屠 蘇 




 元日、家族が一同に集まって互いに年始の挨拶を交わし、順次屠蘇を頂くのですが、屠蘇とは一体どの様なものなのか調べてみました。
 
 元々は平安時代に中国から渡来した漢方薬の屠蘇延命散がルーツです。
 この薬は、今から約1700年前の中国の三国時代の名医、華陀が処方したのが始めとされている。
 
 では、屠蘇の語源としてですが、当時はやり病が猛威をふるい、町中多数の死者で溢れていた。そのとき、華陀の処方した薬がおおいに効能を発揮したとされている。そのあまりの効き目に屠った者が蘇ったところから、屠蘇となった。
屠蘇延命散の成分は、山椒、肉桂、防風、乾姜、桔梗、細辛、等の漢方剤から調合され、服用方法は、三角に縫合された紅絹(モミ)の袋に入れ味醂に浸して飲用すると有ります。

 年始に屠蘇を飲用するのは、その効き目をもって一年の邪気を払い不老長寿への願いが込められている。
江戸時代には一般大衆にまで広がりを見せるようになりました。

 頂くときの作法として、武家においては婦女子は両の手で杯を受けるのに対して、元服を済ました成年男子は左手で杯を受け、右手は端座した膝の上に置き片手で飲み干す。これは不意に事ある時にも間髪を入れずに、対処出来るようにとの心構えを作法に取り入れられたと思われる。
 順番としては年少者からはじめにいただき、順に年長者へとすすめられる。これにも古くからの習わしで、若い者の生命力を年長者に譲り分け共に、一年無事に暮らせるように願ったものと思います。

お正月の料理として雑煮が代表格に挙げられると思いますが、雑煮ほど種類が沢山有るのも珍しいのではないでしょうか?
 処変われば味変わるの例えが有るように、国々所々に独自の味わいがあり、また同じところであっても隣の家とでは又違うのですから。 
 雑煮の語源は、歳神様にお供えした供物を参詣に訪れた人々が神前で供物をいろいろと鍋に入れ混ぜ合わせて煮込んだところから雑煮となったとあります。
 追記ですが、この様に神前において供物を食する集まりのことを直会(なおらい)と言う。