標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
[第691回]
●初心者2名が組立に挑戦(その2)
前回は高校時代の同窓生2名を生徒にして、臨時のパソコン組立教室を開催したことについてお話をいたしました。
なにしろパソコンの組立などということには全く縁の無かった二人ですから、みごとに想定外のことをやってくれます。
「あのね。せっかく苦労して書いたんだから、少しぐらいはまじめに組立説明書を読んでよお」
って言ったのですけれど、
「わからん」
の一言で終わりです。
彼らの作業過程をつぶさに観察しながら気がついたもろもろの注意点をメモにした上で、もういちど最初から組立説明書の作り直しです。
ま。確かに、こまごまとがんばって書いたのですけれど、やっぱり文章と図だけで理解するのには限界が…。
ということも感じましたので、せっかく組み上げたものを、またばらしてそれを再び組み立てる過程を順番に山ほど写真に撮って、もう写真だらけで、おまけにしつこいしつこい説明文だらけの説明書になってしまいそうです。
昨日も本日も終日、組立説明書の作成作業にいそしんでおります。
まだ出来あがりません。
ところで、前回は初心者2名が、それほどトラブルもなくすんなりと組立に成功してしまったかのようにさらりと書いたのですけれど、実はそんなもんじゃなかったのです。
ま。もっとも、逐一横から説明しながら、さらに彼らが組み立てていくところを監視しつつ作業を進めていったのでありますから、まあまあ、うまくいくはずなのですよねえ。
で。
A君は組み上がってパワーオンしましたら、みごとに一発で起動に成功いたしました。
ところが、一歩遅れて完成したB君。
パワーオンしたのですけれど、全く動きません。
ファンがぴくりとも動きません。
むむ。
そんなはずは…。
「おい。ちゃんと後ろのSWもONにしたよなあ」
つい疑いの目でもって、ケースの後ろを見ましたら、うう、変だ。どこかがおかしい。
●げっ。電源スイッチが…
わっ。なんだこりゃあ。
とんでもないことに気がついてしまいました。
私が先にサンプルとして組み上げた1台と、そしてA君の組み上げた1台の電源のスイッチと、B君の組み上げた1台の電源のスイッチが…。
みごとに逆だったのです!
こんなのありかあ。
左が私とA君の電源SWで右がB君のです。
げっ。やばい!
もちろん動作しなかった時点でスイッチはOFFにしましたけれど、もしも電源がまともでなかったら一瞬にして全損、ということだって有り得ます。
こりゃあとんでもない不良品だあ。
パーツが無事であることを祈りながら、新しい電源と交換して、もう一度パワーオンしたところ、今度は無事ファンが回り出して、やれやれの完成です。
いやあ。よかった。よかった。
あれ?
今度はまともに動いてくれた、B君の新しく取り付けた電源のスイッチをあらためてよくよく見てみましたら…。
なんだあ。同じじゃないのお。
交換したはずなのに、その交換して新しく取り付けた電源のスイッチも写真右のやつ、つまり動かなかったとんでもない電源と同じスイッチの向きをしていたのです。
こんなことはおそらく日本のメーカーの製品ではありえないことでしょうけれど。
確かに。
彼らにしてみたら、
「どこが問題か?動けばオッケーね」
ということなのでありましょう。
どうやら製造ロットによって異なったタイプのものがあるようです。
む。
だとすると…。
今日になりまして、写真を撮るために、サンプルとして組み上げたものを、また解体してしまったついでに、B君が最初に取り付けて動作しなかった電源を接続して確認をしてみました。
結果は。
ええ。ちゃんと動きましたよ!
なんのことはない。
おそらくB君が電源のコネクタをしっかり差し込んでいなかったのでありましょう。
それを確認する前に電源スイッチの相違に目がいってしまったものですから、てっきり電源の不良品だと思ってしまったのでありました。
まあ。今回は信じられない特殊な事情がからんでおりましたが。
それにしても、一般家電品で、「動かない」という相談、問い合わせで、よくよく確認してみたら「実はプラグがコンセントに差してなかった」というものが相当数あるのだそうですねえ。
もちろん。かくいう私にもときたまそういう経験があったりして。
わっ。
動かん。
いかん。とうとう壊れてしまったか。
あ。…スイッチが入っていなかった。
2010.12.22upload
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