平野はセプシリ(プとリは小さく) 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 6月30日(日)12時49分13秒 pl082.nas323.sapporo.nttpc.ne.jp

暫く多忙の為、掲示板でのレスが出来ませんでした。
そのかわり「HEIYA問題」については、
何処にでも発表できるほどに、バッチシ調べてきましたので、NICHOLLSさん、ご期待下さい。

せんべい屋の寄宿人さん、レスありがとうございます。

nupという言葉も「原っぱ」という意味で、比較的小さな野原とか空き地のような空間を
指す言葉のようです、それに「親の・大きい」という意味のporoを付ければ、
確かに大野、大きい野原、という意味になりますが、日本語における状態としての
「HEIYA(つまり「大きい野原」ではなく、地域を表す概念としての言葉)」とは、
だいぶニュアンスが違うように思います。

まぁ「Hirano」さん、のような名前を直訳する場合は、
日本語の名前(苗字)自体が、そもそもが大きな意味を持たない事から、

大野=poronup、平野=kapkenup、沢野=naynupで、小沢=ponnayでも、

いいんじゃないかと思いますが…
でも、こういう言葉は、実際のアイヌ語がわかる、あるいは使っているアイヌが聞いた場合、
普通はそういう言い方をしない「ヘンなアイヌ語」である可能性も否めないんですよね。


日本人が使うような「関東HEIYA」のような、概念を表す言葉しては、
sepsirという言葉が、いいと思います。

sep(大きい、ではなく「広い」「広い状態」という意味)
sir(場所・土地を表す言葉、他にも気候や山なども指す cfアイヌモシリ)

という意味で、日本語の「HEIYA」とほぼ同じ意味の、
「広い空間・土地」を表す、良い感じの言葉になるのではないでしょうか。

これならば、実際にアイヌ語がわかるばあさんが聞いても、多くの人が、
日本語の「平野」と同じ概念や印象を、頭の中に想像する事が出きるでしょうし。
(少しですが確認済みです)


何度もいいますが、かつてアイヌ語が言葉として機能し、頻繁に日常で使われていた頃は、
出版物、ラジオ、テレビなどの共有するメディア、あるいは、
全道のアイヌが一同に会する会議や国会、軍隊などの機会がほとんど無く、
多くの言葉が日常=その地域の特性、に密接に関係した言葉となっています。

概念を表す言葉なんかは、そうでもないですが、
山菜を指す言葉などは、地域によって随分違うんですね、
単純に「違う」のではなく、同じ「言葉」が、全く別のものを指す場合も多々あり、
アイヌ語のわかる人間と一緒に山歩きをして植物いじったりするときは、
大変困ったりするんですね(笑)。

これを日本語で例えるならば「河原に生えているあの草」とか、
「この山に生えているよく食べるキノコ」という言葉が指す対象が、
(場合によっては今も)地域によって随分違う、という事を想像して頂けると、
わかりやすいのではないか、と思います。
こういう現象は、日本の山村などで老人と山菜とりに行っても発生しますよね。
たいてい「共通語・和名」が通用しない(笑)。

これは、文化の違い、と解釈するよりは、その社会の情報化の度合いの違いであると考えます。
もし仮に、ですが、アイヌが誰の植民地化も受けずに、自らの民族を中心に近代国家を形成した
場合は、おそらく、日本国家がそうしたように、「国家」樹立へのいずれかの段階で、
バラバラであった自国の言葉を統一し、教育で広め「標準語」を形成する、
という事を、何処かで行っていたんでしょうね。

みなさんの話している「標準語」としての日本語(あるいはその他の言語)は、
国家が必要に迫られて作ったものであるという事を、
常々忘れないようにしていただきたいものです。

http://www.alles.or.jp/~tariq/


「平野」って 投稿者:せんべい屋の寄宿人  投稿日: 6月29日(土)22時34分49秒 Cksgy1DS78.stm.mesh.ad.jp

NICHOLLSさん、はじめまして。とっても久しぶりにここに来たら
「平野」の話を見かけましてレスします。なんていうんでせう。
野原ならnupですが、平野は大きい野原と考えてporonupとでも
言うんでしょうかね?


ありがとうございました。 投稿者:千葉県人  投稿日: 6月22日(土)14時51分29秒 193.30.221.202.xf.2iij.net

oripakEsaman様
丁寧にお答えいただきありがとうございました。
大阪の民族学博物館の図録を見て、興味をもったもので。
本物を手に入れるには相当難しいようですね。
オークションで時々見かけるのは、値段からしても、どうもレプリカのようですね。
墓を盗掘して回ったという話も全然知りませんでした。本当に知識が無くてすいません。


Thank you! 投稿者:NICHOLLS  投稿日: 6月22日(土)00時06分02秒 211.15.39.219


携帯から『GOOGLE』のサイトを通して色々アイヌ語のサイトに行ってみたのですが(PC持ってないので 笑)、色々考えさせられるアイヌの問題など、アイヌの事で知ってる事より知らない事の方が多く、人間としてちゃんと向き合わなきゃなぁ、と思いました。

アイヌ語の本でも買ってみようかな。
 


そあいうことならば、了解致しました。 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 6月20日(木)02時20分37秒 R222116.ppp.dion.ne.jp

いまは、どうにもらないほど忙しいので調べられませんが、
暇になったら、ちゃんと調べますね。
その際、実際のスピーカーと専門家にちゃんと聞くので、ご安心を。

あと、前回の
「ku=omam」ですが、あれだと「私は好き」という事になって、
しゃべれるばあさんに言ったら、
「誰のことがよ? はっきり言え」と返されそうですが、
ま、そこはそれ、状況によっては、ぼかした方がいい事もありますわね(笑)。

http://www.alles.or.jp/~tariq/MMML/asurupus-puyar.html


スイマセン(汗) 投稿者:NICHOLLS  投稿日: 6月19日(水)12時00分50秒 211.15.39.219


不明な質問をしてしまって、スイマセン(苦笑)。

聞きたかったのは『ヘイヤ』の方です。
目的はと言うと…、特に無いんですよ(苦笑)。単なる気まぐれと言いますか。
地図帳を見てる時に、CDプレイヤーからソウル・フラワー・ユニオンというバンドがアイヌの民謡をカヴァーしてる曲が流れてて、「平野=ヘイヤはアイヌ語で何と言うのだろう??」と思ったんです。それで、こうして質問してみたわけです。
 


最近、裁判報告から文化講習まで、イベントが目白押しですね。 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 6月19日(水)08時11分36秒 ppp01001.tabata.alles.or.jp

以下、ちょっとばかし付合いのある人方のイベントなので、過剰に宣伝します。

この手の情報は、新設されたイベント情報メールマガジン「Asurupus puyar[BR>(http://www.alles.or.jp/~tariq/MMML/asuepus-puyar.html)に登録すると、
いくらでも労なく入手できますよ。
-------------------------------------------------------------------
アイヌ文化公開講座“キロロアン”ビデオ鑑賞「熊祭」

【日時】平成14年6月21日(金) 19:00〜20:30
【場所・問合せ先】
アイヌ文化交流センター(東京都中央区八重洲2-4-13アーバンスクエア八重洲3階)

【概要】
今回は、70年近く前に旭川で行われたイヨマンテ(熊送り/熊祭)を記録し
た映画を上映します。これは、北海道帝国大学(当時)の犬飼哲夫教授の監
修のもと製作されたものです。このイヨマンテを主催したのが、今回、講師
をお願いしている川村兼一さんのお父様である川村カ子(ネ)トさんです。
また、川村さん自身、幼少時より何度もイヨマンテに参加され、また、ご自
身も過去に2度にわたってイヨマンテを主催されています。今回は、川村さん
に上映するビデオについて解説していただくとともに、旭川におけるイヨ
マンテ復活の取り組みなどについてお話を伺う予定です。

【講師】
川村兼一
旭川市生まれ。アイヌ名、シンリツ・エオリパク・アイヌ(祖先・を敬う・人)。
祖父の川村イタキシロマさんが1916年に設立したアイヌ記念館を、父親の
川村カ子(ネ)トさんから受け継ぎ、同館を拠点に、長年アイヌ文化の紹介
・復興、アイヌ民族の復権を目指す活動などに活躍されております。

【参加料】無料

【定員】30名(申込不要)※満員の場合はご容赦ください。
-------------------------------------------------------------------
縄文スピリット2002

日時:2002年6月21日(金)夏至 開場18:00 開演18:30〜

場所:豊島公会堂(池袋駅より徒歩5分)

前売り 3800円  当日 4500円
全国のチケットぴあで好評発売中!

