Q1. 矯正歯科治療にはどんなメリットがありますか? |
近年、歯並びに対する関心が急速に高まってきています。特に、最近の子供たちの多くに、歯並びや咬み
合わせに問題があるといわれています。
歯並びが悪いと、笑った時などの見た目、口元の見え方、形態など審美的な面に影響を与え、また相対す
る人の印象にも影響を及ぼすことがあります。このことが原因で、笑顔に自信が持てないなど、コンプレック
スを抱くようになると悲しいところです。また、歯並びが悪いことで日頃歯磨きがしにくいなどで虫歯や歯槽膿
漏の原因になったり、咀嚼能力(食べ物などをかみくだく効率)に影響を与えることが考えられます。
矯正治療は、個人の中で可及的に、よりバランスのとれた歯並び、咬み合わせ及び口元の改善などを目的
とした治療になります。歯並びや口元の改善により、自分に自信が出てくる、笑顔に自信が持てるなどのさら
なるプラスも見逃せません。 |
Q2. 子供の矯正歯科治療はいつごろすするのがいいですか? |
一般的には、矯正歯科治療の開始のタイミングは、上下6歳臼歯と上下の永久前歯4本ずつがはえかわ
る頃が多いと考えます。
受け口やあごのゆがみなど骨格のずれが大きい場合、指しゃぶりや舌の癖が顕著で咬み合わせに影響
を及ぼしているときなどは、一般的な治療タイミングより早期に開始することが好ましいことがあります。
ただ、矯正歯科治療の最終的な目的は、大人の歯をきれいにし咬み合わせを整えることにあり、すべての
歯が永久歯へはえかわる時期などを考えると、基本的には長期にわたる治療になります。早い時期から治
療を始めても、その分早く治療が終わるものでもありません。あまりに早く始めてしまうと、期間が長くなりす
ぎ、負担にもつながります。
子供の治療の特徴は、成長時期のあごの成長を利用し上あご、下あごのバランスを可及的に整えながら
治療をすることで、よりきれいな口元を得ることができます。効果的に治療ができる最適な治療開始時期を
逃さないよう、気になることがあればその時点で矯正相談を受けられ、情報を仕入れられることをおすすめ
します。
また、それ以外に、引っ越しの可能性、習い事(何に主眼をおくか)、本人の気持ちなど、諸事情による適
切なタイミングがあることは言うまでもありません。
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Q3. 大人でも矯正歯科治療はできますか?また何歳ごろまでできますか? |
矯正歯科治療に年齢制限はなく、むしろ動かす対象の歯、歯を支える骨(歯槽骨)や歯茎の健康状態とそ
の代謝の状態に大きく左右されます。そういったことが健康な状態であれば、基本的に年齢制限はありませ
ん。最近では20歳~30歳代の患者さんがたいへん増えてきています。現在70歳代の方も治療されています。
歯を支えている骨が溶かされる病気を歯周病といいますが、30歳代になると80%以上が罹患しているとい
われています。そのことからも、歯が動ける骨がしっかりしているうちに矯正歯科治療で歯並びをきれいにし、
歯磨きをしやすくお手入れしやすい環境にし、歯周病予防することもすすめられるでしょう。
目立たない矯正装置なども準備しておりますので、ご相談ください。 |
Q4. 治療期間はどのくらいかかりますか? |
初めの歯並び・かみあわせの状態によって治療時期だけでなく治療期間も変わってきます。子供のうちか
ら矯正歯科治療を開始すると、トータルの治療期間は長くなることが多いのですが、あごのバランスなど成
長を利用した治療が可能になり、治療内容はより理想的に対応ができます。大人の矯正治療(すべてが大
人の歯に生え変わっている状態の治療)は、1年半から3年程度、歯を並べるために必要になります。歯を
並べる際に、便宜的に抜歯をする、しないなど治療方針により期間の差が出ます。装置の調整に月1度の
通院が必要になります。歯がきれいに並んだあと、その状態を安定させるため、メンテナンスに2~3年程
度必要になります。 |
Q5. 治療中痛みはありますか? |
初めて装置を付けたとき、装置を調節(ワイヤーを調節)したときに、診察後しばらくして、歯が浮いた感じ、咬む
と痛があり、2,3日から1週間くらいで徐々になくなります。痛みの強さには個人差があります。 |
Q6. 歯並びを治すために歯を抜くことはありますか? |
便宜的に歯を抜いて矯正歯科治療することはあります。
レントゲンや歯型など検査を行ったうえで、あごの大きさと歯の大きさのバランス、上下のあごの大きさ・
位置的なバランス、歯の傾斜や口元の状態などを評価した上で、また患者様がどこを気にしていらっしゃる
かを考慮に入れ、判定しております。
あごをひろげたり、上下のあごの前後的なバランスを可及的に整えるため、成長の活発な子供のころの
治療は、歯を抜かない治療の可能性を高めることもあり、治療開始時期は重要になってきます。ただ、すべ
