読書日記

 全く自慢ではありませんが私の趣味は読書です。しかも、読みたい本を自分で買うのではなく、読みたい本もちょっとだけ興味を持った本も新聞の書評で取り上げられていた本も節操無く図書館から借り出してきて、読んだり読まなかったりします。
 こうなってくると(昔からこうなのですが)自分が何を読んで何がおもしろくて何がおもしろくなかったのか、きれいに忘れてしまいます。忘れてもいっこうにかまわないようなことなのですが、試しに読書日記をつけてみることにしました。さて、いつまで続くでしょうか?しばしお付き合いくださいませ。


八月分

書名・作者・出版社 内容・感想など
イギリスのある女中の生涯
 シルヴィア・マーロウ著 徳岡孝夫訳
 草思社
題名にひかれて読んで、依頼を受けていた「特集・メイド」の参考になった。
女中奉公をしていた、20世紀はじめの一人の女性の一代記。
吸血鬼ドラキュラ
 原作・Bストーカー 菊地秀行文 天野喜孝絵
 講談社 世界の冒険文学
児童文学用にわかりやすく書かれたドラキュラ。訳者とイラストで選んだのはばればれである。
同じシリーズでこのまえ「奇岩城」を読んだが、やっぱりホームズファンにはルパンものは許せん…
ムギと王さま 本の小べや1
 ファージョン作 石井桃子訳
 岩波少年文庫
はじめて一冊読みきったファージョン作品集。昔から何度か挑戦していて、一度も読みきったことがなかった。とても読みやすくて、話もおもしろいのになぜだろうか?
スコットランドの神話伝説
 世界神話伝説大系39
 名著普及会
同じケルト系でも、アイルランドとはまたずいぶん違う、けれどやっぱりある程度似ている。
海の向こうの常若の国とか、緑の女王とか、ツボにはいってますな…
少年記
 野田智佑著 
 本の雑誌社
カヌーイストの野田さんのエッセイ。この人の文章を読んでいると、日本の行政に腹がたってくる。
私は正確に言うと、野田氏本人ではなくカヌー犬ガクのファンである。こんなふうに書くとガクに失礼かもしれないが、あまりにも愛らしく、利口で、いじらしい。
私の死亡記事
 文藝春秋編
よくある追悼文集かなと思って読み始めたら何かおかしい。「この人もう死んでたっけ…?」
各界著名人が本人の追悼文を三人称で書いていた。当然本人はまだ死んでません。
読んでいて大笑いできる本。
とびきり愉快なイギリス史
 ジョン・ファーマン著 尾崎まこと訳
 筑摩書房
世界史の基礎がないので笑うべきところでいまいち笑えなかった。ブリテン島が陸続きだったころから第二次世界大戦終結までの長く不幸な歴史をさくっと説明している。
海浜棒珠始末記
 椎名誠著
 文藝春秋
ろくでもないことにかける情熱ほどおもしろいことはない。
しかし、この先どこに向かっていくかが心配だ…私が心配することもないが。
センティメンタル・ブルー
 篠田真由美著
 講談社ノベルズ
建築探偵桜井京介シリーズ
しかし、図書館には、このシリーズはランダムにしか入っていない。これだけではなく、他のミステリ作家のシリーズ物も、見事といえるほどにそろってはいない。これは○野図書館だけの傾向だろうか、それとも?
図説ケルトの歴史
 鶴岡真弓・松村一男著
 河出書房新社
資料としてはいいかもしれないが、読み物としてはいまいちだった…
ケルトというと、どうしてもダーナ神族というイメージが強いが(個人的に)それ以外の神々の名が記されているのはおもしろい。
虚空の旅人
 上橋菜緒子作 佐竹美穂絵
 偕成社
「守り人」シリーズ四作目にして、女用心棒のバルサがでてこない、主人公交代か?
この本も、図書館には最初の巻がおいていないらしく、私は二巻からしか読んでいないが、何故一巻からそろえてくれないのだろうか…おもしろいのに。

