ヒプノの世界 8






●退行・・・未開封のプレゼント


昔読んだ本を読み返すと、最初に読んだときには受けとれなかった意味が、急にわかることってありますよね。そういう時、初めてその本を読んだような新鮮な驚きがあります。

本は変わったはずないので、まずまちがいなく、自分が変わったのでしょう。受け手が成長しないと受け取れないものがあるんですね。活字は自分が成長するまで待ってくれるからありがたいなって思います。

退行は本を読み直すのと似ています。わたしが自分の出生時トラウマを扱ったとき、孤独だと思っているわたしを、黙って見守っている人たちがいたことに、ヒプノで初めて気づきました。そのときのことが孤独感の原点のように繰り返されていたので、深い癒しになりました。

何もない誰もいないと思っていた場所に本当はあったもの、そういうものに気づくと楽になります。もともとあった水でも、価値に気づくと初めて飲んだかのようにうるおいが体にしみいってきます。

退行って、嫌な思い出を思いだす場合でも、新しい発見ができることがあります。人生がプレゼントしてくれている贈り物をちゃんと受け取って開封していくと、だんだん幸せ者になっていきます。