2018年の読書日記

番号 書名・著者・出版社 内容・感想など 星いくつ?
1 ギリシア悲劇T
 アイスキュロス
 ちくま文庫
一月十九日
 昨年図書館で借りて読んであまりにも面白かったギリシア悲劇シリーズを自分の本棚に並べるために購入しました、とりあえず年末に一巻と二巻を買って、やっと一巻が読めたところです。
 前に読んだ内容をきれいに忘れている鳥頭のせいか、新鮮な驚きと喜びをもって読むことが出来ました。
2 ギリシア悲劇U
 ソポクレス
 ちくま文庫
二月三日
 確か二巻は図書館になかったので、この間だけ初読みになるはずです。すべてのお話が面白かったのですが、やはりオイディプスさん家のごたごたは最高に読み応えがありました。
 まずオイディプスさんの実の父親ライオス王がどうして呪われたかというと、その理由が奮っていました。「若い頃エリスのペプロス王の宮殿に亡命中、その美しい王子クリュシッポスに恋をしかけ、自然に反した行為をしたためにペプロスの呪いをうけた」と書いてありました。いやもうこれにはびっくりよ、古代ギリシアなんてBLばりばりにオッケーだと思っていたら案外ダメだったんだ・・・。もしかして無理やりだったりあんなことやこんなことをしてしまったのかしら、心ときめきますな。
 今まで知らなかったオイディプス王本人のご臨終の様子もやっと分かりましたが、最後の最後に巻き込まれた比較的いい王様のテセウスさんの困惑が伝わるようでした。というか、最後まで実の息子達を呪い続けるオイディプス王もすごいよ・・・。ここで折れていたら後の悲劇は半分位は防げたかもしれないのに、本当にもう頑固なんだから、としみじみ思いました。
 呪いが呪いを呼び頑迷が頑迷を呼ぶ、ほんに人の世は昔から変わりませんな。
☆☆☆☆☆
3 おしゃ修行
 辛酸なめ子著
 双葉社
二月五日
 四日の日曜日に久しぶりに図書館に行って、十冊借りてきました(うちパンの本が一冊、お菓子作りの本が一冊)、やっぱり図書館は本がいっぱいあっていいなあ・・・と思いました。
 それでこの本はまさに適当に借り一冊なのですが、辛酸なめ子さんの絵も文章も書いてあることも全く好みじゃなくてどうでもいいのになぜか面白くて結構好きなのです。特に最近のファッションの話なんてほぼ興味なし、ファッションに興味がありすぎてお買い物しすぎて困るという人は、デパートもショップもないド田舎に引っ越すことをお勧めします、マジで。
 著者はまさにそのお買い物しすぎて困っていて、なのに着ていく服がなくて困っているという状況にあるらしいのですが、なんという贅沢な悩みなのでしょうか、そんなことで悩むなんて羨ましすぎます。けれどもその書きっぷりがなんだかとてもおかしいので、ちっともイヤミったらしくならずに楽しく読むことが出来るという稀有な方だと思っております。
4 5 虚実妖怪百物語「破」「急」
 京極夏彦作
 角川書店
二月十日
 昨年度の続きを二冊まとめて読みました、いや酷いわこの話・・・ひどすぎるわこの話、もう大爆笑しながら読んでしまいました。最初からひどい話ではあったけれどクライマックスに近づくにつれて酷さが加算されていきました、妖怪大決戦でいつの間にか紛れ込んでいたという鈴木ピーさんが世にも有名な●子を出して自衛隊の戦闘機と戦うあたり最高に滅茶苦茶です、是非映像化を!
 そんな猛烈にふざけた話ではあるのだけれど、今の政治や世間の有り様を反映しているのは私のような馬鹿にもよく分かりました、作者はよほど例のあの法律とかアレとかアレが嫌いなんだと、・・・意外と気が合いますな、気が合うのはそこだけですが。
 そして亡くなられた偉大な先人に対してのオマージュ、物語の中だけでもイキイキと楽しそうにされていたのが本当に嬉しかったです。出るんじゃないかと思っていたけれど本当に柳田翁が出てきた時には本を握りしめましたよ、もっと叱って欲しかった・・・。
☆☆
6 「もしも?」の図鑑・古生物の飼い方
 土屋健著
 実業之日本社
二月十一日
 完璧に子供向けの本ですが、恐竜の資料を借りるついでに借りてみました。太古の生物をもし飼うとしたらどのように?という趣旨の空想科学図鑑です。
 私的に萌えたのは、オルビドス紀のまっすぐなカラ(?)を持つタコやイカの仲間(全長6米)のカメロケラスと古生代最強種の魚類ダンクレオステウス(全長八米)の頁です、一般家庭ではまず無理だろうけれど、こんなのが水族館にいたら是非見に行きたいです。
 特にダンクレオステウスは、頭と胸の部分だけ硬い殻におおわれていて、あとはむき出しという、もしも後ろから噛み付かれたらどうしようもないおバカな進化をとげたステキなお魚なので、是非是非見たいです。
7 くらべる値段
 おかべたかし文・山出高士写真
 東京書籍
二月十二日
 最近よくある横長の写真の多い本、そして内容はといえば、値段の違う同じ品物を見開きでお値段とともに並べて載せてあるだけ(あとからちょっとした解説はつきます)なんだけれど、これがなぜか意外と面白い、例えば7800円の金魚と12800円の金魚(同じ品種)とはどこがどう違ってお値段に違いがあるのか、等々のくらべるための本なのです。
 私としては、ピンクハウスの服と他の安物のそれっぽい服との違いはよーーーく分かっているつもりです。あとはやっぱり本の装丁によるお値段の違いはすごーーく納得出来るかな。
8 「もしも?」の図鑑・恐竜の飼い方
 土屋建著
 実業の日本社
二月十五日
 以前にも一度借りて読んだことのある本ですが、原稿の資料に借りてもう一度読んでみました。
 「古生物の飼い方」もそうですが、飼いやすさの難易度を☆の数で表しているのが面白いです。
 真面目な部分と子供向け漫画の部分とのギャップが激しすぎるところがちょっとだけ残念。
9 世界をめぐるかわいい紙もの
 誠文堂新光社
二月十五日
 副題は「ヨーロッパ・アジア・アフリカ・・・の古い紙、新しい紙」です。紙の好きな人が世界各地の蚤の市とかお店を巡って探したかわいい紙がの数々が山ほど載っている本です。私自身どこかに旅行に行くと、購入するのはたいてい紙か布の小物、つまりは紙ものは大好きなのですが、アンティークを探すまでの趣味ではないな・・・日常に使えるものしか購入しません。
10 隣の怪・蔵の中
 木原浩勝作
 メディアファクトリー
二月十八日
 以前にも一度借りた本かもしれない、でもまあいいやと思って借りて読み始めたらやはりその通りでした。しかしもう一度読み切ってしまいました。
 そしてこれも以前の読書日記で書いたかもしれないけれど、「新耳袋」のほうが面白かったです、怪談は短ければ短いほど怖くて面白いような気がします。
 かといってけしてこの本がつまらないわけではありません、でもここまで一話が長いとどうしても作り話めいてきて「小説」というかたちになってしまうので、単に好みの問題ですな。
11 隣の怪・息子の証明
 同
二月二十日
 続きの怪談集、しかし怖い話が満載というわけではなく、「怪談よりも奇跡」と言いたくなるような話も混ざっています。
12 フランス人は10着しか服を持たない
 ジェニファー・L・スコット著
 神崎朗子訳
 大和書房
二月二十日
 よく新聞の書籍広告に載っていた本を図書館で見つけたので読んでみました。カルフォルニア在住の女子大生がパリでホームステイした先がなんと貴族の末裔のご家族で、そこで体験したさまざまなことについて書いてあります。
 書いてあることにはすごく納得出来るのだけれど、実行するのはそれなりに難しい・・・。
 ただ、本のタイトルは「服を十着」だけれどそれに限ったことではなく、食生活を含めたライフスタイル、気の持ちようまで幅広く啓蒙してあります。
13 日本懐かしおまけ大全
 廣瀬祐志・編
 辰巳出版
二月二十一日
 図書館の新刊コーナーに置いてあった本、「そういえば子供の頃はよくおまけ付きのお菓子を買ったもんだ・・・」と懐かしく思って借りてみました。
 内容は思ったよりも濃かった、こゆかった。覚えていたのは「ビックリマンチョコ」の「どっきりシール」、子供心に「まるで本物みたい」と感心してあちこちに貼っては怒られたものでした。あとはグリコの女の子向けのかわいいおまけが好きだったな。
14 男尊女子
 酒井順子著
 集英社
二月二十六日
 この本も新聞の書籍広告で見た覚えがあったので借りて読んでみました。著者は「負け犬の遠吠え」を書いた人、つまりは独身子ナシでばりばりに働いて成功している女性なのですが、婚活を頑張って専業主婦という立場をゲトった側としては、「・・・今更気がついたの?」というのが正直な読後の印象でした。
 もちろん色々と考えさせられることもある面白い内容なのですが、「男を立てる」というのはそういうプレイであってそのほうが都合がいいからにほかならないと思ってました。婚活もそうですが結婚、そして家庭生活を円満に過ごすために必要なのは「演技・擬態・忍耐」ではないかと思っております、そして世の中には死ぬこと以外の平等などないと考えたほうがよろしい。
