2012.12.15
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復活!CP/M ワンボードマイコンでCP/Mを!
CP/MがTK−80互換のワンボードマイコンの上で復活します
ND80ZVとMYCPU80の上でCP/Mが走ります

[第268回]


●eneloop

少し前のことになりますが、[第261回]をお読みになったY様からメールが届きました。
「アルカリ乾電池3本でバックアップするとのことですが、それなら繰り返し充電できるニッケル水素電池を使ってみたいと思います」
「三洋のeneloopがすぐれていると思います。近々送りますのでテストしてみてください」

しばらくしましたらY様から単三乾電池3本用の電池BOXとeneloop、それに充電器が送られてきました。


昔乾電池といえば使い捨てが常識だった時代にニッカド電池を広く普及させたのが三洋電機でした。
ちなみにニッケルカドミウム電池というのが正式な名称で、「ニッカド電池」「カドニカ」というのは三洋電機の商標なのだそうです。
eneloopはその三洋電機のヒット商品です。
パナソニックの完全子会社になって、SANYOのブランドは全てPanasonicになってしまいました(とそのように聞いております。本当のところはよく存じません)が、とにかくeneloopについてはまだSANYOのブランドをつけて売られています。

うーん。
慣れ親しんだSANYOブランドがなくなってしまうということでしたら、それはとても寂しい気がいたします。
まあいろいろお家の事情があったこととは思いますが。

アルカリ乾電池は1.5Vですが、ニッケル水素電池はニッケルカドミウム電池と同じく1.2Vです。
ちょっとぎりぎりかとも思いつつ現在アルカリ乾電池2本3Vでのバックアップを続けていて、今のところ特に問題はありません。
ニッケル水素電池ならば当然3本を使い3.6Vでバックアップをすることになると思いますが、おそらく十分であろうと思われます。
せっかく送っていただいたのですからさっそく試してみるとよいのですが、現在ハードおよびソフトの最終的なデバッグ作業中ですので、その作業が一区切りついたときに試してみたいと思います。
それにできればアルカリ乾電池2本3Vでのバックアップという、いわばワーストな条件でのテストを今しばらく継続してみたいというのが、本当の気持ちでもあります。
3Vでのバックアップ、CPUクロック20MHzでの動作というワーストな条件での動作はいわば耐久力テストのようなもので、これにクリアできれば、通常の条件であります、3.6Vまたは4.5Vでのバックアップ、CPUクロック10MHzでの動作に対しての信頼性は非常に確かなものになると思います。

ところでそのeneloopでありますが。
思わぬことで、図らずもその性能を実感させられることとなりました。

つい先日のことなのですが、当記事のためにボードの写真を撮ろうとしまして、このところずっと愛用しておりますCanonのPowerShot A495を使おうとしましたら、あいにくのバッテリ切れになってしまいました。
このカメラには、安物ではありますがニッケル水素電池2本を使っております。
それではということで、予備として充電しておきましたニッケル水素電池と交換してみたのですが、なんとこれもだめでありました。
ニッケル水素電池は自己放電が激しい傾向があってフル充電しておいても1〜2週間で勝手に容量が半減してしまいます。
それはわかってはいるのですけれど、もうひとつやっかいなことにニッケル水素電池はニッケルカドミウム電池と同様に、悪名高きメモリ効果が存在するのです。
メモリ効果といいますのは、電池を完全に使い切る前に充電をすることを繰り返すと、徐々に見かけ上の容量が減少して、フル充電してもすぐに容量不足になってしまう現象です。
たとえばカメラなどでバッテリ切れの表示が出ても完全に電池が空になったわけではなくて、レンズのモーターを駆動させるほどの容量が無くなったということで、その電池でたとえばLEDなどを点灯させてみればまだ十分な量は残っていることがわかります。
ですのでその状態でそのまま充電するとメモリ効果が現れることになります。
これを防ぐには充電前に完全に放電しておいてから充電をするようにするとよいのですが、かといっていきなり大きな電流を流して急な放電をしたりすると電池にダメージを与えてしまいます。
ニッケル水素電池用の充電器には、そのための放電機能がついているものがあって、そのような充電器では充電する前にまず放電してから充電するという方法を選択することができます。
ところが。
私が使っている充電器はその放電機能つきなのでありますが、これがまたやたら放電時間が長いのです。
放電+充電でなんと一昼夜以上かかってしまいます。
実は。
このニッケル水素電池は100円ショップで売られているものでありまして、価格相応の商品といえばそれまでなのですが、それでも充電に時間がかかるということを除けば十分実用になります。
100円ショップで売られているニッケル水素電池については、TTLだけでCPUを作ろう[第701回]に書いておりますのでご参照ください。

