ワンボードマイコンをつくろう!(パソコンの原点はここから始まった)
TK80ソフトコンパチブル!8080、Z80マシン語からBASICまでこれ1台でこなせます
[第128回]
●マイコン入門
今は12月ですから、もう5ヶ月ほども前のことになります。
今年(2011年)の7月に、TK−80についての資料をネットで検索していましたら、「マイコン入門(広済堂出版)」という本をみつけました。
もちろん古本です。
30年ほど前の出版です。
その割りにはいい値段でしたけれど、何かの参考にはなると思ってさっそく購入しました。
著者大内淳義氏(故人)はこの本が出版された当時はNEC専務取締役であると紹介されていますが、Wikipediaによりますと、その後にNECの会長になられたとのことです。
ま、この方は重役さんですから、おそらく名義貸しで、実際のところはTK−80の開発スタッフの共著でありましょう。
内容は、もろ「TK−80」の宣伝ブックといった趣のもので、なんとTK−80の組み立て方まで図解してあります。
タイトルの通りの「マイコン入門」ですから、全体の半分以上が「初歩のマイコン知識」の解説に当てられています。
しかし後半になると、いくつかのサンプルプログラムがかなり詳しい解説付きで紹介されていて、私はそういうものを捜しておりましたので、これはなかなかに有り難い買い物でした。
MYCPU80やND80ZVはTK−80ソフトコンパチブルということになっておりますが、実際にTK−80で動いていたというプログラムをみつけて、実際にそれを走らせてみなければ、本当にコンパチなのかどうかはわかりません。
しかし、なにしろ30年以上も昔のものですから、資料を探すのもなかなかに大変です。
私も当時の「I/O」とか「マイコン」とかといった雑誌はたくさん持っていたのですけれど、もうとっくの昔に処分してしまって手元には一冊も残っていません。
せっかく自分で設計して、自分で作ったボードでありますから、やっぱりその昔に実際にTK−80で動いていたというプログラムを入力して、「おお、動く、動く」というところをちょいと感動して味わってみたいものなのですよねえ。
大げさに言いますと、30有余年の時を超えて今ここによみがえる、という感じを味わってみるためには、やっぱりその昔のホンモノのプログラムリストが希求されるのであります。
で。
そのいくつかのサンプルプログラムをざっと眺めてみまして、短いけれど、これはちょいと面白そうだ、というものをみつけましたので、さっそく試してみることにいたしました。
「電子サイレン」というタイトルがついています。
アメリカのパトカーのサイレン風なのだそうです。
TK−80のI/Oポートにアンプ付きスピーカをつないで使うという説明がついています。
これが、プログラムリストです。
当時のことですから、プリンタで出力したままのリストではなくて、活字で組んだようです。
アドレス8214とアドレス822Cのコード47のニーモニックが落ちています。
8218のコード0640のニーモニックも落ちています。
おそらく校正もれでありましょう。
まあ、でも当時は16進コードを直接入力していったわけですから、ニーモニックが落ちていたって実用上は全く問題なかったのでしょう。
上のプログラムリストにつきましては、私が自分自身で再入力したものをお見せすれば問題はないのですけれど、当時の雰囲気をそのままお伝えできれば、という気持ちで出版社様に無断でコピーさせていただきました(ここだけです。他はやりませんのでどうかお許しを)。
さて。
このプログラムをそのままND80ZVに入力しても、ウンともスンとも言ってはくれません。
プログラムは正しく実行されるのですけれど、ハードウェアが違うからです。
ND80ZVはTK−80とソフトウェアコンパチブルなのですけれど、ハードウェアコンパチブルではありません。
ですからこのプログラムのように外部に出力をするようなプログラムはハードに合わせて変更をする必要が出てきます。
本日は時間がなくなってしまいました。
この続きは次回にすることにいたします。
ワンボードマイコンをつくろう![第128回]
2011.12.7upload
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