琉球、アイヌ、津軽…
真髄を生きる人々の縄文の魂が炸裂!

出演者:

●古謝美佐子<沖縄民謡歌手> ●アシリ・レラ <アイヌ・ユーカラ語り部>
●渋谷幸平<津軽三味線奏者> ●佐々木雅之・福田弥生<縄文土笛・土鈴>

○佐原一哉 <シンセサイザー・ギター>
○沖縄県人会青年部エイサー隊<琉球太鼓・三線>

《古謝美佐子》
坂本龍一氏のオペラに出演したり、五木寛之氏が絶賛している沖縄民謡歌手の
第一人者。NHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」の挿入歌『童神』で更に
注目されている元ネーネーズ・リーダー。
 
《アシリ・レラ》
アイヌの聖地・二風谷で生まれ育ち、アイヌ伝統文化の継承者、語り部として
国内外で活躍。アイヌのシャーマン、サンダーウーマンでもある。

《渋谷幸平》  
青森の津軽生まれ、津軽育ち。2000年度全国津軽三味線全国大会B級チャ
ンピオン
2001年度A級4位に輝いた、津軽三味線界の若きプリンス。

《佐々木雅之・福田弥生》
縄文の音霊を今に甦らせる、縄文土笛、縄文土鈴奏者。各地での演奏以外に、
大自然や神社などでの奉納演奏なども。

問い合わせ:
縄文スピリット2002に関するお問い合わせは・・・
オフィスTEN 
MAIL ten@office-ten.net
TEL 03-3828-5070 (平日/10:00〜18:00)
FAX 03-3828-5090

-------------------------------------------------------------------
先住民族の10年市民連絡会シンポジウム
アイヌ文化振興法制定から5年アイヌ民族はいま…

日時:2002年6月23日 14:00〜17:00
場所:日本キリスト教会館6階会議室7ABC(東京都新宿区西早稲田2-3-1早稲田奉仕園)
内容:

パネリスト
 貝澤耕一氏(百姓、NPO法人ナショナルトラスト・チコロナイ)
 多原良子氏(ウハノッカ友の会)
 長谷川修氏(アイヌ資料情報室)
司会
 上村英明氏(市民外交センター)

参加費(資料代含)1,000円 予約不要。どなたでも参加できます。

問い合わせ先
集会担当 TEL/FAX: 03-5932-9515
-------------------------------------------------------------------


河野本道差別図書裁判、判決と記者会見

日時:2002年 6月 27日 12:30
場所:札幌地裁

内容:
この日、河野本道差別図書裁判の判決が出ます。
その公判を傍聴し、原告団の記者会見を聞きましょう。

12:30 札幌地裁ロビーに集合
13:15 公判
13:45 高等学校教職員センター(南大通り11)で、記者会見と報告集会

問い合わせ:
ピリカ全国実行委員会
011−748−8171
札幌市東区北25条東3丁目1−6 舟橋マンション2号室

http://www.alles.or.jp/~tariq/MMML/asurupus-puyar.html


和人の人に、お聞きしたい事があるのですが… 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 6月19日(水)08時09分53秒 ppp01001.tabata.alles.or.jp

昔のアイヌが、果たして
'I love you'や'I like you very much'
なんて言葉を、今の私達のように使用していたかはわかりませんが、
今のアイヌは、和人のみなさんと同じように使用していますね(笑)。

e=omap an
eci=omap
ku=omam

などになると思います。
地方によって、ちょっと言い方が違うんですね。

アイヌの社会というのは、かつて統一国家も、共通のメディア(出版物とかラジオとか)
などを持ったことが無かったので、地方による表現の差(つまり方言)が激しい
ですが(「諸藩連合国家」だった日本もそうですね「大日本帝国」になった時に統一したんですが)、
この言葉は、言い方に些細な違いはあれ、だいたい何処でも同じような語彙を使用し、
通じる言葉のようです。

オマプ(プは小さく)が、好きという意味で、
エがお前、あなたという意味です。
クは、私。

今回は、私も使いたかったので(笑)大盤振る舞いで調べましたけど。
満足に自己紹介もせず、ただ「○○おしえてください」
といきなりするのは、一般的に、解説するのが仕事、
というわけでもない個人のページにおいては(なんとかセンターの職員とかは別ですよ)、
あまりよくない姿勢ではないか、と思います。

まず、自分で調べるのが基本なのは言うまでも無い事ですが…

まぁ、アイヌ語に関する情報と言うのは、学習のしにくさ、学者の出し惜しみなんかに、
私自身も結構苦労しているので、手っ取り早い方法で、聞きたくなるのは判りますがね、
その場合にしたって、ただ聞くのではなく、
「私は○○している者ですが、これこれこういう事に遣いたいので聞きます」
という感じで、話題の提供をしていただかないと、
教える側はいつも「質問をただ投げつけられている」という印象を持つこととなります。

そういう事の出来ている人、とても少ないですね。
まぁ、これはアイヌに限った事ではなく、インターネット上での一般的なことですけども。


…というわけで、かわなひろこさんは、その言葉、調べて何につかうんですか?
まさか、アイヌ語の判る相手を口説くために使うんじゃないと思うので(笑)、
是非お聞きしたいですね。

また、NICHOLLSさんの質問は、何が聞きたいのかすら不明です。
お聞きになりたいのは「Hirano」さんのことでしょうか、
それとも状態としての「heiya」の事でしょうか?
さらには、何を目的としてお聞きになっているのかが判らないと、
お答えのしようもありませんが。

http://www.alles.or.jp/~tariq/MMML/asurupus-puyar.html


とりあえず、連絡事項。 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 6月18日(火)02時38分12秒 ppp01002.tabata.alles.or.jp

管理人のEsamanです。
最近忙しくて、連絡事項のみです。
みなさんへのレスは、いずれ書きますので、お待ち下さい。

アイヌ関連のイベント情報専門のメールマガジン、
Asurupus puyar(噂の入る窓)が、新しくスタート致しました。
(http://www.alles.or.jp/~tariq/MMML/asuepus-puyar.html)

また、長らくご愛顧頂きましたML「Paetok puyar」が、
提供会社アプリネットのML事業撤退により、移転致します。
Paetok puyarは、提供会社のサービスの性格上、管理人が
参加者のアドレス全てを把握していないので、移転作業、
もしくは新しくMLへの登録を申請したい人は、
esaman@anet.ne.jp宛てにメールをご送付下さい。

その際、まともな自己紹介(なんでもいいですが)を付けていただければ幸いです。
現時点で受け取っている方々は、十分良心的な内容でした。

それでは、また。

http://www.alles.or.jp/~tariq/MMML/asuepus-puyar.html


初めまして 投稿者:NICHOLLS  投稿日: 6月12日(水)19時14分28秒 61.206.45.189


あの、アイヌ語で平野は何と言うのでしょうか。良ければ教えてください。


なにをもって「本物」とするかによりますね 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 6月11日(火)17時36分02秒 G058079.ppp.dion.ne.jp

アイヌのガラス玉ってのは、俗に「アイヌ玉」とか「トンボ玉」とかいう奴ですね。
その原材料は、アイヌ自身が生産したわけではない、ガラスや天然石で作ったものが殆どで、
アイヌの交易の富の象徴ともいえる逸品ですね。
刀の鍔とか、金属で作った家紋とか蟹(!)のようなものを、
ポイントとして付けた物もありますね。