15 ピーナッツバターの本
 HAPPY NUTA DAY著
 誠文堂新光社
二月二十六日
 あまりにもおいしそうで読んでいる途中でピーナッツバターを買ってきてしまいましたよ。このメーカーのではなくごくごく平凡なピーナツバターですがそれでも充分においしいです。
 ピーナッツバターを使った様々なレシピも紹介されていますが、今度試そうと思っているのはトーストの上にピーナッツバターとバナナのスライスを並べたものです、これならば実現可能。
16 新訳・皇妃
エリザベートとふたりの男たち
 桐生操著
 講談社
三月一日
 波乱に満ちた美貌の皇妃の人生、なのだけれどどうしてもヘタリアのオーストリアさんとプロイセンさんとハンガリーさんとイタちゃんの顔がちらついて集中して読めませんでした・・・。
 実はこの女性はあんまり好きではありません、皇妃のお仕事を放り出して旅から旅への人生を送ったというのが気に入りません。しかしこの人にはこの人なりの苦悩があったんだということはなんとなーーく分かったような気がします。
17 k.m.pの台湾ぐるぐる。
 なかがわみどり・ムラマツエリコ著
 東京書籍
三月五日
 この二人の旅行記は色々読んできたつもりだったのですが、この本は未読でした。これまで読んできたエジプトやモロッコと比べると著者二人の「お腹立ち度」がかなり少ないような気がします、台湾良いとこ一度はおいで、みたいな。
 食べ物は色々とおいしそう・・・でもあまり行く気はしませんが。
18 ももこのまんねん日記2012
 さくらももこ著
 集英社
三月六日
 図書館でポチに「お勧めの女流エッセイスト教えて」と言われたので「読んでいて微妙にムカつく女流エッセイスト」の一人として勧めてみました。その結果ポチが借りたこの本をついでに読んでみたのですが、案外ムカつくところがなかったのが意外でした。
 そこはかとなく漂うお金持ち臭、でもあのさくらももこなのだから仕方がないか。お金持ち臭ただようのにさらに濃厚なちびまる子ちゃんの気配・・・もう人徳ですな。
19 作家のお菓子
 コロナ・ブックス編集部
 平凡社
三月六日
 あまりにおいしそうな表紙のケーキの写真につられて借りた本、いろんな作家さんの好きだったお菓子が写真とそれを知る人のエッセイ付きで載っています、どれもこれもおいしそう・・・。今でも購入可能なものが多いのもなんだか嬉しいです。
20 エリザベート・美と愛に生きた彷徨の皇妃
 森実与子著
 新人物往来社
三月六日
 前読んだエリザベートの本にはそういえばあまり写真とか肖像画が載ってなかったな、と思って借りて読んでみました。
 なるほど確かにすごい美人だわ!けれどもダイエットとか美容方が今の常識で考えると全然ダメだったのがとても残念、そして美と彷徨に生きてしまったのが皇妃としてはすごく残念よ・・・。ようするに自分のするべきことをしなかった人、というのがあんまり好きになれないんだな。
21 賢女の極意
 林真理子著
 文藝春秋
三月六日
 著者のさまざまなエッセイから「女の人生役に立つお言葉」をより抜いたお言葉集、活字のポイントの大きさが笑いを誘います。
 しかしあっという間に読めてしまうのがイマイチかも、けれども何回読んでも笑えたり納得出来たりしますな・・・。
22 アンソロジー・お弁当。
 パルコ出版
三月八日
 これもおいしそうな表紙のお弁当の佇まいに誘われて借りてみました、日本の文学者とかそのへんのとにかく文章を書く人のお弁当随筆のアンソロジーです。西洋的お弁当、つまりはパンに何かが挟まっているアレとかアレではなくあくまで四角かったり楕円だったりするあの箱に入っているお弁当の話。誰でもお弁当に関する想い出話の一つや二つはあるものです。全体的に渋い本。
23 プロが選んだはじめてのホラー映画
 塩田時敏監修
 近代映画社
三月十九日
 また趣味の悪いことこの上ない本を読んでしまいました、しかし何度でも書きますが趣味の悪い本ってたいてい面白いんです。
 私は実は映画はあまり観ません、映画館に行くのも年に一回あるかないかだし、DVDも滅多にレンタルしてこない、なぜならば二時間もテレビの前に座っている時間がなかなかとれないからです。だからこの本に載っているホラー映画の数々もほとんど観たことがありません、というか最初から最後までちゃんと観た事のある作品は一本もありませんでした、これはかえって凄いわ!
 「キャリー」だけは、大昔に原作を読んだことがあります、「オーメン」はちょっとだけ高校の修学旅行の夜に観ました・・・。
 けれどもホラー映画というのは、もう一種の常識の範疇にあると思い、あんまり無知なのもなんなので本だけ借りて読んでみたという次第なのでございます。恐怖とエロはお友達、意外とおっぱい満載なのがよかったです、でも映画は特に観なくてもいいですわ・・・。
24 息子とワタシ、ときどきツレ
 細川貂々著
 新日本出版社
三月二十四日
 著者の息子さんは小学生になりました、しかし私は知っている・・・小学生はまだまだ未知の生き物だということを、そして実録漫画を描いている母親にとってはネタの宝庫だということを!
 世の中には実録漫画のネタにされて平気な子供とそうでない子供との二種類がいますが、息子さんは平気ではないそうです、そして著者はこっそり描いているそうですが、息子さんもいつか気がつくんじゃないかな、その実録漫画が自分の成長の記録であって、愛に溢れていたということに。この実録漫画、是非続けて欲しいです。
25 浜村渚の計算ノート1
 青柳碧人作
 講談社文庫
三月某日
 ポチのおすすめ本を読んでみました、数学好きな中学生の女の子が警察に協力して悪の数学団体と推理合戦を繰り広げる物語・・・なのですが、この浜村渚ちゃんがどうしてこんなに数学好きなのかは謎、そこが一番の謎ですな。
26 あるいて行くとぶつかるんだ
 椎名誠著
 角川書店
三月二十七日
 著者の今までの冒険の中で印象深かったことをピックアップしてあるエッセイ、よくぞこんなに悪条件の旅を楽しそうに続けられたなと感心します。世界各地の話も面白いけれど、どちらかというと日本の中のトンデモ秘境の話の方が好きだな。
27 森のノート
 酒井駒子著
 筑摩書房
三月二十七日
 かなり好きなイラストレーターさんのイラストと森に関するエッセイの本。文章はおいといて、しみじみ基本のデッサンが出来ている人だと思いました、デッサン力はそりゃあ練習にもよりますが、持っている人はあらかじめ持っている力でもあるので、大変に羨ましいです。
28 ハピネス
 嶽本のばら作
 小学館
三月三十日
 著者がオタクになってしまったのは一体いつごろからだったのだろう・・・この頃にはすでに手遅れだったのだろうか。
 この小説を読む限りではオタク臭はしないのだけれど。
29 あやしい美人画
 松嶋雅人著
 東京美術
三月三十日
 図書館で適当に借りて読んでみたのですが、載っている図版がことごとく怪しくてステキななかなかに当たりの本でした。ただ現代の分はいらなかったんじゃないかな・・・蛇足感が半端ありません。
30 美女は飽きない
 林真理子著
 マガジンハウス
四月二日
 「anan」連載のエッセイをまとめたシリーズは何冊か読んでいるけれどあいかわらず面白いです。ダイエットとおしゃれと美食と芸能人のことしかほとんど語られてなくて、そのほとんどのことにほぼ興味がないにもかかわらず面白く読めるっていうのはやっぱり著者の才能なんだろうなと思います。
31 辛酸なめ子の現代社会学
 辛酸なめ子著
 幻冬舎
四月三日
 半分文章、半分漫画という印象の本ですが、漫画もこれだけこの表現を突き詰めているといっそすばらしいものに感じられます、少なくともかなり面白いわ!文章も現代社会の様々な事象をバッサリ切る、というよりはフォークでぶすぶすとつついているような独特の視点から語られていて大変に興味深いです。ぶすぶすぶすぶすと、あくまでぶすぶすと。
32 母ではなくて、親になる
 山崎ナオコーラ

 河出書房新社
四月四日
 山崎ナオコーラさんの本は始めて読んだと思います、この本は小説ではなく育児エッセイですが、それでもなかなかに独特の文章を書かれる人だと思いました。
 それはおいといて、読んでいるとポチがまだ赤ん坊だった頃のかわいいかわいい姿を思い出しましたが、同時に旦那のムカつく姿もたくさん思い出してしまって思い出しムカつきをしてしまったよ・・・本当に腹立たしいことが多くて、妊娠中から子育ての最初の頃は少しだけしか幸せではなかったなあとしみじみと思います。ただポチはいつでもかわいくて、いい匂いがして手触りも最高だったことだけが救いかな。
33 100万分の1回のねこ
 講談社
四月十一日
 佐野洋子さんの絵本「100万回生きたねこ」のアンソロジー、なかなかの著名作家が参加していますが、中身は面白かったりそうでもなかったり色々です。なんといっても原作が一番素晴らしくて誰もそれには勝てません。
34 毎日の生活と支援、こうなってる・ダウン症児の母親です!
