ワンボードマイコンをつくろう!(パソコンの原点はここから始まった)
TK80ソフトコンパチブル!8080、Z80マシン語からBASICまでこれ1台でこなせます
当記事は2009年11月から「TTLでCPUをつくろう!」というタイトルの もとにほとんど毎日連載をしてきたものを再編集したものです。 2011.7.5
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☆ND80ZV組立説明書
ND80ZVは組立キットです。丁寧な組立説明書がついています。
ND80ZV組立説明書は現在はPDFファイルでダウンロードすることもできますが、ここでは作業途中の写真などもまじえて少しずつ、説明書の内容を紹介していくことにいたします。

[第93回]

ND80ZV組立説明書の続きです。

●V組立

組立の順序は目安です。
この順番でなければならないというものではありませんが、コンデンサやコネクタ、キーなどは背が高いので、先に取り付けてしまうと、ほかのパーツを取り付けにくくなります。
最初にICを取り付けるのは、一番目立つパーツなので、それによって位置の確認がし易くなるからです。
もしもハンダ付けに余り慣れていなくて、いきなりICを取り付けるのは少し不安だ、という方は、練習を兼ねて、先に抵抗を取り付けるとよいでしょう。

●[1]ICの取り付け

 表にしたがって、ICを取付けてハンダ付けをします。ICソケットを取り付けるため、ここではまだ実装しないIC番号もありますから、番号を間違えないようによく注意してください。 ICには、向きがあります。間違えないようによく注意しながら作業してください。 ICはピン数が14ピンのもののほかに16ピン、20ピンなどいろいろな種類があります。 下の図を参考にして、プリント基板に白色で印刷されているマークや部品番号を良く見て、向きをまちがえないように注意しながら実装してください。
部品番号 部品名 ピン数
IC1 HC174(*1) 16
IC2 HC173(*1) 16
IC3 HC244 20
IC5 ICL3232 16
IC6 HC74 14
IC7 HCU04(*2) 14
IC12 HC126 14
IC13 HC373 20
IC14 HC244 20
IC15 HC138 16
IC16 HC32 14
IC17 HC32 14
IC18 HC126 14
IC20 HC08 14
IC21 LS145 16
IC22 HC175(*1) 16
IC23 HC191 16
IC24 HC04(*2) 14
IC25 HC126 14
IC26 HC00 14
IC27 LMC555 8

(*1)HC173〜HC175は名前が1番違いでよく似ていますから、間違えないように注意してください。
(*2)HC04とHCU04を間違えないように注意してください。
部品番号は基板の上から下へ、左から右に進むようにつけてあります。
IC4、IC8、IC9、IC10、IC11は後でICソケットを取り付けます。IC19は空きです。

部品番号や品名はよく似ているものもありますから、うっかりして間違えることのないように十分注意してください。
部品は全て基板の表側から、端子穴に差し込むようにして取り付けます。
部品番号が白色で印刷されている面が表です。

ICは端子が外に少し広がっているので、そのままでは穴に差し込むことが出来ません(下図)。



そこでICを基板に取付ける前に、机の上などの平らで硬い面に横向きに置いて、ICの端子がほぼ直角になるように上から少し力を加えて整形します。


ICを基板に取付けるときは端子が折れ曲がって穴に完全に入っていない場合がありますから、そのようなことがないかどうかよく確認してからハンダ付けをしてください。

 一般的には、とりあえずICを全部基板にさしてしまってからハンダ付けをするほうが効率的ですが、その場合IC挿入冶具を使ってとりつけたICは、端子のバネが利いていて、ハンダ付けをするために基板を裏返しても、ICが抜けたりはしませんが、手で直角に折り曲げて取付けたICは、基板を裏返すときに、基板からICが抜け落ちてしまいます。
 そうならないようにするためには、ICを基板に差したとき、基板の裏側で、ICが抜けないように、端っこの端子をツメで折り曲げるようにするなどの工夫が必要です。


[参考]ハンダ付けの仕方

 ハンダ付けはコツを飲み込んでしまえば難しいものではありません。
 しかしいいかげんなハンダ付けをしてしまうと、たとえ1箇所でもハンダの付け忘れや、うまくついていないところがあっても、回路は正しく動作してくれません。
 ひとつずつ丁寧にハンダをつけていってください。