多分、輸出側は、対アイヌ輸出用として生産していたものも多いのでしょうが、
今現在から見ても、大作りで見事な玉が多く、結構よいものです。

さて…

「レプリカではない本物」との事ですが、これは、答えにくい質問です。
まず、何をもってして「本物」とするのかの基準が、収集者によって異なりますからね。

非常に質の高い骨董品や、博物館などの展示品としての「本物度合い」でいきますと、
「実際に当時のアイヌが使用していたもので、出元の明らかなもの(由緒あるもの)」
という事になりますね。
これは、和人の場合のそのような物品(刀とか器とか装身具とか)がそうであるように、
現存するものが限られていて、大変貴重です。
実際に売買するとなると、50万とか100万とかしてしまうでしょうね。
このようなものを入手するのは、現実には困難かと思います。

実際に使用・鑑賞できれば良い、という事になりますと、値段もずっと下がりますが、
すると今度は別の問題も出てきますね。

「由緒が確かでなくても、当時アイヌが使っていた『本物』であれば良い」
という事になれば、普通の骨董屋でも時々出まわるでしょうが、
やっぱり高いですし、それに、昔はそういうのの専門の研究者やブローカーがいて、
墓を盗掘して回ったという事もあったので、不気味な話しで頂けませんね。

そうなると、必然的に「レプリカ」という選択肢も出てくるとは思いますが、
この「レプリカ」にも色々とございます。

まず、博物館などにあるようなタイプの、
「本物と全く同じ素材を利用して作った品物」ですね。
これは、信頼できる、技術の高い人の作った良いものであれば、
実用(鑑賞したり使用したり)的には、本物と同じような価値があると思います。
ただ、小刀や他の道具類と違い、タマサイに関しては、原材料のガラス玉自体が、
その当時他の地域から交易して入手した「大変珍しい」ものであった事と、
作り方が不明なので、この手の「レプリカ」は少ないと思います。

小刀や器、儀式用の器具などについては、アイヌの工芸家で作っている人が何人も居るので、
骨董屋を経由するよりも、紹介してもらって、直接頼んだ方が良いでしょうね。

もう一つの「レプリカ」としては、必ずしも「本物」からの複製ではない、
最近勝手に作った品物の類がありますね。
結構、出まわっていると思います。

とはいいましても、アイヌ自身の手により、新しくアイヌのデザインや物品が作られるのは、
決して悪い事ではないのですから、伝統品の複製ではない創作物が悪い、とは申しません。
そのような品物も、ある意味「現代のアイヌの作った本物」といえるからです。

ただ、そのような最近の生産物を、ただの民芸品や芸術作品としてではなく、
「これが伝統の…」とか、「昔のアイヌが…」という感じの触れ込みで販売、
あるいはそのような誤解を招きかねない方法で商売をしている場合は、
これらの「最近作られた品物」を「ニセモノ・マガイモノ」といっても、
いいんじゃないかと思います。 そういう商売、どうも一部であるようですしね。


…あまり参考にならなかったかもしれませんが、
千葉県人さんが、どのような品物をお求めなのか、
イマイチ判らなかったので、ここまでのお話ししか出来ませんでした。

もっと詳しくお知りになりたい場合は、メールを下さるか、また書込みをお願いします。

ただ、最近一部のみやげ物屋などで出回っている「アイヌ玉」は、
殆ど最近作った、しかも復製品といえるほどのレベルではないものであると思うので、
値段から見て、このデザインは気に入った、というのならOKですが、
骨董的価値をお求めならば、全く奨めできない代物である事は、ご忠告さしあげておきます。

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Ocean/8242/kampisosi/historymain.html


アイヌの話しって、やっぱ暗くなっちゃいますって。 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 6月11日(火)16時48分13秒 B139076.ppp.dion.ne.jp

おひさしぶりです。
しばらく多忙の為、ここの管理とか何も出来ていませんでしたが、復帰致しました。

偽善者さん、お久しぶりです。
コタンの口笛って、上下2巻揃いではなかったんですねぇ…

>本屋でも全然見かけないし。
>なんかアイヌ系の作品って下火になってきたような気がするのは気のせいでしょうか?

「コタンの口笛」を本屋で見かけないのは、あれが差別的な内容の本である、
と文句を言われたからかもしれませんね。
本の現物も未だに手に入らず(●●堂め、セコイ商売しやがって、覚えてろ)、
詳しく調べていないので、どんな経緯があったのかは全然しらないですが…

ただ、私が随分若い頃(高校か中学)の頃に、図書館でさらっと読んだ印象としては、
「和人の行動がなんかハナにつくなぁ」というものだったように、ぼんやりと覚えています。
第一、マジメに読んでいなかったし、あの当時は、今ほどアイヌとしての意識や、
具体的な問題意識を持って活動していた訳でも、色々と勉強していたわけでもなく、
物を書く習慣もなかったので、内容は殆ど覚えていませんが。


>アイヌ達の住んでいる牧場に暗雲が立ち込めてきました。

その手の事件って、よくあったみたいですよね
大きな事件としては、1899、年の旭川給与地問題、1916年の新冠牧場問題ですよね、

アイヌが元々暮していた土地を勝手に国有地にした明治政府は、
その「分捕り品」である土地のほんの少しを「旧土人保護法」によって旧土人に
「保護地として下賜」したわけですが(この段階で既におかしい事をチェック)、
旭川給与地問題ってのは、そのちょっとの「保護地」を、近衛師団が旭川にやってくるので、
アイヌの村落が目の前にあっては見苦しいし不潔、という理由で、
減らした上に移転をさせようとして、挙句の果てには、元々の保護予定地を
大倉喜八郎(サッポロビールの創設者)に払い下げしようとした、
踏んだり蹴ったりの、ムチャな話しです。
この時は、旭川のアイヌが上京までして反対運動を展開し、
なんとか移転と払い下げを取りやめにさせていますね。

新冠牧場のほうは、アイヌが昔から住んで居た牧場地を天皇が接収して「御料牧場」にして、
その地方のアイヌを強制移住した、というものです。


>アイヌ作品って差別などがあってどうも暗くなりがち。
>なんかアイヌ系の作品って下火になってきたような気がするのは気のせいでしょうか?

現実が既に暗いんですから、暗くなりがちなのは、ある意味しゃあないですわね。
ここでムリに明るく振舞うと、
当の「今困っているアイヌ」が激しく落ち込む事になりますし(苦笑)。

私も年表作りでちょっと幕末のアイヌの歴史を調べて、相当グロッキーになりました。
幕末の頃の話なんか、黒人奴隷の扱いよりヒドイですね。

また「下火」についても、その通りだと思います。

「コタンの口笛」などが作られた当時は、全国的に
「北海道観光プーム」「アイヌ観光ブーム」の盛んだった時期でもあったんですよね、
かの萱野茂さんもその頃、観光業やったり全国巡業をされていましたし、
ご年配の方(50〜60代)では、小学校にアイヌがやってきた、
という話しを記憶している人も、以外と少なくありません。

私も、九州や京都の年配の人に、アイヌの活動でもなんでも無い場所で、
私が小学校の頃、アイヌの人が学校にやって来たんですよ、という話しを聞いて、
随分驚いたのを覚えています。


>『カムイ健太物語』は知らないでございます。

若岡直樹というおじさんが自費出版した本ですよ。
差別は出てきますけど、内容としては割かし明るい本で、
どっちかといえば、児童文学っぽいものだと思います。
主人公の「カムイ健太郎」は、熊と遊んだりする「一体何処の人間よ」と言いたくなるような
「これぞ北海道」感(オリエンタリズム)丸出しの「自然児」の設定ですが、
まぁ「ノンフィクション」なんですから、あれもきっとアリなんでしょう。

時間が無く、一度流し読みしただけですが、内容は割かし単純明快で、
「北海道オリエンタリズム観」以外には、そんなに悪いという印象は受けず、
どうもアリバイ臭い匂いの漂う「コタンの口笛」と同等に扱っていいとは、思いませんが。

どっちも、近いうちに読みかえしてみようと思っていますが。
『カムイ健太物語』の方は、サッポロ堂書店に在庫があったと思いますよ。

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Ocean/8242/kampisosi/historymain.html


