2019.4.8
前へ
次へ
ホームページトップへ戻る

[新連載]CPLD入門!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いつか使うことになるだろうと思ってはいたのですが。
何を今頃になって、というようなものですが。
ようやく本気で、CPLDと四つに取り組みます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



[第32回]


●Abusolute Maximum Ratings(絶対最大定格)

電流制限抵抗を入れたのに状態が変化しなかったので、さすがにこれはおかしいぞ、と思うようになり、そこではじめて、そういえばMAX7000には一体どのくらいの電流を流せるのか?ということをまだ確認していなかったことにやっと気が付きました。
なんともうかつな話でありました。

そこでMax7000のデータシートで確認してみましたら。

1端子につき最大±25mAと書いてあります。
前回は各セグメント出力ラインに330Ωを追加しました。
今回使った7セグメントLEDのセグメントには2個のLEDが直列に使われているようですので、その分の電圧降下を考えると点灯時には約10mAの電流が流れることになります。
それなら最大定格の範囲内です。
が。
それはセグメント側の端子に流れる電流です(アノード側)。
セグメント電流の出口側(カソード側)には、点灯しているセグメントを合わせた電流が流れます。
そうするとドットを含めた全点灯時にはカソード側に80mAもの電流が流れることになります。
それでやっと思い出しました。
ND80Z3.5の7セグメントLED表示回路のカソード側には74LS145を使っておりました。
74HCナンバーのICでは80mAもの電流は流せないため、その部分にだけ大きな電流を流せる74LS145を使ったのでした。
そういう肝心のことをすっかり忘れてしまっていい加減な回路を作ってしまうのですから、困ったものです。

どうやら原因はそこにあるらしいことがわかりましたから、とりあえずは抵抗の値を大きくしてみました。
最近のLEDは昔に比べると皆高輝度になりましたから、以前ほど大きな電流は必要なくなりました。
そこで330Ωの代わりに2.2KΩをとりつけました。


あとでわかったことですが、ドット(dp)セグメントだけはLEDが1個のようなので、そのラインだけは4.7KΩを使いました。

そのように変更した結果、セグメント電流は1.5mAていどになったはずで、カソード側の電流値も全点灯時で12mAほどになったはずです。

そのようにして電源をONしてみました。

今度はパワーダウンすることなく、無事まともに動作してくれました。
照明を当てて撮影したために7セグメントの表示がはっきり読めません。

遮光フィルムを乗せてみました。

これなら読めますでしょう。
ND80ZSMに接続して、キー入力と7セグメントLEDの表示がND80Z3.5と同じように正しく機能していることが確認できました。

ところで、ここまで7セグメントLEDのカソード側に流れる電流の最大値に注目して書いてきましたが、ND80Z3.5の7セグメント表示回路も今回のEPM7128SLC84による7セグメント表示回路もダイナミック表示を行なっています。
ということは8桁のLEDの1個1個には平均すると上で計算した電流の1/8しか流れていないことになります。
なんとセグメント当たり0.2mAです。
それでも写真のように点灯しているのですから、最近のLEDの高輝度なことには感心してしまいます。

なお、そういうことなら平均電流で最大定格を越えなければいいように思ってしまいますが、それはCPLDについては駄目のようです。
CPLDは高速なのです。
なにしろ今はもう生産を終えてしまったMAX7000Sでさえ最高クロックは150MHzです。
7セグメントLEDのダイナミック点灯はせいぜい数百HzぐらいですからCPLDにしてみれば十分に長い時間固定した電流が流れていることになるので、ダイナミック点灯だから、という考えは通用しないと考えるべきでありましょう。

それはそうなのですけれど、やっぱりもう少し大きな電流を流して、もう少しは明るくしたいと思います。
そこで、また一工夫することになります。

CPLD入門![第32回]
2019.4.8upload

前へ
次へ
ホームページトップへ戻る