九月分

書名・作者・出版社 日付・内容・感想など
ひとりでお帰り
 谷山浩子作
 集英社・コバルト文庫
九月一日(日)
図書整理日で図書館が休みだったため、新しい本が借りられず手持ちの本をよんでしのいだ。
コイビトの耳はネコのみみ
 谷山浩子作
 集英社・コバルト文庫
九月一日
以下同。ちなみに、谷山さんが書いたコバルトの中では「きみが見ているサーカスの夢」が一番好きである。
あのまがまがしい雰囲気がいいが、不吉なまま終わったらもっとおもしろかったかも…
(サンリオのシリーズのように)
スカーレット・ウィザード5
 茅田砂胡作
 中央公論新社
九月二日(日)
やっと図書館に行けた。
四巻がなかったのですっとばして五巻を読んだが、この二人は最後までラヴラヴだった。(これが感想かい!)
デルフィニア戦記が一巻から通して読んでみたいものじゃのう…
万国奇人博覧館
 Gブクテル・JCカリエール著
 守能信次訳
 筑摩書房
九月三日(月)
二日の夜から三日の夕方までかかった、その間原稿は何も出来なかった…
「仇」のネタひろいに読み始め、ものの数ページでネタにはならないことに気がついたが、途中でやめることの出来なかった呪われた本。
ハリーポッターともうひとりの魔法使い
 マーク・シャピロ著 
 鈴木彩織訳
 メディア・ファクトリー
九月三日
ハリーポッターシリーズの作者J K ローリングについての本。作者の人となりや、このシリーズが世に出るまでの苦労などはよく分かるが、それだけであった。
盲導犬クイールの一生
 写真・秋元良平
 文・石黒謙吾
 文藝春秋
九月四日
犬に語りかけるということの意味は犬好きの人にしかわからないかもしれない。ちなみに私が今までで一番読んでて泣けた本はいせひでこさんの「グレイのしっぽ」であった。同時期に読んでいた「墜落遺体」の何倍も悲しかった…
ルー=ガルー
忌避すべき狼
 京極夏彦著
 徳間書店
九月五日
人から借りた本だが、書店で見たときよりずっと分厚く感じた。十四歳の女の子なのに、うんちくのたれ具合は京極堂のごとしであった。ちなみに、文中の「狼男になるための呪文」は、なぜか私は知っている。
女中奉公ひと筋に生きて
 吉村きよ著
 草思社
九月六日
まだ二冊しかよんだことがないのだが、草思社の本はこういうしみじみとした女の一代記のような本が多いのだろうか。昭和初期からほぼ現代までお手伝いさんとして働いた一人の女性の自伝である。
華しょの幽夢
 小野不由美作
 講談社ホワイトハート
九月八日
「しょ」の字が出ない…
待ちに待ったホワイトハート版、十二国記の短編集。文姫がけっこうお気に入りである。
炎華の断章
 霜島ケイ作
 小学館キャンバス文庫
九月八日
十二国と一緒に買った、封殺鬼シリーズ23巻目。
とうとう佐穂子と成樹乱入、これから先はまずバトルであろう…
スカイ・クロラ
 森博嗣作
 中央公論新社
九月九日
実は一度読んだだけではよくわからなかった。未来の日本(多分)のどこかで戦争をやっている架空の戦闘機の架空のパイロットの話。
レイチェルと滅びの呪文
 クリフ・マクニッシュ作
 金原瑞人訳
 理論社
九月十四日
魔女によって異世界に連れてこられた女の子が、魔力をたかめて魔女を倒す話、児童文学。
この子は最初から魔女であった。
ダレン・シャン 奇怪なサーカス
 Darren Shan作
 橋本恵訳
 小学館
九月十五日
ねたばらしになるので筋は書かないが、ここ最近読んだ中では一番ツボに入った児童文学。
ダークファンタジーとしてすばらしい。続きが待たれる。
ローマ帝国愚帝列伝
 新保良明著
 講談社選書メチエ
九月十五日
カラカラだのゲタだの、石膏像でしか見たことのない人々の所業が分かっておもしろかった。そうか、そういう人だったのね…石膏像としては、特にゲタは苦手だったな…いや、全部苦手だったけれど。
英国王室物語 ヘンリー八世と六人の妃
