●ゴルベリアス

 魔王軍、五大魔将軍の一人。日頃は端正な男の姿を取っているが、戦いの際には竜の姿に変じる。牙獣を支配しようと取り込んだはいいが、力量不足で失敗し、呪術を使って自分と一体化させることでようやく使いこなせるようになったという、ちょっと悲しい男。器としてはマユラやシンバに劣るということである。

 ひどく地味な扱いで、歴史上にはまるで名前が出てこない。1作目から必殺技としてしか登場しないと思ったら、こっそり殺されていたらしい。死んだ時期はザラックの二度目の死亡と同じ、勇魔戦争時だという。とはいうものの、設定資料にはどこにもそんなことは書いておらず、勇魔戦争で倒れたのもザラックだけ、という表現がされている(『そうか、ザラック倒れたか……』)。要するに、「忘れ去られていた」ということだろう。制作者、ジャネスのどちらが忘れていたにせよ、気の毒な男である。



 死んでいた間は冥界をふらふらしていたようだが、ネバーランド大戦が始まってからは(それ以前から?)雑魚クラスの魔族に魂だけ召喚されていいように使われるという、ここでも悲惨な暮らしを送っており、愛邪にてジャドウに蘇らせてもらってようやく屈辱の日々から抜け出せた。しかし、五大魔将軍のなかでこいつが一番能力水準が低く、さらには他のキャラとのイベントも少ないため、結局地味なのは変わらない。せいぜい序盤の人手不足のときに役立つ「引き抜かれ要員」として記憶される程度か。つくづく不遇な男である。

 なお、直接の続編になるスペクトラルブレイドの設定においては、ザラックが消息不明で他は生死不明ということらしいが、こんなに地味なこいつのことだからまた誰一人として気付かないうちに殺されていそうである。



 追記。こんな地味な人だが部下には慕われているようで、暗黒不死団のグラウスと戦わせるとその辺りの事情が聞かせてもらえる。上司に対してタメ口、というのも、誰とでも上下関係を気にせず付き合えるという性格を表現するためなのかも知れない。


フォース1、2

 死んでいたので必殺技「龍声ゴルベリアス」として登場。効果に違いはあれ、結局口から熱波を吹き付けるというスタイルは同じ。2では発動デモがついてインパクトが増したのだが、見た目と違って無属性扱い(召喚魔法は全部無属性)なのでひよこ虫一匹とて焼き殺すことはできない。仕様上仕方ないとは言え、かなり豪快なありさまではある。


愛邪

 前述のとおり、復活した。よって今回は武将扱いであり、龍声ゴルベリアスも発動デモが失せたが一応専用技になった。しかし、全体に能力水準が低く、高いと言えるのは武力だけ。なんだかウェイブやアレースをランクダウンさせたような、情けない能力となっている(とは言っても一応は魔将軍、並の武将よりはマシなのだが)。必殺技もレベル2に炎の呪文がセットされているなどどうもパッとせず(変身するため「熱風」を持っているのがなんだか哀愁を帯びている)、ちょっと主力としてはあてにできない。

 ただ、人材の不足しがちな序盤においては彼の高い武力と低い忠誠がセールスポイントになる。「どうにもまともな人材が見つからん」というときには、彼のことを思い出してあげると供養にもなろう。

 なお、となりの国フレッドバーンにいる雪男バンバンとイベントを持っているが、猿相手に意気がってみせるという情けない行動を取り、小物ぶりを見せつける。