あ。
お話が横にそれてしまったようなのですが、つまりそういうことですので、結局時間がかかる充電は早めに前もってやっておくことになり、結果として本当に必要になりましたときにはすでに半分放電してしまっているなどということになってしまいます。

で。
たまたまカメラを使おうとしましたら、あいにくバッテリ切れで、おまけに予備のバッテリも充電してからちょっと日数が経ってしまっていましたので、これまたバッテリ切れという状況になってしまいました。
しかし。
このままでは記事がUPできません。

おお。
そうだった。
新品のアルカリ乾電池が何本か買って置いてあったはず。
そこでさっそく新品のアルカリ乾電池と交換してみましたところ。
なんと。
のっけから「バッテリ切れ」の表示が…。
あ。
アルカリ乾電池は100円ショップじゃありませんよお。
ちゃんとTOSHIBAのロゴがついています。
れっきとしたメーカー品です。

それで思い出しました。
ここ数日当地名古屋でも例年になく早い初雪が降ったりして、真冬なみの寒さが続いております。
その日も結構寒い日だったと記憶しております。
実はアルカリ乾電池は寒さに弱いのです。
ことに冬場のカメラには不向きなようで、そのことを明記しているカメラメーカーもあります。
しかし。
これでは万事休す、であります。
このところ記事をUPするのも休み休みになっておりますから、なんとか写真を撮ってUPしてしまいたいと思ったのでありましたのに。

あっ。そうだった。
Y様から送っていただいたeneloopがありました。
しかし。
今から充電したのでは…。

パッケージをよくよく見てみましたら。
なんと。
「充電済み」と書いてありました。
しかも。
「充電して5年後でもすぐ使える!」
「自然放電が少ないのはeneloop」
と書いてあるではありませんか。


いや。
それは、ほんまかいなあ。
半信半疑でさっそくカメラに装着してみましたら。
おお、使える、使えましたよ!
いやあ、さすが。
SANYOのeneloopです。

あ。
三洋のeneloopは掛け値なしにすぐれた製品であることに間違いはないと思います。
しかし、このままでは100円ショップのニッケル水素電池がボロクソです。
確かに自然放電についてはeneloopの敵ではありますまい。
方や5年に対してわずか1〜2週間というのではとても比較にはなりません。
容量もeneloopの1900mAHに対して1300mAHですから見劣りがすることは事実です。
まあしかし、容量はそこそこあれば使えますし、充電後の自然放電が急であるということを除けばこれはこれで結構すぐれものであると思います。
実は。
この記事を書いていて、ひょっとしたら、と思って試してみました。
バッテリー切れになってしまった100円ショップのニッケル水素電池、商品名はVOLCANO NZです(なんともすごい名前です)、これを放電させないで充電してみたら、急場にも間に合うのではないだろうか?
で。
放電しないで充電してみましたら、ほんの30分くらいで充電が完了しました。
さっそくカメラにセットしてみましたら。
ええ。
使えましたよ。
もう、バッチリです。
100円ショップも決して馬鹿にはできません、です。

あ。もちろんこの100円ショップ品は自然放電が急ですから、メモリのバックアップには全く不向きです。
その点eneloopは5年後でも使える、というのがウリのようでありますから、これはもう、バックアップ用途には最適でありましょう。

ワンボードマイコンでCP/Mを![第268回]
2012.12.15upload

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