(ホントは７４ＨＣ、ＣＭＯＳなんだけど…）
［第４４５回］
●ＭＹＣＰＵ８０基板に断線がみつかりました
ＭＹＣＰＵ８０組立キットをご購入いただいた千葉県八千代市のＹＳ様からお問い合わせのメールをいただきました。
「作業６のＩＮＣ、ＤＣＲ回路まで終わったのでさっそくテストしたところ、理解できない異常な現象がおきています」というメールでした。
ＩＮＲ、ＤＣＲを実行させるとレジスタのｂｉｔ７がランダムに変化してしまう、とのことです。
「その異常動作はどのレジスタに対しても同じなので、ＩＮＲレジスタ（７４ＨＣ１９１）の不良ではないでしょうか」というご質問のメールでした。
そのメールにはＩＮＲ命令を繰り返し実行して、レジスタの値を００～ＦＦまで変化させたときに発生した異常値のリストがつけられていました。
それを見ますと確かにｂｉｔ７が１になったり０になったり、かなりでたらめに変化しています。
どうもデータラインのｂｉｔ７が７４ＨＣ１９１の近くで断線しているか、またはハンダ付け不良があるように思われました。
で、そのようにご返事のメールを差し上げましたところ、ＹＳ様から、「断線がみつかりました」というメールが届きました。
「ＩＣ５２（７４ＨＣ１９１）のｐｉｎ９とＩＣ２９（７４ＨＣ２４４）のｐｉｎ１８の間をテスターでチェックしたら導通していなかったので、基板をよく調べてみたら断線がみつかりました。その間をつないだところ、ｂｉｔ７の異常動作がなくなりました」とのことでした。
その部分がわかる回路図はこちら（回路図№１３）です。
そのメールに添付していただいた基板の断線部分の写真です。
７４ＨＣ１９１の９ｐｉｎのライン（内部データバスのｂｉｔ７のライン）が断線してしまっています。
ＹＳ様、大変お手数をおかけしてしまって申し訳ありませんでした。
こんなことはあってはならないことなのですが、なにしろこれだけ大きな基板ですから、こういうことが発生する可能性を心配しておりました。
以前にも同じように断線がみつかったことがありました（［第３６５回］）。
本当はこういうことを避けるためには、チェッカーを用意して配線の導通テストをするとよいのですが、そうするとコストがかかりますから、現在のような価格ではとても供給することができません。
そういった事情もあって、なかには今回のＹＳ様のようにご迷惑をおかけしてしまうことが、今後もでてきてしまうかもしれません。
まことに申し訳ありませんが、そのような可能性もありますから、もし動作テストをしていただいたときに、異常な動作をするようなことがありましたら、まずはメールにてお問い合わせをいただきますようお願いいたします。
ＹＳ様にはご迷惑、お手数をおかけしてしまいましたことを重ねてお詫び申し上げます。
●組立途中の写真を送っていただきました
基板の断線があってお手数をおかけしてしまったＹＳ様ですが、「異常動作が解決しました」というメールをいただいたその日のうちに、「その後作業８まで進みました」というメールをいただきました。
メールに添付していただいた写真です。
ＹＳ様には今回基板の断線で大変お手数をおかけしてしまいましたが、にもかかわらず、ＭＹＣＰＵ組立キットについて、次のような評をいただきました。
お送りいただいたメールから、そのまま引用させていただきます。
グリコは一粒で2度美味しい（古い話題だが）といいますが、MYCPU80は、2度どころではなく様々な美味しさを持っているような気がします。
１．かなりな規模の電子工作をする面白さ
２．作成と動作を通じて、デジタル論理回路を学習、マスターできる面白さ
３．CPUの動作と仕組みが分かる面白さ
４．出来上がった後、歴史的マイコン8080を所有する面白さ
５．TK-80を体験できる面白さ
６．Tiny BasicやCP/Mなどを動かすというマイコン創生期のソフトウエアを体験できるの面白さ（これはそれなりの努力が必要でしょうが）
ＹＳ様。そのように評価していただいて、とてもうれしいです。本当に有難うございました。
こういう声を聞かせていただくことが一番励みになります。
今後ともよろしくお願いいたします。
●ＭＹＣＰＵ８０基板ができてきました
現在ご注文いただいている方のために発注しておりましたＭＹＣＰＵ８０のプリント基板ができてきました。
これから必要な追加修正作業をいたします。
ご注文いただいております札幌市のＡＩ様と横浜市のＪＨ様にはメールにてお知らせいたしましたが、発送までいましばらくお待ちくださいますようお願いいたします。
今回はもう少しＮＤ８０Ｚモニタの機能について説明をするつもりでしたが、そのための準備が間に合いませんでした。
次回にさせていただきます。
２０１０．３．１ｕｐｌｏａｄ
前へ
次へ
ホームページトップへ戻る