(無題) 投稿者:ねこやん。  投稿日: 6月10日(月)16時58分59秒 IP1A0265.osk.mesh.ad.jp

はじめまして、お邪魔します。
      http://lounge.dip.jp/~yoshinoya_off/up/img/kyouhaku1.gif
      http://lounge.dip.jp/~yoshinoya_off/up/img/kyouhaku2.gif
      http://lounge.dip.jp/~yoshinoya_off/up/img/hagaki.gif
      http://lounge.dip.jp/~yoshinoya_off/up/img/maru-1.gif
      上記リンク先の1行目〜3行目の筆跡が同じってトコに注目です。
      あと、FAXを送信している時間帯って勤務時間中です。
      暗殺部隊を召集って・・・怖いですね。今まで何人の人間を脅迫してきたのでしょうね?
      下記リンク先の音声を聴けば大阪府松原市在住の「自称・神戸大学教育学部卒業生」の
      異常さが判ります。「顔の形が変わるくらい殴る」とか「南港の底がよいか生駒の山がよいか・・・」などの
      具体的な表現による脅迫行為・・・。先日、神戸で大学院生がリンチにより殺害された事件、記憶に新しいはず。
      ヤクザは確実に居ます。決して他人事ではありません。皆様も気を付けましょう。
      http://ime.nu/www.ladio.net/upl2/dl.cgi?q=1022137254
      尚、この書き込みは誹謗中傷やタチの悪い悪戯の類ではありません。
      実際に被害に遭われた方がいらっしゃいます。くれぐれもお気を付けくださいませ。
      ちなみに彼は6月30日(日)に大阪難波ロケッツにてライヴイヴェントを開催するそうです。


旅のゆくへ 投稿者:サルディニア  投稿日: 6月10日(月)11時40分22秒 p1014-ipad22osakakita.osaka.ocn.ne.jp

北海道に旅へいきます。一人旅です
アイヌのふるさと母なる大地へ
風に、ふかれてみたいとおもいます


アイヌの品物についての質問 投稿者:千葉県人  投稿日: 6月 8日(土)19時08分50秒 193.30.221.202.xf.2iij.net

博物館で見るような小刀とかアイヌのガラス玉に興味があります。
レプリカではない本物は北海道の骨董屋で手に入るものでしょうか。
知っている方がいらっしゃれば教えてください。


お二人へ 投稿者:偽善者  投稿日: 6月 7日(金)23時39分19秒 its2.catv.ne.jp

  オッカイポ様へ
 ファンではなくたまたま持っていただけです。リアリティがあって面白いのですが、二巻しか持っていないので結末が分からない…。本屋でも全然見かけないし。なんかアイヌ系の作品って下火になってきたような気がするのは気のせいでしょうか?
 朝日新聞で「静かな大地」をやっていますが、アイヌ達の住んでいる牧場に暗雲が立ち込めてきました。アイヌ作品って差別などがあってどうも暗くなりがち。『カムイ健太物語』は知らないでございます。

 かわなひろこ様へ
私はアイヌ語は詳しくないので分からないです。私も知りたい。


言い本身つけた 投稿者:自然派のオッカイポ  投稿日: 5月16日(木)14時53分49秒 PE04.aurora-net.or.jp

 いい本見っけた   自然派のオッカイポです
 コタンの口笛、アレを差別の本に入れてたのを聞いたか見たか、そんな記憶ある。間違いでした? でもアイヌも和人も小説として読んで、余り先入観もなく読んでみれば楽しい本だよね。
 この欄でもフアンいるみたいだし、あの作者も心からアイヌは好きだったようだし。でもあの当時どんなに進歩的な人でも、アイヌ差別に反対した人でも、教育が教育だったから、あの本でも最大限のアイヌ民族への親しみの表現だったと思う。自分も生きなきゃならないしね。これはいまで言う「保身」とちがう、おべんちゃらとも違う、何の作為も企みもない平凡な市民の造った小説と言っていいと思うよ。
 とこで『カムイ健太物語』という小説読んだ? 作者は若岡直樹という人 これが凄い。大雪山の麓で暮らす少年お話だけど、捕らえた羆と遊ぶのは序の口、昔郵便配達で、羆に顔面をかきむしられた、凄い傷跡のある老人のはなしとか、悪童5人組との喧嘩。めっぽう強い健太というウタリがこれまた美少年。じーんと涙が出てくる場面も勿論ある。運動会で高い旗竿に上って血だらけになって傍を直した話し。ぐっとこみ上げてきました。詳しい話しは控えるけど、 一ついいこと覚えたんだ、健太の父がその大雪連峰を眺めて、健太に、ここの雪が解けると3の海に流れていく、世界でもそうはない、とかなんとか、たぶんオホーツク海、日本海、太平洋だと思うけど、ホント十勝連峰と重複するけど、大雪山系だから、これってガッコでも習わなかった。習わなかったことは他にもいっぱい健太はもってる。そんな読んで得した気持ち。大自然がいい。いじめっ子をまとめて面倒見る白樺林の決闘シーンがサイコー。すっとするぜ。読むことを奨める。これって宣伝みたいけど、偽らざる読後の感想です。 かわなかさん アイヌ語もこの著者は詳しいみたい。
では


質問があるのですが 投稿者:かわなひろこ  投稿日: 5月15日(水)02時06分10秒 Ckuki4DS03.stm.mesh.ad.jp

アイヌ語で大好きな気持ちをあらわす言葉、'I love you'や'I like you very much'にあたるものを教えて下さい。アイヌ語についての知識が全くなく恐縮ですが、お返事頂けたら幸いです。


他人の家にお邪魔すると、その家の『匂い』って感じませんか? 投稿者:oripakEsaman(『純血』ではないアイヌ  投稿日: 5月12日(日)15時44分14秒 pl066.nas322.d-nagoya.nttpc.ne.jp

時には、それが線香だったり、洗濯に使う洗剤の匂いだったり、
香水だったりペットだったり、階下の料理店の匂いだったり、
押入れに貯蓄されたサルマタケの匂いだったりしますけどね(笑)。

「いやなにおい」も、それの極端なものではないか、と思いますが…

DOTTIさん、フォローありがとうございます。
おっしゃる通りですね。

私が子供の頃(私はこう見えても、結構若いですよ)
一時期居た家は「アイヌの家屋」でも、北海道の家屋でもないのですが、
上下水道共に、全く完備しておりませんでした。
水道は雨が降ると濁る、清水を引っ張ってきたもので、
トイレはいわゆる「ボットン便所」しかも中に棒の入っていない
「おつりのくるタイプ」でして、これはやっかいでした。

そして、その地域は現在においても大部分が、未だにそうだと聞いております。

しかし、水道水は雨天以外は問題無く使え、大変おいしかったですし、
最近はその辺の土地の水をボトルに詰めて売るくらいですから、ある意味豪華ともいえますね。

トイレスペースは、同じ屋根の下(豪雪地帯です)といえども、
居住空間とは距離を持って隔離されている構造なので、
特に、衛生面での深刻な問題はないようにも思います。
人家が隣り合わせで密集している街中で建てるには、さすがにちょっとヤバイかもしれませんが。
(外側には人力でも回収できるサイズの「汲み取りホール」が板一枚で)
(開口していますので、色々な意味で、都会人が近寄るのは大変危険ですね)

「おつり」は確かに深刻な問題であると認識していますが…



チセの具体的な匂いについてですが、
私も、せいぜい月に数回煙でいぶす程度のチセに言った事がある程度で、
毎日の生活の場で使用されているチセ(今、現実に存在しているとは思えませんが)
に行った事は無く、判りません。

ただ、昔のアイヌの家に訪問した人、あるいは当のアイヌの経験談から、
どんなものであったのかを散見する事が可能ですけどね。

例えば、随分前(100年くらい前?)にアメリカであった、
セントルイス万博にアイヌがチセもろとも「生きた民族博物館」状態で展示された時に、
(これはこれで大いに問題ですが、その話しは今回は置いておきます)
アイヌが生活しているチセに訪問した人が、自叙伝の中で
「彼等は毎日煙で燻された家で生活しているので、ローストビーフのような匂いがした」
と記述しています。