 渡辺みどり著
 講談社
九月十六日
とりあえず入門編、とっつきやすそうな本から読んでみた。ロンドン塔もハンプトン・コート宮殿も行ってみたいところである。
雨の木曜パーティ
 池田あきこ作
 ほるぷ出版
九月十六日
ダヤンシリーズの新作、あいかわらず愛らしい。
ちなみに私はジタンと千年なまけのファンである。
これだけは見ておきたいバレエ
 佐々木涼子・瀬戸秀美著
 新潮社・とんぼの本
九月十六日
これだけは見ておきたいと言われても、そう簡単に見ることが出来ないのがバレエ。簡単な筋書きとか説明とかがされていたが、一番見たいと思ったのが「ジゼル」、設定といい衣装といい、とても好みである。
ハンガリーの伝説
 世界神話伝説大系33
 名著普及会
九月十八日
そういえばハンガリーのは読んだことがなかったなーー、と思って読んでみたが個人的に当たりであった。
アイルランド系妖精話に似ていないこともないが、それよりもっと骨太で、しかも「姫」の物語が多い。
魔法使いはだれだ
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
 野口絵美訳
 徳間書店
九月二十一日
新しく刊行されるクレストマンシーシリーズの第一作目、図書館にはいっていた。
一番笑えたのは「私はきちんとした格好をするのが好きなんだ…」のくだりである。あいかわらず部屋着はすばらしいらしい。エリックやジャネットが出てこないのは残念だが、大変おもしろい。
女ひとり旅危険読本
 双葉社
九月二十二日
ガールズバックパッカーマニュアル、女性単独旅行者の経験談である。けっこうすさまじい。
そして奇跡は起こった
シャクルトン隊、全員帰還
 ジェニファー・アームストロング著
 灰島かり訳
 評論社
九月二十二日
今年の課題図書だったらしい。
南極探検の途中で遭難し、一年後一人の死者も出すことなく全員生きて帰った英国シャクルトン隊の実話。
しかし、これで感想を書けといわれても、似たり寄ったりになってしまうのではないかとも思う。
ソリ犬や、ペットとして飼っていた猫を殺さなくてはならなかったとき、さぞかし悲しかったであろう。冒険を求めて旅だった人間が苦労するのは、ある意味仕方がないかもしれないけれど。
ネシャン・サーガU
第七代裁き司の謎
 ラルフ・イーザウ著
 酒寄進一訳
 あすなろ書房
九月二十五日
これも、Tが見当たらなくてUから読んだ。
現実の少年が死ぬことにより、もうひとつの世界に生きる、というのはナルニアと同じだが、こちらははるかに後味がいい、美しい去り方だと思う。
これも出来ればシリーズ通して読みたいおもしろい児童文学である。
旅路の果て
モンゴメリーの庭で
 メアリー・フランシス・コーディ作
 田中奈津子訳
 講談社
九月二十五日
「赤毛のアン」の作者モンゴメリーの生涯を、事実をもとにして創作したもの。
これも今年の課題図書だったらしい。
スカーレット・ウィザード4
 茅田砂胡作
 中央公論新社
九月二十八日
やっと四巻が読めた…しみじみ。
しみじみと「ディルフィニア戦記」が読んでみたいものじゃのう…。
いたずらロバート
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
 槙朝子訳
 ぽるぷ出版
九月二十八日
正直言って「え、これで終わり?」ってかんじの終わり方だと思う。
これからおもしろくなりそうなのに…続きはないのだろうか?
小説家ぶー子イギリスを行く
 村山由佳著
 集英社
九月二十九日
1997年と98年のイギリス旅行記、しかし、道々インターネットで…という課題付きの旅。
ふつうのおひめさま
 メアリー・マーガレット・ケイ作
 東春見訳
 徳間書店
九月三十日
多分これはかのはらさんおすすめの本。
何故にお姫様は金髪青い目なのか、もし、普通の女の子がお姫様だったら?という本。

