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USJ特需がアダに

 大阪市に今春開業したテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」の案内板やアトラクションの内装を大量受注したディスプレー大手の丹青社
当初50億円と見ていたUSJの受注額は、70億円に膨らんだにもかかわらず、鈴木義隆取締役は「若干の赤字になり、業績の足を引っ張った」。同社のUSJ関係の受注はゼネコン数社の下請けだった。鈴木取締役は「USJからの直接受注なら10%くらい利益が出てもいい仕事だったが、ゼネコンさんが無理に請け負ったしわ寄せがうちに来た」と、こぼしていた。

「お茶漬け中」にツケ

 経常利益が大幅に減った永谷園の吉岡永二取締役は「テレビコマーシャルの効果が落ちてきた」と話す。
男性が勢いよくお茶漬けをかき込むCMを97年に始めてから増収増益だったが、「その反動が出てきた」。猛暑だった夏場を中心に、お湯を使うお茶漬けや即席みそ汁の需要も振るわなかった。低価格の影響も避けられない。お茶漬けは1パック3食入りだが、10食入りの「徳用」が売れ筋で、1食あたりの単価では、2〜3割落ちた製品もある。他方、電子レンジで簡単にできるケーキのヒットなどの明るい材料もあり、「新製品の投入で挽回したい」。

婚礼との蜜月遠く

 宴会場の名門、東京会館は「地味婚」「海外婚」の浸透に苦戦し、減収減益となったが、特に婚礼需要が12.7%減ったのが大きい。
「最近、サラリーマンの結婚披露宴は簡素化され、仲間内だけでレストランで済ませたり、リゾートで開いたりする例が増えている」と鈴木謙一社長は渋い顔だ。バブル崩壊直後に大きく減った一般宴会は、最近のIR(投資家向け広報)重視の風潮から、外資系やIT(情報技術)企業の説明会需要が増え、1%増となった。「(金銭・時間的に余裕のある)中高年女性のパーティーも増えており、今後はこちらに力を入れていく」という。

つなぎ留めたい需要

 セメダインは、家庭用接着剤の売上が2.6%落ち込んだ。
「10年以上前と比べ、プラモデル人口がぐっと減った」(川嵜祥雄常務)のも一因だ。少子化の進展に加え、最近はプラモデルなどの工作への関心が子供達の間で薄れ、遊びは家庭用テレビゲーム機などに移っている。かつてはプラモデルの飛行機大会も主催した同社だが、「プラモデル用途の割合はゼロに近くなった」。家庭用の大半を占める修理用修繕も、昔は無意識のうちに2〜3本は買い置いていたが、長引く不況で1本を最後まで使い切るようになり、数量が減った。家庭用は産業用より利益率は高いが、ホームセンターでの値引き合戦も激しくなり、厳しさを増しているという。