 たちばなかおる著
 講談社
四月十五日
 図書館で見つけて借りてみました、意外と身近にいるダウン症の人々、でもそれがどういう症状でどういう生きにくさがあるかということはほとんど知りませんでした。著者は漫画家さん、コミックエッセイではありませんが読みやすくわかりやすい本でした。
 自分の知らないことを本を読んで知る、というのはけして馬鹿にも無駄にもならないことだと思います、知らないよりは知っていた方がいいに決まってます。
35 卒母のススメ
 西原理恵子+卒母ーズ
 毎日新聞出版
四月十五日
 こっちは知らないどころじゃなくてまさしく自分に降りかかってくる火の粉、いや問題なのですが、いろんな考え方をする人がいると分かっただけでもずいぶん気が楽になるものですな。とりあえずまだ卒母する気にはなれないな、というかなっちゃアカンだろうこれから受験だし。
 自分もそうでしたが、子供は親離れする時になったら自然にするものではないかなと思ってます。その時に卒母する予定ですが、なんだかんだでまだ親にはお世話になってるよね・・・。
36 督促OL業務日誌
 榎本まみ著
 メディアファクトリー
四月十六日
 一応コミックエッセイの範疇にはいるのかな?な実録督促OL繁盛記、督促OLというのはクレジットカード会社のコールセンターで働く人で、延滞をしている人に電話をかけたり手紙を書いたりして支払いを促すのが主な業務なのだそうですが、自分の全く知らない世界を本で読んで知るというのは本当にわくわくする楽しい体験だと思いました、たとえそれが督促話だとしても。
 一度だけダンナがパチンコのためにサラ金から金借りて、「死ね!」と思ったことを思い出しました。
37 現世怪談・招かざる客
 木原浩勝作
 講談社
四月十七日
 だいたい怖い話が多いのだけれど、時々ほのぼのとしたかわいい話が入っているのが素敵な怪談集です。一番面白いと思ったのが、幽霊に出たことを妻と娘に怒られて涙を流す(下に小さな水溜りが出来る)位牌の話、かわいいなあお父さん。
 途中まで読んで寝た後、変な夢を見る程度には怖いので怪談好きな方にもお勧めできます。
38 現世怪談・開かずの壺
 同
四月二十日
 一番「これは珍しい、レアな怪談かも」と思ったのが、人が化け狸に間違えられる話でした。いや普通これはないだろうと思うのだけれど、案外一番ありがちかもしれません。
39 宇喜多の捨て嫁
 木下昌輝作
 文藝春秋
四月二十三日
 新聞の書評に載っていた本で、図書館の本棚をぼけっと眺めていたら目に付いたので借りてみました。久しぶりに読む時代小説、しかも主人公の宇喜多直家は全然知らなくて全く思い入れもない人だったのに大変楽しく(?)読むことが出来ました。
 娘さんが四人いてその全ての嫁ぎ先を謀略をもって滅ぼしてはいますが、最初は妻と娘たちラヴラヴのマイホームパパでした・・・。なのになぜこうなった!戦国という時代と本人の素養の問題でしたな・・・。
40 私たちの星で
 梨木香歩・師岡カリーマ・エルサムニー著
 岩波書店
四月二十七日
 作家の梨木香歩さんと文筆家の師岡さんとの往復書簡のかたちをとった本です、師岡さんはお父さんがエジプト人で少女時代をエジプトで過ごした人、その二人のお手紙のやりとりなのですが、正直なかなか難しい内容でした、なんせ馬鹿なもんですから。
 けれどこの本に書かれていたことはゆっくりと心に沈んで、いつか何かの時に泉のように湧き出るといいなと思いました。
41 おんなの窓6
 伊藤理佐著
 文藝春秋
四月二十九日
 あるあるな部分と、「これはないだろう・・・」な部分とのバランスが絶妙、いやあ人生ってトホホに溢れていて素晴らしいですよね・・・。
42 おまつり万歳・日本全国、四季のまつりとご当地ごはん
 たかぎなおこ著
 文藝春秋
四月三十日
 たかぎなおこさんは取材であちこち行っていろんなものを食べられてなかなかにうらやましい人生をお送りですが、これだけの分量のコミックエッセイをカラーで描かなくてはならないのはかなり大変なのではないかとも思います、楽な仕事ってないなあ・・・。
 編集者さんや旦那様とも仲良さそうなのがとってもステキ、人徳のなせる技ですな。
43 怪談5分間の恐怖・たたられる本
 中村まさみ作
 金の星社
四月三十日
 児童文学のカテゴリなのに本格的に怖いこのシリーズの続きが出ていたのでもちろん借りてきました、今回もなかなかに怖くて大変楽しめました。
 今まであとがきがずっと同じだったのに今回から変わってました、ここを読むと児童文学なんだなあ、とようやく思います。
44 怪談5分間の恐怖・霊を呼ぶ本
 同
五月二日
 その続編、この本もばっちり面白かったです。
 沖縄の話が多いのが印象的でした。
45 永遠のおでかけ
 益田ミリ著
 毎日新聞出版
五月二日
 GWカレンダーどうりに開いている皮膚科に持っていったら、待ち時間に全部読んでしまいました。益田ミリさんの本ですが漫画ではなく全編文章です。今回はお父さんが亡くなってしまったことに関してのエッセイが多かったのですが、穏やかで優しい話ばかりでした。
 お父さんがお元気な頃に書かれた他の文章には、「なかなかに困ったお父さん」っぷりがたくさん書かれていたのですが、思い出になって残るのはやはり楽しかった思い出とか、その人のいいところが多いのかもしれません。
 死してなおろくな思い出を残さなかった身内ってのは何人かいるのですが、生前どんだけだったんだ・・・としみじみ思います。
46 娘が発達障害と診断されて・・・母親やめてもいいですか
 絵・にしかわたく
 文・山口かこ
 かもがわ出版
五月六日
 コミックエッセイでは珍しく、体験した人と漫画を描いている人が全くの別人です、文章の部分は本人によります。まあそれはおいといて、発達障害を持つ子供のことを描いたコミックエッセイは、どちらかというとポジティブかつ前向きなものが多いと思っていたのですが、この本は全く逆でまずはそれにかなり驚きました。お母さんはとうとう不倫に走り、子育てを放棄して離婚しました・・・いやはやびっくりだよ!そしてその体験をコミックエッセイにしてしまうその勇気と根性にもう一度びっくりしました。
 それがいいとはもちろん言いません、けれどもそうしないとその人が生きられなかったのならばその選択もまたアリかなと思います。けれどももう少しなんとかならなかったのかな。
47 佐野洋子対談集人生のきほん
 佐野洋子&西原理恵子・リリー・フランキー
 講談社
五月七日
 佐野洋子さんとサイバラさん、佐野洋子さんとリリーさんの対談集、しかし佐野さんがお亡くなりになったため途中っぽいところで終わってしまっています。この三人の共通点はいろいろありますが、私的に「こいつはすごいや!」と思うのは三人とも武蔵美出身なところです。
 武蔵美は高校時代の油絵の先生の出身校で、「なんにも教えてもらえない」ところだと対談中に何度か佐野さんが書いておられましたが確かになんにも教えはしない先生でした・・・。けれどもすごく教え方が上手かったと思うのよ、そりゃもう高校の先生だけあって大学教授とは比べ物にならないほど上手でした・・・なんでやねん。
 それはおいといてその武蔵美ですが、高三の時クラスの三分の一くらいは受けに行って全員落ちて帰ってきたといういわくつきの学校です。私はへたっぴだったから受けようなんてことも考えてなくて、当日何が起こったかは知らないのですが、それなりに腕に覚えがあって他の美大ならば受かっているような学生でもぼろぼろ落ちていたという恐ろしい場所。三人ともそこ出身、侮りがたし!
