第19回、北海道大学・アイヌ納骨堂イチャルパ・参加報告


当日会場で行なわれた挨拶

akita.jpgウタリ協会理事長・秋田春蔵氏の挨拶

北大納骨堂におけるイチャルパを開催しました所、道内各地から、このように多数のご参列を頂き、また、ご来賓の皆様には、ご多忙の中、ご参列を頂き、心から感謝を申し上げる次第でございます。
さて、今日のイチャルパは、昭和59年から実施しておりまして19回目を迎えます。
アイヌの医学的研究を目的に、北海道、千島、樺太から発掘収集され人事は1004体にも及び、研究資料として、医学部の研究室に保管しておりました。
昭和57年6月、ウタリ協会において、この状況を見過ごす事は出来ないと問題を指摘され、北海道ウタリ協会として北海道大学長へ適切な処置を要請してまいりましたところ、納骨堂の建設と、遺骨の返還を希望するところには返還する事や、基金を創設する事で合意し、現座に至っております。
これまでに返還の申し出のあった、旭川、釧路、帯広、三石、紋別の関係分は、それぞれ引き取られ、地元でイチャルパが執り行われております。
現在、969体の御霊がここに眠っております。
毎年このように、皆さんと共に、イチャルパを執り行う事が出来るのは、非常にありがたい事だと考えております。
ここに眠るウタリに対して、心から鎮魂の意を表しますと共に、われわれアイヌ民族の先人達が受けた被害や、学術研究の標本として扱われた過去の歴史を風化させてはならないと考えております。
平成10年五月、アイヌ文化振興法が制定され、各地域でアイヌ語の振興や、イチャルパなどの伝統儀式、伝統芸能などの活発な活動が行なわれており、ウタリ協会としても、アイヌ文化振興財団との連携を密にし、アイヌ文化の振興発展に務めてまいりたいと考えております。
この北大のイチャルパも、アイヌ文化の伝承に大きな役割を担っており、今後とも継続して行く事が、私達の勤めであると考えております。
最後になりましたが、本日の会場設営などにご協力頂きました北海道大学医学部の皆様、そして、本日の祭主を務めていただきます福島様を始め、イチャルパの準備などでご協力を頂きました、日高地区支部連合会の皆様、札幌市部の皆様に、心から御礼を申し上げたいと思います。
北海道大学アイヌ納骨堂に眠る、969体の御霊にお寄せ下さいました、皆々様のご高配に対しまして、北海道ウタリ協会を代表して、深甚なる経緯と感謝を申し上げて、挨拶と致します、ありがとうございました。

Esamanのコメント
なんとも微妙な挨拶ですね。秋田さんは割とはっきりお話しになるので、聞きやすかったです。
しかし「文化伝承にも役立っており」というのは、何かを間違えている表現のようにも思います。
逆境を逆手にとっている、とも受け取れなくもないですが、そういう問題でもないような気が…


scholar.jpg北海道大学、大学院、医学研究課長の挨拶

本日にここに北海道大学医学部にお預かり致しておりますアイヌ人骨の第19回目のイチャルパは、北海道ウタリ協会の秋田春蔵理事長を始めとする皆々様のご助力により、盛大な式をすることができ、私ども医学関係者も深く喜んでいるところでございます。
この納骨堂は、昭和59年に建立されました。1004体の御霊を納骨安置致しましたが、その後35体を返しましたので、現在は969体の御霊を安置して保管しております。
ここに安置されておりますご遺骨は、北海道開拓の礎となられた先人アイヌの方々ならびに、その御霊に深い敬意と鎮魂の意を表するものであります。
また、それらのご遺骨は、北海道に昔から住んでいた人々や、日本に住んでいた人々の、歴史と文化を知る上で、大変大事な遺産となっております。
我々は科学者として、また一人の人間として今日、これらを丁重に畏敬の念を持って見守っていく義務があると思っております。
私は歴代医学部長が、ウタリ協会の間に築いて参りました−聞き取れない−を欠かすことなく受け継ぎ−聞き取れない−なかの−聞き取れない−もとに−聞き取れない−所存でございます。
本日、あたらめまして先人アイヌの方々の御盛隆に対しまして、−聞き取れない−を申し上げ、挨拶に代えさせていただきます。
平成14年、8月2日北海道大学医学部長

Esamanのコメント
「北海道開拓の礎となられた先人アイヌの方々」この一言は、私達アイヌは日本の「北海道開拓」の物語の添え物、つまり畑の肥やしのようなもの、という底意を発露している表現だと思うのですが、如何でしょうか?
直後にオキに会ったので、その話しをしたら「そのとおりだ、有機栽培だといっとけ」という、なんとも言えないコメントを頂きましたが、ザイダンという化学肥料使っている間は、とても有機栽培にはならないのでは、とも思いました(二人ともアホですねぇ)。


全体を通して大変弱々しい小さな声で、非常に聞きとり辛く、何を言っているのか判らない部分がいくつかありました。
もっとも、声がはっきり聞き取れたとしても、何を言っているのか判るとは限らないと思いますが。


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