2016.9.30
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マイコン独立大作戦
CRTインターフェースボードの製作

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WindowsパソコンにUSB接続して使う現行方式はそれなりに便利ではありますが、ときとしてWindows
のしがらみから開放されて、小さいながらも独立した一個のパソコンとして機能したいと思うこともあります。
昔はそれが普通のことだったのですが、安価なCRTディスプレイが生産中止となって久しい今日ではそれ
は叶わぬことと諦めていたのですが…。
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[第25回]


●MREQとWRのタイミング

前回はND8080のためにMEMWをもとに遅延回路をつくって、それで74HC245と74HC157をスイッチするようにして、その波形をオシロで確認しました。
そしてND80Z3.5については問題ありません、と書きました。
でもやっぱり念のためにND80Z3.5についてもオシロで確認してみましたら。

まさかの波形でありました。

ND80Z3.5も危ないじゃありませんか。
測定ポイントは前回と同じ、上側(CH1)がビデオRAM(62C256)のpin27(WR)で下側(CH2)が74HC245のpin19です。
今回はND80Z3.5と接続していますから下側(CH2)はMREQがもとになっています。
MREQの立ち上がりとWRの立ち上がりがほとんど同じです。

ここでやっと思い出しました。
Z80のMREQとWRの関係についてです。
確かMREQの立ち上がりとWRの立ち上がりのタイミングについてははっきりした数値が示されていなかったような…。
うーん。
やっぱりいい加減なことをしないで、何でもデータシートでしっかり確認すべきでありました。

インターネットからダウンロードしたかなり昔のデータシートです。
Z80のタイミングデータです。

[出典]Zilog,Inc. Z8400/Z84C00 Product Specification

問題はMREQの(12)とWRの(32)です。
この2つを下の表で確認すると。

[出典]Zilog,Inc. Z8400/Z84C00 Product Specification

たとえばZ84C0006の場合、12 Clock Fall to /MREQ Rise delayがMax 70nsで、32 Clock Fall to /WR Rise delayもMax 70nsで、クロックからの遅延の最大値はどちらも70nsなのですが、それじゃあ/MREQと/WRの立ち上がりの関係は?といいますと、この数値からは何もわかりません。
実に困ったことなのですが。
今回のCRTインターフェースの場合、WRがMREQよりも早く立ち上がってくれることが望ましいのですが、上のデータからは逆も有りうるとも考えられます。
WRの立ち上がりがMREQの立ち上がりよりも遅い場合には、今回の回路では(MREQが切換え信号になるため)データ、アドレスがOFFになるのと、WRの立ち上がりとが同時ということになります。
さきほどの写真から見ると、ほとんど同時のように見えます。
それって、本当に大丈夫なの?

ということで、ここでやっと62256のデータを確認してみることにいたしました(実に遅い!)。
本当に、今頃になって、です。

こちらも随分古い年代物のデータシートです。

[出典]HITACHI 62256B Data Sheet

上のチャートのtWRとtDHの値を確認します。


[出典]HITACHI 62256B Data Sheet

WRとtDHの値はどちらも最小値は0nsでした。
ということは、アドレス、データのOFFとWRの立ち上がりが同時でもよいということになります。
うーん。
やっぱり確認してみるべきでありました。

ということは。
前回がんばってつくった遅延回路は無駄ということになります。
やれやれ。

結局下のようにMREQとMEMWのどちらかをスイッチで選ぶというシンプルな回路に落ち着きました。


CRTインターフェースボードの製作[第25回]
2016.9.30upload

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