十月分

書名・作者・出版社 日付・内容・感想など
お母さんは「赤毛のアン」が大好き
 吉野朔実著
 本の雑誌社
十月一日
倫理さんお勧めの本、名古屋の某駅ビルの本屋で見つけた。
吉野さんは、竹宮さんと並んで大好きな漫画家さんである。その吉野さんによる書評であるが、私とはまったく読んでる本の傾向があわないことが判明した。
春の野原 満点の星の下
君のそばで会おう
これもすべて同じ一日
あの空は 夏の中
宵待歩行
 銀色夏生作
 角川文庫
十月二日
実家の近くの昔バイトしていた古本屋でまとめて買ってまとめて読んだ。
このうち「君のそばで会おう」と「宵待歩行」は、図書館で借りて読んだことがあって、いつかこれで原稿を描きたいくらい気に入った詩があったので狙って買ったが、残りはあてずっぽう、タイトルの長いものを選んで買ったような気がする。
銀色夏生の詩のすべてが好きなわけではなく、一冊の詩集の中に気に入った詩が一編か二編あればいいほうだが、それでも新しい本を(図書館で)見つけるたびに読んでしまう、結局好きなのかもしれない。
ちなみにこの五冊の本の中で一番気に入っている詩は「最後の散歩」という、「君のそばで会おう」に入っている。
魔法使いハウルと火の悪魔
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
 西村醇子訳
 徳間書店
十月六日
ヴーナスちゃんお勧めの本、ほかのダイアナさんの本と一緒にただいま借りて読んでいる。
私は最初から最後まで「いけいけソフィー、やれやれソフィー(婆さん)」であったため、これから頼まれた原稿を描くためには、婆さんを描く練習をする必要がありそうである。しかし、そんな原稿を果たしてヴーナスちゃんは喜んでくれるのだろうか、いささか疑問だ。
とにかく、婆さんになってからのソフィーの行動が大胆ですばらしい、やはりお年よりは大切にせねば!
その他、ヴィジュアル的にはまりそうなのが「かかし」なのだが、「魔女集会通り26番地」の「ジンジャーブレッド」といい、なんで私はこうなのだろう…
幻の動物とその生息地
 ニュート・スキャマンダー著
 静山社
十月十二日
「クィディッチ今昔」といっしょに買った、ハリーポッターシリーズのホグワーツ校指定教科書である。しばらくの間、買おうかどうか迷っていたのだが、うっかり本屋で立ち読みをはじめたらとてもおもしろかったのだ…
他のハリーポッター関連図書は、あまりおもしろいとは思わないが、この本はシリーズを読み進めていくにあたっての参考図書となりそうで、けっこう役にたちそうである。何の役に立つのだ…
クィディッチ今昔
 ケニルワージー・ウィスプ著
 静山社
十月十二日
引き続いてこれも読んだ。架空の世界の架空のスポーツの歴史的背景、ルール、チームについてなど長々と説明しているのが大変楽しい、ハリポタシリーズのファンならば読んで損は無い本である。ただ、前述の本とあわせて買ったのだが、「この金があればダレン・シャンが買えたのに」と後で考えてしまったことはいなめない。やはり、これも買っておくべきだろうか、そして友人に貸し出し、布教するのだ!
わたしが幽霊だった時
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作
 浅羽莢子訳
 創元推理文庫
十月十二日
三冊読んでいたおかげで、他のことが何も出来なかったような気がする。
これはヴーナスちゃんに借りている本、彼女お勧めのダイアナさんの本だが、児童文学ではなく、ミステリーかファンタジーに近い。
なんというか、英国的な話、英国的というよりはケルト的か…地面の下には怖いものが眠っていて、冗談でもそれを起こしてはならない。
9年目の魔法
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
十月十四日
訳者と出版社ひかえとくの忘れた…本の装丁がほぼ同じだったような気がするので、出版社は「わたしが幽霊だった時」と同じでいいと思われる。
バトル・ロワイヤル
 高見広春作
 太田出版
十月十四日
この本は666ページある、その666ページを一気読みした。おぼろげに内容をしっていたので、いったい誰がどういう手段で最後に残るのか、ずっと知りたいと思っていたがよくわかった。原作を読む限りでは、別にR指定になるようなところはないと思う、考えていたよりもずっとまともな青春純愛小説だった。
後味としては、作者も出版社も違うが、教師が生徒を殺していく話、「そして粛清の扉を」のほうが十倍悪い。
アブダラと空飛ぶ絨毯
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作
 西村醇子訳
 徳間書店
十月十五日
こちらは図書館にあった、「空中の城」シリーズ二作目である、もしかすると、この作者の本で翻訳されているものは、全部読んだことになるのかもしれないが、これからいろいろ刊行されることが決まっているので、楽しみは減ることはない。
ソフィーとハウルがなかなか出てこない、と思っていたら、とんでもないところですでに登場済みだった…
ハリウッド・サーティフィケイト
 島田荘司作
 角川書店
十月十七日
レオナ松崎大活躍である、舞台がアメリカなので、当然のように石岡くんは出てこないが、御手洗さんはちょっとだけ登場(?)してレオナに助言を与える。
石岡くんが出てこないことによって物語は比較的スムーズに進むが、石岡くんのぐるぐるが見られないのはなんともいえず寂しく、物足りない。
御手洗…たのむ、たまには石岡くんに電話でもしてやってくれ…レオナとの電話の中で、石岡くんのいの字もでなかったことが、どんなに悲しいか、あんたにはわからないだろう…
ケルトの薄明
 WBイエイツ著
 井村君江訳
 筑摩書房
 