ての方が同じではないため、あくまで可能性の範囲を脱することはできません。
大人(永久歯が全部はえかわった状態)になってからの治療では、歯を並べるため及びひっこめるための
場所がない場合は、抜くことが多くなります。 |
Q7. 費用はどのくらいかかりますか? |
矯正歯科治療には、基本的には保険が適応されず、自費診療(自由診療)になります。
全体的な矯正歯科治療を行う場合の基本施術料(基本的な装置代)は65万円~75万円くらいから、部分
的な矯正歯科治療が可能な場合の基本施術料は25万~40万くらいから、となり、毎回診察時に診察料が
別途必要になります。
矯正歯科治療など自費診療については、課税の対象となりますので、消費税が必要になります。
その点を考慮すると、一般的な矯正歯科治療にはその治療期間によって異なりますが80万円から100万
円程度に消費税くらいの費用が、部分矯正治療には、30万円~50万円程度に消費税くらいの費用が必要
になると考えられます。
厚生労働大臣が認めた疾患、症候群による不正咬合は保険の適応になります。本院での保険矯正歯科
外来は平日の午前、平日の3:00の予約枠のみになります。
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Q8. 分割払いはできますか? |
可能です。
治療開始以降1年半まで(または歯を動かす期間が終了するのが1年半以内の場合はその時点まで)に
完了していただくことになります。支払いの初回には、基本施術料の半分以上が必要になります。その他
の支払い方法を希望される場合は受付にてご対応いたします。金利、手数料などはいただいておりません。
クレジットカードなどの対応は致しておりません。
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Q9. 装置を目立たなくする方法はありますか? |
歯を並べるときに使う歯の表面につける装置をブラケットといい基本的に知られているのは金属のブラケ
ットになりますが、歯に近い色または透明なブラケットも準備しております。
また、そのブラケットに針金を通して歯を並べていくわけなのですが、針金はさすがに透明ではありません。
ブラケットが透明になるだけで装置は目立ちにくくなりますが、ワイヤーも白っぽい色のワイヤー、白くコーテ
ィングされたワイヤー(ワイヤーの種類によっては対応していないものもあります)があり、希望される方には
対応いたします。 |
Q10. 全く見えない矯正装置はありますか? |
歯の裏側につけるブラケットがあります(舌側矯正)。これを使用することにより、表面上、口元から装置は
全く見えなくなります。使用する装置は金属になりますので、会話など口を開けたときに裏側が見える角度に
なると見えます(特に下の前歯)。
表側の矯正装置に比べ、治療費、治療時間、治療期間など全般的に患者様の負担は増えることになりま
す。ただ、見えない点では、この装置に勝るものはありません。
本院では、舌側矯正歯科治療外来は平日の午前中になっており、来院時間の合う方中心の治療になりま
す。 |
Q11. 取り外しのできる装置はありますか? |
治療内容によって、取り外しが可能なものとできないものとがあります。
子供の矯正歯科治療であごを広げるときに使う装置でよく質問を受けますが、本院では基本的に取り外
しができないものを中心に、治療装置を選択しています。歯並び、咬み合わせの状態によって治療効果が
高いと考えるもの(機能的矯正装置など)については、逆に取り外しができるものを選択することもあります
が、基本的に取り外しができない矯正装置中心にしています。取り外しができる矯正装置は、お手軽に見
えますが、装置をつけていないと効果が出ず、また、お子様の装置の管理状態によっては、なくす、壊すな
どの危険性があります。また、長年そういった装置で治療を行うことで、歯はなんとなく並んでいるように見
えるが、自然では考えられないような咬み合わせの異常(医原性の不正咬合)を起こしている方も存在し、
かなりの注意が必要になると考えます。
大人の矯正歯科治療(永久歯に生え変わっている方の矯正歯科治療)でマウスピースを使った治療につ
いても質問を受けます。本院ではアライナー型矯正装置(インビザライン)を可能と考える歯並びの方のみ
に、希望を言われる患者様に説明をしております。ただ、一般的な矯正歯科治療に比較すると不十分な点
があることはご理解いただく必要があることと、海外で個別に作成する装置になるため(カスタムトレー)、
装置は日本での薬事法、技工士法の認可の対象外の装置となりますので、患者様の十分な理解が必要と
なるものになります。装置の材質については薬事法の下で認可済みです。 |
Q12. 矯正歯科治療中の歯磨きはどうやってするのですか? |
矯正歯科装置を入れることで、歯磨きはしにくくなりますが、装置の上から念入りに、お子様の場合は仕