また、
「日本人に見えないし日本語が話せない」
「日本人ではないので義務教育の必要が無い」などの理由で、
子供の頃に引き取られ、日本のスパイとして養成されたアイヌは、
何もかもアイヌのことは忘れてしまって懐かしくないけども、
昔の家の匂いの記憶だけはあって、その匂いをかぐと懐かしいと思ったそうです。
で、その匂いはどんな所で嗅げるかと言うと「スルメを積み上げたような匂い」で、
世界中のいろんな場所で嗅ぐ事が出来て、特に珍しいというものではなかったそうです。

このような記述から、多分昔のアイヌの家屋は、燻製のような匂いがしていて、
そしてそれは、その当時の世界の環境からしても、けっして珍しいものではなかったようですね。

私もさすがに「ローストビーフのような匂い」がどんなものかは判りませんが、
子供の頃に一時期住んでいた土地が土地だったもので(例の『イノシシの取れる土地』ですよ←笑)
毎日炉で火を燻している家があり、よく遊びに行った記憶があります。

確かに、煙たいですし煤で天井や梁などは黒くなってはいますが、
けっして悪い匂いではないと思います。
また、煙で頻繁に燻すと、屋内は乾燥しますし、
煙や煤には抗菌作用もあり、結構衛生的だと思いますよ。



余談ですが、私が韓国に行ったとき、トイレで「ニンニク臭い」という印象を持ちました。
これは、韓国料理にニンニク使ったものが多い、あるいは俺がタマタマ入ったトイレが、
ニンニク良く食べる人が沢山来るところだった、という意味であって、
「韓国人が臭い」という意味ではありませんね。
誰だって、ニンニク食べた日に出てくるものは、ニンニク臭いですからねェ。

また、私の友人に多い、スパイスを毎日使う人も、
(インド人とか、その手の料理のコックとか)「スパイス臭い」事がありますが、
別に「インド人が臭い」という意味ではありませんね。
私も、毎日そういう料理を食べるか、仕事にしていたら、
自分では気がつかないでしょうが「スパイスの香りのする男」になっているわけでしょうし。

多分、私達がなんとも思っていない日本の「匂い」も、あるんでしょうね。
始めて足を踏み入れた異邦人にしかわからないような、強烈な奴が。
今の私には、臭気としての『和人臭さ』は全くわからなくなっていますけどね。

http://www.alles.or.jp/~tariq/


不衛生? 投稿者:DOTTI(和人)  投稿日: 5月12日(日)06時22分38秒 flets-tokyo5-p027.alpha-net.ne.jp

アイヌの住む家などが不衛生との話しが出てますが
これは「生活習慣の違い」によるものと思います。

そのひとつ
昔のアイヌが住んでいた家の内外には、鮭などの獲物を常時吊るしていたりしてましたから
それらの匂いが不衛生と受けとめられたのではないでしょうか?

匂いと言うものは、その中で暮していれば気になりませんが
部外者(和人)から見ると蔑視の対象になったのでしょうね。

多くの和人がアイヌモシリに押し寄せ、衣食住や言葉まで
その価値観を押し付けていたわけですから。

ちなみに上下水道に関しては、昔は街中ならいざ知らず
ちょっと山間部に入ったら和人もアイヌも、さほど変わらかったと思います。


テロ・拉致をラチがあくまで 投稿者:虎猫  投稿日: 5月10日(金)18時01分04秒 PD19.aurora-net.or.jp

    テロ・拉致をラチがあくまで考えよう
 投稿者:oripakEsaman さん曰くの、パレスチナの闘争がテロでない。と同じ意味で、有本なんとかがいう子(もう娘でもない)が 拉致 で北朝鮮へ行ったのではない。すでに分かりきっていることを、日本のメディア、マスコミは前記の呼び名を平気、無神経に使っている。決して現場の人間、記者、TVレポーターには抵抗あると思うけど(ではなくて、喜んで、肯定的なのかな?)(背に腹は代えられなくてだろうが、)
 この二つを考えませんか?
 テロとは、言葉で定義するより、アメリカのリンカーン、ケネディが殺された形。あるいは多喜二が特高(権力)に殺されたのも入れて然るべきだろう。拉致とは?現韓国大統領金大中氏が日本から連れ去られたあの形を言う(自由を奪われ力ずくで)。 この二つ。権力側が恣意的に使えば本来の言葉の意味も権力が換えてしまうことになる。 たとえば有本某は裁判で明瞭になった通りうまい話に自ら乗って行ったのであって、正しくは詐欺に引っかかった、よく解釈しても被誘拐、つまり誘拐されたのである。裁判で明らかにされた状況が「拉致」なら、日本国中、世界中拉致だらけで ラチがあかない。男女交際、テレクラ、ネット交流い、ずれも拉致である。
 ところで面白い、そのマスコミがナントカ3法案に反対だとキャンペーン中だ。そんな資格あるのかね? 今でさえ権力、体制に媚びを売って、市民大衆にこの二つだけを採っても、ウソを平気で報道しているメディア、マスコミがだよ。(その他新聞、放送どこを視聴しても) ちょと待ってくれ、メディア・マスコミさん。入り口の方を修正してから市民に協力頼め、訴えろと言いたいね。かく言う虎猫無論ブッシューシャロンー小泉ラインがかってのヒトラー・ムッソリニー・東條ラインそっくり世界制覇を目論んだコピー以上の張本人らが言う悪の枢軸だと思いはじめ、確信に近くなっている虎猫だけど。以上 吾輩はその意味で辺見庸氏坂本龍一氏に連帯する。断られても
よろしく。


「コタンの口笛」の問題部分の感想 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 5月10日(金)17時28分20秒 R221026.ppp.dion.ne.jp

偽善者さん、コタンの口笛の抜書き、ありがとうございます。
実はまだ本が手元に届いておらず、振っていただいた話題の確かめ様が無く、
日々悶々としておりました(笑)。 本当に、お疲れ様でした。

抜書きの内容を見ると、基本的に後藤ハツという人の質問の程度が低いので、
野蛮だの不潔だのとの物言いは基本的に、ただの偏見の産物である事は、
ご理解頂けているのではないかと思います。

といってもそれで終了にしては味気が無いので、ちよっと関連する話題をしてみますか。

まず、話しの焦点の一つである「アイヌの家」についてですが、
簡単に作りになっているのは、「家屋葬送」の風習もさることながら、
アイヌの伝統では、新しい夫婦が出来ると必ず家を新築した、という習慣も忘れてはいけませんね。
時代や地方の状態によって色々と差はあるてしょうが、基本的に「昔のアイヌ」の家屋単位は
一世帯一家族、現在でいう核家族のようなものを基本としていたようですね。

「そうする事になった理由」としては…

労働力の組織化や集団化が、ほぼイコールで収入の多寡に繋がる農耕社会と違って、
(つまり家族=労働力、戸籍や家長という習慣は農耕社会で生まれた労働力の管理法ですね)
家族程度の人数でうろうろする事が基本の狩猟採集社会では、労働や生活のパートナー
である家族ごとに分離していた方が、色々とやりやすかったというのがあるんでしょう。

あと「粗末」という言葉は、どうもアイヌの家が足場を組まずに建てられる範囲の
規模で出来ている事を指しているようですね。

確かに、高層住宅や「庭付き一戸建て」などの「豪華であるか」という側面で
比較すれば、明らかに「粗末」であると考えられますが、私は質素でいいと思います。
萱野茂さんの「チセ・ア・カラ」というアイヌの伝統家屋のチセを建てる過程をまとめた写真集を
見ても判りますが、アイヌの伝統家屋は、そんなに作るのに手間がかかる建築物ではないので、
よく燃やしよく建てたんだと思います。

博物館などにある展示物では判りにくいかもしれませんが、実際に機能している
(住んでいる、という意味ではないですけど)チセを見てみると判りますが、
「アイヌ流の生活」をする上では、大変機能的である意味贅沢なものなんですよね。
…つっても、近所にチセの実物があっても、毎日は住みたくは無いですがね(笑)
(チセの実物は、道内では白老・阿寒・旭川などに行けば見られます
(道外では、大阪の民族博物館・愛知県犬山市のリトルワールドなどにありますね)

あと、これも前述の理由に重なりますが、アイヌは狩猟為に家族単位で移動する事も
多かったようなので、お家をデカクしたって意味無い、というのもあると思います。
大家族でピクニックのようにうろついても、獲物が逃げるだけですし(笑)。

実際のアイヌがどのように「狩猟生活」を営んでいたかについては、
砂沢クラさんの自叙伝「クスックプオルシペ」なんかが参考になると思います。
まぁ、アイヌの狩猟生活といっても、この人の生きた時代はそれが変化していく時期だったので、
この本のような生活が完全に「昔のアイヌ」の生活ではないとは思いますが、
山猟へ行くときの描写なんかには学ぶものが沢山ありますね。

ま、理由はともかく、小さくとも家族単位のお家を、というのは、
今の多くの和人の人にとっても、なかなか良い習慣のように思うのですが、
どうなんでしょうね?