48 筆談ホステス
 斉藤理恵著
 光文社
五月八日
 前に読んだことがあったようななかったような・・・どっちでもいいやと思って読んでみました。どちらかというと読んでなかったような気がします。耳が聞こえない著者がいかにしてホステスとなり、筆談を使ってどのように日々のお仕事をしているか、という本なのですが、筆談云々よりもホステスという全く自分がやったことのないジャンルの職業の話に興味深々ですな・・・。
49 おかん飯・てんこもり編
 西原理恵子・枝元なほみ著
 朝日新聞出版
五月八日
 以前にもこのシリーズの本を読んだときに思ったのですが、食材と料理法の趣味が全く合わなくて料理本としてはまるっきり使えません。肉二キロも食えねえって!けれども読み物としては結構面白いです。
50 世界のお墓
 構成・文ネイチャー&サイエンス
 幻冬舎
五月十四日
 文字どうり世界の素敵な特徴あるお墓の写真と解説の本、全然怖くなくてむしろ美しい写真が多いです。いろんなお墓があるけれど、私が一番「これやってほしい!」と思ったのは宇宙葬、ロケットから遺灰を宇宙にばらまいてもらいたいです。ただお金がかかりそうなのがネックかな。
51 ドアの向こうのカルト
 佐藤典雅著
 河出書房新社
五月十六日
 この本の副題は「九歳から三十五歳まで過ごしたエホバの証人の記録」です、入信から脱会まで、ご本人の戦いの(?)記録です。
 エホバといえば、ごくまれに自宅にもピンポンとやってきます、そして外出中にいかにもそれらしい人たちを見ることもあります。どうしてこの人たちは日中にこんなことをしているのか、どうして宗教団体ならば道のゴミを拾ったりもっと世間の役に立つことをしたりしないのかずっと疑問に思っていたのですが、この本を読んで謎がちょっとだけ解けました、なるほど!現世の人様のためになることはしなくてもいいんだね!とにかく仲間を増やして自分さえ死後の楽園に入れればいいんだね!よく分かりました。
 生きる上で宗教が支えになる人はどうしてもいると思うのでそれを否定したりはしませんが、ひとつだけ自分が体験したみみっちい出来事があるのでついでに書いてしまおう・・・。エホバかどうかは分かりませんが、ちょうどお昼ご飯の時間にピンポンしてきて、「只今食事中なので・・・だいたいこんなお昼時に訪問してくるなんて非常識だと思いませんか?」と言ってみたわけです。そうしたらインターフォンの向こうの相手は「許されてますから」とのたまったわけよ。それで私は「誰に?」と聞いてみたところお返事はありませんでした。どうせなら「神に!」とか「主に!」とかすっぱり言って欲しかったなと今でも思ってます。本当に誰に許されていると思っていたのかしら、今でも謎ですな。
52 図書館ねこベイカー&テイラー
 ジャン・ラウチ&ライザ・ロガック著
 羽田詩津子訳
 早川書房
五月二十日
 副題は「小さな町に奇跡を起こした2匹の物語」です。アメリカの小さな町の図書館にねずみ駆除係としてやってきた2匹のスコティッシュフォールドの物語、アメリカやヨーロッパでは図書館猫は時々いるけれど、この二匹は書籍卸売会社の名前をつけられて、その会社の広告を担当したことから有名になっていきます。
 あちこちから見学者が来て、ファンレターなんかも届いて司書の仕事が増えて大変だった、けれども幸せだったとまとめてあります。
53 〆切本
 左右社
五月二十四日
 おおよそ昭和から平成の時代の文学者、作家、文筆家の締切に関する文章を集めた本、みっともなくも見事なまでのその言い訳の数々、深く感銘を受けました。締切が守れない、もしくは守ろうとしない作家さんが多い中で、中には締切は必ず守るという人が何人かいてかえって驚きでした。
 さてふりかえって私の話ですが、若い頃地方の中小の印刷屋で編集職についておりました。よって締切を守らない書き手、そして守らせない営業がどれほど迷惑か骨身にしみております、会社をやめてもうずいぶんになるのですが、そういうわけで私はけして締切を破りません。
 締切と言っても同人誌の入稿か友人のところの依頼なのでささやかなものではありますが、締切というのは社会または友人との約束のようなものだと思っております、だから連絡もなしに平気でこれをぶっちぎる人を私はけして信用しません。
 なんで約束破って平気かな?神経疑っちゃうよ。
54 99歳、いくつになってもいまがいちばん幸せ
 吉沢久子著
 大和書房
五月二十五日
 友人から借りた本の中の一冊、今流行りの超高齢者本ですが著者のあまりのお元気さとポジティブさに正直驚きました、人生百歳時代って本当にやってきているのかもしれませんな・・・。私も元気な高齢者目指して人生頑張ります、すでに結構よぼよぼしてるけどな。
55 禁忌楼
 木原浩勝作
 講談社
五月二十七日
 一冊の本の中に短編小説が五話、つまり一話が結構長い・・・怪談は長いとつまらなく感じてしまうのは一体なぜなんだろう、と思います。
 全くつまらないわけではなくてそこそこ面白いのだけれど、他にもっと素晴らしい怪談って結構あるからさ・・・。
56 あのメニューが生まれた店
 菊池武顕著
 平凡社
五月二十八日
 明治から昭和中期まで、「あの」メニューが生まれた発祥の店をそのメニューの写真とともに紹介してあります、あのメニューとはハヤシライスからタコライスまでなのですが、ほぼすべてのお店が現在も営業していてそのメニューが食べられるのが素晴らしい、是非食べに行きたいお店がいっぱいです。
 私としては、すきやきが元は味噌味だったことが一番の驚きでした、そして食べに行きたいと思ってもなかなか行けないのが世の常人の常なのですが、毎年行くサンシャインビルのアルパにある店はこの夏にポチと行きたいです。
57 柴犬警察犬二葉
 久戸瀬邦子著
 辰巳出版
五月二十八日
 偶然図書館で見つけた本なのですが、我が目を疑いましたよ・・・柴犬が警察犬なんて信じられませんから!あいつらときたら頑固でおバカちゃんでやりたくないことは死んでもやらない困ったかわいい悪魔ちゃん、そしてしっぽの生えた天使ちゃん(はあと)。ハアハア柴犬サイコー、なのですが冗談でもなんでもなく二葉ちゃんは警察犬なのでした・・・いやもうびっくりよ。
 著者は二葉ちゃんの飼い主にしてドッグトレーナー、犬のいい性質を導き出すのはやっばり愛情とその子にあった正しい訓練なのだなあとしみじみ思いました。
 そして写真の凛々しくも愛くるしいこと、ああもふもふもふもふしたい・・・。
58 闇に魅入られた科学者たち
 NHK「フランケンシュタインの誘惑」制作班
 NHK出版
六月二日
 私は普段あまりテレビを観ません、だからこういう興味深い番組も見落とすんだよね・・・。この本の副題は「人体実験は何を生んだのか」です。18世紀の「切り裂きハッター」(外科医)からナチスドイツに協力したフェアシェアー(なんと無罪)、そして旧東ドイツの国家ぐるみのドーピング等々マッドサイエンティスト(?)がてんこ盛りですが、本人はそれが正しいことだと思ってやっているので大変にタチが悪いですな・・・。
59 なごやじまん
 大竹敏行著
 ぴあ
六月二日
 名古屋めしや喫茶店についての考察も愛に溢れながらも的確でいいのだけれど、「ちくさ正文館書店」が素晴らしい、こんな素敵な本屋が本当に現存するのか!レベルです。著者、版形、出版社の枠をガン無視して店主の並べたいように並べてあるというその棚を見たい、そこで欲しいだけ本を買いたい、で、どこかの誰かが作った同人誌(実録)にコンセプトが似ているなーーと思ったわけよ・・・。
 もう一つ全国チェーンの若者向けの雑貨屋さんがあるのだけれど、ここは元々本屋だったというのが驚きでした。ポチのお気に入りの店なのであちこちの店舗に行ったことがあるのだけれど、確かにけったいな(褒め言葉です)本ばかり選んで置いてあるコーナーがあるわ・・・。なるほど。
60 ビブリア古書堂の事件手帖・栞子さんと奇妙な客人たち
 三上延作
 メディアワークス文庫
六月六日
 ポチが図書館で借りている本を便乗して読んでみました。この本はちょっと前に時々新聞の広告で見かけていて、一度読んでみようと思っていたのだけれど、読んでみたら想像していたよりもあまり面白くなかったというか、確かに面白いことは面白いのだけれど普遍的かつ平凡でした。
 一体何を想像していたのだ、自分。多分主人公が栞子さんじゃなくてむさい野郎で、男の夢満載だったところが若干がっかりだったのではないかと思います、著者が男だから仕方がないけれども。
61 だれもが知ってる小さな国
 有川浩作
 講談社
六月九日
 これもポチが借りてきた本の便乗読みですが、子供の頃に本の師匠(同学年の友達)に勧められて読んだ佐藤さとるさんの「コロポックル」シリーズのまさかのスピンオフ作品です。スピンオフというか作者違いの続編、別シリーズというか、著者は本当にこの作品が好きなことがよく分かります。
