まず、スペシャルドラマ「坂の上の雲」魅力創出事業についてでありますが、今年度、取り組みを始めました「まつやまエポック事業」に加え、ドラマの放送にあわせたPR事業を積極的に展開することとしておりまして、その内容といたしましては、松山リレー・スイミングマラソン及び松山国際街フェア・松山ロシアハラショー事業を継続して実施するとともに新たな取り組みとしては、種田山頭火没後70年にあわせて一草庵や子規記念博物館を中心に全国山頭火フォーラムをはじめとする様々なイベントの実施を予定いたしております。

またNHKとタイアップしたドラマ関連イベントを行うほか、より効果的な媒体や手段を選択しながら「坂の上の雲のまち 松山」の魅力を広く全国に情報発信していくこととしており、これらの実施にあたりましては1月に設立された「交流人口・産業拡大会議」と連携しながら、より事業効果を高めてまいりたいと考えておりす。

なお総事業費7689万7千円のうち、5100万円は「観光開発等産業活性化基金」を活用したいと考えております。

次に街角おもてなし事業についてでありますが、新たに実施を予定しております「街角演劇委託事業」は、昨年実施した「市街劇人力飛行機ソロモン・松山篇」の実績などを活かし、松山などにゆかりのある人物や伝説などを題材とした寸劇や紙芝居等を参加・交流型で実施していこうとするもので実施場所としては道後地域など観光客で賑わうところを想定しております。

次に「ふるさとふれあい塾」の定員や応募者数等についてでありますが、この講座は松山大学との共催事業であり、大学生と一般市民との人数バランスや教室の収容数との関係から毎年、定員を100人とし募集しております。応募者数につきましては、18年度は267人、19年度は201人、20年度は160人といずれも募集定員を上回る数でありましたが、松山大学側のご配慮によりこれまでも定員以上の受け入れをいただいており、特に今年度につきましては応募者全員に受講いただくことが出来ました。

その結果としてこれまで大学生を含めて700人近い方が「松山観光文化コンシェルジェ中級」の認定を受けられており、観光ボランティアガイドとして或いはタクシー内や各施設など最前線において心のこもった案内サービスをご提供いただいているところであります。今後につきましても応募状況に応じて松山大学や松山商工会議所等共催団体と協議しながらより多くの方が受講できるよう適切に対処してまいりたいと考えております。

次にタクシー乗務員おもてなし研修の受講者数等についてでありますが、市内のタクシー乗務員数は愛媛県ハイヤー・タクシー協会松山支部から約2100人とお伺いしており、研修受講者数は19年度1038人、20年度1025人の方がそれぞれ受講されております。また、受講修了ステッカーは観光客や市民の目に付きやすいタクシーの乗降ドアに貼っていただくよう事業開始当初から各事業所や乗務員の方々にご協力をお願いしているところであります。

次に松山旅行商品化促進事業についてでありますが、一般に旅行をされる方の多くは旅行会社のパンフレット、あるいは新聞紙面やインターネット等に掲載される旅行商品などから旅行情報を入手し内容や日程、価格などの観点から複数の旅行商品を比較し、旅行先を選定していくと言われております。松山方面への旅行商品化へ向けての課題は多岐にわたりますが、これまでに旅行商品を企画・造成する立場の方から指摘された事項を整理いたしますと、第一に「松山は人口規模の大きい都市から離れており、現地に入るまでの移動コストが高く移動時間もかかること」第二に「現地に入ってから観光スポットを回遊するためのシステムが十分に整備されてないこと」第三に「松山旅行に対するお客様のニーズも少なく、売れ筋の商品と比較して、松山の観光資源に絶対的な魅力や目新しさを感じないこと」の三点に集約されるものと考えております。そのような中でいよいよ11月にはスペシャルドラマの放送がスタートし、松山はその主人公ゆかりの地、そしてロケ地でもあり、また本市は従来から「坂の上の雲」をテーマとしたまちづくりを進めているまちであるといった話題性があり、松山が全国から注目を集めてくるものと考えています。この絶好の機会を活用して関係者との粘り強い商談を繰り返し、先に述べました課題の一つ一つを克服しつつ、お客様にとって内容・価格ともに魅力的な旅行商品が企画・造成され、広く販売展開されていくよう取り組みを強化したいと考えております。今後この事業を進めるにあたりましては、お客様を送り出す立場の方や出発地側の視点に立つことが重要であり、きめ細やかなモニタリングを実施するとともに誘客のためのノウハウと実績を有する専門家の助言やサポートをいただきながら誘客を図ってまいりたいと考えております。

次に修学旅行誘致促進事業についてでありますが、本市では修学旅行の誘致を重点取り組み事業と掲げ、これまで民間事業者の方々とともに不断の努力を重ね、また昨年度からは誘致戦略を練り直しながら地域が主体となって地域の資源を磨き上げ、魅力ある体験・交流メニューを構築する一方、広島からの新たな移動手段としての「チャーター船」も提案するなど積極的な誘致活動を展開しておりまして、こうした全ての取り組みの成果として目標とする10校を上回る24校という実績に結びついたものと考えております。

現在、これらの学校の受け入れ対応にも細心の注意を払いながら満足度や安心感を高め訪問活動等を通して継続実施を促す一方、中長期的な視点から今後の誘致に向けた仕掛け作りにも精力的に取り組んでおりまして、具体的には観光交流事業を実施している東松山市、熊本市をはじめ福岡市や愛知県においてもそれぞれ教育委員会や校長会等の協力体制を取り付ける中で既に東松山市や愛知県からは新たな学校の誘致に成功するなどこうした手法の成果も見え始めています。また本市の誘致プランは首都圏、中部・東海地域、九州地域の旅行会社の戦略会議等で説明の機会を与えられるなど高い評価をいただいており今後更なる誘致に向けて確かな手応えを感じているところであります。

次に広域関連事業についてでありますが、本市におきましては「広域観光連携推進協議会」を結成しております、東温市・砥部町はもとより瀬戸内海の対岸の広島地域などとも広域的な観光連携事業を進めております。今後の広域連携事業につきましては、登場人物のゆかりの地やドラマのロケ地など「坂の上の雲」をゆかりの地とした地域に対しても働きかけていくこととしており、その中で内子町との連携のあり方についても検討して参りたいと考えております。

次に外国人宿泊者数についてでありますが、道後温泉旅館協同組合の調査によりますと今年度の道後温泉の外国人宿泊者数は上半期の集計で3106人であり、飛躍的に伸びた19年度同期の宿泊者数3769人と比べますと減少いたしておりましてこれはミュシェラン効果とされる欧州のほか中国、台湾、香港からの宿泊客は増加しているもののウォン安等の影響により韓国からの宿泊客数が大幅に減少したことによるものであります。

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