あと、この記述では「アイヌの家が不衛生」である事の根拠は、
実は何も提示されていないのですが…
私は、現在の日本人(多くのアイヌ含む)の生活基準である、
上下水道がある程度完備されていて、電気が通ってい、ある程度の機密性のある家を想定して
「そりゃ昔の家は(今の生活に慣れた人が住むには)不潔かも」といっただけで、
同時代の和人の家屋に比べて、アイヌの家屋がそんなに「不潔」であるとは思いません。

偽善者さんが、この記述を元に「アイヌにはかつて不潔であった時代があったのか」
という疑問を持ったとはちょっと思いにくいんですが…?
他にも何か記述があったのではないですか?

まぁ、研究の発表者側のマサさん(当のアイヌ?)が、
「不潔なところは、だんだんと改められていくでしょう」
なんて言っているので、そう思われたのかもしれませんが…
この場合の「不潔」ってのは、多分、フロが無い(これは確かに困りますね、今のアイヌも)
とか、上水道がないとか、壁が萱葺きだとか、そういう意味合いでの
「遅れ」をさしているのではないか、と思います。

下に続きます。

http://www.alles.or.jp/~tariq/


和人の仕事、アイヌの仕事 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 5月10日(金)17時25分55秒 R221026.ppp.dion.ne.jp

現実的には、私自身も今は近代住宅(但し、築20数年)に住んでいますし、
時々住むにはいいてとしても、アイヌの昔ながらのチセに毎日住みたいとは思いませんので、
今の殆どのアイヌの住居が和人(というか近代の人)と同じ形式であるのには、
生活習慣も色々と変わったことですから、緊急に解決すべき切迫した問題はないと思います。

ですが、ここで見落としてはならないのは、その住宅や生活習慣の「改善」や「進歩」は、
アイヌ自身の意思ではなく「強制的な奨励(つまり強制)」によって行われた、という点ですね。

これはつまり、現在の「アイヌ語を話せないアイヌである私(Esamanの事)」
に象徴される、アイヌの家屋や習慣の変化(同化)が、
アイヌ自身が自らの意思での変化ではなく、政府や研究者、一般和人などによる
「立ち遅れた野蛮な事柄」であるというレッテル貼り、あるいは脅迫によって
支えられてきた事を意味すると思います。

ですから、政府や研究者、一般和人には、その事
(アイヌを同化させてしまった事、差別や偏見が残っている事、経済格差が残っている事)
が現在も続いている事に対して、責任を果たす必要があると思います。

「家屋葬送」にしても「刺青」にしても、現代人が行うには困難の伴う話ですから、
同化政策が無くても、結果としては無くなった可能性もうると思いますが、
やはりこれについても、亡くす事を強制された場合と、
アイヌが自らの意思で変化を求めた場合では、随分と結果が違ったと思うので、同様ですね。
(実は「刺青」については「綺麗であった」のとは別な見解も存在します、過去ログ参照)
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Ocean/8242/sampelog/sampelog0985-1004.html


今回偽善者さんが抜書きされたコタンの口笛の記述では、一連の質問のやり取りが、
さながらチャランケであるかのように導かれる書き方がされていますが、
実際には何度読み返しても、後藤ハツの質問内容はしょうもない偏見であって、
「チャランケ(談判とか話合いとか)」であると言えるほどの内容の伴ったものではありません。

そのような「意味不明の事を言う輩」をなんとかするのは、
前述の「政府や研究者、一般和人の責任」を考えると、
実はアイヌの側の仕事ではなく、そういう連中を生み出している側の人間
(具体的な例で言えば、この「質問」の時に現場に居たその他の和人)
の仕事であるはずなんですね。

この程度の「しょうもない話し」を、当のアイヌが
「解説してまわならければないない状況」「闘わなければならない状況」
「チャランケしなければならない状況」「耐えなければならない状況」
を放置している事(人)自体が、極めて差別的なんですよね。
「しょうもない話し」を言い出す人(後藤ハツ)だけが差別をしているのではないのです。

「差別の被害は、差別する者の数ではなく、傍観者の数に比例する」と申します。

http://www.alles.or.jp/~tariq/


「コタンの口笛」より その2 投稿者:偽善者  投稿日: 4月29日(月)21時30分18秒 its0.catv.ne.jp

 「家を焼くことは、迷信かもしれませんが、『忌み』の精神だと思います。」
 「『意味』なんて、ないわよ。」
 「その『意味』ではありません。『忌む』こと、『忌みもの』『もの忌み』などの忌みです。」
 「それがどうしたというの。」
 「家を焼くというのは、主婦への愛情といっしょに、忌みの思想も含まれていると思うのです。つまり死のけがれをはらうという考えもあったのです。この考えは、アイヌにばっかりあったわけではありません。古い時代には、あちこちの地方にあったように聞きました。ジプシーなどにもありました。たとえば、そのグループの一人が亡くなると、その持ち物すべてを車といっしょに焼くといいます。またマニラの人たちも、家人のだれかが亡くなると、悪魔をはらうというので、家を焼きすててしまう風習があったようです。」
 「どこにあるか知らないけれど、みんな文化の程度が低いところばかりらしいわ。」
 「この思想は、あなたたち和人の歴史にだって、あるじゃありませんか。」
 「聞いたことないわよ、そんなこと。」
 「むかし、遷都ということがありました。おふろの銭湯じゃありませんよ。」
 「そのくらいのこと、わかっているわよ。」
 「あれは、こうした理由も含まれているのではないでしょうか。」
 「こじつけだわ。」
 「先ほど、お便所の話が出ましたけれど、和人の家屋のどこに、それがありますか。」
 「ちゃんと方角を決めて作ります。」
 「わたしの知っている和人の家では、床の間ととなりあわせに作ったところがありました、たった一枚の壁をへだてただけで。どうして、神聖な床の間と同じような位置に、もっともけがれたものを作るのか、後藤さんにお聞きします。」
 「そんなこと、むかしからの習慣よ。」
 北村ミチが立って、
 「二人の話しあいは、このくらいにしたらいいと思います。後藤さんの質問は水かけ論的ですが、畑中さんのお話は、よくわかります。」
 と、意見を述べると、後藤ハツは、
 「質問に水かけ論などということなんか、ないわ。」
 と、不服そうにいったので、小山さち子が、
 「畑中さんのお話を聞いていて、ずいぶんおもしろいと思いました。そうして、なんだか、アイヌの人たちのほうが、流行の先端をいっていたように思われるんです。」
 「その流行の先端ってなに?」
 ハツが、さち子にあたってきました。
 「ほら、アイヌの女の人は、入れ墨をしていたでしょう?口のまわりに。」
 「あれなんか、もっとも野蛮だわ。不気味なほどに。」
 ハツが、こういって顔をしかめると、さち子は、おだやかに、つぎのようなことをいいました。
 「でも、アイヌの人たちのあいだでは、あれが美しく見えたのでしょう?和人だって、お歯黒といって、白い歯をまっ黒くそめたこともあったじゃない?それより、今の人たちが、まっかにくちびるを染めたり、つめを塗ったり、色こそちがえ似ています。だんだんくちびるをはみだすほど広く塗ってきて。それから、イヤリングも。アイヌでは、ずっとむかしからやっています。錫とかしんちゅうなどの輪を耳たぶに穴をあけて――。いまの女の人たちは、そのまねか、にせ物みたいです。」
                                   ああ、疲れた。