 さてこの本の師匠ですが、直接付き合いがあったのは中学三年まで、しかし彼女の勧めてくれる本は全部ハズレなしでした。でも当時すごく好きな尊敬できる友人だったのよ、そういうことも含めて懐かしく思い出しました。
62 ぱっちり、朝ごはん
 河出書房新社
六月十日
 いろんな文を書く人が「朝ごはん」についてあちこちに書いた文章を集めた本、ようするに朝ごはんアンソロジーです。最近読んだアンソロに「〆切本」っていうのがあったんだけれど、そっちのほうが1.5割増で面白かったと思います、なんといっても必死さが違いました。
 もちろん思い出の朝ごはんや日々のほのぼのとした幸せを綴ってあるのもいいものだけれど、読んでいてものすごーーーくお腹が空く内容ではなかったかな。
63 いいとこ取り!熟年交際のススメ
 西原理恵子著
 新潮社
六月十一日
 サイバラさんの言われることは素晴らしい、サイバラさんの言われることはごもっとも、だけど自分が全然恋愛体質じゃないからな・・・イマイチ我が身に引き寄せて考えることは出来ませんでした。
 ただ、もう一度人生やり直すことが出来るならば何か手に職をつけておけば良かったかもと思います、ポチには勧めておこう・・・。
64 下克上受験
 桜井信一著
 産経新聞出版
六月十三日
 副題は「両親は中卒それでも娘は最難関中学を目指した!」です。著者はそのお父さん本人、お父さんは本当にお父さんの中のお父さんだと思います。
 娘さんが目指していたのは「桜蔭」、結果としてそこにはたどり着けなかったけれど他の名門中学にはいられたそうです。省みると私はポチの勉強において親らしいことをなんにもしていないなと思いました、通信教育は続けているけれどもう親が確認することなんてないし、小さな頃から本人に任せっぱなしです。でもポチはもう中三、親があれこれ言っても素直に聞くような年でもないし、この年齢で親の言う事をはいはい聞く子供がいたら不気味です。
 まあいっかあははははーーー、幸いここは地方で公立の方が強いし、進学校に入ってそれなりの大学にはいってもらおうっとーーー。
 けれども、もし都市部に住んでいて、ポチにその気があったら中学受験させていたと思います。ちなみにこのへんに私立中学は存在しません・・・。
65 ビブリア古書堂の事件手帖
・栞子さんと謎めく日常
 三上延作
 メディアワークス文庫
六月十四日
 あとがきで作者が意外と若いことが判明、どうりで栞子さんのおっぱいに関する記述が多いわけだ・・・。私はもちろん美乳は大好きだけれど、あんまり物語には関係ないと思うので、作者の若気の至り感が若干いたします。
 美乳ならばそれに関する物語、それがなければ完成しない物語でなければなりません、と思うんだけどな。無駄な描写はいらないのよ。
66 世界のへんな肉
 白石あづさ著
 新潮社
六月十五日
 図書館でなんとなーーく借りた本だけれど、意外とおもしろくてどんどん読んでしまいました。肉食系女子、世界を行く!または肉食女子、世界の獣を食べ尽くす!とでも言ったらいいのでしょうか、とにかく世界中をまわっていろんなお肉を食しているのです。
 一部魚類(ピラニアとか)を除いて自分で屠ったりはせず、レストランでお皿に乗って運ばれてくるものを食しているのですが、それでも充分ドラマチックです、真似したくはないけどな・・・。適度に気の抜けた挿絵イラストもいいかんじ、本人が(多分)描いてます。
67 ガンゲイル・オンラインZ・フォース・スクワット・ジャム上
 時雨沢恵一作
 電撃文庫
六月十九日
 久しぶりのガンゲイルの新刊、しかも上巻です、早く続きが読みたいぞ!
 ちょうど今アニメが放映されていて、アニメでは第二回のスクワット・ジャムをやっています、なかなかに原作のイメージどうりなのがうれしいです。
 で、この前ポチと話していたのだけれど、もし自分がこのゲームをやるとしたらどんなアバターになりたいかというと、断然「ボス」ですな・・・。
68 舟を編む
 三浦しをん作
 光文社
六月二十日
 ポチが図書館で借りていた本を読んでみました、いつぞやの本屋大賞をとった本だけあってさすがに面白かったです。
 辞書に関わる仕事をしたことはないけれど、若い頃は印刷会社で校生の仕事をしていたので、「いつのまにか一行なくなる」ことの恐怖はよく分かります、たいてい何かの、誰かの凡ミスが原因なんだけれど気がつかないとひどいことになるんだよね・・・。著者校生したってたいてい執筆した人は気がつかないんだよね・・・。
69 ちょうちょのためにドアをあけよう
 ルース・クラウス文
 モーリス・センダック絵
 木坂涼・訳
 岩波書店
六月二十日
 なんといってもイラストがセンダックなので借りてみました、薄い小さいかわいい絵本です。
 黒一色の線画なんだけれどやっぱり絵がすごい。
70 おかあさん、ずっとみてて。
 k.m.p著
 KADOKAWA
六月二十日
 時々読んでいるなかがわみどりさんとムラマツエリコさんの本、今回はおかあさん特集でした。
 自分が現在進行中でお母さんやってるものだから、娘のポチの小さい頃を思い出す・・・というわけではなく思い出すのは自分が小さかった頃の方だということが驚きでした。自分のおかあさん、というのは格別なものなのですな。
71 怖い絵のひみつ
 中野京子著
 角川書店
六月二十三日
 「怖い絵」展にあわせて出版された本、この展覧会観に行きたかった・・・。すっごく観たかった・・・。
 この本もすごく面白いです。
 ゆっくり英国のナショナルギャラリーとかテイトブリテンとか行きたいですな・・・。
72 中野京子と読み説く名画の謎・対決篇
 中野京子著
 文藝春秋
六月二十五日
 著者の本は何を読んでもそれなりに面白いのですが、今回はさらにテーマが秀逸でした、表紙からしてエリザベートとウージェニーの対決、どっちがより不幸であったのであろうか・・・。私的により面白かったのは美男王ルイ十五世と聖セバスティアヌスの美貌対決、こう言っちゃなんですが聖セバスティアヌスのこの絵ってちょいとアレすぎるのではないでしょうか、半分猥褻物?みたいな。
73 くらべる世界
 おかべたかし著・山出高士・写真
 東京書籍
六月二十九日
 横長の「くらべるシリーズ」の一冊、世界のいろいろなものを比べてあります、今回衝撃的だったのは英国のマーマイトとオーストラリアのベジマイトの違い、でしょうか。パンに塗った写真を見ると両者の差は明らかで、著者いわくまだマーマイトの方がまし、だそうです。
74 怖い浮世絵
日野原健司・渡邉晃
著・太田記念美術館監修
 青幻舎
七月某日
 誰かから図書館に寄贈された本なのだけれど、とにかくかび臭くって参りました。あまり匂いには敏感ではないのだけれど、本をなるべく顔から離して読みたいレベル、本の内容的にはかび臭いのも血なまぐさいのもぴったりなんだけどな。
75 介護民俗学へようこそ!「すまいるほーむ」の物語
 六車由実著
 新潮社
七月八日
 介護にはあまり関心がないのだけれど(今のところは)民俗学がつくと、「・・・それはなに?」というかんじで読んでみました。民俗学者が介護の仕事に就くとこうなる、みたいな話ですが、なんでも基礎になる学問のある人は物事の捉え方、切り込み方も一味違うものだと思いました。
76 なんにもない部屋で赤ちゃんを育ててみれば
 ゆるりまい著
 KADOKAWA
七月十四日
 「捨て変態」ことゆるりまいさんの初めての子育てエッセイ、一応私も子育てはやってきたのですが、千人お母さんがいれば千とうりの悩みがあるものだと思いました。まあ落ち着くところに落ち着いてよかったよかった・・・。
77 怪談5分間の恐怖・ひとり増えてる・・・
 中村まさみ著
 金の星社
七月二十三日
 ポチの夏休みが始まっておかんは忙しくなり、なかなか本を読む時間がとれないから今回は返すだけにしようかなーー、と思って図書館に行って借りてきました。あいかわらず面白いです、このシリーズ、結構続いているのにパワーが落ちていません。
78 怪談5分間の恐怖・マネキン人形
 同
七月二十四日
 さらにもう一冊、ところで前にも借りたこのシリーズの本を間違えてもう一冊借りてきてしまったのだけれどそれも読んでしまったよ・・・。夏の怪談はやはり素晴らしい・・・今年は異様に暑いので怪談読んで涼しくなりたいですな。
79 山の不可思議事件簿
 上村信太郎著
 山と渓谷社
七月二十五日
 題名そのままに古今東西山で起こった不思議な出来事が集めてある本なのだけれど、この中で一番驚いたのは、世界で一番遭難死した人の数が多いのが日本の「谷川岳」である、という事実でした。上越国境と書いてあるので新潟あたり?昭和六年に上越線が開通して都会から日帰り登山が出来るようになって、それから現在(この本が出たのは2015年)までに800人くらい死者が出ているということです。なぜそんな山に登るのか私にはさっぱり分かりません。
 それから遭難したら、自力で帰ってくる根性がない限りほぼ助からないという例が多いそうで、私は絶対山になんか入らないぞ!
