復活!CP/M ワンボードマイコンでCP/Mを!
CP/MがTK−80互換のワンボードマイコンの上で復活します
ND80ZVとMYCPU80の上でCP/Mが走ります!
[第265回]
●CPUクロック回路(2)
前回からの続きです。
初めてさわるCPUなのにdatasheetも市販の解説書もろくろく読まないで設計してしまったために、64180(Z8S180も同じ)には動作クロックの倍の周波数のクロックを供給しなければならない、ということなど思ってもみませんでした。
しかし、幸いにして現在の回路を大きく変えることなく供給クロックを倍にできることがわかりました。
ただ4MHzクロック動作に必要な8MHzは20MHzのクリスタル発振からは作り出すことはできません。
5MHzのための10MHzならば20MHzを1/2にするだけですから簡単にできます。
そこで4MHz動作はあきらめて、5MHzでいくことにしました。
時間がありませんでしたので、とりあえずホームページ([第258回])だけUPしておいて、Y様には翌日になってからメールでお伝えするつもりだったのですが、それよりも早く、HPをご覧になったY様からメールが届いてしまいました。
「CPUクロックを10Mhz、5Mhz、2Mhzの3通りと記載されています。
このクロックでも実用十分と思いますが、フロントパネルの表示に 10Mhz、4Mhz、2Mhzと印刷予定です。
もし10Mhz、5Mhz、2Mhzの3通りであればフロントパネルの表記を至急に修正する 必要があります。 」
あわててメールでご返事をいたしました。
「申し訳ありません。
ご連絡もしないで勝手にことをすすめていたわけじゃありません。
こうなってしまったのは、まだほんのつい昨日になってからだったものですから…。」
じつはプリント基板の製作とソフトウェアは中日電工が行いますが、外ケースについてはY様が設計をすすめていらっしゃいます。
当初からクロックは10MHz、4MHz、2MHzでいくことは打ち合わせ済みでしたから、フロントパネルにもそのように印字するよう準備されていても、それは当然のことなのですが、Y様がそこまで進んでみえたとは思ってもいませんでしたから、思わずあせってしまいました。
あ。
フロントパネルには現在選択されているCPUクロックがわかるように、青緑赤の3色LEDで表示するようになっています。
青が10MHz、緑が4MHz、赤が2MHzです。
フロントパネルにはそのことがわかるマーキングが予定されています。
下はY様から送られてきましたフロントパネルのデザイン(一部)です。
あ。
このスイッチの配列を見まして、
「おおっ、こ、これは、ひょっとして!」
と思われた方は、その昔に相当この世界に入れあげていらっしゃった方かと思います。
近日中にその全貌が明らかになります。
乞う。ご期待。であります。
お話を元に戻します。
しかし、考えてみれば、前回書きましたように、8ビットCPUとしては、4MHzにはなじみがあるものの、5MHzというのはちょっと半端なような気がします。
すると4MHzのマーキングを消してまで5MHzにするというのは、なんだかなあ、という気がしてきます。
もとはといえば私の大ポカなのですから、Y様にご負担いただくことではありません。
なんとかならないものかと、もう一度回路図を眺めていましたら。
うむむ。
なんとかなるじゃありませんか。
そこで、急いでまたY様にメールをいたしました。
「なんとかいたします。ですから、フロントパネルの4MHzはそのまま、変更しないでください」
いえ。
手品ではありませんから、このままの回路で、ここから8MHzをつくることはできませんです。
私が注目したのはそういうことではありません。
もともとの仕様ではCPUクロックはリアパネルに設けたディップスイッチの2ビットを使って選択するようになっていました。
2ビットですから4通りの選択ができます。
しかしクロックは3通りですから、もう1つ空席が残っています。
それなら。
4MHzを5MHzに変えるのではなくて、4MHzはそのまま残しておいて、そこにもうひとつ5MHzを追加したらよいのではなかろうか?
その場合、フロントパネルのマーキングは元のままにしておいて、追加した5MHzに対しては緑と赤を同時点灯させることにして、取扱説明書に「それはマーキングしていない隠し機能です」という説明をつければ、それはそれで面白いのではなかろうか、と思いました。
そのように考えたとき、私の腹積もりでは、緑と赤の同時点灯で黄色になる、と思ったのでありますが。
そうはイカのきん○○でありました。
こうやって写真に撮りますとなんとなく黄色っぽく見えますが、肉眼ではLEDのレンズを通して緑と赤の発光体が別々に光っているのがはっきり見えてしまいます。
ちょっと電流制限抵抗の選択が適切ではなくて、緑が勝っていますが、それを補正したところで黄色に見えるわけではありません。
やっぱりこれは電飾のようにずらりと並べて遠くから見なければそのようには見えないのだと思います。
ま、それは誤算でありましたが、ともかく緑と赤が同時点灯することでも、それが5MHzである、という表示にはなるでありましょう。
これがそのように変更したクロック部分の回路図です。
ちょうど余っておりました74HCU04の2ゲートを使って、8MHzクリスタルを発振させました。
おお。
こういうことなら。
何も74HC390など使う必要はありませんね。
74HC73か74HC74が1個あれば十分です。
むむ。
そのように変更することにいたしましょう。
それはともかくとしまして。
こちらが追加した8MHzです。
こんな状態で動くのか?
ええ。
動いておりますですよ。
おかげさまで、いたって健康で、誤動作知らずです。
あ。
Y様からは折り返しメールが届きました。
「まだケースもシルク印刷も発注していませんから、変更は自由にできます。
ですから思い通りに設計をすすめてください」
Y様有難うございます。
でも、そういうことでしたら、なおのこと、この案でいきましょう。
って。
それはよいのでありますけれど。
これでは、もう一回試作版を起こさなければとてもだめでしょうねえ。
完璧のはずの試作版だったのでありますが。
とほほ。
であります。
ワンボードマイコンでCP/Mを![第265回]
2012.12.10upload
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