「コタンの口笛」より その1 投稿者:偽善者  投稿日: 4月29日(月)21時29分23秒 its0.catv.ne.jp

 しばらくしてから見返してみましたが、開き直るのも大人気無いですね(苦笑)。さてと、コタンの口笛の引用です。


 「このことについて質問がないかな。なければ、そろそろこの発表は終わりにしますが――。」
 「先生、一つあります。」
 「なんだね、後藤さん。」
 「アイヌの家は、そまつで不潔ではないでしょうか。」
 マサが立って、すぐ答えました。
 「不潔なところは、だんだんと改められていくでしょう。そまつだということには、理由があると考えます。」
 「どんな理由ですか。」
 「アイヌの家族では、妻や主婦、おばあさんをみんなで尊敬もし、愛してもいるからです。」
 「それは、どんなことなんですか。」
 「もし、妻や主婦、おばあさんが亡くなったときには、おとむらいをすませて、いままで住んでいた家を焼いてしまったのです。それは、妻や主婦などがあの世へいって、住む家がなくては困るだろうと考え、いままで住んでいた家を持たせてやるという気持ちからしたことでした。こうして、妻や主婦の死とともに、家を焼いて転居していた祖先たちは、しぜんに、手軽な家を建てることになったと思います。」
 「家がそまつなのは衛生思想がないからです。アイヌの家の中にちょっとでもはいると、ぷうんと、いやなにおいがするじゃありませんか。」
 「わたしには、いやなにおいとは思えません。」
 「そりゃ、なれきってるからよ。」
 「和人のそばにいけば和人くさいのと同じでしょう。」
 こういってからマサは、しまったと思いました。こんなことで後藤ハツとはりあっては、自分の発表が、かきみだされると考えたからです。〈後藤ハツは、私を感情的にあおっておいて、研究発表をめちゃめちゃにさせてやろうと攻めこんでいるんだ。その手に乗ってはたいへん。〉
 「衛生思想のないのは野蛮的だということになると思います。その一つのあらわれとして、アイヌの家には、お便所もないことです。」
 「お便所はあります。家の中にないだけです。外にあります。かえってこのほうが清潔ではないでしょうか。」
 「それはへりくつです。それに、家を焼くなどということは、とるにたらない迷信で、知能の低いことをあらわしています。」
 アイヌたちが和人にくらべて、いかに劣っているか、また、知能が低いか、といわんばかりの語調でした。
 心臓が、ぐ、ぐ、ぐと、つりあがりました。
 〈だが、待て。わたしたちアイヌ種族にはチャランケがある。後藤ハツの、こんなことばではらをたてでもしたら、こっちの負けになるばかりだ。だてにチャランケ遊びをしてきたわけではない。〉
 マサは、たかぶる気持ちを、やっとおさえました。
 チャランケというのは、アイヌ人どうしで、なにか生活をおびやかすようなことをいいだした者に対して、他の者が論じ合う習慣のことをいうのです。人の生活をおびやかすようなことは、ひいては真意に反することにもなり、神を苦しめることにもなる。チャランケが、コタン裁判のような形をとってきたのも、良し悪しを明らかにしようとした、アイヌ人の真正直さをあらわすようなものでした。
 チャランケで勝った者は、その正しいことを主張するとともに、負けた者は、その非を責められ、ときには、コタンのみんなの意志によって体罰が加えられることもあります。チャランケは、もとより事実の真偽を論じますが、そのときに使うことばにあやまりがあれば、そちらが負けとなるというきまりがありました。和人のことばをまぜて使っても、同様に負けになるというおきてがありました。
 チャランケは、神と人が助けあうといったアイヌ人の信仰にもとづいておこなわれたものであり、彼らの生活権を、おたがいに守ろうとする道義心から、おのずとおこなわれたものでした。
 〈人より劣っている、人より知能が低いなどと、あざけるそのおこないこそ、いいことかわるいことか、考えてみるがいい。〉


色々 投稿者:偽善者  投稿日: 4月25日(木)18時24分36秒 its1.catv.ne.jp

 なるほど、萱野茂さんの師匠でしたか。それならちょっとした有名人ですね。
 4月15日夕刊の記事ですか。いや、いつも注意して新聞見ているわけではないんですが、有名人の訃報をまとめて掲載してありました。

 そりゃあ、私は現在アイヌに対しては無知に近いですよ。私は神奈川に住んでいますが、アイヌについてどのくらい見聞きすると思います?学校では取り上げられた記憶は無いし、たまに新聞で失言のため立場を負われるとか、ダム裁判がどうこうくらいの話ししか聞こえてきませんよ。…あとは「静かな大地」かな?これだけでは現代のアイヌについてほとんど知らないのが当然かと。


葛野辰次郎エカシ死去の新聞記事 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 4月16日(火)21時44分53秒 pl078.nas323.sapporo.nttpc.ne.jp

とりあえず、葛野エカシ死去の記事を載せておきます。
北海道を離れていると、以外とこの手のニュースって入らないもんですから…
--------------------------------------------------------------------------------
アイヌ民族の文化伝承者・葛野辰次郎さんが死去  2002/03/28 11:03

 【静内】アイヌ文化の伝承者、葛野辰次郎(くずの・たつじろう)さんが二十七日午前二時二十三分、呼吸不全のため、入院先
の日高管内静内町内の病院で死去した。九十一歳。同町出身。自宅は同町東別九二ノ六。通夜は三十日午後六時、告別式は三十一
日午前十時から、いずれも同町春立一七九の春立生活センターで。喪主は二男次雄(つぎお)氏。

 葛野さんは幼いころから伝統的なアイヌ民族の風習、生活文化、言葉を身に着けた。アイヌ語で日常会話ができる数少ない一人
で、道内各地の祭事で祭主を務めるなど、アイヌ文化の伝承、保存に尽力し、エカシ(長老)として慕われた。

 また、一九七八年からアイヌ語の著作「キムスポ(山の倉庫)」などを発表。一九八五年に道文化財保護功労賞を受賞、九七年
にはアイヌ文化振興・研究推進機構から第一回アイヌ文化賞を贈られた。

 アイヌ文化研究者の萱野茂さん(75)=日高管内平取町=は「『土を掘れば、石器や土器は出てくるが、言葉は埋もれていな
い』と葛野さんから教えられたのが、アイヌ語教室を開くきっかけとなった。真の大エカシだった」と悼んだ。
--------------------------------------------------------------------------------
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/sch-kiji.php3?&query=アイヌ&dd=20020328&kiji=0028.200203289413
尚、この記事は北海道新聞からの転載です。 元記事はウェブ上にはもうないようですけど。

所で、偽善者さんの見た4月15日夕刊の記事って、どんな奴ですか?
時期的に、訃報いう訳でもないでしょうが…

http://bbs1.otd.co.jp/paetok/bbs_plain?base=589&range=1


葛野さん、知らなかったですか… 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 4月16日(火)21時43分18秒 pl078.nas323.sapporo.nttpc.ne.jp

ハルコロは読んだ事ありますよ。
とりあえず、誰にでも勧められる無難でわかりやすいマンガだと思います。
絶版になっている&続きがありそうな展開で止まっているのが、ちょっと残念ですが。
でも、萱野茂と本田勝一が名前を連ねているマンガって、スゴイですよね。
しかも作者の人ってば、確か名古屋出身では?