80 純喫茶、あの味
 難波里奈著
 イースト・プレス
七月二十六日
 前の本とほぼ同時進行で読んでいたのだけれどギャップがひどい、それはともかく純喫茶愛にあふれるかわいくて素敵でそして大変においしそうな本でした。東京の喫茶店が多くて実際行くのはなかなか困難だけれど、大阪梅田のあの店だけは今度のコミティアの帰りによってみよう。
81 日本の作家60人太鼓判のお取り寄せ
 小説現代編集部編
 講談社
七月二十七日
 またしょうもない本を読んでしまった・・・こんな本読んで何になるんだ・・・とちょっとだけ思うものの皮膚科の待ち時間に読むにはちょうどよかったのでした。作家の皆さんのお気に入りのお取り寄せ食品が一人一品ずつ紹介されているのだけれど、うちの両親がお取り寄せのついでにうちにも送ってくれる仙台のかまぼこが載っていて、そうそうこれ美味しいんだよねーーー、はんぺんが苦手な私がばくばく食べられるくらいなんだよねーーと思いながら読んでました。
82 ソードアートオンライン9アリシゼーション・ビギニング
 川原礫作
 電撃文庫
七月三十日
 友達がまたソードアートオンラインの未読部分をごっそり貸してくれたので読み始めました、しかし10巻にも話が続いているにもかかわらず10巻はダンボール箱の中には入っていなかった・・・。機会があったらまた今度。
83 ソードアートオンライン・プログレッシブ001
 同
七月三十一日
 ややこしいですが取り敢えず001巻ということで、比較的最初の方から物語が始まってます、どのくらい最初かというと一層を攻略するあたりから。主人公キリトくんは、こちらの話では早いうちにヒロインアスナちゃんに出会います、本編とえらく矛盾してますが、まあ仕切りなおしということで・・・。しかし巻数が十を超えてからしきりなおすのはいかがなものかとも思います。
84 85 86 ソードアートオンライン・プログレッシブ002 003 004 
 同
八月五日
 続きで借りている分を読み切りました、設定がかなり変わっているにもかかわらず平気で読めるのは、あまり作品に思い入れがないおかげかもしれないということに気がつきました・・・。
87 怪談5分間の恐怖・立入禁止
 中村まさみ著
 金の星社
八月十九日
 久しぶりに図書館に行ったら、まだ読んでいなかったこのシリーズの本が見つかりました、もう喜んで借りましたことよ。
 この日に図書館に行ってよかった!
88 ガンゲイル・オンライン8フォース・スクワッド・ジャム中
 時雨沢恵一作
 電撃文庫
八月二十日
 ガンゲイルの続きです、このシリーズでは初めての「中編」なのだそうです。
 続きが気になって一日で一気に読んでしまいました、早く「下編」も出ないかな。
89 てのひら怪談2・ピーケーワン怪談大賞傑作選
 ポプラ社
八月二十一日
 前にも読んだ本だけれども、もう一度「何か怪談が読みたいなーー」と思ったときに目に付いたので借りてきました。
 内容をきっぱりと忘れているにも関わらずやはり二度目の怪談には一度目の驚きがないのはどういうことなのでしょうか。そして800字以内という文字制限があって、私の好きな短いお話ばかりなのにきれいに作られすぎていて全然怖くないのが残念といえば残念。
90 ドイツ菓子図鑑・お菓子の由来と作り方
 森本智子著
 誠文堂新光社
八月二十一日
 何かお菓子の本を借りたいなと思って適当に借りたのですが、この本がけっこう当たりでした。ヘタリアのドイツさんが、あの調子でお菓子の名前を必殺技のように叫ぶ幻がちらついて大変楽しく読むことが出来ました。あるいは白いワイシャツの上にエプロンつけた真顔のドイツさんが、ブタのお菓子を作っているところを想像してそれはもう大変に楽しかったです。
 それはおいといてドイツのお菓子というのは、なかなかに素朴な感じがするものが多くてとても美味しそうでした、でもきっと一つが大きそう。
91 虚談
 京極夏彦作
 角川書店
八月二十三日
 ポチが読み始めて「面白い」と言っていたので、「京極堂シリーズはこの五倍面白いよ」と勧めておきました。
 とうとう京極夏彦が読めるようになったかと思うと感無量です。
92 美の起源、古代ギリシャ・ローマ
 ペン編集部・編
 阪急コミュニケーションズ
九月三日
 そもそも古代ローマとギリシャ文明はどこがどう違うのかよく分かってなかったのでいっちょ借りてみました、読んだ結果少しは分かったような分かってないような微妙な感じがいたします。
93 新・怖い絵
 中野京子著
 KADOKAWA
九月七日
 このシリーズの本は何冊か読んでいますが、今回も面白かった・・・。ミレイのオフェリアなど有名な絵もありましたが一番衝撃的だったのはゲイシーの「自画像」です。オーケンに「殺神」というタイトルの名曲があって、それが殺人鬼の名前と殺した人の数を数えているという内容なのですが、その中に「ピエロのゲイシー」が出てきてたくさん殺しているのでいったいどういう人物なのかなと思っていたらばっちり載っていました。いやあ確かにピエロでしたよ・・・。何よりすごいのが、そのゲイシーさんの描いたピエロに扮した自画像が結構売れていたというその事実。けっしてそんなには上手じゃありませんよ?購入した人何考えてるんだ?