上げ磨きもする必要があります。取り外しができる装置については、それの洗浄も必要になります。洗浄が
不十分な場合、それをつけることで虫歯になってしまうことがあるためです。
装置が入ると、歯磨きの方法や仕上げ磨き、さらに予防法などの指導を行い治療に入っていきます。
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Q13. 指しゃぶりをするのですが放っておいていいですか? |
3,4歳くらいになると社会生活の環境に入るようになり、自然にやめることが多いようです。
続く場合は、その環境変化についていけないいら立ちや寂しさをまぎらす手段になっていることがありま
す。話してわかる年齢(3,4歳くらいでしょう)になったら、その癖が習慣化する前に、徐々にやめさせる必
要があります。
長年にわたり癖(悪臭癖といいます)が続くと、あごの発育や歯に悪影響を及ぼし、その結果、咬合に大
きく影響することがあります。 |
Q14. MRIをとることになったのですが、矯正の装置をつけていても可能ですか? |
MRIをとる医師、技師の経験、判断により決定されます。
金属の種類によって、MRIの画像上の問題、発熱の問題、磁力による装置破損の可能性があります。矯
正歯科医側は、撮影者に撮影の可否が判断できるよう、金属組成を情報提供することが基本対応になり、
それ以上の判断は不可能です。
ただ、撮影の精度を少しでも良くするため、矯正装置を装着して取れる状況下でも、極力金属を減らす意
味で、簡易に撤去できるものは撤去して撮影に対応するほうがいいと考えます。 |
Q15. 矯正歯科治療中に妊娠する可能性があるのですが? |
妊娠や出産については一般的には問題はありません。妊娠中は、ホルモンのバランスの変化もあり、歯
茎がはれやすい状態になりますので、歯磨きをしっかりすることが大切になります。妊娠初期のつわりがあ
る時期についても同様で、しんどいとは思いますが頑張っていただく必要があります。 |
Q16. 差し歯やかぶせた歯、ブリッジをしているのですが、治療は可能ですか? |
歯の根とそれを支える歯茎、骨が健康であれば矯正歯科治療は可能です。
ただ、歯を削るなどして人工的にかぶせた歯、ブリッジなどはその治療方針によって治療前に適切な状態
にする必要性があったり、矯正歯科治療後に再度作りなおして頂く必要性があります。
神経を抜いた歯、長年ブリッジなどで固定されていた歯、歯が喪失してから時間がたっている部分につい
ては、歯の動きが悪くなることもあります。 |
Q17. 矯正歯科治療専門医院の見分け方は何かありますか? |
矯正歯科専門医院は、歯科医院の名前(歯科医院の看板)に〇〇矯正歯科のみの標榜になっています。
その他、歯科、口腔外科、小児歯科などの表記が入っているところは、私たち矯正歯科医の考えるところ
の矯正歯科専門医院ではない場合がほとんどです。
ブラケットの治療をしていない、抜歯を考えた治療をしていない、みんな同じ装置で治療をする、早い時期
から始めれば早く終わる、今始めないと手遅れになる、治療日時が月に何回など限定がある、治療費がか
なり安い、など相談時に来院された患者様からお聞きすることはあるのですが、基本的に矯正歯科専門医
院ではない場合がほとんどです。
ただ、治療内容をよく聞き、その内容が患者様の考えにあっていることであれば、症例の経験の差はあれ、
矯正歯科専門医院でなくても問題はないでしょう。
矯正歯科専門医院については、日本矯正歯科学会の認定医制度が、矯正歯科治療の専門性を表す一つ
の基準となります。 |
Q18. 矯正をすることで、悪いことが起こることがありますか?リスクはありますか? |
矯正歯科治療も医療である以上、リスク、副反応、副作用はあります。リスクとは、起こる可能性はかなり
低いものの、起こらないとは限らないよくないことです。Q17までや他のページを読まれて、各個人がよくな
いと感じられたことも、リスクととらえられて間違いはありません。
矯正治療上のリスクとしては、
①矯正装置の装着により、歯磨きのしにくさ、違和感、痛み(2,3日~1週間程度)があります。
②治療中および安定期間中、装置などの協力が不十分な場合、治療結果に影響が出ることがあります。
③歯を動かすことで、歯の根が吸収する可能性、歯肉退縮が起こる可能性、まれに歯の神経症状が出る
ことがあります。
④装置などにアレルギーを起こすことがまれになります。
⑤装置装着中、撤去時に、歯やかぶせ物、つめものに影響が出る可能性があります。
⑥治療後の顎の成長や加齢、親知らず、お口の状況、環境変化によって、咬み合わせ、歯並びが変化すること
があります。
⑦永久歯の打撲などによって、歯と骨とが癒着し歯が動かないことがあります。
⑧矯正治療は、一度治療を開始すると、元の状態に戻すことはできません。
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