしまいます。
ハードディスクが1台でもCドライブのほかにもうひとつかふたつ別のパーティションを作ってそこにデータファイルを保存するようにしておけばシステムの再インストールが必要になった場合でもそのときにクリアされるのはCドライブだけですから別のパーティションに置いたデータまでは消されずに残ります。
もっとも不幸にしてハードディスクがクラッシュしてしまった場合にはパーティションを分けていてもデータファイルも取り出せないかもしれません。
しかしシステムと別のハードディスクならクラッシュしないかといえばそんな保証はありませんから、クラッシュを避けるためにハードディスクを分けるというのは理由になりませんでしょう。
ハードディスクを分けたほうが良いというのは上のほうに書きましたようにシステムとデータではバックアップの仕方に違いがあるからです。
データファイルのみのパーティション(ドライブ)ならそれがシステムと同じハードディスクにあっても別のハードディスクにあっても、ドライブまるごとでもコピーして別のハードディスクとかCDROM、DVDに保存しておくことができます。
しかしシステムのあるハードディスクはMaxBlast5などのバックアップツールを使って別のハードディスクにクローンを作るかイメージアーカイブを作って保存するしかありません。
このとき同じハードディスクにデータ用のパーティション(ドライブ)があればそれも一緒にバックアップをすることになります。
有償のバックアップツールならばCドライブのみをバックアップすることも可能かもしれませんが無償版のMaxBlast5ではハードディスクのまるごとバックアップしかできません。
なんですか、最近の無償版のバックアップツールではその多くがクローン作成機能が外されてしまっているのだそうです。
そうなるとなおさらMaxBlast5は貴重なツールに思えます。
しかし上に書きましたようにMaxBlast5でクローンディスクを作成する場合にはハードディスクを丸ごとコピーすることになります。
同じハードディスクにデータ用のDドライブとかEドライブがあればそれもまとめてバックアップすることになります。
データが多くなればそれだけバックアップにかかる時間も長くなってしまいます。
一方データのみのドライブでしたらドライブ内のファイルを全て選択してそれを別のドライブにコピーアンドペーストする場合でもすでにコピー先のドライブに同じ名前のファイルがあればそれを除外して新しいファイルだけをコピーすることが可能です。
新しいファイルが少なければコピーのためにかかる時間も短くて済みます。
写真ファイルなどがその顕著な例です。
Cドライブとそのほかのデータ用のドライブを別のハードディスクに分けるようにすれば、CドライブのみのハードディスクはMaxBlast5でクローンディスクを作成し、その他のファイル用のディスクについては新しいファイルのみを普通にコピーアンドペーストすればトータルではバックアップにかかる時間を短くすることができます。

パソコンをつくろう![第332回]
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