94
95
源氏物語・つる花の結び上・下
 荻原規子訳
 理論社
九月十二日
 荻原さん現代語訳ということで手にとってみました源氏物語、意外や意外とおもしろくて読みやすく、さくさくっと読んでしまいました。そういえば大学の教養で源氏物語を少しだけかじったことを思い出しました、そしてその時習った内容はほぼ忘れていると判明しました。
 源氏物語の中でも、どちらかというと脇役の女性たちの話ばかりを集めた巻ですが、夕顔とか末摘花とかすばらしいインパクト!当時の深窓の姫君には絶対なりたくないものですな・・・。
 当時の連絡手段はお手紙のみ、そして言いたいこともはっきりとは言えない貴き人々、今の日本とかけ離れているように見えて案外変わってないんじゃないかと思いました。
96 おかあさんの扉7・いっちょまえ七歳児
 伊藤理佐著
 オレンジページ
九月十五日
 いつの間にか娘さんも七歳、小学一年生ですか・・・。他所の子の成長って早くておもしろいですな・・・。
97 愛しのローカルごはん旅もう一杯
 たかぎなおこ著
 メディアファクトリー
九月十六日
 この本を図書館で見つけた時に、「前に読んだことがあるかどうか」をしばらく悩んでしまいましたが結局未読でした。
 もう読んだだけでお腹いっぱい、ごちそうさまでした。
98 怪談実話系・書き下ろし怪談文芸競作集6
 幽編集部編
 メディアファクトリー
九月二十日
 ずいぶん前に刊行されてどこまで読んでいたかすっかり忘れてしまったこのシリーズを久しぶりに読んでみました、結果この本は未読だったことが判明、やった!と思ったものの面白い話とそうでもないのが案外極端だったような気がします。
99 おなかがすいたハラペコだ。2おかわりもういっぱい
 椎名誠著
 新日本出版社
九月二十一日
 お腹がすいている時に読んではならない悪魔の書、真剣にお腹がすいてきます。
 シマアジを釣ってさばいてにぎってという人間回転寿司の話が最高でした。
100 怪談実話系・書き下ろし階段文芸競作集7
 幽編集部編
 メディアファクトリー
九月二十六日
 毎回最後に載っている岩井志麻子先生のお話が一番面白いような気がしてきました、ある意味究極のホラーとサスペンスですな。
101 大正昭和美人図鑑
 小針侑起著
 河出書房新社
九月二十八日
 この本を読んでいったい私は何をしたいんだろう、何かの役に立つとでもいうのだろうか・・・と自問自答しながら面白くさくっと読んでしまった本です。大正昭和の美人女優やモデル、歌手の人たちの写真とプロフィールを集めた本、当時こういった職業に就くのは今よりもずっと覚悟のいることだったんだなということがよく分かりました。歴史に残る名女優も、埋もれていった人も夭逝した人もみんなそれぞれに美しく魅力的だったんだなと。
102 岩合光昭の世界ネコ歩き2
 岩合光昭著
 クレヴィス
九月二十九日
 ものすごく犬派、しかも柴犬をこよなく愛しているのだけれど図書館で新刊のコーナーにあったので借りてきて、そして真っ先に読んでしまいました。以下感想、「にゃ、にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃのにゃーーーー」、若干疲れています。
103 怪談実話系・書き下ろし怪談文芸競作集3
 幽編集部編
 メディアファクトリー
十月二日
 過去に一度読んだことがある本だけれど、ポチが借りてきたのを読んでしまいました、これが実に面白かった・・・。編集部ご一行様が貸切バスで向かった先のホテルで起こった怪異について、それに関わってしまった女流作家さんたちがそれぞれ自分の視点から書いているのだけれど、その話が面白いです。一番最後の「文庫通信」の「一方そのころ岡部えつは」が一番笑えますな・・・。
104 105 王たちの最期の日々上・下
 パトリス・ゲニフェイ編・神田順子・谷口きみ子訳
 原書房
十月七日
 カール大帝からナポレオン三世までのフランスの王たちの治世と臨終の様子がことこまかに書かれた本、私は世界史は全然詳しくないのだけれど(中学校までしか習ってないし)、ヘタリアのフランス兄さんや、そのほかの人々の顔も時々思い出しながら大変興味深く読むことが出来ました。
 しかし残念なのは、時々単純な誤植があること、一冊につき一二箇所はあったので、これではダメです、校閲者は何やっとんじゃ!
 大昔の王たちは、乏しい資料文献の中にその姿を探すことしか出来ないけれど、近代の王たち、特に最後の王となったナポレオン三世なんかは記録がばっちりしっかり残されていて、かえって気の毒でもあります、けれども亡命先のイギリスで仲の良かった家族の皆に囲まれて亡くなることが出来たのは他の王たちと比べてもかなりラッキーだったのではないかと思われます、というか、他が結構ひどすぎる・・・。
☆☆☆
106 あやしい探検隊・台湾ニワトリ島乱入
 椎名誠著
 角川書店
十月十日
 著者たちが合宿していたその家の周りは、オスのほぼ野生ニワトリに包囲されていたのですが、そのニワトリたちと特にトラブルも起こさず、食料にしあったりもせず仲良く(?)暮らしてしまっていたというところが若干ドラマに欠けていたと思います、まあ人と鳥との骨肉の争いが起こらなかったのはめでたしめでたしですな。出来ればもう少しニワトリの写真も載せて欲しかった。
107 お金さま、いらっしゃい
 高田かや著
 文藝春秋
十月十三日
 「カルト村で生まれました」著者の最新コミックエッセイ、今回は村を出てからのお金との付き合い方の話です。普通に育っていると、小さい頃から身の丈にあったお金の使い方はなんとなーーく身につくものですが、著者の生まれ育った村では子供にはお金をもたせませんでした。
 結論から言うと、ちゃんと普通にお金と付き合っているのは立派なものだと思います、ただ、もう少し節約したほうがよりいいと思うよ。
108 震災後の不思議な話・三陸の(怪談)
 宇田川敬介著
 飛鳥新社
十月十五日
 新聞の書評を読んで読みたいと思っていた本が図書館にありました。私は怪談が大好きで、この本のタイトルにも「怪談」と入っていて聞き書きの怪談も多々載せてありますが、この本は人文書でありけして怪談ではありません。
 あえて言うならば「遠野物語」を連想しました、かつてあったこと言い伝えられたことを書き留めているだけなのに果てしなく怪談に近いあの本、書き留めることによって忘れないようにするのが供養であり、けして忘れないという祈りでもあると思います。
110 あやしい探検隊・北海道物乞い旅
 椎名誠著
 角川書店
十月十九日
 「ニワトリ島乱入」があまりにもバカバカしくて面白かったので、その前の探検の本を借りてみました。「物乞い旅」と書いてあったので椎名さんたちが北海道の道路の脇に並んで「右や左の旦那様ーー」とかやるかと思っていたら、著者も最後に書いてましたが物乞いではなくタカリ旅になってしまいました。
 知人友人のつてをたどって食料を調達するのですが、もらえる食材が豪華すぎて全くタイトルに偽りがありすぎでした、まあ別にいいんだけど。それもこれも人徳と人の縁のなせる業ですよね。
111 ほんとうにあった12の怖い話
 スーザン・プライス作
 安藤紀子ほか訳
 長崎出版
十月二十日
 何分にも怪談好きなので、通りすがりに児童文学の棚にあった本を借りて読んでみました、小さくて赤い装丁のかわいい本でした。怪談というよりは「怖い物語」という印象の方が強いかな、幽霊の物語ももちろんありましたが、悪魔の出てくる物語の方がメジャーなかんじがいたします。
 しかし悪魔が出てこない方がより面白いかな、なんでも悪魔のせいにしてしまうのは本当につまらないです。
112 すてきなおばあさんのスタイルブック
 田村セツコ著
 WAVE出版
十月二十日
 著者はイラストレーター、そういえば子供の頃このイラストに憧れたものだったわ、ということを本を読んで思い出しました。
 著者近影を見ると本当にびっくりするほど可愛いおばあさん、ここまでは無理でも美しく年老いたいものですな。
113 怪談実話系・書き下ろし怪談文芸競作集4
 幽編集部編
 メディアファクトリー
十月二十二日
 確かにこれも以前に読んだ本、しかしポチが借りてきていたのでもう一度読んでしまいました。
 今回一番「怖っ」と思ったのは岩井志麻子さんの「あの女のその後」、このシリーズは怪談じゃないのに背筋の凍る何かがありますな・・・。
114 ギリシア悲劇Vエウリピデス(上)
 ちくま文庫
十月三十一日
 ちまちまと購入し続けている文庫版ギリシア悲劇、三巻がやっと読めました。一番最初に図書館で借りて読んでいた時に読むのがおっくうで読み飛ばしていたコロスの部分が、今は面白くて仕方がありません。
 三巻の中で一番好きなのは「トロイアの女」のお話です、いやはやもうヘレネの言い草がひどすぎてもういっそ素敵なくらいです、傾国の美女はやはりこうでなくてはなりません、反省ゼロ、素晴らしすぎます。いろんなヘレネ像があるけれど、こういうヘレネがいちばんヘレネらしいんじゃないかなと思ってます。
☆☆☆
115 岩合光昭の日本犬図鑑
 文・写真・岩合光昭
 文溪堂
十月三十一日
 図書館の児童文学の棚にあった新刊を借りてきました、もう天使がいっぱいよ!