 ICやトランジスタ、ダイオードなどの半導体部品は、余りハンダ付けをしつこくしていると、その熱で壊れてしまいます。過度に慌ててする必要はありませんが、手際良くすることと、余り何回もしつこく同じところにハンダの付け直しをしないように注意してください。
 ハンダゴテが十分に熱くなっている状態で、コテ先を海綿などでぬぐってきれいにしてから、コテ先を端子(または部品のリード線)と基板のパターンの接触しているあたりに当てます。
このとき基板パターンと端子(または部品のリード線)の両方に熱が伝わるように、コテ先を当てるのがコツです(下図)。


この状態で一呼吸(1秒〜2秒)ハンダゴテを当てたままにして、基板パターンと部品のリード線の両方を、溶けたハンダがなじむ程度の温度に加熱しておいてから、ハンダゴテの先と基板のランドパターンと部品のリード線が接したあたりのコテ先に糸ハンダの先を当てます。
するとハンダが溶けてスルーホール穴に流れ込みながら、基板裏に山を作るように盛り上がります(下図)。


基板裏に山のようなかたちにハンダがついたら、糸ハンダとハンダゴテをハンダ付けをしたポイントから離します。
こちらは悪いハンダ付けの例です。


ハンダが少なすぎるか、ハンダを早く離しすぎるとテンプラになってしまいます。一見するとついているようですが、しっかりついていませんから、導通不良になります。ハンダゴテのワット数が大きすぎるか、ちょっと安物のハンダ、ハンダゴテを使った場合にはイモハンダになりやすいです。ハンダゴテは25WぐらいまでのIC用を使い、またハンダはヤニ入りのものを使いましょう。
 比較的ハンダ付けに慣れている人で、前頁図の右図のようなハンダ付けをする人がいます。
 ランドパターンがまだ見えていて、ハンダが盛り上がっていません。
 穴の中にへこんだようにハンダの「底」が見えます。
 これもハンダ不足です。導通不良になります。

 これとは逆に、あまりしつこくハンダをつけていると、ハンダ過多になってしまいます。


 スルーホールは基板の裏と表が導体でつながっていますから、裏側からハンダをつけすぎると、余分なハンダがスルー穴を通ってどんどん表側に流れて、表側でダンゴになってしまいます。
 どの程度のハンダの量が適切かは、少しずつハンダ付けをしながら、その都度表側の状態も確認して適量をつかんでください。少しハンダ付けに慣れてくると、大体の適量がわかるようになってきます。

[ICをハンダ付けするときの注意]
ND80ZV基板はスルーホール基板ですから、一度ICをハンダ付けしてしまうと、スルー穴の中までハンダが詰まってしまいます。
普通の道具では、そのようにハンダ付けされたICを外すことは非常に困難です。
ハンダをつける前に、もう一度、品番が間違っていないか、また向きがまちがっていないかを確認してください。
またICをハンダ付けするときは、いきなり全部の端子をハンダ付けしてしまわないで、対角にある2本の端子だけをまずハンダ付けして、ICが抜けかかって斜めになった状態になっていないかどうかも確認してください。
もし斜めになっていても、2箇所を止めただけならば、浮いている方の端子にハンダゴテをあてて、表側から押せば浮きを直すことができます。
問題がないことを確認してから、残りの端子を丁寧にハンダ付けします。
1箇所でもハンダをつけ忘れたり、不完全なハンダ付けをしたり、また回路とショートして気がつかないでいたりすると、正しく動作してくれませんから、早く仕上げようとあせらないで、ゆっくり丁寧に1箇所ずつ確実にハンダ付けをしていってください。

本日は時間が無くなってしまいました。
この組立説明書はWordを使って作成しています。
それをそのままCOPYしてもhtmlには貼り付けることができません。
一旦txtとbmpとxlsに分解してから貼り付けなくてはなりません。
なかなかに手間がかかります。
次回は組立作業中の基板の写真をお見せします。
CPUをつくろう!第595回(2010.8.28upload)を再編集

ワンボードマイコンをつくろう![第93回]
2011.7.5upload

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