標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
[第131回]
●ALUについて
とうとう、というか、やっと、というか、いよいよ「ALU」の説明です。
「TK80」で回り道をしてしまったので、遅くなってしまいました。
ALUはArithmetic Logic Unitsの略語です。
その名の通り、そのものズバリ、「算術および論理演算ユニット」です。
CPU(Central Processing Unit中央処理装置)のそのまた心臓部です。
この企画を思いついた当初、最初にみつけたのが、このICです。
●74HC181
National Semiconductor社のデータシート(一部)です。
4ビットですけれど、このIC1個で、キャリー付、無しの加減算と、AND、OR、XORまでできてしまうという、なんともありがたいICです。
でも、Z80すら入手できなくなってしまったという昨今ですから、これはちょっと…。
念のため、仕入先に電話してみたのですが、
「手に入りませんねぇ」
…やっぱり、ね。
しかし、落ち着いて、よくよく考えてみると、もし、これを使ってしまったら、そこのところは、やっぱり「ブラックボックス」のままなので、欲求不満が残ったのでは、ないでしょうか。
論理演算は、そのものずばりのTTLが健在です。
ANDは74HC08、ORは74HC32がぴったりです。ともにポピュラーなICです。
XORは74HC86で、ちょいと知名度が低くなりますが、それでもよく使われるシンプルな2入力ゲートICです。
問題は算術演算のほうです。
しかし、算術演算などというと、びびってしまいますが、早い話が、「足し算」と「引き算」です。
小学校1年生の算数です。
ちなみに、小学校2年生になると、もう九九が登場しますけれど、今回の「つくるCPU」はベースが8080ですから乗算はありません。
足し算と引き算だけなら、なんとかなりそうです。
なんたって小学校1年生の算数なのですから、指を使ったってなんとかなりそうなレベルです。
基本は4ビットです。
ということは、0〜15までの、足し算と引き算です(あれ?指だけでは、足りないか?)。
ALUではありませんが、足し算と引き算だけなら、その名もずばり、「Adder(加算器)」というのがあります。
●74HC283
4−Bit Binary Full Adderです。
これなら、入手可能です。
値段も、高くありません。カウンタやシフトレジスタなどと同じ価格帯です。
National Semiconductor社のデータシート(一部)です。
A1〜A4の4ビットとB1〜B4の4ビットとC0(キャリー)を2進加算した結果がΣ1〜Σ4とC4(キャリー)に出力されます。
クロックは必要ありません。カウンタのように順次加算が行われるのではなくて、全ビット同時加算です。
74HC00や74HC08などと同じように、入力と同時に結果が出力されます(おお、すごい!)。
加算のみで、減算はありません。
ロジックは(”算術、加算”なのに”論理”っていうのも、へんな言い方ですけれど)、上の真理表の通りです。
…って、これじゃ、わからんよー。
ですね。もうちょっと、わかりやすく、書いてくれれば、よいのに…。
まあ、メーカーに言わせれば「技術者なら、このくらい、わかるでしょ」と言いたいのでしょうね。
…ちょいと、説明しましょうか。
…あ。
そういえば、本日は、巷では、クリスマスイブ、なのだそうですね。
私はキリスト教徒ではありませんから、
「ンなもの、カンケイネェ」
と、あっさり無視してしまえばよろしいのですけれど、なにしろ浮世のしがらみで、あんまりなことを言っていると、おうちに入れてもらえなくなってしまいます。
ですので、説明の続きは、やっぱり、クリスマスが過ぎてしまってから、ということにいたします。
2008.12.24upload
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