 雑種だった転太くんは、やっぱりそんなに柴犬柴犬はしてなかったけど、柴犬を見ると思い出します、かわいかったな・・・。旦那の実家にいたクロちゃんは甲斐犬だったので、写真のわんこにそっくりです、やっぱりかわいかったな・・・。
116 怪談実話系・書き下ろし怪談文芸競作集5
 幽編集部編
 メディアファクトリー
十一月二日
 風邪ひいて行った近所の医院の待ち合いでほとんど読めてしまいました、「女だらけの百物語」は99話で打ち止めになったそうですが、それぞれが禁断の百話目を書いたら?という趣旨の一冊です。
 だから書き手は女性ばかりという意外と珍しいつくりになっています、もちろん面白いよ。
117-122 身代わり伯爵の結婚行進曲T-E
 清家未森作
 角川ビーンズ文庫
十一月六日
 シリーズものなのでまとめてみました、長年にわたって友人から借りつつ読んだこのシリーズも、終盤にさしかかっております。以前に何が起こっていたかもう記憶の彼方になるほどの年月が流れました・・・が少女小説なので最後はハッピーエンドです。お姫様と王子様のお話はこうでなくてはなりません。
123 身代わり伯爵と終幕の続き
 同
十一月七日
 その番外編です、これでおしまいかと思うと感無量。令嬢たちの集団見合いの話が面白かったな・・・。
124 「凛とした魅力」がすべてを変える
 ジェニファー・L・スコット著・神崎朗子訳
 大和書房
十一月某日
 かの有名な「フランス人は10着しか服を持たない」シリーズの三冊目、ファイナル・レッスンだそうです。ちなみに二冊目は読んでません。著者はアメリカの人ですが、いかにもアメリカ人的な考え方がいっそうらやましい、ゴーイングマイウェーを極めてください。
 共感できる部分もあればそうでない部分もあり、まあそんなものだよね。
125 「十五少年漂流記」への旅
 椎名誠著
 新潮選書
十一月十一日
 椎名さんのまともな方の旅行記を読んだのは久しぶりです、この本はタイトルどうりヴェルヌの「十五少年漂流記」のモデルになったと思われる島への旅に出た記録なのですが、やはり「あやしい」旅の方が面白いかな(読み物的に)とも思います。でもたまにはシリアスな旅もいいよね。
126 ぼくらの卒業旅行
 宗田理作
 ポプラ社
十一月十三日
 「ぼくら」シリーズ25冊目、ぼくらも大学受験の年になりました。正直こんなにシリーズが続くとは思ってなかったのですが、やっぱり残念ながら最初の頃とはずいぶん違う物語になってきてしまっていると思います。
127 女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。
 ジェーン・スー著
 文藝春秋
十一月十七日
 時々こういう「女のエッセイ」を読みたくなります、著者は四十代独身で東京で一人暮らし、もうそこだけでも私とはものすごく隔たっているのですが、さらに「自尊心が強い」とはっきり書いてあります、ますます人間とタヌキのようよ・・・。
 でも読んでいると面白い、立場は違えど書いてあることに普遍性があるんだなと思います。
128 詩のなぐさめ
 池澤夏樹著
 岩波書店
十一月十八日
 岩波しばりの詩の解説書、ポチが「詩の授業とかテストが苦手」というので借りて読んでみました。たまに真面目な本を読むと、自分がなんにも知らなくてなんにも分からない立派なおバカちゃんであるということが改めて確認できますな・・・。
 とりあえず行方不明のイェイツ詩集を買い直して、その次は古代ギリシアの詩の本を購入しよう・・・。
129 おなかがすいたハラペコだ。
 椎名誠著
 新日本出版社
十一月十九日
 とにかく最初は玉ねぎくさくって、そのあとは猿じゃがだのワニじゃがだの地域限定食材限定ローカル料理であまり美味しそうではなかった・・・というか食べている人々には大変失礼ですがはっきり言ってグロかった・・・。しかしインパクトは大でした、大すぎて後半の日常エッセイが頭に入りませんでした・・・。
124 消滅遺産
 安倍雅史・監修
 日経ナショナルジオグラフィック社
十一月二十一日
 副題は「もう見られない世界の偉大な建造物」です、老朽化とか不要の長物化とか災害とか戦争などのために破壊された世界各地の素晴らしかった建造物の写真集、在りし日の姿と現在の姿の両方の写真が載っています。最近もいろいろあるよね、主にシリアとかそのあたりで。偉大な遺跡は人類の宝物であって、宗教とかそういうくだらない理由で壊していいものではないのに、本当にバカ丸出し、バーカバーカ。後の世に何と言われるかちょっとは考えたことがあるのだろうか、ないんだろうな。
125 詩のきらめき
 池澤夏樹著
 岩波書店
十一月二十三日
 数日前に読んだ「詩のなぐさめ」の続編、この本を集中して読んでいる閨A自分が素直な心の美しい人間になったような気がしたものですが、それは心の迷いってものですな・・・。
 それはそうとしてもしも自分がこういうものを書くとしたら(もちろん実録漫画で)まずは智恵子抄の「レモン哀歌」から始めるんじゃないかなと思います、レモン哀歌と「永訣の朝」との比較から描きはじめると描きやすいのではないかと思うのですがどうでしょう。光太郎と賢治、どっちが誠実かといったらもうそれは絶対賢治のほうだよね・・・みたいな。
126 やっぱり、僕の姉ちゃん
 益田ミリ作
 マガジンハウス
十一月二十五日
 コミックエッセイではないけれど果てしなくコミックエッセイに近いような気がしないでもない、というのは益田ミリさんの漫画の特徴だと思っております。このシリーズは、両親が旅行か出張中でつかの間の二人暮らしをすることになった姉と弟(どっちとも会社員)の会話で出来ています、そしてその内容は恋愛のことがほとんどなのです。
 私は正直若い頃から全く恋愛に興味がなくて生身の男なんてどうでもよかったクチですが、この姉弟の会話はすごく面白いです、というか姉の人間の観察具合がもう絶妙、恋愛以外でも人生のいろんなところで使えるんじゃないかなという格言に満ちてます。
127 おいしい文藝・こんがり、パン
 河出書房新社
十一月二十八日
 いろんな作家さんのパンに関するエッセイを集めた本、しかし、パンに愛情があふれる人と普通くらいの人と比較的どうでもいい人との文章の温度差がすごいかもしれません。パンが好きすぎて気が狂いそうな人の書いた文章ばかり集めたこういう本が読みたいです。
128 ヒトごろし
 京極夏彦作
 新潮社
十二月八日
 新聞の書評欄で見て、「これは是非読みたい」と思っていた本を図書館でやっと見つけて借りたわけなのですが、まさか厚さ五センチはありそうな本だとは思っていませんでした、ぬかったわ・・・でも読みきったわ・・・。
 新選組副長土方歳三が主人公で、タイトルのとおり土方さんは人殺しなのですが、前に見ていた活劇刀剣乱舞がちょうど土方さんの話で終わっていたので、頭の中で妙なリンクが起こってしまいました。いやあ読んでて困った困った、何事も色眼鏡で見てしまってはダメですな。
 願わくば沖田くんが溝鼠のようでなくてイケメンだったらよかったのに、しかしねずみってよく見るとかわいい顔をしているし、ハムスターのようだったと捉えてもいいのでしょうか、全然よくはないですな。
 それから、最後は土方さん渾身のラヴロマンスで終わったのが意外でした。
129 旅先のオバケ
 椎名誠著
 集英社
十二月十日
 椎名さんは世界各地色々なところを旅して廻っているけれど、そこで泊まったトンデモ宿についての本です、もちろん幽霊だのポルターガイストだのの経験談もありますが、VS大自然の話が一番凄まじいと思います。
 私は絶対夏のシベリアなんかには行かないぞ!(虫、主に蚊天国)
130 フランス人は10着しか服を持たない2
 ジェニファー・L・スコット著・神崎朗子訳
 大和書房
十二月十日
 順番は前後しましたが、シリーズ三冊とも読んでしまいました、あんまりこういう自己啓発本は読まないのだけれど、著者のアドバイスはなんというか結構的を得ているような気がしました。ああ身につまされるわ・・・。
131 親子でがっちょりおかん飯
 西原理恵子×枝元なほみ
 毎日新聞出版
十二月二十五日
 読み物としては面白いけれど実際に作るとなるとうちの食卓にはあまり合わないような気がする・・・。
132 へんな西洋絵画
 山田五郎著
 講談社
十二月二十五日
 私はクリスマスに一体何を読んでいるのであろうか・・・大掃除が一段落してちょっとだけ本を読む時間がとれるようになりました。
 著者はセザンヌとルソーに何か恨みでもあるのかと勘ぐりたくなるほどこの二人の画家へのディスり方がすごい、特にルソー。確かに地面に足がついてないけれど、言われるまでは気がつかなかったよ・・・でも言われてみれば確かにそうだよ・・・。でも私はルソーの絵は案外好きです、理屈ではなく。
133 ガンゲイルオンライン6・フォース・スクワット・ジャム(下)
 時雨沢恵一作
 電撃文庫
十二月二十七日
 多分これが今年最後の一冊になると思います、なんとか今日中に読めたよ・・・。


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