十月二十日
どうも私はこの作者とこの訳者の組み合わせが好きらしく、自分で買ったケルト系の文庫本は、ほとんどこのくみあわせである。
書いてある内容も、文章も美しいが、この本の中身、さらっと書いてあるケルトの伝説や言い伝えを理解するにはまだまだまだ修行が足りなさ過ぎると思う。
しかし、いつかアイルランドには行ってみたいものだ。
ダレン・シャンU若きバンパイア
 ダレン・シャン作
 橋本恵訳
 小学館
十月二十二日
ふと思い立って買ってしまったダレン・シャン、もう後戻りは出来ないのかもしれない…(何がだ?)
同人女たるもの、このシリーズはなるべく、目にフィルターもしくはうろこをつめこみ、行と行の間の隙間をくまなくよむべきである。当然「頭の上に少しの毛」ではなくふっさりとしたオレンジ色の髪を想像するべきであるし、棺桶の中にはゴ・・・が巣を作っていてはならない、そしてダレンはやつれて舞台栄えのする美人であるべきである。分かった?
わかもとの知恵
 筒井康隆著・きたやまようこ絵
 金の星社
十月二十三日
家庭薬「強力・わかもと」のおまけについていたという冊子の現代版、書下ろし、対談つきである。
きたやまようこさんの挿絵が愛らしい、この人の描かれる犬はとてもかわいい。
ハリーポッター裏話
 JKローリング・リンゼイ・フレーザー著 松岡佑子訳
 静山社
 
