日記と銘打ってるがただの雑書き場

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1997/05/20記

うちの親父は、私が身体の具合悪いと「カニ」を与えれば元気になる・・・と、
よくわからん誤解をしてます。
TELかかってきて「具合悪くて寝てる」というと・・・
「喰え!」と、カニを持ってやって来ます。
いや、確かにカニは大好きだし、自称カニ評論家と言ってるくらいだから嬉しいんだけど・・・
持って来るのが生きたカニ!
喰え!って言われたってそんな、踊り喰いするわけにいかないし、
ゴホゴホいいながら自分でうでて、(な、なんか違う・・・)とフに落ちないまま、
もそもそ喰うのでした。
うでて喰ってる自分も自分だけど、せめてうでてあるカニを持って来てくれ〜
私がカニを喰えなくなるくらい食欲不振になったら、マジにやばいのかもしれない。

カニといえば、佐賀の竹崎が「ガザミ(ワタリガニ)」で有名です。
毎年カニを食べに行ってましたが、ここのとこご無沙汰・・・(;_;)

そこで、カニ評論家(あくまで自称)がお話しするカニな話し

スーパーで売ってるガザミを買う時、足を持って重さを比べて一番重いのを買います。
注:足をもがないようにご注意を。店員さんが見てる前でやると睨まれるので、
こっそりやりましょう。
腹をみて、「への字の切れ込み(通称フンドシ)」が丸っこいのがめっちょ、
細長いのがおっちょです。
おっちょとめっちょは、美味さの時期が違います。時期をはずしためっちょは美味くありません。
そして、月夜に捕れたカニもマズイです。
脱皮したばっかのカニもまずいですが、まるごとカラアゲにすると美味いです。
ここで、今日のワンポイント!
カニの美味さは殻の固さと厚さに比例するのです!(熱弁)

カニをうでるときは、間違っても甲羅を上にしてうでてはなりません。
(ほんとはうでるより、蒸した方が美味い)
隙間からカニミソが逃げてしまうので、必ず腹を上にしてうでます。
生きたカニをうでる時は要注意。必ず蓋を用意しましょう。
何故なら奴等も「喰われまい!!」と必死です。
水が熱くなって来ると暴れて飛び出します。水が沸騰して、
カニがおとなしくなるまで蓋をしましょう。
注:がさごそ暴れる音で良心がすこぶる痛みますが、食欲でねじ伏せましょう。
暴れるとハサミや足がもげます。これを防止する為には、氷水につけて
カニを仮死状態にしてうでます。
そうするとハサミがもげません。

さぁ、うであがったカニを食べましょう。が、この時にも選択に注意を。
生きたカニは重さで選びましたが、ここではそれは通用しません。
一番重いカニを選んで、ふた(甲羅)をばかっっと外すと「どばっ!」と大量の塩水が!
重さの原因はただの「水」だったりするからです。水が全部出てしまったら、
なんにも入ってないに等しいカニになります。
が、掴んだカニは貴方のカニです。最後まで食べて成仏させましょう。

カニの正しい食べ方

カニを食べるにはまず、服装から。
長い袖はひじの上までまくります。髪の毛は束ねて食べる事に集中出来るようにしましょう。
なお、エプロン、リストバンド等があると便利です。
準備が出来たらまず、甲羅を外してカニミソやたまごを食べます。カニミソの一番おいしいところは、
スナブクロ(カニの口の近辺)のところです。
間違ってスナブクロを喰わないようにしましょう。じゃりじゃりします。
カニで喰えないところは、殻とスナブクロくらいなもんです。あ、あと、エラも喰えません。
いや、喰いたいっ!って人は喰ってもいいけど、じゃりじゃりして美味くないし、
たまに砂をかんでます。
酒が好きな方は、この甲羅に酒を入れて甲羅酒ってのもおつなもんです。
綺麗に食べ終わった甲羅は、すぐに捨ててはいけません。これからじゃんじゃん出て来る小さな殻を
これに入れるのです。
カニはあくまで、美しく優雅に喰いましょう。

次に、フンドシと呼ばれる腹側の蓋をもぎます。そして、身をまっぷたつにします。
最初に手足をもぐのは邪道です。手足はつけたままにしておきます。
プロのカニ喰い(なんじゃそりゃ)は、カニスプーンやカニバサミを使いません。
おもむろに己の歯で噛み割りましょう。固い殻もなんのその。
でも前歯で噛むのはやめましょう。折れます。
口に小さな破片が入ったって大丈夫。カニの殻にはキチン、キトサンという
何やら有り難〜い栄養があるので、気にせず喰っちまいましょう。

ガザミで一番身が詰まってるのは、一番後ろ足の付け根です。この周りの殻を用心深く剥がします。
そして、足の付け根を指でしっかり握って、ゆっくり身を引き出します。
強引に引っ張ると、足だけ捕れて身がくっついて来ないので、全神経を指先に集中して
用心深くやりましょう。
カニの身の大半はここに集中しているといっても過言ではありません。
上手く捕れた時の感動といったらもう、それはそれは天にも登るような至高の喜びです。

後は、節ごとにもいでいきながら身をほじります。身を全部出しといて一気に喰う・・・
なんてセコイことをしては、一流のカニ喰いにはなれません。
身を喰い終わったら次はハサミです。ハサミの殻は固いので、注意しましょう。
ハサミの動く関節の先は、身をほじるのに便利なので、これを利用するのが
プロのカニ喰いってやつです。
街の何処かでハサミで身をほじってるやつをみかけたら、「む、こいつ、プロだな!」
と思ってしまっても、間違いではありますまい。

足の節々は、上下を噛み切って、ぐいぐいっと指で強く押さえます。
そして強く吸うとしゅるんっと中身が出て来ます。
マツバガニの場合は、足の食べ方が違いますので要注意。
奴等の足は、関節近くに切り込みを入れて、バキっと折るとあら不思議!中身がするりと抜けます。
話をガザミに戻して・・・
殻はどんどん甲羅に入れていきましょう。

食べ終わった後の注意

カニと共に冷たい物を飲み食いすると、ぽんぽんあいたになって「ぴーちゃんぐににに」になります。
冷たいものは避けましょう。熱い緑茶がお薦めです。
この時、湯呑みを持った手がカニ臭い事に気付くでしょう。そうしたら、
臭いがなくなるまで石鹸で手を洗いましょう。
また、水で薄めたお酢で手を洗うのも効果的です。
カニを食べるのに夢中になると、殻があっちこっちにちらばります。これらを踏むと痛いので、
掃除機をかけましょう。
食べ終わった殻はすぐに捨てます。その日が「生ゴミの日」だったらとってもラッキー。
ですが、そうでない時はビニールに入れて、次の生ゴミの日まで冷凍庫に入れておきます。
夏場にごみ箱になんか入れていたら、えらい目にあうので絶っっっ対にやってはいけません。

以上をクリアすれば、貴方も立派なプロのカニ喰いです。
あぁ・・・カニが食べたい・・・

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