さて、
葛野エカシっていったら、萱野茂さんの師匠といってもいい人ですよ。
アイヌ語で日常会話が出来、暗記した言葉ではなくアイヌ語でカムイノミ
(神を送る儀式)を執り行える数少ない大エカシでした。

また、ただ儀式を出来る、言葉が出来る、というだけではなく、
葛野エカシの言葉には独自の世界観があって、
アイヌの宗教世界とか哲学のようなものを体現していた、
といってもいいかもしれませんね。

つっても、別に政治活動していた訳でも、
どっかの役員だったわけでもないので、
まぁ、一般の人は知らなくても仕方が無いでしょうか?
でも「アイヌ業界(なんともいえない言葉ですが、他にいい言葉が無い)」では、
多分5本の指に入る有名人だとは思いますので、
本当に、偽善者さんは現代のアイヌのことはあまりご存知無いんですね。

この人は静内の人で、今のようにアイヌ文化が活発になる前、
二風谷の萱野茂さんや、旭川の川村シンリツ・エオリパック・アイヌさんが、
アイヌ語教室をはじめるより昔に(具体的な年代は年表をご覧下さい)、
自費出版で「キムスポ(倉庫)」というアイヌ語の本を出版した人です。

このキムスポってのは、カムイノミなどをアイヌ語で唱えるためのテキストで、
実際に使う事でアイヌ語の「活保存」を目指してものだそうです。

「土器や石器なら土に埋まっているが、言葉はそうではないんだ」
これは、まだアイヌ語に熱心に取り組んでいなかった当時の萱野氏を
動かした言葉であると伝え聞いています。

じゃあその葛野さんは、若い頃からずっとアイヌ語に熱心な人だった…
だというと、そうではなかったようですね。

「アイヌ群像」という本の中で、アイヌ語が好きな息子さんがいて、
その人が事故か何かで亡くなった時に、あとから
「アイヌ語場話せなくて、何がアイヌか」なんて事を言っていたのを聞いて、
大変ショックで、それを期に頑張った、みたいな事を書いていましたね。

このアイヌ群像って本は、御茶ノ水書房から1995年に出た本です。
この本の内容は事実上「アイヌ英雄列伝」ではありますけども、
現代に生きるアイヌ(皆さんちょっと年配ですが)の、
それぞれの生き様がわかって大変面白い本だと思います。
機会があったら、一度読まれてみてはいかがですか?

まぁ、読んだ結果「お前も、この本に出てくるアイヌの先輩方のように立派にしろ」
なんて言われても「イヨレシレ、カッチャクペェ」としか返答しませんが(笑)

「アイヌには立派な人が多い」のではなく、
「立派な人しか人目につかないから、そう見える」だけの事である事を、
この本の存在を通じて、ご理解いただければありがたいです。

私は「アイヌ群像」の中の「成功したアイヌ達」の生立ちを見るたびに、
「その試練を跳ね返せなかった人々」の影が見えるような気もするんですが…


あと、ついでですが、この葛野エカシの写真は、
ウタリ協会(近日中にアイヌ協会に名前変更予定)の、
全然更新されないHP(業者に依頼してるんでしょうから、しゃあないですが)
のトップにあります。
http://www.ainu-assn.or.jp/index.html
ここに飛ぶと、いきなり出てくるモノクロ画像の、
オンカミしているじいちゃんが、葛野エカシです。

モノクロ画像で白髭のエカシが出てくると、なんだか昔の絵葉書みたいですが、
割かし最近の写真ですので、そこんところ誤解無く。


下記、訃報、葛野辰次郎エカシが死去

http://bbs1.otd.co.jp/paetok/bbs_plain?base=589&range=1


葛野さん 投稿者:偽善者  投稿日: 4月16日(火)14時48分32秒 its2.catv.ne.jp

 気づいているとは思いますが、私は現在のアイヌには疎いもので、「どうですかね」と水を向けられてもハッキリしたことは言えませんねぇ。ただ言われてみると、私の見聞するアイヌは立派なアイヌがやたら多いような気もします。

 ところで朝日新聞4月15日夕刊で、葛野辰次郎さんがなくなったとの記事がありました。有名な方…、なんですよね?ここのHPも見ましたけど、大エカシとしかわからない。私の知っている有名アイヌって萱野茂さんしか知らないし。

 もう一つ、「ハルコロ」は読んだことあります?


静かな大地には、私は随分説明的な連載だという印象を受けました。 投稿者:oripakEsaman  投稿日: 4月15日(月)22時32分30秒 L047019.ppp.dion.ne.jp

まぁ、認知が低いからそうなるんでしょうけど。

>「アイヌは昔からいままでこういった考えがある」という意味で聞きました。
>アイヌは多分多神教に相当するので、他の崇拝対象を崇拝することにこれと言った決まりはないみたいですね。

多分、ほかの宗教についてどうこう、という教えは、ないんじゃないでしょうか?
葬式を仏式とアイヌ式両方でやっちゃうあたりなんか、まさにそれの表れですよね。
他にも、先祖の写真を仏壇に飾って、仏壇の中にイナウを挿したり、
酒を注いだトゥキ(宝物の器)を置いてあるお家もありますからねぇ…

多分、アイヌには税金を徴収する牧師や僧にあたる職業の人がいなかったので、
他の宗教が入ってきても、それで損する人がいなかったというのも、
大きいのではないでしょうか?

まぁ、記録に残っていないので、私達がしらないだけで、
そういった「異教排除」の考えが、アイヌにもあったかもしれませんけど、
インデアンの人達の話しを見ていても、その手の話しはなさそうなので、
そういった確立は低そうですね。


騎兵隊を送るよりも鉄道を、のセリフですが、誰の言葉だったか…
なんかの本の、インデアンの老人の語りの中で出てきたセリフなんですね。
カスター将軍か、彼と同世代の軍関係の人のセリフだと思いましたが…

「静かな大地」は、私も時々読んでいます。
確かに、あれに出てくるアイヌってば、なんだか良い人っぽいですよね。
荒れた人は少ない。
本当は、随分な時代であったはずなんですが…

「英雄物語」も結構ですけど、それがあまり幅を利かせるのは、私は好きじゃぉ無いですね。
何故なら、それによって「モデル・マイノリティ」が形成されて、
それにハマらないアイヌが、肩身が狭い思いをしそうですから。

例えば、「アイヌは争いをしない優しい人間だ」とか
「相手を受け入れるのがアイヌ精神である」みたいな価値観が蔓延してしまうと、
「それはおかしいぞ、コラ」といいたい場面になっても、
「それはアイヌ精神に反する」なんて事になって、足枷がついてしまうんですよ。
これは、実際についたことがあるので、言っているんですけども。
あとは「アイヌってのは人一倍忍耐強い」とか(笑)
…それってば、みんな、和人に都合の良い「アイヌ精神」でもあるんですよね。

本当は、昔のアイヌだって戦争したし、現代人ほどじゃないにせよ、
悪い人だってそれなりにいた訳ですよね。
行いの立派な人を「アイヌネノアンアイヌ」といった称える文化はあったけども、
それは、そうではない人間を(和人に対する民族としての)アイヌではない、
とするものではなかったはずですが、
何故だか、そんな使われ方をする事も、時々あったりするわけですよ。

これは、マジョリティである和人の影響(というか嗜好)が、
間接的にアイヌに響いてきて、分断を起しているのではないのか、
と思うんですが、どうでしょうかね?

http://www.alles.or.jp/~tariq/


とりあえず 投稿者:偽善者  投稿日: 4月15日(月)20時18分02秒 its0.catv.ne.jp

 「アイヌは昔からいままでこういった考えがある」という意味で聞きました。キリスト教などの一神教では他の神を認めていませんが、アイヌは多分多神教に相当するので、他の崇拝対象を崇拝することにこれと言った決まりはないみたいですね。

 「インディアンを滅ぼすには、騎兵隊を送るよりも、鉄道を整備して周辺地域を開拓するのが効果的だ」っていうのは確かに名言ですね。誰のいつ頃の台詞かおわかりになりますか?

 「朝日新聞の記事って」言うのは、2002年4月14日現在朝刊に299回目連載中の「静かな大地」です。

 やっぱり「英雄物語」の方が華々しいし、喜ばしいですよね。特に現代のような暗い世の中では。「没落物語」じゃあこっちもがっくりします。