十月二十三日
裏話と書いてあるわりには、はりぽた本編で明かされていることしか書いていない、突っ込みの足りない本である、まあ、日本語版で三巻までしか出ていない状態では、あまり明かせることはないか…
最後のほうに、各国版の表紙の写真がのっているが、これはささやかになかなか興味深い。フランスとイタリアはやはり趣味がいいと思う。日本版のも、「アズ鞄」の表紙は、けっこう好きである。ところでせっかく日本では少女漫画文化が発達しているのだから、実力のある漫画化さんがオフィシャルで漫画化してくれないだろうか?同人屋が山のように描いてるから、いいか…
パリのトイレでシルブプレー
 中村うさぎ著
 メディアワークス
十月二十三日
書き出しがすばらしい「今年、私は生まれて初めて海外で正月を迎えるという非国民な行動をとってしまった」というのである。この一行だけでしばらく笑えた。
この人の小説は、実はぜんぜん読んだことがないのだが、大変おもしろそうだと思う。主人公が作者の分身だと考えると特に…。
ああ言えばこう食う
 壇ふみ・阿川佐和子
 集英社
十月二十三日
長年の友人同士の往復エッセイ、食べ物にかかわる話がメインなのだが、この本も笑えた。
格調高く、美しい日本語でお互いのことをこきおろす、ああ友情は美しきかな。
ドラキュラ公ヴラド・ツェペシュ
 清水正晴著
 現代書館
十月二十五日
「吸血鬼ドラキュラ」として名高い「ウラド公」の史実。本当はオスマントルコと戦った救国の英雄なのだが、ブラム・ストーカーのおかげでえらい目にあっている。まあそれはおいといて、弟の「美男公ラドウ」との確執や、モルドヴァ公シュテファンとの友情など、オタク的観点からの読みどころも多かった。
ゴブリンの仲間達
 ブライアン・フラウド作・画 テリー・ジョーンズ著作 井辻朱美訳
 東洋書林
十月二十五日
イラストは大変美しい、しかし描かれているゴブリン自体がとても美しくない。映画「ダーク・クリスタル」や「ラビリンス」の化け物を作った人の本である。
とにかく、ゴブリンという生き物の特性がよくわかった。しかし、指輪物語のオークよりは、なんぼかましなような気がする…
あまの川 宮沢賢治童謡集 
 天沢退二郎編 おーなり由子絵
 筑摩書房
十月二十五日
宮沢賢治のいろんな作品に出てくる童謡だけを集めた本である。
Zabadakのアルバムで、曲をつけて歌われているのもある。
桐原家の人々4
 茅田砂胡作
 中央公論新社
十月二十八日
「まだかー、まだかー」と図書館に入るのを待っていたシリーズ最新刊にして最終巻(らしい)。肝心の三つ子はほとんど出てこない、お兄ちゃんの「零」の話であるが、ここまで大変な状況に陥るのもすばらしい、そしてそれをはねのけるのも。
こんな映画が、
 吉野朔実著
 PARCO出版
十月二十八日
私の好きな漫画家、吉野さんによる映画案内、映画をあまり観ていない私と話の合いそうなところはほとんど無いが、読む本の好みもことごとくずれているので、きっとこの人とは話が合わないかもしれない。でも、そんなこと別にいいのだ。
それよりも「お父さんは時代小説が大好き」という本が実際に出ていることが大問題である、どこかで手にいれなければ!
蓼科日記
 池田あきこ著
 中央公論新社
十月二十八日
「ダヤンシリーズ」の著者による山暮らしの日記(?)さすがにイラストがきれいである。特に犬のバリーがかわいい。
続巷説百物語
 京極夏彦作
 角川書店
十月三十日
借りっぱなしだった本がやっと読めた…しかも、読み出したら早かった…。
前にWOWWOWでやっていたドラマ編「怪」をある程度見ていたせいか、登場人物のイメージがすごく明瞭、というか、まんまだった、うーーん、ドラマ編でこれだけイメージどうりというのもすばらしい。

