マイコン独立大作戦
ROM/RAM/RTCボードの製作
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WindowsパソコンにUSB接続して使う現行方式はそれなりに便利ではありますが、ときとしてWindows
のしがらみから開放されて、小さいながらも独立した一個のパソコンとして機能したいと思うこともあります。
独立大作戦の作戦その1はCRTインターフェースボードの製作です。
作戦その2はキーボードインターフェースです。
作戦その3は、SDカードインターフェースです。
作戦その4は、ROM/RAM/RTCボードです。
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[第32回]
●またしても痛恨のミス
[第28回]の最後のところで「落とし穴がありました」と書きました。
「落とし穴」などといいますと、何だか自分は悪くないのに誰かにはめられた、というような印象がありますが、全然そんなことはなくて、これはもう自分の不注意で自分から落ちただけであります。
どうもこのところよくないですねえ。
つい先日のことなのですが。
RAMのテストも順調に終りまして、続いてROMのテストに入るというときになって、ROM WRITERを接続してちょいとしたプログラムを書こうとしましたら、なんだか様子がおかしいのです。
前日まではまともに作業できていたのに、突然ROM/RAM/RTCボードに実装しているRAMの中身が書き換わってしまいます。
実は、それまではND80ZVに10pinコネクタ基板を拡張したものを使って、そこにROM/RAM/RTCボードを接続して作業をしてきたのですが、そのときはそんなことなどおきませんでした。
今回はたまたまND80Z3.5を接続しての作業です。
なんらかの原因でRAMが破損したのか、とも思って念のためにRAMを交換してみましたが、症状は変わりませんでした。
どこがどのように変わってしまうのか、突然データが化けてしまう箇所を確認してみて、そこに規則性があることがわかってきました。
そこでやっと、ROM/RAM/RTCボードの回路のミスに気が付きました。
なんともわれながら情けない痛恨のミスでありました。
下はROM/RAM/RTCボードのメモリ部分の回路図です。
図の中に「MEMRD」「MEMWR」という信号があります。
これが問題だったのでした。
この信号はCPUボードと接続するための10pinコネクタのpin9、pin10に直接つながっています。
下はND8080のコネクタ端子図です。
ND80ZVには10pinコネクタはありませんので、後からコネクタ基板を増設するように考えました。
ND80ZV用のコネクタ増設基板の10pinコネクタもコネクタ端子は上のND8080用と同じです。
ところが。
ND80Z3.5だけはそこのところが違っているということをうっかり失念してしまっておりました。
下はND80Z3.5のコネクタ端子図です。
ND80Z3.5の場合には10pinコネクタのpin9、pin10にはRD、WRが配置されています。
これは当初外部回路のほうでMREQとRD、WRをあわせてMEMRD、MEMWRを作ればよい、と考えたからです。
その後にND8080を開発する時点で、8080ではCPU周辺LSIによって最初からMEMR、MEMWが出力されることがわかったために、10pinコネクタにはそれを配置したのでした(それとは逆にMREQはありません)。
ND80ZVの増設コネクタ基板もそれを受けて、増設コネクタ基板内でMEMRD、MEMWRを作ってそれを配置しました。
CRTIFを開発する過程ではND80Z3.5とそのほかのボードとの違いについてはちゃんと認識していたのですけれど。
いつのまにか、ND80Z3.5にはMEMRD、MEMWRが出ていない、ということをすっかり忘れてしまいました。
で。
ND80Z3.5にROM/RAM/RTCボードをつなぎますと。
ふつうのときはよいのですが、ROM WRITERなど82C55を制御するためにI/Oに対するOUT、IN命令を実行すると、OUT命令によって(ROM/RAM/RTCボードの)MEMWRがアクティブになってしまいます。
ここは下の回路にすべきだったのでした。
その部分を修正したROM/RAM/RTCボードのコントロール/RTC部分の回路図です。
MREQとRD、WRからMEMRD、MEMWRを作っています。
MREQにプルダウン抵抗がついているのは、こうすることでND8080のようにMREQがなくて、代わりにMEMR、MEMWがある場合でもMEMRD、MEMWRが正しく出力されるようにするためです。
せっかくめでたく基板完成、のはずでしたのに。
痛恨のミスのためにまたまた作り直しです。
左側が今回の修正部分です。
右側は先に配線ミスを見つけて修正済みの部分です。
上の右側の部分を修正して出来上がってきていた基板です。
出来上がってきたばかりの基板ですのに、またまた基板の作り直しです。
ほんとうに、やれやれです。
ま、しかし、ものは考えようで、このことに気が付かずに製品として出してしまったら、それこそ「やれやれ」ぐらいでは済まないところでした。
そう思えば、ここで愚痴など言ってはいけませぬ。
日々是感謝であります。
ROM/RAM/RTCボードの製作[第32回]
2017.9.22upload
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