tarap kata itak.... 投稿者:oripakEsaman 投稿日:11月27日(土)03時50分30秒 ppp01003.nagoya.alles.or.jp
何故生まれてきたのだろう、
苦しみの多いこの世界に。
何故私はここにいるのだろう、
何処から来た覚えもないというのに。
何故この世界が見えているのだろう、
意識が無ければ、何も感じないというのに。
何故生きているのだろう、
何をなした所でいずれ死んでしまうというのに。
なのに何故生まれてきてしまったのだろう、
自分である事に気付きさえしなければ、何も苦しむ事もなかったものを。
ただ解っている事は、
命あるものはいずれ死んでしまう、ただそれだけ。
それは忘却の彼方へと溶けてゆく事。
山や川さえも、その流れには逆らえない。
日の光を浴びた雪が消えて逝くように、
流れ星の光が闇の融けて逝くように、
無から生まれたものは無へと帰る。
忘れる為に、全ての魂は存在している。
それは永劫に続く川のようなもの。
生まれてさえこなければ、全て知らずに済んだものを。
ただ、よかった、あなたに出会えた事だけは、
風よ伝えておくれ、私の愛するものに。
ただ、あなたの傍にいたいと。
心あるおまえなら解るだろう、いずれ消えゆくものの哀しさを。
どんなに辛い苦しみも悲しみも、感じられるだけで幸せだ。
あなたの心に寄り添えるならば。
ささやかな安らぎを与えておくれ、つかの間の苦しみに。
いずれ消えゆくこの苦しみに。
いまは手の届かぬ所にいるものに、風よ届いておくれ。
全てが消えてしまう前に。