十一月分

書名・作者・出版社 日付・内容・感想など
ガラダマ天国
 唐沢俊一・唐沢なをき
 ぴあ株式会社
十一月七日
今日、十一月になってから初めて図書館に行ったのだが、こ難しい本や分厚い本を借りて読もうという根性がどこにもなかった。
92年から97年までの世相漫画、いやはや大変な年ばかりであったが、今年ほど大変な年もあまりないかな…
クリストファーの魔法の旅
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作
田中薫子訳
 徳間書店
十一月七日
大魔法使いクレストマンシーシリーズの二作目、そろそろ図書館にはいっているころだろうと思っていたら、本当にあった、なかなかにすばらしい偶然である。「誰であろうと、グウェンダリンほどひどいことはない」というのがこの本を読んだ最初の感想であった。ちなみに、グウェンというのは、「魔女集会通り26番地」に出てくる魔女である。
図説世界未確認生物辞典
 笠間良彦著
 柏書房
十一月八日
またまた怪しい本であった。世界のいろいろな妖怪や神々、化け物などをランダムに集めてあるとしか思えない図鑑であった。
しかし、こういう本からネタをひろおうという私も私である、でも、雑学としてはおもしろいのだ。
暗い宿
 有栖川有栖作
十一月十三日
出版社をひかえておくのを忘れたまま図書館に返してしまった。
なんだか久しぶりの火村助教授シリーズ、短編集である。おんぼろ宿から豪華ホテルまで、いろいろなところでアリスまたは火村先生が事件に巻き込まれている。この二人の場合、それが飯のタネなのだから仕方がないが、普通ならばとても嫌である。
チチンプイプイ
 宮部みゆき・室井滋 
 文藝春秋
十一月十八日
本を読む心境になっていないのか、また単に時間がないのか、あまり本を読む根性が無い。こんなときもあるさ…
宮部みゆきの対談集なのに、あまりおもしろいとは思えなかった。
空を駆けるジェーン
 アーシュラ・K・ル=グウィン作 村上春樹訳
 講談社
十一月十九日
空と飛び猫シリーズ第四作、新聞広告で見て狙っていたのが図書館にあった。
はねっかえりの空飛び猫ジェーンが田舎をはなれて町に移り住む物語である。
夜啼きの森
 岩井志麻子作
 角川書店
十一月二十二日
なんの話かと思ったら「津山事件」であった。
この人の話は、短編の方が怖いと思う。
海の上のピアニスト
 アレッサンドロ・バリッコ作 草皆伸子訳
 白水社
十一月二十二日
確か同じタイトルの映画があったはず。映画の方は観たことが無いが原作はさくっと読みやすく美しい。
ヴィクトリア朝百貨辞典
 谷田博幸著
 河出書房新社
十一月二十四日
英国ヴィクトリア朝時代、日常的に使われていたものについての辞典。
コルセット、バッスルなどの女性の服装に関するものがおもしろい。しかし、どんなに努力しても、ウエスト50センチ以下にはそうそうならないと思うぞ…特に向こうの女性は体格がいいし。
ショッピングの女王
 中村うさぎ著
 文藝春秋
十一月二十五日
貧乏、正しくは主婦的節約精神のため無駄遣いという無駄遣いをなるべくしなくなった私の魂がこの作者を呼ぶのであろうか、いっそすがすがしいばかりの買いっぷりである、でも絶対真似したくない。
千年王子
 長野まゆみ著
 河出書房新社
十一月二十七日
久しぶりに読んだ長野まゆみ、この作者の本には、一度で理解できる話とそうでない話とがあると思うが、これは分からないほうであった。
白百合を満載した小舟がゆっくりと岸に近づく光景はとっても美しいんだけどな…
デュバリー伯爵夫人と王妃マリ・アントワネット
 飯塚信雄著
 文化出版局
十一月二十八日
驚いたのは、フェルセン伯が実在していたことと、ロココ調のドレス一着のお値段である。
その他にも、「ベルサイユの○ら」に出ていた人がほんとにいたり、事件が実際に起こったりしていた。あたりまえといえばあたりまえだが、なんだか意外である。でも、オスカルだけはやっぱりいない。
妖精のキャラバン
 ビアトリクス・ポター作 久野暁子訳
 福音館書店
十一月二十九日
実在する動物達が動物達の町や人間の農場近くで動物のためにサーカスを開く、ただし人間にはそれは見えず…なんだかものすごーーく無理がある設定のような気がするが、ファンタジーってことで納得するしかなさそうである。
不思議な石のはなし
 種村季弘著
 河出書房新社
十一月三十日
十一月は入稿の月、原稿が忙しくてあまり本を読んでいる余裕がなかった、このコメント欄もなんだかなげやりであるが、そういう理由で仕方がない。
これは石に関するいろんな逸話があつめられている本、石好きな人ならばもっと楽しめるかも。

十二月分

書名・作者・出版社 日付・内容・感想など
冷たい心臓 ハウフ童話集
 ヴイルヘルム・ハウフ作
 乾侑美子訳
 福音館書店
十二月四日
適当に選んだ本だったがおもしろかった。
ほとんどすべての物語が、何かの理由で一箇所に集まり、話をすることになった人々の語るところとなっている。人々が語り終えたとき、事態が動いて人々が行動を起こし、事件も解決される、劇中劇のようである。
作者の夭逝が残念。
イタリア・トスカーナの優雅な食卓
 宮本美智子・文
 永沢まこと・絵
 草思社
十二月五日
「おいしそう…」と思ってえらんだ本、本当に美味しそうだった。
イタリア、トスカーナ地方にヴィラを借りて長期滞在した著者の身辺食物記、イタリア料理というとくどそうなイメージがあるが、生野菜たっぷりである、しかし量は多そうだ。
最後にサイババが出てきたのがいまいち…
旅は靴ずれ、世は寝酒
 林真理子著
 角川文庫
十二月七日
「食べ物と男のことしか頭にない女なんてサイテー」というのが根本的な私のモットーだが、そうであるにもかかわらずエッセイはおもしろかった。作家のなせる業であろう、しかし、多分この人と私は気が合わない、いっしょに旅行したくないタイプである。
そんな心配は杞憂だが…
ダレン・シャンV バンパイア クリスマス
 ダレン・シャン作
 橋本恵訳
 小学館
 
十二月八日
一日遅れで手にしたダレン・シャン三巻、まさかコピー本に間に合うとは思わなかった。
しかし、恐ろしいことに、このシリーズは続きそうである、八巻でスティーブと再会するかも…とかなんとか通信に書いてあったが、これは大変楽しみだ。
しかも、今までなぞだったダレンの容姿についての記述がちょっとだけ出てくる、「ハンサム」と書いてあるだけだが、かなりうれしい。
あやしい探検隊焚火発見伝
 椎名誠・林政明著
 小学館
十二月十三日
十二月になってもなんだか忙しくてゆっくり本を読んでられない。
狸、アンコウ、筍、油揚げなど、さまざまな食材を野外で料理する、そのことについてのエッセイ。
「ニンジン島の砂浜チャンプルー」の章に、カヌー犬ガクの元気な写真がカラーで載っていて感涙ものである。
スカーレット・ウィザード外伝
 茅田砂胡作
 中央公論新社
十二月十九日
ますます本を読んでる時間がないが、友人から茅田さんの本をダンボールに一杯借りた。念願のデルフィニア戦記もはいっている。目標一日一冊、それでも年内には無理である、もうゆっくり読もう…
この話のラストが、友人いわく、他のシリーズとも関連しているそうである。箱一杯の本を読み終われば、それがわかるかも。
放浪の戦士 デルフィニア戦記1
黄金の戦女神 同2
 茅田砂胡作
 中央公論新社
十二月二十日、二十一日
とうとう念願かなって、このシリーズに突入である。
毎回「続く」ってところで終わっているが、一冊ずつ買い集めていたらさぞかしやきもきしたことであろう…
白亜宮の陰影 3
空漠の王座 4
十二月二十二日
続いてデルフィニア戦記である。おもしろいのなんのってもう。
異郷の皇姫 5 十二月二十三日
本当は「火」に「皇」だが、文字が出てきてくれない…
獅子の胎動 6
コーラルの嵐 7
風塵の群雄 8
動乱の序章 9
十二月二十四日
昨日から今日にかけて四冊、まあまあのペースである。実家に帰る27日までに全巻読めるだろうか。
憂愁の妃将軍 10 十二月二十五日
またまたペースダウン、年末は忙しい。
妖雲の舞曲 11
ファロットの誘惑 12
闘神達の祝宴 13
紅の喪章 14
十二月二十六日
今日中に16巻までは読みたい。
勝利への誘い 15
伝説の終焉 16
十二月二十七日
実際ここまでは昨日のうちに読んだ。後二冊、めざせ今日中である。
遥かなる星の流れに上・下 17 18 十二月二十七日
とうとうデルフィニア戦記読破、帰省までに間に合った…
今年の読書日記はどう考えてもこれでおしまい。来年は一月からつけてみよう。

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